26歳から96歳まで、70年間もの長きにわたり、英国女王という地位を超えて世界の女王という圧倒的な存在感で敬愛されていらっしゃいました。

プラチナジュビリーの祝典を終え、新首相を任命するという務めを果たし終えた後のタイミングでの崩御。最後まで君主としての責任を果たされたのだなあという深い感慨があります。バッキンガム宮殿には二重の虹がかかったようですね。

象徴としての地位を超えてお人柄がなんともチャーミングで大好きでした。個人的には、女王について著書や新聞・雑誌などで多数の記事を書かせていただき、そのたびに新しいことを学ばせていただきました。感謝してもしきれません。

長い長いイギリス史のなかでも、「エリザベスII世時代」はひときわ鮮やかに彩られることでしょう。悲喜こもごものカラフルなできごとがこれでもかと続き、それでも常に女王の不動の安定が「ザ・ユナイテッド・キングダム」を支えてきました。「ワンスタイル・マルチカラー」の女王スタイルさながらに。

ありがとうございました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

“Grief is the price we pay for love”  エリザベス女王が9.11事件の後に述べた言葉です。

一生さんの訃報の前に、オリビア・ニュートン=ジョンの訃報を聞いた。

1980年代の初めに最もよく聞いていたのが、オリビアの「ザナドゥ」だった。一点の曇りなく、希望と明るさと官能に光り輝いているような歌で、時代のムードと完璧にあっていた。今聞いても、あまりの「きれい」さに泣けてくるほど。

A place where nobody dared to go
The love that we came to know
They call it Xanadu
And now, open your eyes and see
What we have made is real
We are in Xanadu
A million lights are dancing
And there you are, a shooting star
An everlasting world
And you’re here with me eternally

ザナドウは当初、ただのバブリーな「場所(ナイトスポット)」として歌われていたかもしれない。でもこの歌詞の抽象度は高い。メロディがきれいであればあるほど、歌詞が魂に響いてくるようなところがある。オリビアの裏声ギリギリの高音の声がそこまで高めていくんですね。

 

The love, the echoes of long ago
You needed the world to know
They are in Xanadu
The dream that came through a million years
That lived on through all the tears
It came to Xanadu
A million lights are dancing
And there you are, a shooting star
An everlasting world
And you’re here with me eternally

Xanadu, Xanadu

 

Now that I’m here
Now that you’re near
In Xanadu

 

前半は一点の曇りもなく光り輝く愛の世界の祝福。後半は哀しみを隠した天の世界にも感じられてくる。

オリビアはザナドゥにたどりついただろうか。すべての人間はそこに近いところにいることを、あらためて思い出させてくれる。

ご冥福をお祈り申し上げます。

 

*Photo: Pradiso Canto.  Rosa Celeste: Dante and Beatrice gaze upon the highest Heaven, The Empyrean.   Gustave Doré

Wikimedia Public domain

10月4日にHPが突然消えてしまい、ワードプレスにもアクセスできないという事態が発生しました。

青ざめて調べてみると、9月末におこなわれたnifty のmysql5.5から5.7 の移行にともない、データベース5.5で作ったものは消滅してしまったとのことでした。そんなこといつの間に。と問い合わせてみると「メールでお知らせしましたし、告知してあります」とそっけなく、失われたデータに関しても責任はもたない、と。お知らせメールをいちいちチェックしていなかった私が悪いということのようでした。

それって自治体などにありがちな「広報に書いてますよね?読まなかったあなたが悪い」みたいなもので、これほどだいじなことはきちんと「届ける」企業努力をすべきではないのか? と一瞬思った私はわがままでしょうか? しかも私は20年来の顧客ですよって言いそうになるのをぐっとこらえ。まあ、私の危機管理能力が乏しかったということなのでしょう。

このHPは過去作品のアーカイブとして作りました。2008年以降の、手元に何とか保存できていた断片を、読者がこれからファッション、メンズファッション、イギリス文化、ラグジュアリー領域のことで調べたいときになにかご参考になることが少しでもあれば、という思いでこつこつとアップロードしてきました。より見やすくするために、今年の5月にリニューアルしたばかりでした。その年月と労力と莫大な経費があっさり消されてしまったというわけでした。

niftyでは「どうにもできません」、終了。ほとんど絶望して文字通り声も出なくなっていましたが、一縷の望みをかけてTwitter で窮状を訴えたら何人かが救いになるヒントを教えてくださいました。こういうときにインターネットのありがたみを感じます。みなさん、ほんとうにあたたかい。

同じような目に遭って復活させたという方のヒントをもとにして、FTPなるものをダウンロードし、その使い方を覚えることから始めて、なんとか自力で古いデータが「存在する」ことを確認できたときには、安心のあまり号泣です。

とはいえ、それを自力で復元することまでは到底無理そうでした。つてをたより、プロフェッショナルな方々のお力により、無事、9月末までのデータを何とか元に戻すことができました…。それが土曜日、9日のことです。私にとっては、救命医に匹敵する方々です。おおげさではなく。ものすごく高度な(と私には見える)専門知識と技術でお助け下さったみなさま、あたたかいことばをお寄せくださった方々、念の念の念のためにバックアップをダウンロードして備えてくださったHP構築の担当者の方々、ほんとうにありがとうございました。

結局、ほぼ一週間、この作業にかかずらうことに。同時にこの時期には仕事の上での手ひどい裏切りが発覚し、ダメージがきつかった……。その間の仕事の遅れを必死に取り戻しております。人の道に背くようなことをしても、必ずしかるべき天誅が下ります。私と私の仕事仲間は自分たちのやるべきことに集中します。彼らの足元にも及ばない高いレベルのものを創って極上の幸福を味わう、これがいちばんのリベンジになると思っています。

(写真はすべて寺家町です。深呼吸しにいくのにもっともふさわしい場所のひとつ)

 

 

 

熱海の土砂流は恐ろしい災害ですね…。泥の津波が、上からものすごいスピードで押し流されてくる。驚く時間もないほどのあっという間。

巻き込まれて犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご家族にお悔やみを申し上げます。家を流され、今も避難されている方々の不安はいかばかりかと拝察いたします。コロナの不安も広がる時期、一日も早く復旧がなされますようにお祈り申し上げます。

 

来日したセルビア選手団からまたひとり羽田で陽性判明。残りの選手は富山県で合宿とのこと。善意あふれる富山の受け入れ先の方々の複雑な不安、内心のパニックはいかばかりでしょうか。なぜこんな明らかなリスクをわざわざ広げてまでオリンピックを開催しなくてはならないのか。納得できる説明がまったくなされず、一般の国民側に度を越した犠牲ばかり強いられることに、怒りさえ覚えます。

 

連日の大雨続きで日照時間も少なく、心身の不調を覚える方も多いのではないかと思います。私も連日締め切りの時期で、こもって一日一社の原稿アップという日が続いて疲れが出てきました。大きな仕事も気になりながら追いつかず。遠くを見ると情けなくなり自己嫌悪に陥りますが、まずは目の前のことに一つずつ没頭していきます。「片づける」という意識があるとミスを出すのです(深く反省、自戒)。

 

こちも好きなウォーキングコース。

中華街~元町~山下公園あたり~関内~みなとみらい、でだいたい1時間ちょっと。途中お茶したりなんだりしているともっとかな。

異国情緒があちこちにあふれており、景色のバリエーションが豊かなので飽きません。

こういう壮麗な建物が店舗になっていたり資料館になっていたり。

チューダー建築っぽい。

よく見るとものすごい建築なんだけど、さりげなく街のなかに溶け込んでいるところがまた味わい深い。

ライトアップされるとまた美しいのですが、あえて逆光でシルエットのみ。

ブランディングにおいて細部にいたるまで徹底的に気を抜かないということは大前提なのですが、

同時に、細部に至るまで「ウチの世界観はこれなのです!」という強い主張がはりめぐらされていると、それはそれで問題がある。

最初はすごいな!と感動するのですが、その後は、なんというか、あまりの主張の強さにおなかいっぱいになるのです。

ある程度、第三者を巻き込めるようなイノセントな余白や静けさがあるほうが、長く付き合える気がします。建物も、商品も、人も。

徹底的にブランディングがなされた形跡のある、とあるホテルと商品ラインナップを見て、そんなことを思いました。「私って、こうなの」という自己規定はほどほどに。笑

このあたりはタイムレスな穏やかさがあり、いつ来ても癒されます。

 

2月のラストスパート、良い一週間をお過ごしください。

Happy Valentine’s Day.

教え子さんたちありがとう。恩返し以上の愛情を返してもらっています。


愛のある寛容な社会になりますように。


透き通った濃いブルーの青空に、白い飛行機が一点(かすかに、おわかりでしょうか)。心なしかスピードもゆったりとして見える。

海外からのゲストもなく、海外へ行く取材もない。代わりに、ズームでは海外の人とより頻繁にやりとりできるし、Clubhouseに入れば市井の人々の英語のおしゃべりが聞こえる。脳内グローバル度はコロナが後押ししたテクノロジーのおかげでかえって広がった。ドメスティックなのかグローバルなのかよくわからない不思議な状況。

「始める」ことのハードルも低くなっている。チャンスがごろごろ転がっているから、逆に何をやらないのか、ストイックに誘惑をスルーし、必要なことを選びきることができる人が、「先」に行くだろう。偏在は必ずしも価値上昇につながらない。

 

昨日はJBpress autograph の原稿のため、21歳、24歳、39歳の男性と、彼らが共通して敬愛する師匠77歳にインタビューさせていただいた。4人それぞれ学ぶことに貪欲で、清潔な印象(人格的に)を与える素敵な方だった。年齢をとわず謙虚に学ぶことを楽しむ人って、まなざしが美しいし、未来に希望を感じさせる。3時間もかかったけれど、後味のすがすがしいインタビューだった。

77歳でも常に社会に心を開いて新しいことを謙虚に学び続けている人は、孫くらいの年頃の人からも慕われ、教えを請われる。リスペクト。

80歳でもわきまえてない人に限って、自分が理解できないことをたなにあげて、わきまえろなどと言う。

Know Your Place.

あの世代の支配層の方たちは意識すらせずそうやって思うがままにふるまってきたのかもしれない。それを指導力と取り違えて。

一方、昨日話した77歳のように、10代とフラットに実のある会話ができて慕われる人もいる。日々の心がけ次第で、老害にならないことだってできるのだ。

閉塞して見える時代にも希望の種を見つけて過ごしていけることは、ほんとうにありがたい。

 

 

 

あけましておめでとうございます。

 

旧年中のあたたかいご交誼に心より感謝申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

初詣を終えるとちょうど初日の出。青い空にひときわ光り輝いて見えました。

 


西側の空には、ほぼ満月が残っています。マレフィセント味のある木々の間に、うっすらと月が見えています。なにがあろうと淡々と上り、また上るために静かに沈む。

みなさまの2021年がお健やかでお幸せに満ちた年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

先日のイブニングセミナーにご参加くださった方の中に、占星術師の青島ひかりさんがいらっしゃいました。

ブログで、このような感想を書いてくださっています。リンクはこちら

 

占星術の視点から見て、これから200年は風の時代になる、と。星の巡りと社会、とりわけファッションに見られる新時代の兆候がリンクしているというのは非常に心強いです。

 

 

昨日の仕事で久々に訪れたシェラトン都ホテル。庭園のライトアップが美しかったです。

来年早々のイタリアフェアに向けて、始動しております。仕事の成否はひとえに人とのご縁にかかっていることを実感すると、世の中のひとつひとつの現象の背後に膨大な網の目のような人のネットワークがあることに想像が及びます。SNSで「人の断捨離」という言葉をちらっと目にしてなんだか胸が痛んだのですが、合わないと思えばそっと距離を置けばよいだけで、なにもモノのように断捨離宣言することはないのでは。よほど毒の強い関係だったら別ですが。思わぬご縁が、忘れたころに活かされる、ということは少なくないのですよ。