集英社クオータリー「kotoba」2021 winter 本日発売です。

連載「スポーツとファッション」第4回は、「アスリートによる大胆な政治的主張」です。

 

まるまる6頁。8000字くらいの長めの論考ですが、デリケートな問題をできるだけ丁寧に扱ってみました。よろしかったらご覧くださいませ。

 

 (Click to amazon)    特集は、司馬遼太郎。ファンは必読です。

 

 

 

以下、恒例の「季節の写真」集。笑 今の季節の高輪の日本庭園です。

グランドプリンス高輪のティーラウンジからの鑑賞+散策がおすすめ。

四季それぞれに違う顔。

角度によっても来るたびに違う顔を見せてくれるのが自然のいいところ。

もう冬ですね。2020年のラストスパート、くれぐれもお気をつけてお健やかにお過ごしください。

岩田健太郎先生が、11月11日の朝にこんなツイートをなさってました。

 

『マナーって難しいですね。日本の医学部にいると、中で「マナー」と称されているものは偉い人のわがままな価値観の押しつけがほとんどです。一度、目上の人に会うとき白衣で行ったら「作業着を着たまま俺に会う気か」と怒られて、なんてめんどくさい人か、と唖然としました。』

憶測にすぎませんので違ったら恐縮なのですが、岩田先生はその時、もしかしたら、ぺらぺらのポリエステルの白衣を着ていらしたのでは? テイラーの技術で作った見るからに上質な「クラシコ」の白衣を着ていかれたら、先方の反応も違ったのでは?とふと思いました。

「白衣=作業着」という反応をする偉い人にもたしかに問題はあるとは思いますが。

 

ここぞのときの服が相手に与える印象、ひいては場に与える効果って、ほんとうに大きいですね。もちろん、もっとも大切なのは本質的に重要な仕事であることには変わりないですが、こうしたささいな印象の差が、翻って自分のキャリアに跳ね返ってくることもあるので、やはり少しの気遣いをするのにこしたことはないですね。

 

私が「クラシコ」の広報担当者なら、すぐに岩田先生に一着、白衣をプレゼントするんだけどな。お似合いになりそう。で、その後の同じ方の反応を聞いてみたいです。笑

ザクロがたわわに実っている樹をまじかに見たのは初めてかも? (記憶力があやしいのでただ忘れているだけかもしれません) とにかく新鮮だった、ザクロの実。

新高輪プリンスホテルのスロープサイド・ダイナー、ザクロの前にあります。「ざくろ坂」というくらいだから以前からあったのですよね

アップにしてみました。この木はプリンスの持ち物ではなく、東京都の公共財だそうです。こんなに成った実はどうするんだろう? おいしそうだし、健康食品としても使えそうですが。

 

NewsPicksでは日本のニュース、海外のニュース、と朝一に飛び込んできたニュースのなかからいろいろピックしてコメントをしております。もしよろしかったらチェックしてみてくださいね。

ベイルートの爆発。広範囲にわたり、凄惨ですね…。火薬庫に引火したとのことですが、立ち上がる雲が原爆を思わせる。100人以上がなくなり、負傷者も多数、30万人が家を失ったとのこと。コロナで経済がたちいかないこの状況で不条理極まりない事故である。あるいはテロなのか。突然に巻き込まれて命を落とす羽目になった方々の悔しさはいかばかりかと思う。ご冥福をお祈り申し上げます。

Beirut City. 2007. Wikimedia Public Domain.

折しも今日、広島に原爆を落とされて75年という日。

 

世界のいたるところに、もちろん日本にも、いつ何が起きてもおかしくない危険が潜んでいる。安全は紙一重、薄氷の上を歩いているようなものだと思う。日本では失策・欺瞞続きの行政のトップが10兆円を保留したまま危機のさなかに雲隠れ?? なぜ国会が開かれない?? 地方自治体のトップが幼稚園児のようなことを言って市場が振り回されている。スケールは小さすぎるけれど、遠景からこの光景を見るとやはり凄惨な図にしか見えないだろうと思う。

梅雨明けしたのもつかの間、明日はもう立秋ですね。暦の上では今日が最後の「夏」。暑さは続きそうですが、せめて自分の頭で考えて、納得できる行動で時間を充実させたいものです。引き延ばしは厳禁。明日はないと思って行動したい(←これは自戒)。

While we are postponing, life speeds by. (By Lucius Annaeus Seneca)

〇集英社インターナショナルのウェブサイトで展開していた「コロナブルーを乗り越える本」が冊子としてまとまりました。

集英社インターナショナルの新書風です。

こんなにきちんとした冊子になるなら、もっとシリアスな文体で書くんだった。「アンケート」として「3冊までご推薦を」とご依頼が来たので、ほとんど反射神経で書いた記憶あり……。もちろん「コロナの日々を耐えている状態に効く本」を意識しておりますが。

他の読み手の方々はすばらしく、回答そのものに力が入ってます。100頁近くあり、これだけでエッセイ集としても読める。

 

一部書店でフリーで配布されているそうです。見かけたらチェックしてね。

 

 

 

 

〇ここしばらく、多様な業界の方々とラグジュアリーに関する議論をしたりインプットをしたりしているのですが。

旧ラグジュアリーが神秘・階級・エクスクルーシブを内包するカソリックだとすれば、新ラグジュアリーは徹底した透明性・リベラルを内包するプロテスタント。

という比喩がひとつあるのですね。

 

ラグジュアリー問題を、ラグジュアリービジネスの方向性としてというよりもむしろ今のところは「個」に帰結する問題としてとらえる私自身がどこに所属するかといえば、やはり両者の妥協の産物である「英国国教会」だと思われます。

よくもわるくも、「中道」なアングリカン・チャーチ。

いずれにせよ、圧倒的な、徹底的な究め方をしないと、いかなる流派のラグジュアリーにもなれない。

新ラグジュアリー論、面白くなりそうです。

(3月に訪れた沖縄です。あ~早く沖縄再訪したい。こんどは本土ではなく島ですね)

 

“He who has a why to live can bear almost any how.” (By Friedrich Niezche)

 

古い書類を片づけていたら、あるあるなのですが、いろいろお宝の発見があって結局片付けがすすまない……。

20年前に文春新書から「スーツの神話」という本を出しているのですが、柴田元幸先生が書いてくださったレビューが出てきました。「本の話」(文藝春秋)2000年4月号。

いまだに、この本を読んだので、と新規の仕事が来るのです。ちなみに絶版で、中古しか流通していません。

続編を書きたいとずっと思っておりましたが、チャンスがないままに20年。忘れたころに、今年、リベンジの機会が到来しました。やはり熱中して向き合っていたこととは、あとになって、思わぬ形でご縁がつながっていくものなのかもしれません。

それにしても、当時の文体の勢いよさからずいぶん丸くなった気がするな。私のクセの強い文体が嫌いだという方の批判の声に引っ張られて、気弱になって書けなくなった時期がありましたからね。しかし、一方、嫌われるその文体こそが取り換えがきかないので続けてください、という励ましもいただいた。そういう方はきちんとした仕事をくださるという形で具体的に応援してくださいました。そういう方々への恩義は忘れていないし、私も、人を励ましたいときは「具体的に」仕事を分担したり役割を担っていただいたりする、ということを心がけるようになりました。

人を故意に傷つけさえしなければ、全方向に好かれようとする努力はしばしば徒労に終わる。薄まった個性は「とりかえ可能」になってしまう。

“Always be yourself, express yourself, have faith in yourself, do not go out and look for a successful personality and duplicate it.” (By Bruce Lee)

 

 

 

 

?21日付の読売新聞連載「スタイルアイコン」です。

JLO ことジェニファー・ロペスについて書きました。


?芳賀徹先生が旅立たれました。大学生のときに、比較文学の授業を受けました。荒っぽいレポートを出したと思いますが、細部に関しては鷹揚で、「こんな才気を大切にしなさい」というコメントだけを添えて返してくださいました。とても励まされて、ごく最近まで保存していました。具体的に比較文学の「何を」教わったのか、内容はさっぱり覚えていないのですが、「どのように」教えていただいたかという語り方や物腰は30年以上経っても忘れていない。「人が人に教える」ことができるのは、具体的情報よりもむしろ「どのように」という在り方なのですね。感謝をこめて、ご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

?斎藤薫さんの名言。「奥ゆかしく相手を傷つけず、心地よくさせる、その結果期せずして相手を引きつけてしまう……それが日本人」「日本人のDNAにある丁寧さと冷静さ、最低限の大人のためのマナーを持って生きれば、それだけで必ず美しさが宿る」「慌てなくていい、がむしゃらにならなくていい」(GINZANISTA Spring 2020 Beauty)    毎朝、読み返してから出かけることにしたいくらい。


義理薔薇でもなんでも、バレンタインデーに薔薇をいただくと嬉しい! ありがとうございました。

 

 

毎年書いていますが、いまだこの日に「チョコもらえなかった」とか言っている男性を見ると、「自分から贈ろうよ」とお声掛けしたくなります(しませんが)。女性からチョコレートを贈るのは日本だけ、しかもそもそも製菓会社のマーケティング戦略から始まった慣習にすぎません。チョコ待ち男性のなんだかなあという姿を見るより、薔薇を抱えた男性が町にあふれる光景を見たいなあ。(だったら海外に住めよ!と怒られそうですが)

全国の花屋さん、来年はさらに強力なキャンペーンを展開してください。

 

もちろん、チョコを贈るのが楽しい!という女性の気持ちもよくわかりますし、経済効果も見逃せないので、それはそれとして並行して残っていてもかまわないと思います。

要は「待ち」の姿勢で一喜一憂するのではなく、主体的に自分の幸福感をコントロールできるよう過ごそうよ、ということですね。

2月のスタートは春を思わせる陽ざしと快晴に恵まれました。

恒例、「1日」には神社へお参りに行きます。シングルペアレントを務めつつフリーランスで仕事を続けることができている幸運に対する感謝を伝えるため。



足りないものを数えたらそれこそキリがありませんが、どん底状況でもとりあえず「ある」ものに感謝して、できることを一つ一つ行動に移していく、というのが不安を解消する唯一の方法です。

 

ウィルスの脅威にも警戒しつつ、日数の少ない2月を大切に健やかに過ごしたいものです。みなさまもどうか最大限の警戒を。

オーストラリアではブッシュの大火事が広がり収まる気配をみせず、アメリカとイランの間で戦争の兆しありで多くの国が無関係ではいられない事態。年頭からテロを起こすような、あの分別を欠いた大統領が核兵器を使わないという保証はどこにもなく、地球レベルで危機が切迫していることを感じます。

ファッションをテーマに語るなんて平和な時代でしかできないこと。地球に平和が訪れるよう、祈ることぐらいしかできないのがもどかしい。自衛隊が激しい紛争の可能性ある地区に派遣されたら日本の平和も完全に保証されるわけではないでしょう。現実は刻々とシビアな方向に向かっているように見えますが、それでも、希望のある2020年となるよう祈願したい。

 

Web LEONでのダンディズムの記事が、Nikkei Style に転載され、本日より公開されています。こちら

こういう時代に念のため振り返っておきたい先人の「ダンディ」として、白洲次郎(拙著では靴下ゆえに非ダンディ認定をしましたが)がいる。白洲次郎は最後まで時代の空気に逆らって参戦に反対して、ぎりぎりまで日英両国の関係者を説得し続けた。結局、それが無理とわかると食糧難を見越して疎開し農業を始めた。召集令状を拒否して兵役につかなかったことで卑怯者呼ばわりもされたが、自分を世のために活かす道は戦後の復興にありと見定め、多大な貢献をする。生前も没後も賛否両論がつきまとう人だが、自分ができることとできないことを見極める分別と、俊敏な行動力は備えていた。

全ダンディ志願者のみなさん。「時代の空気」に鋭敏でありつつ決して空気に流されないよう、歴史の大きな流れを知ってあらためて自戒を。

 何度も推薦しているかと思いますが、白洲次郎の生涯を知るにはおすすめのドラマ。伊勢谷友介さん、「マチネの終わり」にでは英語がイヤミになるちゃらい男の役でしたが、こちらは骨太な英語力を駆使してかっこよすぎるくらい。