前記事の高松さんのアトリエには、雰囲気とマッチした美しい装花が飾られており、取材の間、眼福を味わっておりましたが、これが実はアトリエの近所に住むフラワーアーチスト、廣瀬亜紀さんによるものと知りました。この日の客人(私ですが)を迎えるため、早朝、氷見市まで出かけ、この沙羅の花を摘み取って飾ってくださったのでした。沙羅の花は一日しか咲いていません。今日だけのための装花だったのです。

帰り際に亜紀さんのアトリエ、Petitreveに立ち寄らせていただきましたが、こちらがまたすばらしい世界観で統一された空間で、不思議の国に迷い込んだような夢幻的な雰囲気です。もうすぐ改装されるとのことで、最後にこの場所を目にできたのは幸運なことでした。下のアート写真の手のモデルが亜紀さんで、「花を愛おしみ、花を切る」という矛盾を表現したものだそうです。

ハイアットの「アンバウンド・コレクション」日本第一号として作られた富士スピードウェイホテル、およびホテル内にあるモータースポーツ・ミュージアムを取材しました。詳しくは後日、記事になります。

全く新しい体験のシャワーを丸二日にわたって浴び、充実の取材になりました。ホテルスタッフのホスピタリティ、ミュージアムスタッフの情熱もすばらしかった。お世話になりました関係者のみなさま、ありがとうございました。

kaori.nakano on Instagramでベントレーを360°から撮影してみたリール動画、サーキットの音がわかるホテルから見た動画を投稿しています。また、kaorimode1 on Twitter のほうでは、同動画およびフェラーリをシミュレーション運転している動画をシェアしています(プレスツアーをご一緒した方が投稿)。

「婦人画報」5月号日本のホテル特集。取材を受け、いくつかのホテルについてコメントしました。採用されたのは以下のホテルに関するコメントです。

・ハレクラニ沖縄
・リッツカールトン日光(早朝座禅体験)
・パレスホテル(和田倉の梅干しギフト)
・ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町(バー「レヴィ―タ」)

ほかにも屋久島のサンカラ、宮古島のシギラ、名護市のブセナテラス、小浜島のはいむるぶし、古宇利島のアウェイ沖縄古宇利島、石垣島のANA Intercontinental 石垣リゾート、ニセコのパークハイアットニセコHANAZONOほか、お勧めしたいところはたくさんあります(島ばかりですね…)。日本には夥しい数の島がありますのでまだまだ未開拓の地が多い。っていうか日本そのものが島でした。次のアンケートの機会までさらにアップデートしておきます。

本特集は他の方々のコメントが興味深く、日本のホテルの近年の努力が伺われる特集になっています。

(*中野はもともと文筆業では19歳の時にトラベルライターとしてデビューしています。2017年から5年間はホテルグループのコンサルタントも務めていました*)

Hotel the Mitsui Kyoto. 開業早々にForbes 5 Stars 獲得という驚異的なホテルです。京都の二条城近く、町中にあるのに完璧に外と隔てられた非日常感が演出されています。そもそもの設計がとてつもなく素晴らしかった。
部屋の動線からアメニティにいたるまで、徹底的に考えぬかれており、高レベルなブランディングに背筋がのびる思いがしました。

写真は不可ですが、広い洞窟のようなスパが快適でした。サウナもジャグジーも備え、神秘的な空間で異次元トリップできます。

なによりスタッフのホスピタリティがあたたかくて人間的、というか、マニュアル対応みたいなことをしない。

学びどころ満載の、充実した滞在をさせていただきました。総支配人の楠井学さんはじめスタッフのみなさまに感謝します。

 

 

金沢、ひがし茶屋街あたり。

街並みは情緒があり、写真映え最高です。

映画のセットかと見まごうような…。

照明も考え抜かれています。高い美意識を感じます。

川縁はフィレンツェかという趣きです。

このあたりは本格的な料亭街。へたすると看板も出ていない。

ちょっとなにか食べたり飲んだりしようとすると、痛い目に遭います。歩く分には美しいですが、一見さんが「中に入る」には非常にキビシイ町でございました…。

備後木綿の着物と帯状ベルトは、大阪の音遊。
バッグは京都のカドゥ・ド・ラ・パート・ド・京都。

着付けができなくでもベルトで簡単に着られるように作られてます。そういうカジュアルきものなので、きものポリスさんのチェックはナシでお願いしますね。

富山の散居村地域に10月5日にオープンする「楽土庵」。一足早く取材に行きました。

歴史の継承と地域の幸福、自然との現代的な共存を視野に入れた「新ラグジュアリー」の世界を体現するアートホテルです。

家具一つ一つに、意味とストーリーがあります。お部屋は全3室。すべて異なるテーマで創られています。

詳しくは来月の北日本新聞「まんまる」にて。3ページにわたり紹介されます。

プロデューサーは林口砂里さん。下の写真左です。砂里さんがなにものなのか? なぜこのようなホテルを? というインタビューもあわせて誌面で紹介されます。お楽しみに!

ニセコのラグジュアリーを考える記事、JBpress autograph にて公開されました。

前編 「ニセコHANAZONOリゾートだから実現できる、壮大な光のアートを体感

後編  「根源的で先進的な民主主義。ニセコに独創的なラグジュアリーが生まれる理由

紅葉のニセコ、もう一度行きたいな!

 

今回の名古屋取材では2年前にできたばかりのライフスタイル系のホテル、ニッコースタイルに泊まってみました。

ホテルでゆっくりする時間は全くないけど、快適で気持ちのいい空間で休みたいし、フットワーク軽く過ごしたいし、食事も美味しく楽しみたい、というニーズにはぴったりかもしれません。

解放感のあるおしゃれなラウンジではパソコンを広げてお仕事中の方も。

機能的な部屋には最先端の家電がさりげなく置かれて、BGMも選べ、いまどきの軽快な空気感。

なによりレストランがよくて、取材終えて疲れて帰ってきて、冷たいワイン1,2杯と美味しいおつまみ二皿だけほしい、という要望にもさらっと応えてくれる柔軟な気楽さ。価格も適正で安心できるし、1人でも豊かにリラックスして過ごせるインテリアとあたたかいおもてなしがありました。

結局、到着時のランチ、取材後の夜のワインとお料理、朝食、とレストランは3回利用。スペースにバリエーションがあって広いし、なにより美味しくて飽きません。

ビューもスパもクラブラウンジも不要という予定の詰まったビジネス旅にちょうどいい安心感と合理性があり、いまどきの若い感覚も体感できるユニークなホテルでした。

SUZUSAN のファクトリーも見学させていただきました。

細部まで一点一点、人の手による作業によって製作がおこなわれています。染め上げ、服を作る作業だけでなく、ラベル張りや梱包、発送まですべてここで。歴史の情緒をたたえた有松の町並みに、この絞り染め。

工場の外見も味わい深い。

トップ写真は、左から西谷浩登さん、坂田真実さん、そしてCFOの村瀬史博さん。代表弘行さんの弟さんでもあります。
外気温34度はあろうかという日に歩き回り、エルメスのシフォンスカーフは完全にタオルと化し、ヨレヨレになっておりますが、学びの多い有松でした。

こんなふうに三角形の板を使って染めていく。この工場では体験会なども開催されているそうです。

suzusanのある有松を散策。

歴史的な建物が保存されながら、それぞれ中では今日的なビジネスがおこなわれています。町全体がこのような感じなので、タイムスリップしたような不思議な錯覚におそわれます。とはいえ、村瀬さんたちにとっては「子供のころからふつうにこういう環境のなかにいたので、あたりまえの光景」なんですよね。その「あたりまえ」は、村瀬さんがいったん海外に出てみることで、新しい価値を帯びることになった。自分がもっているものの価値は、いちど「外」の目にさらしてみることでよくわかる。内にこもって同じ価値基準内の評価ばかり気にして小さくまとまり停滞するくらいなら、全然違う価値観のなかに飛び込んでみるのもいいですよ! 私はそればっかりやっているので永遠にアウトローなんですけどね(笑)。

カテゴリー分け不能な新感覚ホテル、ダーワ・悠洛 京都にはスパまであります。

バンヤンツリーが誇る、日本初上陸の8エレメンツ・スパ。青いお茶はバタフライピーですね。
帰る前に一時間の全身トリートメントを受けてきました。ゆったりたゆたうような感覚を与えてくれる高いレベルの施術で、疲れた感情のゴミみたいなものがすっきりデトックスされます。

こちらも、ホテルスパにしてはリーズナブルな価格で、嬉しいような申し訳ないような。

上は朝食。この価格帯のホテルにしては、ほんとにレベルが高い。3段になったドレッシングが出てきたときには楽しくて悶絶しました(笑)。ホテルの滞在時間が短かったのですが、たいへん印象深いホテルステイになりました。あたたかくおもてなしくださったスタッフのみなさまに感謝します。

今回の京都では、ダーワ・悠洛 京都に宿泊しました。先月泊まったギャリア二条と同じバンヤンツリーグループ、という安心感。

三条の町中にあり、外から見ると、ホテルなのかどうかわからない、さりげない佇まいで町にとけこんでいます。

ところが、一歩中に入ると、うわーっと高揚するロビー。吹き抜けの緑に気持ちがのびるだけでなく、和と洋がしっくりなじんで歓迎してくれる感じに、ワクワクしてきます。

お部屋の質感も高い。あらゆるタッチポイントに上質でいきとどいた感性が感じられます。スタッフもフレンドリー、フレキシブルですばらしい対応。このクオリティでこの価格でよいのか?というリーズナブルな価格にも驚いたのですが、浴槽だけないのですね。

シャワーだけで十分という海外ゲストや若いゲスト、多忙なビジネストラベルにはコストパフォーマンスの高い豊かな滞在になると思います。レストランのレベルも高い。 器もお料理もインテリアもいちいちリフレッシングです。


上はランチのコース。炭火焼が得意なシェフで、メインの火入れ加減が絶妙でした。

外からの見た目地味、中に奥深い世界が広がるという意味で、京都らしい隠れ家ホテル。

今年の3月にソフトオープン、6月に本格始動したばかりで、まだあまり知られてません。タクシーの運転手さんも知らなかった。従来のどのカテゴリーにも入らない、異空間が新鮮な穴場ホテル。

京都クリエイティブアッサンブラージュの仕事の続きです。

京大での収録のあとは山内裕先生のご自宅で、山内先生の手料理でおもてなしいただきました。ワインは山内先生と佐藤先生がフランスやイタリアで買い付けてきた稀少なナチュール(インポーターか⁈)。


築100年の建物を、柱を活かしながら最先端のテクノロジーで機能的にスタイリッシュに仕上げられたインテリアには、驚くばかり。キッチンには最先端のテクノロジーが搭載されており、スマホで指示するだけであとは機械がやってくれる、と。

お弟子さんたちはいつもこうして先生宅でごはん食べてるそうです。楽しそう。幸せなお弟子さんたちですね。

 

猛暑の高知で3日間、スーツを着る方を対象にスーツを着てスーツの話を10クールというハードな仕事でした。

おそろしく体力を消耗しましたが、いまここに無心で向き合うとなんとかなった。なんというか、「限界」を一つ越えた感慨があります。

トップ写真は龍馬も泳いだ鏡川。宿泊先のビジネスホテル「ホテル日航 旭ロイヤル」のすぐそばにあり、ホテル最上階のレストランから絶景を眺めることができます。

ホテル全体は昭和感のある古~いホテルなのですが、最上階のレストランは、高知の素材を生かしたサブスタンシャルなお料理を提供してくれました。おしゃれすぎないのが、体力勝負のビジネス一人旅には気楽で嬉しい。

街中にあるので絶景スポットもないですが、光次第で美しいウォーキングコースになります。

右に見える高い建物がホテル日航。星野リゾートさんが買い取られたそうです。リノベして現代に合った感覚のホテルにバージョンアップされるとよいですね。

高知からの帰路はいつもエネルギーを使いつくして観光どころではないのですが、移動中の窓から見える景色に、つかの間の旅気分を味わいます。

パークハイアット ニセコHANAZONO はスケールの桁違いの大きさと雄大な自然、人間的なきめ細やかさを両立させた、すばらしいホテルでした。

多様性と口にするのもバカバカしくなる、30か国スタッフのヒューマニティー。

違いを笑いとばしながら共通することで盛り上がる喜びがあり、心身共にあたたかさに満たされました。


温泉(サウナ完備)、フィットネス、スパ(エステ)完備は当然のこと、豊富なレストランがそろい、レジデンスでの長期滞在でも飽きないようになっています。

ツインルームの羊蹄山側。ビューバスから羊蹄山が見えます。アメニティはLe Labo。ボディローションがよい香りで、香水が不要なほど。

Marvisの歯磨きペーストがついているのも嬉しい。歯ブラシも櫛も木製です。

とにかくスケールが大きく広く、どこを撮っても絵になるし、快適に過ごせるよう作られているので細部を紹介するときりがないのですが、なによりもホテルの格を上げているのが、スタッフのホスピタリティでした。

最高の体験の連続で、魂がのびやかに生き返ったような気分です。お世話になりましたみなさま、ありがとうございました。違う季節にまたぜひ訪れたいニセコ、その印象を強めてくれたのがこのホテルです。

パークハイアット ニセコHANAZONOは、ピエール・エルメとパートナーシップを結んでいます。

定番のピエール・エルメ・パリ アフタヌーンティーを体験しました。


セイボリーから始まる4つのコースにはそれぞれオリジナルモクテルやペアリングされた紅茶、ハーブティーがつき、ハイテンションで盛り上がれます。


ボリュームもかなりありますが、スイーツラバーであれば楽勝の量だと思われます(少食の私は3コース目から満腹してしまい、写真を撮ったあとに部屋にとどけていただきましたが)。

コースごとに変わるお茶、異なるティーポットなど小物も面白くて、飽きない。

新ラグジュアリースタディーズの一環としてツーリズムの現在を探っているうちに、いつのまにかニセコでアフタヌーンティーをしている自分を発見するわけですが、これって、トラベルライターをしていた19歳の頃と同じことをしているんじゃないか、と気づく。成長してないというか、還暦すぎて原点に一周戻ってきたというか。自分としてはこれまでの研究も経験も全部、巨大な網で伏線回収させていく予定でいるのですが、それまで生きていられるんだろうか。スイーツを食べながらビターな気持ちが一瞬、よぎります。機会はすべて神意とみなして受け止め、天に委ねるしかない。

日本ハーモニーリゾートが展開する、HANAZONO ZIP WORLD。7月1日に始まったばかりです。(10月10日まで)

日本最長の2591mのジップラインを体験しました。

山頂まで車で行き(通常はゴンドラなのですが、この時はゴンドラの不都合で車になりました)、通行禁止区域を車で抜けて(かなり緊張します)、トップから3レベルに分かれたジップラインでふもとまで滑り下りてくるのです。

レベル3が「ブラックダイヤモンド スーパーフライ」と称されるコース。ここでは最速時速120キロメートルで1.7㎞を駆け抜けます。

これがどういう感覚であったかについてはメディアで記事化するのでしばしお待ちくださいませ。

スタッフが撮影してくれた私のパホーマンス?映像はインスタグラムのリールでアップしております。

どこを見ても何を撮っても絶景になる、スケールの大きなリゾートです。紅葉の季節にまた機会があることを願いつつ。

ニセコの「道の駅」も花にあふれてかわいい。

「ルピシア」もニセコに本社を移したそうです。

道の駅では、ニセコでとれた野菜や果物が販売されています。長期滞在の方もここで野菜を買い、自炊されたりしているそうです。私もメロンをひとつ買いました(後日「食べごろ」にいただいたら、若返りそうなジューシーなおいしさでした!)


ニセコ町公用車(!)でご案内くださいました、ニセコ町役場の龍さんと百恵さん。龍さんは九州からの移住、百恵さんは名古屋からの移住。ニセコのことを移動中にたくさんお聞かせくださいました。町役場も訪問し、ニセコ副町長の山本契太さんにインタビュー。ニセコの町の民主主義の具体的あり方など、目から鱗のお話。町長の片山さんとお話する予定でしたが、片山さんがコロナ陽性で自宅療養となってしまい、急遽、山本さんにご対応いただきました次第。お話は後日、記事化します。
できたてほやほやの町役場は、木のよい香りがしました。
歓待いただき、ありがとうございました。

ニセコ蒸留所。

昨年、オープンしたばかりの蒸留所です。ニセコの軟水を活かし、ウイスキーやジンなどが作られています。

醸造所は見学可能で、林所長がじきじきに解説してくださいました。所長はもとニセコ副町長です。

モルトはイギリスから輸入。

蒸留のためのマシンはスコットランドから輸入。

「国産ウイスキー」となるまでには3年以上の国内醸造が必要で、倉庫には4種の樽の中で未来の国産ウイスキーたちがじっくり育っています。

左から、ご案内くださいましたニセコ町役場の龍さん、百恵さん、そしてニセコ蒸留所の所長、林知己さんです。龍さんも百恵さんも、ニセコを気に入り移住。ニセコの人口はこんなニセコ愛をもつ移住組のおかげで年々増えているそうです。


バーカウンターもあり、各種のドリンクを楽しめるようになっています。

ここで作られたオホロジンも爽やかでおいしい。定番のオホロジン(左から2本目)に、この季節限定のラベンダージン(左)も数量限定で販売されています。ラベンダーの香りに深呼吸したくなるようなフレッシュなジンです。

2年後、この倉庫もいっぱいになっていることでしょう。どのようなニセコウィスキーが誕生するのか……楽しみですね。

 

北海道初上陸。ニセコ取材です。

新千歳空港からパークハイアット・ニセコHANAZONOのリムジンに乗って延々と続く白樺林を2時間半。途中、林の向こうに見える支笏湖が雄大でした。

一休みしてから、ニセコ町役場の龍さん、百恵さんにご案内いただき、ニセコ髙橋牧場。


余って捨てていた牛乳をアイスクリームやお菓子に加工して販売することで有効利用しようと始まったビジネスが、地元の方々はじめ道内の方々に支えられて大繁盛しているそうです。

北海道もなかなか暑く(でもからっとしている)、撮影中、手に持ったアイスクリームがみるみる溶けるレベル。

トップ写真は羊蹄山です。こちらは牧場の建物のひとつ。

いまは「花の季節」とかで、いたるところに花が。とりわけアジサイがピークでした(ここにはありませんが)。

Forbes JAPAN 連載「ポストラグジュアリー360°」第20回は、観光と新ラグジュアリーの関係をテーマにしました。

「観光とラグジュアリーの未来 雪国の温泉宿ryugonの場合」

ラグジュアリー観光議連」なるものもあるそうですが、一晩一億の世界はたしかに利益を考えるうえでは重要。ただそんな「旧型」とは別に、次世代の価値観にあう新ラグジュアリーの視点でのインバウンドを考えることもこれからは必要なのではと思い、ryugonのプロデューサーである井口智裕さんと、ディレクターのフジノケンさんにインタビューしました。

TOPのうっとりものの写真はフジノさまご提供です。(Forbes掲載のryugon写真もフジノさま。本欄のTOP以外および近辺地域の写真は中野撮影です)

MATCHAの青木優さん、ご紹介ありがとうございました。

後半を書いている安西洋之さんは、観光地の地元民の生活を切り売りして観光ネタとして見せることを「文化の盗用」になぞらえ、注意を促します。たしかに、新ラグジュアリー視点では、地元民のライフスタイルの切り売りを地元民が快く思っていないとすれば、それを消費することは避けたいところ。盲点でした。

フォションホテル京都の「プレステージスイート」が、一日一室限定でコラボルームとして登場します。

フォションピンクがあふれ、HOSOOの西陣織テキスタイルがきらめく空間に、CARONフレグランスの限定デコレーションと、3種のテスターが用意されています。滞在中、テスターの香水は自由に使えます! バスアメニティもフォションで徹底されています。石鹸スタンドに注目。

さらにフォションロゼシャンパーニュとマカロン、加えてCARON からのおみやげが3種もつくというステイプランです。

スイート以外の通常のお部屋でも、コラボアフタヌーンティーセットをお部屋でいただける宿泊プランがあります。

8月1日から8月31日まで。

コラボ期間以外であっても、フォションホテル京都に宿泊するゲストには「グルメバー」がつきます。

部屋の中のシャンパンピンクのクロゼットの中に入っているフォションのスイーツ、すべてお持ち帰り可能とのこと。なんと太っ腹な。

スイーツブティックも華やかで、甘い香りが漂っています。

パリから直輸入されたスイーツやここでしか手に入らない限定品も。

フォションホテル京都はウェルス・マネージメントグループが投資、開発、運営をおこなっています。

ミヤビ・ブランドコミュニケーションズの田中雅之さん(中央)にご案内いただきました。ホテル・ウェルスマネージメントの栢加奈子さんにもお世話になりました。

フィンランド式カプセルホテルから禅コンセプトの隠れ家ホテル、パリの粋を集めたホテルにいたるまで。崩れ落ちそうなレトロ菓子店から洗練を極めたアフタヌーンティーまで。ラグジュアリーの多様なありかたの最前線を体験できた、実りの多い京都滞在になりました。お世話になりましたみなさま、ありがとうございました。

フォションホテル京都×CARON 初のコラボレーションによるアフタヌーンティーのプレス発表会に参加させていただきました。
噂に聞くフォションホテルの、一歩足を踏み入れたときの高揚感はもうとろけそうですね。徹底的にブランディングされた世界はそれはそれで美しいと感じます。(←「新型」「旧型」の中道を行くイギリス国教会の人(笑))
フォションはさすが食に対する圧倒的な自信がうかがえて、アフタヌーンティーはもう、まいりましたというレベルの高さ。

甘い物苦手な私ですが芸の繊細さと味の複雑な奥行きに感動しました。
グランティーマスターの吉川和孝さん。この日の紅茶は「ワンナイトイン京都」。ティールームでは吉川さんがブレンドした紅茶も何種類か提供されています。

南部鉄器のティーポットと、フォション印の砂時計がたまらなくかわいい。
シェフパティシエールの小野寺美江子さん。
こちらはパルフェ・サヴァラン。仕上げにリキュールをかけていただきます。斬新な味わい。

スコーン、ジャム、バターの盛り方もフォション的。すばらしいお仕事ぶりを見せていただきありがとうございました。
この日ものんちゃんとご一緒させていただき、楽しさ3倍増でした。それにしてもフォションのティールームの豪華さときたら。世界観が明確で、「フォションらしさ」で貫かれているのでゴージャスでも全くいやみなく、実に気持ちの良い空間とサービスでした。

二条城前にぽっかりとタイムスリップしたようなお菓子屋さん、その名も「どろぼう」。

レトロ演出ではなく、本気のどレトロ。
奥にはカフェ(と呼んでいいのか)があり、予約制で名物かき氷が食べられる。崩れそうな家屋ですが、えもいえない妖しい情緒があります。

店主は数々の受賞歴あり。

となりは隠れ家的ラグジュアリーホテル、ギャリア二条城京都。このあたりは時代劇撮影が最初におこなわれた地域だそうです。猛暑でも歩いてみると発見できるものがある。古く時代遅れであることを別に負い目に思わない。逆にそれを貫いていることで(開き直るのではなく、自分はこうだ、と)お客様を呼び寄せている。ほんとに強いブランディングとはこういうこと。

ギャリア二条城京都はウェルビーイング、ローカル重視を掲げていて、お料理にも考え方が反映されています。


レストランの名前は、「真蔵(singular)」。トップ写真は、ウェルビーイング・ブレックファーストです。日本各地の土地の恵みが身体にしみわたる感じ。

ディナーですが、素材を活かしたイノベーティブ懐石といった雰囲気のお料理です。目にも楽しい演出が凝らされていました。これはその後に出てくる牛肉を蒸し焼きにしている様子。

着物のハギレに、ナプキンが包まれていました。

一枚、一枚、異なる柄というのがよいですね。

照明も独特で、昼間とはまた違う幻想的な空間になります。

 

こちらは3日目朝の和食。一切の手抜きなしに、素材にこだわり、丁寧に供されていたことに感動を覚えます。

ギャリア二条城京都では、偶然ですが、のんちゃんことフリーアナウンサーの堤信子さんともご一緒になりました。

せっかくの機会でしたので、ノンちゃんとご一緒に、支配人代理の鈴木通晃さんにホテルをご案内いただきました。

武家屋敷の禅の美意識が貫かれ、自然と人の融合、地域らしさを活かすサステナビリティを考慮して創られています。

伝統の保持に関しては、たとえば、黒い琉球畳もそうですが、名栗加工の壁の装飾、さりげない部分での漆使いなどいたるところで見られます。

アートなオブジェは館内に90点。

最上階のスイートルームからは二条城の門が見えます。天皇陛下しか通ることができない門で、大正天皇が最後に通られて以来、閉じられたままだそうです。

二条城の見えるテラスも広々としており、ここで食事をしたりシャンパンを飲んだりできる、と。

ベッドルーム、リビングは一面、ガラス張り。

ミュージアムガラスという透明度の高いガラスが使われており、屋外にいるような解放感があります。

ビューバスも気持ちよさそうですね。

丁寧に解説いただきまして、見ただけではわからなかった細部についての新しい見方を学びました。ありがとうございました。

 

今回、宿泊したのは、二条城のそば、バンヤンツリーグループの「ギャリア二条城京都」。

ロビーには玄武岩が鏡面仕上げされたテーブルが置かれ、外の景色が映り込んでなんとも幻想的な光景になります。

二条城がある環境を生かし、「禅」がコンセプトの装飾がすっきりと置かれています。中央にあるのは、お茶道具。

25室だけの隠れ家のようなホテルで、宿泊に特化しているゆえに、隅々まで徹底したコンセプトで作りぬいてあります。

4階建てで、4階からは二条城が見えますが、1,2階は完全に森の中にいるような感覚を味わわせてもらえます。

武家屋敷がイメージされており、少し高くなった部分は、琉球畳です。靴を脱いでくつろぎます。漆の朱色がアクセントになっています。

 

バスルームも質感が高く、たっぷりと広く深い。

アメニティ、ドライヤー、お茶まわり、すべてにおいて心遣いがあたたかく感じられる、静かで澄んだ緊張感のあるホテルです。

 

マヤホテル一階は、フィンランドのコンセプトカフェ、アールト。

店員さんのひとりもフィンランド人。
ジェンダー平等や人権意識の進んだ国らしく、トイレの性別表示も新しい。(写真4枚目)
飾らないけど質がよい、というすがすがしい美意識が一貫しています。

コンセプトが一貫しているので、ぱっと見て「フィンランドスタイル」とわかる。

短時間の滞在でしたが、多くのインスピレーションを与えていただきました。

フィンランド式ミニマル・イン・京都、を表現したマヤホテル。

フィンランド大使館商務官ラウラ・コピロウさんのおすすめで取材に来てみました。なんとカプセルホテルです。

小屋に見立てた三角屋根が特徴的なデザインのHUT( ハット )と呼ばれる大小2サイズのカプセル全60室。クリエイティブディレクションをハッリ・コスキネンが行なっています。

各部屋にはオリジナルデザインのコンセントプレート、タイマー式調光、ハンガーフック、ハンガーが取り付けられているほか、Marimekkoが制作したテキスタイルが、ロールカーテンやジャガード織りされたベッドリネンなどに使用されています。

共用ラウンジの食器はイッタラはじめ、すべてフィンランド製。(抹茶の道具だけは日本製)

ここからしばしばフィンランド文化の発信も行われているそうです。

ゴミ箱まで同じデザインで統一感があります。シンプル、ミニマル、近未来。フィンランドの異次元ライフスタイルの衝撃でした。

電撃取材にも快く応じてくださいましたマネージャーさんに感謝します。

同行のZ世代は、この世界観を「リミナル」と表現しました。

京都市内では祇園祭の準備が着々と進行中。外気温35度です。

歩くだけでサウナ。

毎回、一から創り上げていくことで伝統が継承される仕組みなのですね。

錦周辺のちょっと面白いと思った光景から。

わらびもちの山。

提灯屋さん。提灯専門店の底力を感じるディスプレイでした。

内科診療所。タイムスリップしたかのような診療所。

お薬屋さん?!

カエルに癒される。

猫まっしぐら。猫関連グッズ専門店。20年ほど前にもこの通りに来た記憶がありますが、かなり変貌していました。外国人バックパッカーが魚屋の店先でビールとイカ串焼きを食べていたりする濃い京都。

取材で猛暑の京都でした。参院選の結果を見て毎度のことながらもやもやします……。

当選された先生方、どうかよい仕事をしてください。

気を取り直して京都ネタをアップします。ガチな仕事ネタは別のメディアにてあらためて。

ミシュラン3年連続一位獲得の京都ラーメン、猪一離れ。初訪問です。

追い鰹だしに和牛トッピングの、和のラーメン。とろろ昆布のトッピングはフリー、スパイス類まで京都っぽい。美味でした。店員さんたちの感じもよい、素敵なお店でした。

湯沢高原パーク。

世界最大級のロープウェイで上ると、雲の上に広がるパノラマが待っています。

はるか下に越後湯沢の駅周辺が見渡せる。雨が降ったり日がさしたり、光次第で高山植物園は白日夢のような世界になります。

 

白日夢的な景色に包まれてみると、「世界」の可能性が広がるように感じられるのですよね。

日々の現実が「広大な宇宙のほんの一部」でしかないとわかると、小さな悩みはどうでもよくなります。悩みですらなかったと気づくというか。

この地点を過ぎるとややきつめの山登りになっていきます。各カーブに小さなお墓や石造があったりして、ひやりとした霊気を感じます。

いかにもな「映え」スポットでなんだかな感はありますが、せっかくなので乗ってみました(笑)。

かなり歩き疲れて戻ると、本格釜焼きピザの店アルピナが目に入ります。

素朴で王道なお料理&ワインですが、運動の後にいただくスパークリングの美味しさはひとしおですね。

ウクライナ事変以降、平和祈願でしばらく禁酒していたのですが、久々にいただきました。なぜかまったく酔わない。

自然のエネルギーや霊気を浴びて、眠っていた本来の野生みたいなものが刺激されました。トレッキング途中、何度か先のわからぬ怖い思いをしました。これを乗り越えて崇高に至るというのがロマン主義1.0の考え方ですが(『新・ラグジュアリー』ロマン主義の章を参照してください)。野生の直感を研ぎ澄まし、崇高の感覚に近づくためにも時々自然の中に身をおくのは大切ですね。

六日町、「龍言」周辺は時間がゆったり流れていて、地域の住人の方もごくあたりまえのように「おはようございます」と声をかけてくれます。

それぞれの家には(さすがに撮りませんが)には、小さな田んぼや菜園や花壇がきれいに手入れされた形でついており、互いを尊重しながら分を守り丁寧に暮らしているという空気感があります。

鴨は近所の人に餌をもらっているためか、人を信頼しておっとり優雅。日本人は本来、こういう生き方で静かな平和を守り続けてきたのではなかったか?

「龍言」メインレストランでの朝食もすばらしく、地元の食材を活かした、ヘルシーで洗練されたお料理の数々を楽しませていただきました。ティピカルなメニューが一切なかったことに驚きがありました。

朝のラウンジサービス。朝食後のコーヒータイムが豊かになります。

ガーデンラウンジに持って行って食後のおやつをいただきました。全ての宿泊客に豊富な飲み物とともにふるまわれます。

夜のカクテルタイムには日本酒と梅酒がフリーで。パブリックスペースは広く開放的で、バラエティに富むように設計されています。

どこもかしこも美しく、裸足で歩けるのも快適。本当に居心地の良いホテルです。

薪の間に鳥が巣をつくっていました。

グローバルな基準でのラグジュアリーホテルとは全く次元を異にする、日本らしい豊かさにあふれた滞在で、歴史と地域につながる新しいラグジュアリーについて、多くを学ばせていただきました。

「龍言」の近辺散策。

朝ご飯前に、六日町の「国指定史跡 坂戸城跡」を目指して歩き始めたところ、実はちょっとした高度のあるワイルドな登山コースでした。

こんなはずではなかった……というくらい登らせられる。

というのも、なにかが引き寄せているとしか思えない感覚で、先へ先へと進まざるをえなくなるんです。

ところどころに小さな神社や鳥居や石像があり、霊気に満ちた世界です。

六日町を見下ろせる、かなりの高さ。けっこうな有酸素運動で、汗だくになります。

たどりついた史跡は「城跡」と書かれた棒が1本立っているだけ。かつての栄華も夢のあと。

人間のはかない栄枯盛衰を何百年も静かに見守ってきた森の声を聴け、という史跡のメッセージですね。しかと聞き届けました。

栄枯盛衰は必定ながら、盛運は必ずしもただ時流に乗ってれば上がるっていうもんでもない。タイトルにしたのはチャーチルのことばです。「凧は風に逆らう時に最も高く上る。風に乗るときではない」。

逆風が来ていると思った時、そこに抗う闘いをすることで、実はのほほんとただ時流に乗っている時よりも高く上ることができるという先人の教え。山を下りるころには、無意識の一部分が覚醒した感覚がありました。こういう場所、世にパワースポットと呼ぶのでしょうか。あまり雑誌などが騒いでない場所というのがいいですね。ほんと、人が少ないのです。

急なミッションが下りてきて(詳しく説明すると長くなるので省略)、銀座での仕事の後そのまま東京駅へ向かい、越後湯沢→六日町へ移動しました。

東京から70分くらいで到着、あっという間です。越後湯沢からの在来線は、完全に「貸し切り」。自分で扉を開けて閉めるタイプのワンマン電車ですが、ほんと、大丈夫なのか経営はと心配になるくらい。

越後湯沢駅前の「中野屋」さんで、へぎそば。超美味。

六日町の「龍言(りゅうごん)」滞在が今回のミッションです。

有形文化財に登録されている豪農の家屋を2020年にリノベしたホテルです。

都市型ラグジュアリーホテルの画一性に疑問をもちはじめた、というかグローバル基準に合わせたホテルには全く新鮮味を感じなくなった身には、かなりワクワクさせてもらえます。


ふるい歴史はそのままに、最新のインテリアやサービスが提供され、快適です。「ああ、これが日本のおもてなしであり日本的なラグジュアリーなんだ……」とじわじわ満足感がくる感覚。

こちらは「クラッシック」タイプ(標準タイプ)の部屋。かなり広く感じます。

パブリックスペースもとても充実しており、目に映るものすべてが美しいように配慮されています。

全ての宿泊客に太っ腹なラウンジサービスがあるのにも感動しました。

東京から1時間半でこんな豊かな場所に行けるとは。熱海、箱根ばかりではなく、(スキー)シーズンオフの越後湯沢や妙高も穴場ですよ。何より人がほんとに少ない。酸素濃度は濃い。きわめて濃い。自然と歴史と現代が調和した、ほんとうによい「匂い」がします。

 

イタリア街ってどういうこと?と訝りつつ、縁あって初めて足を踏み入れた「汐留イタリア街」。


資金の潤沢な企業がイタリア風の建築をしてみました、というタイプの建物が並んでてなるほど、と。

それぞれの建築は素敵で、そこそこおしゃれ感はありますが、「もどき」は永遠に「もどき」だなあ、という勉強をさせていただきました。

すでにあるなにかを「見立てる」なら知的な感じがするけれど、真似を目的とすると「オーセンティック」には永遠になれないのだな。

歩いていたらフィレンツエに行きたくなりました…。もうピッティの季節ですね。

最後にPRです。ZUU ONLINEにて、6回にわたり、『新・ラグジュアリー』からの抜粋記事が掲載されます。

第1回 偏見に満ち、物議をかもす。「ラグジュアリー」とはいったい何か。

第2回 100回通っても買えない超高級時計‥‥‥「戦略」としてのラグジュアリーとは。

第3回 「偽物」で遊ぶことこそ洗練の証? ココ・シャネルの生んだ「偽物」ムーブメント

残り3回は追ってアップされます。

フェイクと「もどき」はまた微妙に違う気がするのですが、追って言語化にトライしてみます。

別府の高台に建つANA Intercontinental Beppu Resort and Spaその2,パブリックスペースです。

プールからは別府の街を一望する眺めを楽しむことができます。結婚式の前撮り写真も撮影されていました。

ロケーションを活かした素敵な建築です。

が、屋久島のサンカラで似たような景色を見たような既視感もあり……。最近のリゾート系ホテルのトレンドがこうなのかもしれません。

露天もすばらしく、サウナもあります。朝と夜で「男湯」「女湯」がチェンジしていました。一方はドライサウナ、もう一方はミストサウナです。絶景を楽しみながらの温泉は最高です。あえてコンサル視点を入れるとアメニティや椅子の高さ、人員配置など気になる点は若干ありましたが、今回はそんな役割は求められていないので、美しかったところを記憶にとどめておきます。

フィットネスルームもよい景色を見ながらエクササイズできる絶好の環境に。

レストランも立地を生かした気持ちの良い環境にあります。テラスでの朝食は快適で、とても美味しくいただきました。スタッフのあたたかいおもてなし、ありがとうございました。

アクセスがやや大変なのですが、プライベートヘリとかリムジンとかを惜しみなく使える方には大きな問題ではないと思われます。バスに頼りたい庶民は、待ち時間や道中を楽しむ心意気が求められます(笑)

そろそろインバウンドも再開しますね。ご発展を心よりお祈り申し上げます!

「ブランディングやりすぎてどこかと同じになってしまった感」を楽しむ?湯布院フローラルヴィレッジの続き。

こちらは、The Hideout.
イギリスものを中心としたアンティークウォッチやインテリア、革製品、クラシックカーのミニチュア、ガジェットなどを扱っています。アンティークのロレックスも。もちろん本物。

不思議の国のアリスの世界観で作られたチェシャ猫カフェ。ベンガルキャットばかりずらりそろってサービス?してくれます。興味ない顔しつつしれっと膝に乗ってくる。キラーテクニックですね。

チェシャ猫のオブジェが散りばめられる館の前に、シュールに鎮座する真実の口」占い。手を入れるとAI?が手相を読んでくれます。「ギャンブル運」が最強と出てきました。いわゆるお金を賭けるギャンブルはまったく経験がありませんが、人生はギャンブル続きかもしれません。勝ってるのか負けてるのかはたぶん最後までわかりません。

ヴィレッジはコッツウォルド風、アリスありフクロウありハイジありローマの休日ありロレックスありコスプレありで、このなんでもありな詰め込み感が日本の得意とするところ? パワーストーンみたいなお守りでもつけて身を守らないとやられそうな過剰さだなあと思ったら、ちゃんとパワーストーンの専門店までありました。

「もどき」は一時的には楽しいですが、本物の満足には程遠いですね。コッツウォルズにますます行きたくなりました。

読者の方から教えていただいたのですが、湯布院はアンチ・別府として作られた温泉街だそうです。そして俗化が進み過ぎた湯布院のアンチとして守られているのが、黒川温泉とのことです。別府→アンチ別府としての湯布院→アンチ湯布院としての黒川。なるほど。系譜がつながりました。ご教示ありがとうございました。

ブランディングのやりすぎなどと苦言を呈しながらも、コッツウォルズをイメージして作られたというフローラルヴィレッジにて、真剣にフクロウさんに遊んでいただきました。

「なんだコイツ」という冷ややかな視線を送られておりますが。

魔法使いのコスチュームまでお借りしました。
フクロウ、ミミズクのみなさまがたとは、手の甲で触れあうことができます。
個性的なフクロウのみなさまとは、目で会話できます。

相性のよい方とはとくに。これ、不思議なことに、実感するんですよ。

こちらのお二方とは結構長い間「会話」していた気がします。目をそらさないで見て、何か語ると、目で反応してくれるんですよね。

同じフクロウでもコーケージャン系? 見た目は本当に多様です。種によって上下の構造はなく、横並びの「違い」があるだけ。人間だって本来はそうなのだ。

こちらはミミズクさん。別格の貫禄があります。

フクロウさんたちは果たして幸せなのだろうか?とまたしても「山地獄」のときと同じ疑問を抱きつつではありますが、まずはここで出会えたことに感謝します。

別府から湯布院へ。高速バスの本数があまりにも少なく、かつ、湯布院から空港までのアクセスも不便すぎて、結局、湯布院には2時間ちょっとしか滞在できないことが判明。(バスがないため早く着きすぎる大分空港には、ほぼなにもないところに2時間強も滞在する必要があることになり……。いったい観光業に携わっていらっしゃる方はアクセスの時間的配慮をしていらっしゃるのだろうか?)

それはさておき。高速バスの窓から見る景色は幻想的でうっとりでした。

前日とうってかわってお天気が今一つで雨もぱらついていましたが、それはそれで霧がかかって幽玄な感じ。

本当ならば湯布院もじっくり見るべきところを見たかったのですが、なにせ2時間しか滞在が許されなかったので、湯の坪街道あたりをほぼ駆け足で見るだけになりました。

情緒のある川べりの道。

期待したのがよくなかったのかもしれませんが、この街道の雰囲気、京都や長野や原宿ぽくてどこか既視感あり……。

いまどきの洗練されたブランディングがなされすぎていて、どこもかしこも同じようなおしゃれ感で、おなかいっぱいになるのです。

一軒一軒はほんとうに素敵なものを扱っているし、頑張ってほしいと思うのですが。

こういうのがおしゃれでしょう、という資本力で「ステキ」にされたお店が延々と続くと、いや、これは京都でも見たから、という感覚が芽生えてくるのはどうしようもなく。

とはいえ、若い女の子たちはそれなりに楽しそうなので、私が場違いだったんだね。失礼しました。

なんて苦言を呈しながらも、その後、まさか真剣に楽しんでしまうことになろうとは…… (続く)。

 

海地獄のとなりに、おまけのように山地獄というのがあるのですが、7大地獄にラインナップされてないのですね。

そのあたりがかえって気になるので、興味津々で入ってみましたら。

アニマル共同体のようなところでした。(平たく言うと、Zooです。)

インドクジャクはずっと羽根を広げて歓待してくれました。写真と鉄格子で美しさが減じて見えるのがとても残念ですが、この造形を考えた神はほんとうに天才だ……と見入ってしまいます。

みなさん、とても人なつこくて、かなりぎりぎりまで接近してくるんですよ。こちらはカピバラさん。

人間の表情みたいですね。人を信頼して、安心しきった表情。飼育者に恵まれているのでしょう。信頼できて安心できる人が周囲にいるということは、もっとも大事なことなのだ思います。というわけでここは「地獄」と対極にある世界といった印象でしたが、動物さんたちにとっては、安心できるけれど行動の制限がされていることは「地獄」なのか? いや、そもそも地獄はそんなに悪いところでもない、人間の善悪判断を超越した「興味の尽きない」概念と言った方が正確なのかもしれません。

 

鬼石坊主地獄。灰色の熱泥の地獄。ぷくぷく膨らんでくる泥が、坊主頭に見えるのでこのように呼ばれるそうです。

温度は99度。ころっと足を踏み外したら文字通りの地獄です。地獄の各様相をいろいろ見ているうちに気分が高揚してくる不思議はいったいなんでしょう。天国のイメージは一つくらいしかないけれど、地獄のイメージは多彩。ダンテ、ミルトン、ブレイクの描いた地獄も永遠に芸術として残っていることを、深く考えてみてもいいかもしれませんね。

“Human beings need to experience hell in this life at least once, to empty themselves of their superfluous accumulations, to reflect on their past conduct, and to contemplate the path ahead.” (by Kon Toukou)

 

 

別府はとにかく交通の便がよくなくて、ANA Intercontinental からバスでふもとを下ろうにも1時間に1本とか2本とか。

結局、炎天下を延々と1時間くらい歩いて鉄輪あたりまで。運動をするよい機会になった、と思うことにします。上は中腹から見上げたホテル。

国指定名勝「海地獄」。このあたりには「7つの地獄」があり、それぞれに特徴があります。海地獄は美しいコバルトブルーの地獄です。

涼しげに見えますが98度。

噴熱を利用した植物園も見ものです。鬼蓮。乗っかれそうな頼もしさ。

蓮の花も咲き誇っています。

バナナも育つ噴熱の力。

 

血の池地獄までは今回、時間の関係で行けなかったのですが、「海地獄」の敷地のなかに、血の池っぽい地獄がありました。

行けなかった他の地獄は「龍巻地獄」「鬼山地獄」「白池地獄」「かまど地獄」。またの機会の楽しみにとっておきます。

今年は横浜の満開の薔薇を見のがしていたのですが、なんとこんなところで薔薇園に出会い、ちょっと得した気分でした。

地獄で仏、ならぬ地獄で薔薇。

祈るときにはエゴを入れないことを大切にする。地獄であれば、いっそう。

“Only those who have been through hell and lived to tell the tale are worthy to be called true human beings.” (by Kon Toukou)

 

 

 

 

ANA Intercontinental から徒歩圏(といっても20分くらい歩く)にある明礬温泉。周辺はいたるところに露天風呂や「ゆ」屋があり、温泉好きな人にはたまらないでしょうね。

こちらでは「湯の花」が製造されています。

江戸時代より行われている「湯の花の製造技術」が、平成18年に国の重要無形民俗文化財に指定されたそうです。

「薬用 湯の花」(since 1725~)は、世界でここでしか作られないそうです。

湯の花小屋という製造施設の内部で、噴気と青粘土を利用して湯の花の結晶を作り出しています。

祖先のクリエイティビティにほれぼれ。感動しました。

さわやかなブルースカイですが、実は濃厚な硫黄の香りに包まれています。

 

 

 

取材で大分。別府を初訪問しました。

バスから見える風景も南国風。

別府駅はすでに硫黄の香り。

路線バスの外も「ゆ」、中もこんな感じで「ゆ」。

ANA Intercontinental Beppu Resort & Spa.に宿泊しました。

別府の街を見下ろす高台に建つ、最近のリゾート建築のトレンドをおさえたホテルという印象です。

「水」と「吹き抜け」と「音楽」と「香り(アロマ)」のある、解放感のある今どきなエントランス。

クラシックツイン。同じANA Intercontinental グループの石垣と印象が似ています。

ベランダでもくつろげるようになっています。空気一面に立ち込める硫黄の香りにもすっかり慣れてきます。

大理石のバスルーム。とても洗練された作りなのですが、トイレが独立していない(独立した部屋にはありますが、バスルームというくくりでセットになっている)のがこの建築家の難点でしょうか。どちらかがバスルームを使っていたら、トイレも使えない、という不便さ。このあたりの感覚はやはり西洋的なホテルの感覚なのでしょう。

スタッフの人数は全体的に少ないようで、バスの時間の確認をお願いしていたことが(たぶん、お忙しくて)忘れられているなど。このご時世ですとしかたがない部分もありますね。スタッフがいてほしいところに誰もいない(フィットネスルームやプール、温泉のラウンジ)など、なんだか不安にあるところもありましたが、他の場面では親身にサービスに奮闘してくださいました。

週末の横浜。近代文学館あたりから山下公園まで横浜は圧巻のチューリップ祭り。


イギリス館の庭園は品種の勉強にもなります。イギリス文化にまつわる名前がそれぞれにつけられているのが味わい深い。


花の色分けをすることで模様を描こうみたいな不遜な感じがないのが悠々としてよい感じ。そんな、色別によるコントロールなんてしなくても野趣があって楽しめると思うのですが。

とはいえ、そこそこに色のコントロールがなされていると、やはりすっきりきれいには見えますね(どっちなんだ!?)

パープルゾーン。大人な印象。

この「かわいい」感じがチューリップの魅力。脳内がお花畑でいられる時間が少しでもあるのはありがたいこと。

次はバラの季節でしょうか。手入れをして下さっている専門家の方々に感謝しつつ。

 

 

高知へ日帰り出張。

人生観の根底が覆るような衝撃的なご縁でした。

高知信用金庫の本部。地震が来ても津波が来ても安全という細部に至るまで万全の対策がとられた要塞であるばかりではありません。総大理石で作られ、イタリアからの家具や世界のマスターピースに彩られたとんでもないスケールの美術館でもあります。(社員の方々、働いていらっしゃいます)

全容をすべてご紹介することはかなわないのですが、いやもう、かっこよかった。

こちらは高知信用金庫下街支店の店舗。

災害にあったときに通帳などをなくしても顔認証ですべてOKという最新テクノロジーが駆使されています。この店舗まるで20世紀初頭のアメリカの銀行みたいな。アートに彩られ、洗練された音楽が流れる空間は、金融機関のステレオタイプなイメージをあっさりと転覆させます。

 

見るもの聞くものすべてが斬新で驚きの連続でした。刺さった名言。「ふつうのことをするのが難しい」。結果、つきぬけた成果の集積。あやかりたい。

 

ご縁に感謝します。

高知龍馬空港にて。

マエサトビーチも美しいことは美しいのですが、

小浜のビーチの透明度に比べてしまうと、ふつうです。(知る悲しみ、というやつですか…)

 

敷地内では南国の植物がきれいに手入れされた形で堪能できます。

なんというか、「資本の暴力」で野生を飼いならしている感じが、とてもありがたい反面、複雑です。

本物の野生は危険や恐怖とセットなので…。

とりあえずは安全に移動できることに全面的な感謝をささげつつ。ただ、これに慣れきることで生じる別の危険も常に警戒しておきたいと思います。

朝食ブッフェもすばらしく高レベルでした。

下の写真は南国フルーツのコーナーですが、中央の黒いものは、細長い変わった形をした「ぶどう」でした。品種を聞いたら「ぶどうです」と。巨峰とか甲斐路のような品種名を期待していたのですが、「ぶどう」は「ぶどう」、一種類しかないんですね。お味もたしかに「ぶどう」という感じで妙に納得。

 

 

 

 

小浜島から石垣に戻ると、大都会に来たような感覚になります。


ANA Intercontinental Ishigaki Resort は昨年に続き再訪ですが、安定の品質。

昨年はビーチウィングのクラブフロアに泊まりましたが、眺めはむしろ、クラブフロアではないタイプのビーチウィングのほうがよいかもしれません。ホテルの広大なプールが眼下に広がるので、24時間、華やかな気分になれます。

曇が多めの空だったこともあり、水に入るにはまだ寒い。温水のジャグジーコーナーや屋内プールはにぎわっていました。

このあたりは旧館コーラルウィング前のプールです。どこを切りとっても絵になります。

旧館は1990年代ごろのラグジュアリーの雰囲気を残していて、お花もクラシックなテイストの豪華さ。

新館の前のガーデン、プールは新しいリゾート感覚にあふれておりますが、この感覚すらもこの2年ほどで一気に「なつかしい」ものになりつつあるのかもしれません。

Z世代はこうした資本にあかせたラグジュアリーを旧型とみなしつつあります。

別にいい・わるいの問題ではありません。私自身も、旧型にも安心するタイプなので(笑)。ただ、これからは多様な価値を表現するリゾートがさらに入り乱れることになるのではと推測します。

桜の季節をすっかりスルーしてきたことに気づきました。

自転車で、はいむるぶしから島の先端まで20分ほどで行ける。

小さいようでバラエティ豊かな景観が楽しめる島です。しかもそこはかとなく神秘的。

途中、野生の孔雀に遭遇しました。鳴き声はダミ声ですが、この世のものとは思えない神秘的な美しさ。写真は間に合わずさっと隠れておしまいになりました。

島の先端にある巨大なマンタがかたどられた展望台にのぼったあと帰ろうとしたら、Google マップにピンがあらわれました。海の中をさしています。

導かれるように行ってみると、そこは細崎海岸。

引き潮で海の中から現れたばかりというような、海藻におおわれた小島があります。


マップのピンがあった位置には、何かを祀っているような石のオブジェ。

これはいったい、なんなのでしょう? 画像検索しても出てこない。
なにかの目印? そもそもなぜとつぜんGoogleマップにピンが現れた?
ミステリーです。あるいはただの私の無知で、よくある海の目印なのかもしれない。いずれにせよ、「?」があたまを駆け巡ります。

どなたかこの並べられた石のオブジェの意味がわかる方、教えてください。

 

離島の興奮はやはりジャングルにあると思う。

とはいえ、未開のジャングルはやはりハブがでてくるし、巨大なバッタがぶんぶん飛んでくるし、タランチュラ級のクモがいたるところに巣をはっている(宮古島ではタランチュラ級クモの大群に、心底、恐怖を感じた)。


その点、はいむるぶし内のジャングルなら、あぶないものに遭遇する確率はかなり低くなるので、おこさま連れの方にも比較的安心です。

ジャングルの中を歩いていると、いろんな精霊がまわりにいるような、不思議な感覚に満たされますね。

ジャングル・フィーバー。一本一本、個性の異なる樹をみながら、「ブランディングの法則」に喩えられる樹を思ったりする。根がコンセプト、枝葉はPR。ブランディングとは根を基本としてそこから大木を育てていくこと。

華やかな色の植物や花のバランスも絶妙。

すっかり飼いならされた「なんちゃってジャングル」。本物のジャングルであれば、闘うか、さもなくば永遠に逃げ続けるしかない、という状況になるんだろう。

バチアタリな話だけれど、美しく整えられたジャングルを堪能しながらも、次第に、そこはかとなく、ものがなしくなってきた……。(とくにオチはありません。感情の推移そのまんま)

早朝のビーチはみごとに誰もいません。

砂浜も海もよごれのかけらもなく、裸足で延々とあるけば天然タラソテラピー(足の角質がすっかりきれいになった)。呼吸のリズムも波のリズムに同調するのか、精神も落ち着きます。

歩きすぎてお隣のリゾートが見えてきたころ、そこから人がでてきて「はいむるぶしさんのお客さんはあちらへ」と追い返され現実に戻されました。

もともと境界なんてない自然の世界に境界をひくのは人間だけ。戦争終結と世界平和を祈ります。

 

敷地内では飼われている生きもの、野生のいきもの、標本になったいきものなど、とにかく人間以外のいきものに遭遇することが多い。

みなさん人間慣れしていらっしゃるので、なんというか、目をあわせると気持ちが通じる感覚になる。


生き物たちには、触れることができるようになっています。だからお子様連れに大人気なんですね。

鳴き声がほんとにユーモラスなお方……。

この方は、ビーチハウス近くの広い公園に飼われていて、お食事と格闘中。

「こどものくに」の豪華版みたいな一面があるのも、はいむるぶしの魅力のひとつかな。

亀さんの視線って、ちょっと内省を促すミステリアスなところがあります。

昆虫博物館もあり、巨大な南国の各種昆虫が標本になって展示されています。野生の巨大バッタはふつうにその辺で出会います。

フランドルの風景画みたいだ……。

おいしそうなパイナップルがたわわに実っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年の小浜では、もう一か所のリゾートに泊まり、かなり違和感を覚えたので、今回はリベンジのようなかたちで「はいむるぶし」を選択。これが大正解でした。

広大な敷地内は、自分でカートを運転して回る。この手のリゾートは、いちいちフロントにカートでのお迎えをお願いしなくてはならないパタンが少なくないですが、自分で運転するほうがはるかに気が楽で、早いです。


徹底的に手入れの行き届いた南国の植物。施設の維持費だけでも膨大なコストがかかりそうです。

スタッフも十分な人数が配され、かくも僻地であるにもかかわらず高い人気を誇る理由に納得しました。

部屋もベランダや見える風景まで掃除や手入れが行き届き、昨年ガッカリさせられた某有名リゾートチェーンとは大違いの(失礼)すばらしさ。

もちろんお部屋にも十分に使い勝手のよいバスルームはありますが、露天付きの大浴場(カートで移動)まで備えているので、広いお風呂で疲れをとりたいという需要にもばっちり応えます。

ビーチハウスも充実。休む場所がバリエーション豊かに至るところにあるうえ、フード、ドリンクもそこそこ美味しい。

ビーチハウスで頼んでみた、オールパイナップルジュース。中にはパイナップルの実もどっさり入っています。

パパイヤの実?

各種レストラン施設も充実していて、数日の滞在にも飽きないようになっています。

実はプーチンのウクライナ侵攻が始まってから禁酒をしていたのですが(ウクライナの人を思い、浮いたワイン代で寄付をする)、実に久しぶりにビール一杯をいただきました。

夜のライトアップでまた別の景色が現われます。

『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10 の講義』発売です。

たまたまですが、発売日が南西諸島での仕事と重なりました。

石垣行のJAL便、国際線仕様の航空機が使われていて、class J (普通席+1000円)は国際線ビジネスクラスのシートなんですね。

機内で原稿を1つ書けたうえ、スピルバーグの「ウェストサイドストーリー」を上映していたのですべて鑑賞することまでできました。なんだかとんでもなく時間を有効利用できた気分です。

やはり雲の上にくると雑念が振り落とされて、大切なことがわかってきます。3時間という飛行時間もちょうどいい。

石垣からフェリーで小浜島へ。小浜島へは二度目の訪問です。

仕事の後、「学生」として学んでいる場所に向かう途中、神田明神さまに遭遇。

敷地内にいらっしゃる恵比寿さま、獅子のモニュメントまで非常にアーティスティックな趣きがありました。

世界平和祈願。

震災に遭われた地域の方々の生活も、一日も早く平穏に戻りますように。

ロシアがウクライナに侵攻してから、断酒をしています。かつては夜、仕事終了後に必ず1~2杯のワインを飲むのが人生最大の楽しみ(はい、寂しい人生ですね)だったのですが、それをやめてみました。私一人が好きなことを絶って平和祈願したとしても現地の方々には何の役にも立たないことは重々、承知しています。せめて、理不尽で辛い生活を強いられている人々に少しでも心を寄せておきたいという思いです。

浮いたワインタイムは財務や法務をはじめ、少しでも人の役に立てるような新しい勉強をする時間に充てています。企業のアドバイザーをするなかで、ガバナンスの知識がアップデートされているのといないのとでは、言葉の価値がまったく違ってくるということを痛感したゆえに始めた勉強ですが、日々視野が開けていく思いです。

米軍横田基地のある福生を初訪問。

地元の方はいつも見慣れた光景なのかもしれませんが、初訪問の田舎者にとっては、異次元の時代・空間に紛れ込んだような新鮮な光景でした。80年代にタイムスリップした感もあります。

映画のセットに出てきそうな建物が延々と並ぶ。

鮮やかな色彩のポップな店。靴の修理屋さんでした。

並びに統一感があまりない、というごた混ぜ感またよい味を醸しています。

エントランス近くに小型飛行機が飾られています。

タトウーのお店がちらほらあったのも、横田基地っぽい。

地図までポップ。

有名なお店だそうです。ミントカラーがかわいい。

日本に初めてピザを提供したというNICOLA。ランチコースをいただきましたが、サラダドレッシング、前菜、ピザ、パスタ、デザート、どれをとってもクラシックというかレトロなレシピなのですが、しっかり丁寧に作られていて安定のおいしさがありました。

 

ティエリー・ヴォワザン氏がシェフとして招聘されているメインダイニング、「レ セゾン」。

オープン当初から存在するという個室にご案内いただきました。

 

ガラスの上に浮遊しているように見えるバターは、パンプリー・バター。

前菜の前のアミューズからして驚かされます。見た目も美しいですが、心が揺さぶられるおいしさ。

ポワロ―・ヴィネグレット、ティエリー・ヴォワザン・スタイル。トリュフが仕上げにかけられます。

それぞれのお料理に合わせて選ばれるワインがこれまたすばらしく、感激するばかり。

マスタード風味のフランス産ヒラメのグリエ。ソースシャンパーニュ。

上の平目のお料理で出た白皮とエンガワを使った、フランス風茶わん蒸し。食材を無駄にしないで新しいクリエーションに有効利用するという発想には、杉本総料理長の影響も感じられます。実際、サービススタッフが「杉本(総料理長)が来てから現場ががらっと変わった」と称賛していました。

シャンパーニュソースなので、お酒は再びシャンパーニュに戻ります。

殻付き黒アワビのゆっくりロースト。海の香りのソース。

黄金軍鶏のドゥミドゥイユ仕立て。一品一品が、このようにドラマティックに登場してくるんですよね。感動に追いつかない自分のボキャブラリーの貧しさがつらくなってきます。

サービススタッフもソムリエも本当に洗練された身のこなしで、流麗で自然な動きを見ているだけでうっとりさせられます。

 

 

こちらが驚愕(ボキャ貧……)の黒トリュフのパイ包み焼きです。なんとパイの中には黒トリュフがまるごと入っているのです。まるごと黒トリュフをかじったのは初めてのことでした。

プレデザートのさっぱりしたシャーベットの後に出てきたのは、ほのかな甘みの苺のデザート。ここで粉もののケーキを出さないセンスがすてき。フレンチのデザートってこのくらいさっぱりしているのがちょうどいいと思います。

 

オリジナルのハーブティーも未体験のおいしさで、聞くと厨房でオリジナルで作っているので販売していないとのことです。

デザートワインまで気品にあふれていました。

「レ・セゾン」のフレンチがなぜここ一番のときに選ばれるのか、ゲストの期待を超えていくもてなしとは何なのか、深く学ばせていただいたレストラン体験になりました。

ひなまつりですね。こちらは帝国ホテルの2階に飾られている5段のひな段。7段のは地下1階に飾られていましたが、なんというか、めいいっぱい豪勢にしなくても慎ましく品よくあるほうが好感もてる、という時代のムードをこの5段のひな壇が表現しているような。

それにしても、いつもながら「季節感の王道の表現」というのを帝国のプレゼンテーションから学べます。

インペリアルフロアに宿泊しました。

セキュリティがしっかりしていて、レジデンスのような雰囲気の廊下。外資系のような「色気のある暗さがない」というのが日本スタイルの照明で、ちょっとほっとします。

家具は重厚な木材が使われています。「ニヤトー」「サペリマホガニー」という素材が使われているそうです。

眺めも完璧です。東京駅、日比谷公園、皇居が見える。

水回りもシックです。お風呂はとりわけ使い勝手よく作られています。洗面場には一輪の薔薇の生花。これがとてもうれしい。アメニティは「アユーラ」、メイドインジャパンです。

基礎化粧品セットはミキモト。メイドインジャパンに徹しています。きめ細やかに対応いただくスタッフも和服の女性。日本的なおもてなしが徹底されています。

総料理長の杉本雄さんから華麗なウェルカムスイーツが届いていました。下はマカロンです。ずっと飾っておきたいくらいの美しさです。

パブリックスペースにいらっしゃる方々もゆかたという環境なので、カジュアル着物で歩いていてもまったく違和感のない絶好のロケ地でした。

ダースベイダー×アカレンジャーをイメージしたコスプレか?と笑われる前提で…。
日本のクリエイターの応援活動でございます。

赤い備後木綿のカジュアル着物は、大阪で「音遊」を立ち上げた宮田真由美さんプロデュース。
帯は宮田さんの夫君、宮田雅之さんが展開する和男師のもの。姫路レザーをエナメル仕上げしてあります。バックルは漆塗りで螺鈿の装飾でしあげてあります。

赤い着物はノブさんこと関西学院大学教授の井垣伸子さんが着ているのを見てクリエイターにコンタクトをとり、日経で記事化、自分でも買ってしまいました。ゆかたのように簡単に着ることができます。(着付けが下手なのは見逃してくださいませ)


羽織っているコートはH&Sons 廣川輝雄さんの傑作。表は総カシミア、裏地は赤薔薇柄です。
熟練テーラーが自由な創造力を発揮するととんでもないラグジュアリーが生まれるという、ブルネロクチネリ的な例でもあります。

日本の職人さんは生真面目で決められた枠内のことを誠実に丁寧にこなしていいものを作る、というステレオタイプのイメージがあるようですが、いやいや。そういう仕事ももちろん大切なのですが、秘めたクリエイティブ・ポテンシャルも相当高いのです。職人の枠を超えて、クリエーター、デザイナー、アーチストとして世界に羽ばたいてほしいと思う方が大勢いらっしゃいます。(くどいけど、職人は職人として貴重な仕事をなさっているのですので尊敬しているのです。ただ、報酬や評価の問題になった時に、職人とデザイナーではけた違いになることがある。それ、悔しくないですか?)

職人、デザイナー、アーチストの違いについては、安西さんのこちらの論考が参考になります。

「職人とデザイナーの違いは何か?と聞かれたあるデザインの巨匠は、『椅子とは四本の脚があり座面があるものと考え作るのが職人。デザイナーは階段の一つに座布団をおいたのも椅子と考える』と答えた例があります。(中略) 職人とアーティストの違いに関しては『職人は扱う材料と技術の枠組みでの伝承をメインにおき、アーティストはアート史のなかでの評価に注意を傾ける』」

産地、作る人、売る人、着る人、関わる人全てが自由な想像力を発揮しながら有機的につながり、未来への持続可能性の広がりをみせるのが、新しいラグジュアリーのあり方です。人間はシステムの歯車ではないし、ブランドの権威をありがたがる植民地の民でもない。

海外のお墨付きや権威をありがたがる「植民地の民」メンタルから、いいかげん、脱出しましょう。

Be Independent.  Be Confident. Be Imaginative. (で、ここで英語かい。笑)

くどい写真が続いてげんなりしていらっしゃるかもしれないので、癒しの雪だるまを。リッツカールトン日光のスタッフが作っていらしたようです。お子様たちをも楽しませようとするホスピタリティ、ほんとうにすばらしかった。

 

 

 『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10の講義』クロスメディア・パブリッシングより3月28日発売です。アマゾンでの予約受付が始まっています。

そのように雄大な男体山と中禅寺湖を臨むザ・リッツカールトン日光は、温泉旅館とラグジュアリーホテルのいいところを融合させたような、心身の湯治にも効くスピリチュアルホテル。

男体山ビューの部屋からのぞむ景色。バルコニーもついています。寒すぎて出られませんでしたが。

レイクハウス以外のパブリックスペースはどこでもゆかたのような着物ですごすことができるので、リラックスしたまま食事やお酒を楽しめます。このゆかた(と呼ぶのも憚られますが)がハリのある上質な生地で作られているので、寛げるのにきちんと見える。館内用バッグも風呂敷をアレンジしたもので、おしゃれで上品。

天然温泉がまたすばらしく、サウナのあと男体山と雪景色を眺めながら露天につかって冷気を深呼吸、というのを何回か繰り返したら、身体中の水と気が入れ替る気分になれます。中禅寺のお坊さんによる朝の坐禅修行が、沁み入ります。

あらゆるプレゼンテーションがきめ細かく、意味がない細部が全くない。温泉につながる外廊下の天井にも寒くないようにヒーターがついていました。天井にヒーター(9枚目)? 世界を見る目が鍛えられる思いがします。

ウェルカムのいちご。最初から部屋に置いてあるのではなく、部屋に入ってから30分後くらいにサプライズで冷たくフレッシュなものが届けられるんですね。とことん、完璧が尽くされる。

いちご王国にふさわしいカクテル、ストロベリーキングダム。感動の余韻が延々と続く美味しさ。

スタイリッシュにお酒がディスプレイされるバー。

ラウンジの食事、日本料理レストランの朝食も、妥協のないハイレベル。上はラウンジでいただいたハンバーガー(半分に切ってあります)。ポテトはこうじゃなくては!というカリカリのフライ。


朝の和定食。ここにさらに半熟卵と黒豆納豆、赤だし、フリーの乳製品やミューズリーなどがつく。

焼きたてのパンも。食べきれなかったらバッグを用意してくれ、お部屋にお持ち帰りさせてくれます。

レイクハウスの照明。内側には「釣り」をモチーフにした絵が描かれています。

東武日光からさらに車やバスで50分ほどかけて山に登る、という決して便利ではない場所にありますが、苦労して行く価値が十二分にあるデスティネーションホテルですね。あらゆる時間を驚きで満たすおもてなし。心底、感動しました。前後で明らかに感性が影響を受けていることが実感できます。

このあたりはスカイツリーをふたつ、縦に並べたよりも高いという標高なのですが、とにかく骨が痛くなるくらい寒い。

華厳の滝がこんな感じ。水の周辺がつららになっています。こんなつららだらけの真冬の滝を見るのは初めてです。

中禅寺湖。夏に来たら湖畔のレジャーを楽しめたのでしょうが、とてもそんな気分にはなれない寒さです。

ニュージーランドのクイーンズタウンを思い出していました。

そして美しき男体山。


時間帯によって刻々と表情を変えるので見飽きません。上は朝日を浴びている男体山です。崇高すぎて涙がが出てきます。

 

数日前の奥日光ロケの記録(というほどでもないですが)。

初の東武日光駅。かなり寒いです。

こちらはJRの東武日光駅。クラシックな佇まい。

ホームの中。ゆったりした時間が流れて居ました。

ここからさらにバスに乗って、おそろしくくねくねした「いろは坂」を上りに上ってさらに日光の奥へ。

太陽が見えていながら、ちらちらと雪が降っていました。いろは坂はこの季節、通行止めになることもあるとのことで、好天に恵まれたのはありがたかったです。

周囲の風景を見ていたらあっという間でしたが、50分ほどバスに乗って、降りた先が、ここ。

ザ・リッツカールトン日光。

奥に見えるは男体山。低層階ホテルには安心感がありますね。

CDジャケットにありがちな構図。笑

 

たいへん遅ればせながら、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

長男が年末に新浦安の大学病院で外科手術を受け、元旦に退院予定だったので迎えにいくべくシェラトンで待機していたのですが、経過が思わしくなく退院が延期に。

ホテルの非常階段に出て初日の出を拝むことに。雲一つなく、ほんとうにすばらしいご来光ではありましたが、やはり心労もあってちょっと寂しい気持ちで眺めていました。

年末年始のシェラトン、家族連れで大賑わいでしたが、舞湯のサウナも稼働しており、疲労はずいぶん癒されました。

元旦はほんとうに美しい日でしたね。海もおだやかで、動く波を見ていたらこちらが動いているような錯覚も生じます。

ひたすら海と空を眺めて息子の快癒を祈るしかなかったのですが。(コロナで面会厳禁なので)

まだしばらくかかりそうということで、いったん撤退。

昨日、ようやく退院となり、少しほっとしているところです。

やはり家族の健康あってこその日常ですね。

みなさまと、ご家族のみなさまにとりましてお健やかな一年でありますよう、お祈り申し上げます。

私は多くを望まず、「足るを知る」の基本を忘れず、鍛錬と修養に努めたく思います。すでに締め切りなど遅れ気味でご迷惑をおかけしている方面もあり、年頭から申し訳ないかぎりです。ローギアな感じの年明けですが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

翌朝は、新横浜プリンスホテルで開催中のブリティッシュマーケットのチェックです。

 

11時からは、会場からFMヨコハマの生放送がおこなわれました。

フィッシュアンドチップス、ローストビーフサンドなどの英国フードも会場ワゴンカーで販売しています。

ジャーに入ったケーキも人気??

ロビーはイギリス&クリスマスのムード。なかなか穴場で侮りがたい新横浜。

1966年制作の映画「Hotel」鑑賞会。

ホテルの総支配人の理想的なあり方が描かれています。

一方、資本家と総支配人の関係、老舗ホテルと新興ホテルとの確執など、シブいテーマも。グランドホテル形式で描かれる数々のドラマが最後に一気に収束する。原作はアーサーヘイリー。

女性が総支配人を誘惑する大胆にしてさりげなすぎるやり方にも倒れます。笑。ジャクリーヌケネディの影響力がファッションはじめ、いたるところに及んでいます。


鑑賞会に先立ち、新横浜プリンス最上階のTop of Yokohama で食事会でした。こちらは、正直なところ、それほど期待していなかっただけに予想以上のハイレベルのお料理で満足感高し、です。周囲に高いビルがないので、見晴らしよき絶景も360°楽しめます。総料理長の石田敏晴さんとアシスタントマネージャー北原和則さんはじめスタッフの今後のいっそうの躍進に期待します。ほんと、ここ穴場。高層階からの眺めに囲まれ、ほっとくつろぎながら美味しいお料理を楽しめるよいレストランです。

総支配人が専門家にして総合職として育てられることが少ない日本のホテルカルチャー。あらゆる教養と貫禄を備えた人間味のあるホテルマネージャーが今こそもっと大勢必要だと感じます。あるいはそんな存在は時代遅れなのか? いや。新時代のホテルにふさわしい総支配人という存在、あったほうが絶対楽しい。

ブリティッシュ&クリスマスの装飾がいたるところに。

ドーム型天井の上は、吹き抜けになっています。

 

朝は朝で光が透き通るほど美しく、また違う表情を見せてもらいました。

帰途の阿蘇山も惚れ惚れするほどの威容を見せてくれました。

不便な所に行けば行くほどお宝はありますね。移動に疲れましたが、とてつもなく美しい景色のなかに身をおくことができたことはこの上ない幸運でした。

夜ではなく早朝(5:00AMくらい)の町です。そもそも超朝型の私は夜9時以降まともに頭が働きません…。

月明りと照明で、昼間とはまた違う表情を見せます。

宿の方が貸してくださった外套は、鬼滅柄。

この雰囲気、映画のセットみたいではないですか?

じわじわと明るくなってくる空もまたよいですね。枯れ木の奥に月あかり。

どの宿でも朝ご飯の準備を始めています。

昼間は人が多かった坂も、ひっそり。人懐こい猫が何匹かいます。

おそらく大分からの方が距離的に近いのだろうけれど、熊本空港から九州横断バスに乗り阿蘇山を越えて2時間、ようやく黒川温泉にたどりつきます。

時間が大正時代で止まったような、レトロロマンな空気が満ちるすばらしい温泉郷です。

九州とはいえ、山奥に近いので、寒い。

こちらは、「のし湯」まわりの風景。

ここは超人気のようで今回、満室で宿泊かなわず。

こぢんまりした町ではありますが、どこを切り取っても絵になります。

次世代に継承していきたい文化があちこちに。

 

西日も情緒演出に一役。


こちらは「みの」ですね。昭和40年頃まで雨具として使われていたそうです。

川にかかる橋も温泉郷の風景には欠かせません。

ちなみにお湯の香りは硫黄味が少なく、とても心よい香りです。

絵葉書にしたい風景が延々と続きます。

公衆電話まで味わい深い。

黒川温泉全体でただ一室のみ!空いていたのがこちら、「わかば」の「きく」という部屋。

建物そのものは古いのですが、部屋のなかはリノベされており、清掃も行き届いていてとても快適でした。残り物に福あり、でした。

なによりも、24時間かけ流しの温泉がお部屋についているのがよい。思いついたら温泉。むちゃくちゃ贅沢です。スタッフもあたたかく、食事も重すぎず(これ実は大事)、快適な滞在を楽しませていただきました。

熊本に取材。初熊本です。

熊本市内を見てから黒川温泉へ、と楽観していたところ、なんと、空港から黒川温泉へのアクセスがとんでもなく不便で一日2本のバスしかない。それに乗るためにはあと3時間あるけれど熊本市に行っている暇はない。という過酷な事実をつきつけられ、レンタカーもお高い高級車しか残っていないのでパス。

しかたなく空港周辺を歩いて時間つぶしするも、「何もない」。

「庄和散髪堂」という店名が、じわる。

みかんが安い。美味しそうだけど、こんなに食べられない。

熊本空港の周辺ってほんと、「歓迎」感がない…。それが健全なのだろう、たぶん。

なんやかやと3時間つぶし、ようやく来てくれた九州横断バスに乗り、黒川温泉へさらに2時間という旅に出る。道中の景色が美しい。

うわー。

途中、阿蘇駅で休憩タイムがあります。

ひたすら絶景に感動しながら黒川温泉へ。

 

 

 

横浜の老舗「かをり」に借景してみました。(笑)


恒例、地元シリーズ。

異国情緒という言葉がよく似合う県庁まわりの建築の数々。

実に壮麗で立派な建築が延々と続き、見飽きません。

休日の横浜はどこもコミコミですが、インターコンチネンタルホテル横浜pier8のレストランは超穴場です。

右に見えるのがpier8。

ピアノ生演奏もあり、テラスも気持ちよい。アラカルトとワインで潮風浴びながらゆったり過ごせますよ。

時折りお向かいの海上保安庁にヘリが来るのもいとをかし。

このホテルはセキュリティもがっちりしておりますが、入り口のセキュリティで、レストランだけ使いたい旨、伝えればOK。

ハンマーヘッド全体が穴場かも。前も書いたけど、ここの下に入っているセブンイレブンは世界中の高級クラフトビールを売っていて、葉巻まで置いている。かなりユニークなコンビニです。

 

ワンピースとコートのアンサンブルは、アクリスです。

カワサキ・キングスカイフロント東急REIから自転車(借りることができます)でゆっくり30分ほどで、京浜工業地帯の工場夜景を見ることができます。そもそもホテルのキーを入れるカードからして工場地帯のシルエットを描いています。

世間的には夜景ですが、私は早朝3:30に起きて向かいました。どうにも夜が弱いのです。

すさまじくあちこち工事をしている高速道路沿いの歩道を漕いでいくと、京浜工業地帯の壮観があらわれます。

マッドマックス怒りのデスロードとか、デイヴィッドリンチのイレイザーヘッドとか、あの手のアート魂が好きな方にはたまりません。

バス停の名前までナントカ工場前、とかコンティナ―前とか、しびれます。

音も匂いもじわじわきます。

しかも寒いです。最高です。

フリッツ・ラングの「メトロポリス」の世界観も思い出します。

単調に繰り返されるファンの機械音、石油のにおい、照明、黒いシルエットに煙。

じわじわと夜が明け朝になっていくと魔法が解けていきます。

カワサキ・キングスカイフロント東急REIの周辺には、先端医療研究のラボやライフスタイルイノベーション系のハイテクな建築が延々ゆったりと続いています。

建物にいちいち感嘆しながら歩くの巻。

ライフイノベーションセンターっていったい何を研究するところなのか…… 建物がホントに素敵。

ジョンソン&ジョンソンのラボは、逆さ台形。写真ではわかりづらいのですが、驚愕。シンガポールのシンボルになっている例のホテルの高層階に泊まったときの恐怖(笑)を思い出しました。

交番まで近未来的。

ここ、ネイルサロンも入っているようなのですが、外からは中の様子が見えません。でもこのコピーにはしびれました。”Demolition for a New Life”  新しい人生のためにぶち壊せ、っていう感じ?

夜は夜で異なる表情を見せてくれます。

照明の使い方からして斬新。あたり一帯、SF映画のような雰囲気になる。

足元をよく見ると、正方形とらせんの図の組み合わせ。頭の良い人たちが働いているんですねやはり(←という頭の悪い私の単純な発想)。

慶應大学の施設も一部に入っているようです。

外からうかがえるインテリアもクール。こういうところで働いてみたい。

着ているロングコートは廣川輝雄さん作です。裏地は赤い薔薇柄?

面白さはゲストが適宜掘っていけ、というウェアハウス。発見が尽きません。ただ、何もしなければ何も見つからない退屈なところ。示唆的ですね。

朝食のブッフェもリーズナブル。小さなポット各種にいろいろなお料理が。ステーキの入ったポットが美味しかったです。眺めもウォーターフロントで最高。5スターズホテルとは別のカテゴリーの楽しみ方を開拓できます。

 

 

天空橋が完成していたら羽田空港から車で10分、というアクセスではあったのでしょう。まだ工事中のため、天空橋にタクシーGOで車を呼んで(タクシーがふつうに来ないところなので)、ぐるりと20分ばかり遠回りしてKawasaki King Skyfront Tokyu Rei Hotel に到着。

The Warehouse (倉庫)とでかでかと書かれていますが、倉庫をリノベした(というイメージの)新感覚ホテルです。

天井がこれです。このままインテリアとして活かされています。

近隣の建物も近未来的なのですが、これについては別の投稿で。

広いパブリックスペースの向こう(ホテルの裏側)はまさかの美しいウォーターフロントでした。

宿泊している人や、近隣のお散歩中の人たちが談笑していて、ここはサンフランシスコですかという雰囲気。

次世代の感覚にフィットする、という感覚についていく(笑)。

 

この夕暮れの景色、麗しくないですか? まったく想定外の川崎です。

夜は夜でまた違う表情を見せてくれます。

川崎の香水、044。工場の香りもベースになっています。「ベンゾイン」が使われているようですね。ギャグすれすれですが、大真面目。

 

 

 

 

 

天空橋を降りると日本ではないような開放感ある光景が広がります。。


HICITY(Haneda Innovation City)なる巨大な複合施設が建っています。

ショップ、レストラン、オフィス、コンベンション施設、先端医療研究所、日本文化発信施設などが入った、近未来的な建物。多くの企業が参加しています。

 


水素ステーションがあるのはここならでは?!

歴史遺産的なものをスパッと切った、先端的な新しさが気持ちいい。

まさかの穴場で、人混みを避けたい方にはおすすめかも。私はとにかく人が向かう場所が苦手で(あらゆる意味で)、誰も行かなそうなところばかり目指しているのですが、そうすると誰かの後追いではない感動が待っています。

モノレール羽田空港からさらに少し奥へ。車はあったほうが便利ではあります。

龍村光峯を取材。

立体的で光によって動いて見える錦の織物は肉眼で見ると心拍数が上がります。作品、建物、驚きの偉業の連続でした。

光源氏誕生の物語を織物で表現。右下に紫式部がいる!

錦の織物。光りのあてかたによって動いて見える。立体的で、生きているようです。

ずらりと並ぶ作品は壮観。


光を通す瓦を使った天井が高い。釘を一切使わない木の建築。

戦艦のような巨大な織機。

ジャカード織のためのパンチがあしらわれています。これがコンピューターの元になりました。

解説してくださる龍村4代めの周(あまね)さん。ちなみに、「龍村」の名の付く似たようなビジネスの会社があと2軒ありますが、「全然別物」なのだそうです。もとは親戚筋でしたがいろいろあって分裂。「京都はお菓子屋さんにしろ、織物にしろ、老舗はそんなのばっかり」だそうです。本筋はここ龍村光峯。

水の表面を表現した織物。本当に水のように見える。写真でも少しは伝わりませんか?

木目を摸した織物。

このシリーズには、果物の皮、メタルなどもあり、どれもリアルです。織物とは信じられないくらい。

江戸、平安、室町の織物を復元。古くから伝わる柄や技法を研究し、復元し、後世に伝えていくのも龍村のミッションのひとつだそうです。

博物館と工房とショップを兼ねる龍村光峯、正面から写しました。

とんでもなく勉強になりました。ご案内くださいました龍村周さん、ご紹介くださった関西学院大学教授の井垣伸子さん、ありがとうございました。

 

ちなみに「錦」とは「最高級」、「トップ」の意味だそうです。「西陣織」は商標名。

 

 

 

ザ・レインホテル京都の朝食がすばらしい。オーナーが朝食には力を入れている、と万全の自信で語っていただけありました。

デンマーク式ノスモーブロ―(オープンサンド)をメインに、京都の伝統農法で採れた野菜料理、各種料理がガラス瓶に入れて並べられる。ブッフェ形式です。

ありきたりの「ホテルの朝食」のステレオタイプからみとごに脱却しており、一品一品が個性的で美味です。

希望に応じて、ルーフトップでも食べられるし、ランチボックスとして詰めてくれたりするそうです。

ホテル内に飾られるYuma さんのアートな写真。

 

前夜は、今回のツアーに参加したみなさまとAnother C でディナーでした。

全10席もないカウンターで、オーナーシェフの富永暖さんが、目の前で新鮮な素材使った料理を作り、できたてをサーブしてくれます。モダンな和のフルコースで季節感のある上質なお料理を楽しませていただきました。お名前のとおりあたたかなおもてなし、ありがとうございました。

京都の南口エリアといえば、ディープですさんだ印象もありましたが、アートの町として変貌すべく、芸術系の大学やシアターがこれから続々と入ってきます。

クリエイターの交流拠点として今年2月に誕生したのが、ザ・レインホテル京都です。

ホテルのデザイナーは柳原照弘、ホテルのあちこちには写真家Yuna Yagiの作品が飾られています。

客室やレストランのテキスタイルは「Kvadrat」、家具は「HAY」、「SKAGERAK」などの北欧インテリア。ロゴやグラフィックをデンマークの「All the Way to Paris」がディレクション、というスカンジナビアスタイル。

アメニティはほんとに最小限しか置かれませんが、センスよきものが徹底的に選び抜かれており、アルガンオイル入りのバスアメニティArgan にはかなり驚き。上質です。ちなみに個別には販売していないとのことでした。ベッドは英国王室も使うスランバーランド。堅めで眠りやすい。

ホテルデザイナー柳原さんと写真家Yunaさんのトークショーに伺いました。

(Yunaさんのフロントの写真に合わせて特別に作られたインスタレーション)

ホテルオーナーは、このホテルを、ショーディッチのエースやブルックリンのワンのようにしたい、と。なるほど。若手前衛アーチストが集まる対抗文化的なイメージ。

ホテルのルーフトップバー。他の滞在客と交流するのにも絶好のスペースです。京都北部の「見慣れた」京都の風景とはかなり違い、なかなか新鮮です。

 

 

波照間島に数日滞在していた次男からのおみやげが、波照間の家族経営の醸造所が作る「泡波」。幻の泡盛と呼ばれるそうです。

一日一本しか買えないとのことで、毎朝通って一本ずつせっせと買ってきてくれました。

わたくしシャンパンとモンラッシェしか飲まんし!とかぶつぶつ言いながら飲んでみたら、これが驚愕の美味しさでした。なんだこのまろやかさ。なんだこのうっとりするあとあじは。なんだこの病みつき感。なんだこの中身と外見のうれしいギャップ。すっかり泡波ラブです。たんに息子の心意気が嬉しい、以上の確かな客観的価値がある。

ちなみにamazonでは10倍の価格、那覇空港では6倍から7倍の価格で売られています。たくさん飲みたければ波照間に行け、ということですね。でも旅人は一日一本よ。

写真左が開封ずみなので青いキャップありません。青いキャップも一本一本、手作業で巻かれています。
外見は全くあかぬけませんが、それゆえになお、久々に感動したお酒でした。最近は外見がすてきで中身ガッカリ、というのが多すぎるしね。もうそこそこオシャレな印象だけのブランディングされすぎは飽和状態なんだと思う。

これからのラグジュアリーブランディングの、ひとつの方向を見た思いがする。。

自由が丘、10年ぶりくらいの訪問です。

La Vita は初訪問。

まるでイタリア。

映えるスポットなので、コスプレの上、撮影している方々も。

路地裏までイタリア。(笑)

ちょうど金木犀の季節で、近辺のフットサロンから漂ってくるアロマの香りにまじって、なんともよき雰囲気を盛り上げています。

 

パピリー・ヒルズ。子犬専門のホテルと美容サロンでした。このあたりを歩いているワンちゃんは本当に美しく手入れされています。

 

出発前に、サンカラのスパでトリートメントを受けました。

ホテルのメインの建物の2階にありますが、2階から見下ろすプールもまた違う表情。

ストーンを使った施術がこちらのシグニチャートリートメントのようです。実際、石が秘めるパワーというのを屋久島のいたるところで感じてきました。


トリートメントルームは全部で5部屋あります。今回は海側の広々としたお部屋でした。


お風呂とシャワーもついています。

屋久杉を燃やして、その煙の香りをかぐ儀式からトリートメントはスタートします。「やく落とし」の意味があるそうです。世界観がここまで徹底していると心底、感心します。その後のトリートメントは都内のホテルスパとそれほど変わらない(高い)レベルで、それはそれですばらしかったのですが、この「屋久杉を燃やす」儀式はここでしかできない。これがあることで他のホテルスパとは鮮烈に異なる記憶が植えつけられるのですね。

ホテルのスタッフに屋久島空港まで送ってもらい、コミューターで鹿児島空港まで30分。

鹿児島から羽田へ乗り継ぎ、というルートで全1泊2日。この日程で十分、屋久島を堪能できます。仕事の調査もばっちりできて、2日間、きれいに晴れ渡りさわやかな気候のなかで無事に過ごすことができたことには、ただただ感謝です。

縄文杉に触れる体験をされたいときは、ホテルを朝4時頃出て10時間くらいの往復の旅程を見ておいてくださいとのことです。その場合はもっとじっくり滞在したほうがよさそうですね。

 

奥深い屋久島の、本当の魅力にはまだまだ触れていなかったのかもしれません。ご縁あれば屋久島の神々に再び「お招き」される機会もあるでしょう。その時を願いつつ、精進します。

再びレンタカーを運転して、まずは屋久杉ランドに向かうものの……。

まったく下調べせず「おすすめ」されるまま向かったので、まさかこんな道だとは。いちおう舗装されてはいるものの、急カーブの連続のくねくね山道をひたすら上っていく。上に行くにつれて道が細くなり、下は崖。すれちがうのはサルばかり。2時間くらい運転したところで酸素も薄くなり、これ以上の運転は危険と判断したのでやむなく中断して下山しました。

屋久島の地元民が住んでいるあたりを探索しましたが、いたるところパワースポットあり神社あり不思議なオブジェあり。

とりわけ心がざわついたのは、この金色の牛。牛さんが見つめている視線の先には、岩を集めた塊があるんですよね。その周囲を取り囲むように木が植えられている。あたかも、岩のなかになにか邪悪なものが閉じ込められており、それを金色の牛が見張っているかのようでした。

そんな妄想がごく自然に出てくるほど霊気が立ち込めているように感じさせる土地です。

何千年も前から、起きてきたことを見つめてきた木。岩。海。空。山。

俗世間で人間が微細な違いや帰属を求めてあがくことなどまったく取るに足らないことに思えてきます。なるようにしかならないし、おかれた自然環境のなかでもまれるうちに、あるべきように命の在り方が定まっていく。

途中立ち寄った店や現地の人たちと話してわかったことですが、屋久島には都会から移住してきた人もけっこう多い。お子様のために最高の自然環境を用意したかったので移住したというファミリーもいらっしゃいます。魚釣りになったり、ホテルで働いたり、最低限、穏やかに暮らしていくだけの生計を立てる手段はいくらでもある。夫婦喧嘩して車に乗って飛び出しても、3時間まっすぐ車を運転したらそのまま島を一周して家に戻ってくることになり(笑)、そのころには喧嘩もあほらしくなっているそうです。

 

 

 

 

 

朝もこの上ない快晴に恵まれました。

昼、夜、朝、みごとに異なる表情を見せてくれたプール。どの時間も極上でした。

永遠に見ていたい光景。


サンカラの敷地内は、植物もバラエティに富んでいます。

ひとつひとつ花の名前を確かめる風情があるとよかったのですが(しない)。

ホテルで感心したことの補足。「Don’t Disturb」の合図は、この亀の置物をドアの前に置く。世界観が徹底しています。

また、このような方法でアロマを楽しむこともできるようになっています。上のトレーには屋久杉が香るアロマオイル。

朝食のレベルも高かった。最初に提供されたタンカンジュース、屋久島のフルーツと野菜のスムージーから目の覚めるおいしさでした。

朝からシャンパン、はリゾートの定番ですね。(飲まないけど)

焼きたてのパンはすべて個性的で、全部試したいくらいでしたが、ひとつだけ。

前菜から凝っていて、ひとつひとつ、屋久島にかかわる意味がある。

キノコのスープとサラダ。

メインのオムレツ。

 

デザートも。

パンをブッフェで選ぶときは、この上に手をかざす。すると自動的に手袋がはめられる!

 

ホテル帰。ラウンジはすべてのゲストが使えるようになっています。

屋久杉を使ったオリジナルお土産、ホテルオリジナルのお茶、アメニティなども販売されています。

ラウンジではお茶類、お酒類がフリーでいただけます。(それぞれ時間帯が限られています)

本やDVDも好きなだけ楽しめるようになっています。チェックアウト後も屋久島空港発の飛行機まで時間がありますが、空港に車で送っていただく時間まで、ここでゆったりドリンクを飲みながら待つことができる。実にゲストのことを思ったよいシステムです。

レストランayanaでのディナーは期待をはるかにこえる高いレベルでした。屋久島の苔をつかったテーブル装飾も味わいがありますね。

屋久島の新鮮な素材を使った創作料理のコースですが、エグゼクティブシェフは武井智春さん。神戸の有名レストランからいらした方だそうで、ひとつひとつが驚きの洗練でした。

グラスワインもなかなかセンスのよいものが適度な数、そろっていたのですが、こういうロケーションでこそ飲みたかったモンラッシェもムルソーもない。だめもとでソムリエに聞いてみると、「お待ちください」と言って、奥から別のリストをもっていらしたのですが、そこにはなんとモンラッシェだけで4ページほど、気の遠くなるようなバリエーションのリストがありました…。さすがにボトルは飲みきれないと思ったので今回は涙を飲んで諦めましたが、こういう秘密兵器の奥行がどこまであるのだ、という本格派のレストランでした。

デザートもワゴンから好きなものを好きなだけ。甘み苦手な私はひとつだけフルーツ系のものをいただきましたが、どれもとても美しかったです。

夜のプールも幻想的。

照明も完璧です。どこまで素敵なホテルなんだという演出。

ヴィラまでの帰途も、暗すぎず明るすぎない、自然を活かす最適の照明です。

果樹園に向かおうとしてジャングルを歩く羽目になりました。

人に会わない。日の光があるから歩けるものの、夜は絶対無理だろう。

人に会わないけれど、サルにはちょくちょく会います。

 

ホテルのスタッフからの教えとして、「サルには餌をあげないでください」というのがあります。

サルに餌をあげるとサルが狂暴化するのだそうです。人間の方が自分よりもおいしい餌をもっていると知ることで、サルが怒る。

かつてインバウンドで海外から大勢の観光客が訪れた時、観光客がこぞってサルに餌をあげたことでかえって観光客と地元民が危険にさらされました。いまは地元民がルールを守っているので落ち着いているとのこと。

互いの領域に干渉せず、互いの領域を尊重しながら自分たちの文化を守っていくことで島での平和なすみわけが守られているわけですね。

人間社会にも通じる話なのかどうかは、わかりません。

島のいたるところに咲いているのは、紫紺ボタン。目に鮮やかです。

 

 

滝めぐり続き。

竜神の滝。橋の上から眺めるというタイプの滝ですね。滝つぼがかなりミステリアスに見えます。

つづいて再び延々と車を運転し、大川の滝へ向かうのですが、途中、パワースポットらしきオブジェに何度か遭遇。

たとえばこれはなにかここに書かれている呪文を唱えるとよいらしいのですが。

ここにもまた、結界のように配置された石が。奥はカニさんファミリーの住処になっていました。

大川湧水。

そして大川の滝。おおこのたき、と読みます。沖縄もそうですが、ここもまた、漢字の読み方がが本土とは違うことがしばしば。

88メートルの崖から落ちる水はダブルだし、迫力満点。近くまで寄って水しぶきをあびることができます。

 

完全に作業装備でしつれいいたします。

やはり、岩、岩。岩。

滝を見るにはとにかく狭くくねくねした山道を運転していかねばなりません。

ようやく海岸沿いに降りることができて一安心な午後。海は静謐で清らかな光を反射しており、完璧です。

ホテルでレンタカーを借りて、千尋の滝。

あまり出先でレンタカーを借りることはないのですが、ここはとにかく車がないとお話にならない。それに万一、迷っても、島を外周する道路に出さえすれば、3時間で一周できる(必ず元の場所に戻れる)。しかも出会う車はめったにない。なので方向音痴でもかなり安心。


とはいえ、険しく細い林道をひたすら上っていく過程はかなり緊張を強いられます。下は崖だし。

どこも光が清らか。神々に祝福された土地という印象です。

ここでは石や岩がかなり霊的な役割を果たしているのですね。いたるところに人為的におかれた石や岩があります。「結界」を意味しているとも言われ、緊張。

そういえば「アウトランダー」も岩に触れたばかりに18世紀にタイムスリップしてしまう物語なのでした。岩には時を超えた何かが詰まっています。

千尋の滝。下は花崗岩。せんぴろのたき、と読みます。千人の人間が手を広げたくらい大きい、ということでこのように名付けられたそうです。

 

見晴台に上ると美しすぎる屋久島の海が見えます。水平線がオパール色にぼやけているのですよね。

 

標高の高い山がいくつもありますが、外からは見えない。奥に入れば入るほど隠れていた高い山が見えてくるとのこと。奥深く入れば入るほど、なにか霊気を感じる土地です。

 

ホテルはフロント、プール、スパ、レストラン、ラウンジなどがあるメインタワーのほかに、ゲスト用のヴィラが敷地内に戸建てのように点在するというタイプです。メインタワーから各部屋まではスタッフがカートで送迎してくれます。とはいえ、歩いても気持ちのよい道で、徒歩2分という感じ。

ヴィラの前、メインタワーのあちこちには、こんな方がいらっしゃいます。バリ島のリゾートをイメージしての置物だそうです。

部屋は広々と開放的であるばかりでなく、すべてが完璧にブランディングされ、最先端の配慮が行き届いています。

配色のセンスも、屋久島らしさを保ったハイエンドリゾート風の洗練。

無機質なものがなにもないのに、きわめて機能的に作られています。

デイベッドも広々。

ベランダも徹底的に清掃が行き届いています。

アメニティもごみを出さない配慮が行き届いており、スキンケアは屋久島の成分を使ったホテルオリジナルのものが用意されています。石鹸は持ち帰ることができるよう、上のようなパッケージつき。

シェーバーやヘアブラシも、このような持ち帰り不可の高級備品としての扱い。なのでプラスチックごみがでません。安っぽく捨てるごみにするのではなく、思い切り高級備品としてしまう。この発想はすばらしい。

バスルームとシャワーコーナー、それぞれ大理石でできており広々としているうえ、THANNのアメニティが種類を変えて2種。これはうれしい。しかもボトルにsankara のタグがかけてあるので、持ち帰り不可とわかり、ホテルが補充していくことでごみもでないようになっている。

 

飾られるアートも屋久島のイメージをこわさないセンスのよさ。

ティー、コーヒーもすべてsankaraのオリジナル。この試験管のような入れ物に入ったお茶類は最先端のプレゼンテーションですね。冷蔵庫の中のお飲み物もすべてフリー。サービスのお菓子もホテルオリジナル。

一休.comでは驚愕の最高点をたたき出しているsankaraですが、その理由の一端がこれだけでもすでに理解できます。

 

 

仕事で屋久島。鹿児島上空を飛ぶのも初で、窓の外の景色が驚きの連続。

造形の妙を感じさせる開聞岳。富士山のようにきれいな稜線。しかもこんな先端に。

屋久島についに近づきます。日本の本島そのものが島ではありますが、小さな島がほんとに数えきれないくらい点在しており、そのひとつひとつの島に異なる個性があって、それぞれに人が生活していることを思うと、日本は意外と広くて豊かなのだとしみじみ実感します。

屋久島空港。とても小さい。この空港の売店では、屋久杉の香りのお香はじめユニークなお土産を売っておりますが、クレジットカードが使えません。

ホテルの方が車で空港まで迎えに来てくださっています。今回の滞在先は、Sankara Hotel & Spa.

ジャングルの中に切り開かれた道路を40~50分ほど走って、どこまでこの危なっかしい道をのぼるのだと不安になりかけたころ、とてつもなく洗練されたホテルの敷地があらわれます。

スタッフの方がずらりと並んで美しい挨拶でお出迎えしてくださいます。

フロントからも見える開放されたプールでウェルカムドリンク。梅のシロップを使った炭酸ドリンクで疲れも癒えるおいしさ。

文字通り雲一つない青空に恵まれ、これ以上望めないほどの完璧な時空。

高台に建っているので島のジャングルが見渡せ、その向こうには海。

光、空気、水、音、匂い、すべてがあまりにも完璧なので去りがたく、お部屋に入る前にそのままプールサイドでランチをとることにしました。

鹿児島牛のハンバーガーとシーザーサラダ。美味です。なんといっても空気が美味しい。

 

 

 

東京大神宮。

雨でしたが、参拝客も絶えず。

 

神楽坂ついでに、看板の雰囲気のよさにひかれて立ち寄ってみたお蕎麦屋さん。

やはりセンスがよかった!

ロゴが駄目になると経営も危ういと思っていい、ということはしばしば耳にしますが、細部のビジュアルのプレゼンテーションの美醜の判断が善悪の判断にも通底していると感じられることは、昨今、さらに強く感じます。

(とはいえ見た目だけキレイで中身が空虚、というのは早晩バレるし、その場合もそれなりに見た目の印象に反映される)

 

 

長く持続可能なバランスのとれた真・善・美というのが本物のご縁を運んできますね。東京大神宮の神様の啓示でした。

前回の滞在から3か月ほどしか経っていませんが、30時間ステイプランに便乗して仕事を抱えてこもりました。ペニンシュラ東京です。

今回はスパも行かず、集中できるデスク周り(このホテルにはふつうの部屋でもビジネスコーナーがあり、快適に仕事に集中できるよう考え抜かれています)で過ごし、懸案をいくつか終えることができました。

ここの朝食、すばらしいです。中華朝粥のセット。点心も美味しく、量もちょうどいい。

和食もほどよい分量で、洗練されています。鮭は皮もきれいにとられています。

 

二度目の滞在からのほうが勝手がいろいろわかってスムーズに時間を使えますね。半面、驚きが少なくなりますが。目的に応じた付き合い方が上手にできるようになるとよいですね。36時間ステイプランを売り出しているホテルもあります。長時間ステイプランはコロナ禍で生まれたマーケティングトレンドの一つです。

日本ではペニンシュラにのみ入っている台湾のパリコレブランド。

善光寺門前町は、クラシックな建物のなかにモダンなビジネスがつまった個性的な店舗が立ち並ぶ、美しい通りを持つ町でした。

マメ・クロゴウチの東京・世田谷の羽根木にあるオフィスを思い出しました。黒河内さんが羽根木を選んだことに納得。この街並みにそこはかとなく羽根木の長屋の印象が重なって見えました。

老舗の店舗が多いと思うのですが、見せ方が今どきなのですよね。

こういうとき、建築の細部の意匠を語ることばをもっていたら……と思うのですが、自分の無知がもどかしい。

大通りもよいのですが、ふと脇道にはいると、そこはそこで奥深く別天地が続いていく…という仕組み。

 

長野の食材を活かしたフレンチ、イタリアンというのもおいしそうですね。隠れ家的におしゃれな店がたたずんでいます。

こんな花のあしらいも。

寒天専門店。二階には寒天ミュージアムもあります。

郵便局まで世界観が統一されています。願わくはここだけの切手を販売していればよかったのに、横浜でも普通に買える切手ばかりでした。詰めが甘くて、もったいない。

こういうのが建っているだけで空気が変わりますね。

寺院の近くにはやはりお香の老舗店がありました。善光寺御用達のお香屋さん。宗教儀式用の渋い線香ばかりではなく、華やかな日常使いの香りも各種揃い、いろいろまとめ買い。

 

店内のお香は迷わない程度の種類をそろえた最適な品揃え。許可を得て撮影しています。

忍者屋敷のような忍者グッズ専門店も。

駆け足で長野滞在計3時間の取材でしたが、発見の多い充実した時間になりました。ご協力を賜りました方々に感謝します。

長野県立美術館のすぐ前が、善光寺の北側の入り口になります。

1707年に再建された善光寺は仏教建築として国宝に指定されているとのことです。

いやもうそのスケール、想像以上でした。内陣の迫力には言葉が見つからない。西洋の宗教建築にも圧倒されますが、仏教建築もまったく引けをとりませんね。こうして宗教施設を圧倒的にラグジュアリーな場所にすることで、参拝者に対し、天上の仏さまのご威光を全身全霊で感じさせたのですね。

写真は不可でしたが、安置される何人もの大仏様の像も、この方々の前ではぜったいに噓はつけないというオーラに包まれています。お香と照明、絶妙に配置される金の装飾がその効果を盛り立てています。

京都清水寺の恵比寿様にお会いしたときも思いましたが、仏像の顔の作り(とりわけ男性の仏様)には不思議と親戚のような親近感を感じるんですよね。単に顔の各パーツの大きさが似ているというだけかもしれませんが。(笑)

3~4年前までは日本の神社仏閣にはさほど興味がわかず、近くにいてもスルーすることが多かったのですが、2年くらい前からなぜか急に「呼ばれている」感が強くなり、少しずつですが面白みとありがたみがわかってきました。今さら。

 

本堂を出てもさらに延々と釈迦堂や地蔵さまが…。この長いアプローチで本堂を守っていたのですね。

ようやく門前町の通りに。この通りがまた楽しいのです(次の回で)。参拝の前後で気分を盛り上げ、長野のビジネスをPRし、お金を落とさせる素晴らしいシステムになっています。

 

 

Mame Kurogouchi の10周年を記念した展覧会が、長野県立美術館で開催されています(8月15日まで)。

この美術館、善行寺のすぐ北側にあり、すばらしく自然環境のよいところにモダンな風貌でたたずんでいます。

美術館周辺も開けた公園のようになっているばかりか、美術館屋上でも飲んだり食べたりしながら空気を満喫することができるようになっています。自治体はこんな税金の使い方をすべきというお手本のような。

県立美術館スタッフのユニフォームも、マメ・クロゴウチのデザインです。胸元のカッティングと繭のようなシルエットですぐにわかる。美術館の雰囲気をさらに先端的に見せることに貢献しています。

圧巻だったのは、濃密に詳細に描き込まれた10年分のノート。こういう作業の積み重ねからアイディアが生まれてくるんだなと感じ入りながら眺めました(写真撮影不可につき写真はありません)。

さらに重要なことは、記録とアーカイブがあってこそ、後の歴史家が文化史を書けるということ。


80年代のDCブームでは、同時代に話題をふりまきながらもアーカイブを全く残さずブランド終了してしまったところもあり、開催中の「ファッション・イン・ジャパン」にも取り上げられない。


まあ、それはそれでいいと考えるのもひとつの生き方ではありますが。クリエーターのみなさん。できれば記録と作品のアーカイブをどうか大切に保存してください。


それにしてもマメの作品はタイムレスな芸術品だとあらためて心打たれました。

写真では伝わりにくいのですが、精緻に積み重ねられた技術が生む美しさに鳥肌が立ちました。

とことん自分のオリジンと内側の感覚に根ざしている創作は、時の試練に耐えるというか、時を超えるのでしょう。ノートがなによりの証左になっています。

シグニチャーとなっている、かごのように編み込まれた繊維から作られた服。まさに芸術的な工芸品。

ハンマーヘッド内にあるカフェやレストランはどこも個性的で驚きがあります。

ピーターラビットカフェなんかも。

二階のヴァニラビーンズカフェにはカカオニブを使ったハーブティーもあり、コースターにはひとりひとり違うメッセージが書かれてきます。ショップのチョコレートもレベル高い。

ここで最高に驚愕したのはセブンイレブンでした。センスのいい世界中のお酒やスナック、おしゃれドリンクがずらり。なんとシガーまで豊富に扱っています。コンビニでシガー。かなりテンションがあがる品揃え。ハンマーヘッドの上にあるインターコンチネンタル横浜pier8のゲストがここでガンガン買っていきます。

セブンイレブン、やるなあ。

あのル・パランのシガーリングアートがTシャツになりました。

なんと全種類コンプリートした顧客もいます。私はマイケル・コルレオーネ推し。

オーセンティックバーは完全休業を強いられています。補償も遅れています。なのにその不条理を嘆かず、仕事がない間にすばらしいアートを開拓したル・パランの本多マスターとセカンドの上村さんには、敬意しかない。顧客もみんな、応援しています。

 

撮影したのは横浜のマリンウォーク。

とにかく昼も夜もロマンティック。二階のレストランの海側テラスなんて、脳内映画の幸福なワンシーンにぴったりですね。

 

なかなかベタなワードアートもここならはまります。

You made my day.
クリントイーストウッドなら皮肉を込めて言いますが、ここはハッピーカップルのセリフを素直に代弁しているといったところでしょうか。

 

ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町が7月27日、5周年を迎えました。おめでとうございます。

フロントロビーには5周年記念の迫力の新作アートが飾られました。大巻伸嗣さんによるAbyss.  至近距離で見るとまた別世界が立ち現われてきます。ぜひロビーラウンジでご覧ください。

5周年記念プランを購入すると、5周年限定のアートなルームキーががついてきます。

ほぼ1カ月半ぶりに山下町に立ち寄ったら、花がすっかり入れ替わっていました。

恐ろしいほどのスピードで季節は変わっていくのに、懸案の仕事が進まない。

進めているのに進まない。こういうときは、しばし深呼吸。焦りがつのるときほど頭を冷やす必要がありますね。

サウナの中、ひたすら坂道を登っていったらなにやらすごそうな所へ。呼ばれていたのはどうやらここだったようです。

有名な観光地とは知らずに到着してしまいました。

さらにさらに。有名な神様とは知らず、招かれていたようです。

 

 

日頃のお仕事関係のご縁に感謝するとともに、息子たちが良縁に恵まれますように願ってまいりました。

 

すっかり観光地の絵葉書モード。いやもう壮観です。

サウナの中、山を下りるのもなかなか爽快でした。

 

パークハイアット京都は東山の中心、観光に絶好の立地にあるんですね。

スタッフの方が方向音痴な私のために「<下>のほうへ降りていくと祇園につきます」と教えてくれたのですが、なにやら<上>方向から強力に招かれているような気がして、そのまま<左上>の方へ(方向感覚がまったく欠如した表現をお許しください)。

情緒ある店舗が続き、ここが「二年坂、三年坂」という観光スポットであることを、後から知りました。

 

お香や和の香料関係のグッズが豊富にそろうこの店では、かなり大量に買い物を。ホテルのアロマも研究対象に入っているので、もちろん研究材料です。

 

本当に絵になる坂ですね。ゆかた姿のカップル多数。

梅専門店のこちらも学びどころが多かった。いまどき、インターネット販売をしていません。ランク分けされた梅に対するべたべたなネーミングもかえって面白い。

 

坂の上まで行きつけばあの清水寺があるとは、このときまったく知りませんでしたが、後からふりかえって思うと、参拝への期待を盛り上げる工夫が随所に感じられました。

パークハイアット京都。予約もしないでランチだけのつもりでふらっと立ち寄ったのに、宿泊の責任者の方はじめスタッフの方々がとても親切に対応してくださいました。

ここは「ホテル」と称さず「ゲストハウス」と称しているとのこと。モダンな邸宅に招かれたようなアプローチ。

玄関まわりに「水」があるのはいまどきのホテルでは必須と見えます。

インテリアはゴールドを活かし、黒とブラウンを基調とした、ザッツ・ハイアットといった雰囲気。

デザートに頼んだメロンと日本酒のグラニテ(シャーベット)。外気温34度の真昼にはこれが非常に効いた。美味しかった。

器ひとつ、花のあしらいひとつに洗練が感じられます。

翌朝も快晴に恵まれました。鴨川散歩の予定が「暑そう……」とくじけて怠け者の朝に。

 

朝食は地下の和食レストランのみと聞いて、せっかくの朝日がない朝食なのかと思いきや、そもそもの建築設計がすばらしく、地下でも朝の光が入る美しいレストランでした。

洋食は前菜から繊細でゴージャス。

これにピエール・エルメのクロワッサンがつきます。お代わりはいかがですか?と言われてもお腹いっぱい。

 

ロビーの花のあしらいも考え抜かれています。

吹き抜けのフォトスポット。

ホテル内にはいたるところにアートが設置されています。実にさりげなく。

写真を撮っていないのですが、スパ施設もレベルが高い。地下ですが光が降り注ぐプールはジャクジー効果も発揮し、サウナも2カ所。水着を着用して入るタイプですが、窓から庭園もながめることができる、快適なサウナでした。

 

水を冷やして用意してあり、外から帰ったゲストに細やかに声をかけて渡してしてくれます。施設、サービスすべてにおいてすばらしいホテルでした。

リッツカールトン京都泊。鴨川側の眺めのいい部屋をアサインしてくださいました。

関西で唯一のForbes 5 Stars の実力。徹底的に機能的にあらゆるものが配置されているだけでなく、美しく雅やかな外観は統一感があり、目に入るすべてのものが繊細で高級感にあふれている。冷蔵庫の中、ワインのチョイスに至るまで脱帽ものでした。

バスルームの壁にも桜の花が舞う。

アメニティはアスプレイ。和の紫がしっくり溶け込んでいるし、香りもさわやかで使い心地よし。

他のアメニティ類も漆のケースに入れられています。基礎化粧品セットだけがいまいちな感じでしたが、不足分はお願いしたらすぐに持ってきてくださるし、本当に申し分なく快適で居心地のよいサービスでした。

フロントロビーまわりの質感も、和の要素をふんだんに取り入れた落ち着きのある品格を漂わせています。照明、香り、家具、人にいたるまで独特の空気感を創ることに寄与しており、これは並みなことではないと思われます。

ピエール・エルメのブティックも併設。「世界一のクロワッサン」が人気だそうです。バターが8割を占めるのではないかと思われるパリパリした高級クロワッサンで、美味でした。

スパは人気で予約とれず。スイスのラ・プレリー、イギリスのエスパ、フランスのジェモロジーを扱っています。次回は事前予約が必要ですね。

 

夜食に和牛バーガーを頼んでみました。ジューシーで極上のおいしさ。ついてくるトリユフポテト(←ホテルでは必ず頼んでみるほど好き)もカリっとした細長の好みのタイプで、感動ひとしおでした。

 

 

 

アマン京都。金閣寺の近くにあり、ちょっと涼みたいなと思って立ち寄りました。

そんな客でもほんとうにあたたかくクールにもてなしてくださいました。

20万平米の敷地は、京都というより軽井沢のイメージに近い。森の奥深くに広がる究極の聖なるラグジュアリーリゾート、という印象。

たっぷり汗をかいた後に飲む冷えた白ワインというのは、常にこの世の幸せのベスト3に入っています(←単純な人間)。

グラスの色、ナプキン、カトラリーにいたるまで徹底的にブランディングされている気持ちよさ。

完璧にオアシスですね。

この濃密な解放感、世界観はちょっと類を見ない。

 

 

ベタなお上りさんの勢いで、金閣寺。(観光に来ているわけではありません、念のため)

「007 ゴールドフィンガー」に出てくる金箔塗りの刑を連想してしまうのは不謹慎と承知ですが、つい。

それにしても、ほんとに「絵」になります。どの角度から見ても美しい。

 

ため息しかでない。

池に浮かぶ「島」の手入れにいたるまで、相当手間暇がかかっているはず。

こういう美は次世代に継承していく価値のあるものですね。心が洗われるような佇まいでした。

 

京都で取材。みごとなまでの快晴にめぐまれたはいいものの、外気温がおそらく体温と同じくらい。アウトドアサウナ状態でした。それもまたよし、です。

取材の詳細は書けないのですが、移動の途中で撮った写真などを中心に。

高瀬川一之船入。

こんな川が流れて居るのが京都らしい風景。(←おのぼりさんの感想)

少し歩くと鴨川に出ます。

ベタですが胸のすくような気持ちよさ。明日、鴨川沿いを散歩しよう(後記:そうと誓うも実現せず)。

透き通る水、強い光。(オザケン風)

左手に広がるのがリッツカールトン。高層階ではない、というのがうれしい。

東洋一と呼ばれる前浜ビーチ。

曇りなので実力は発揮できていないと思いますが、それでも砂のきめ細やかさと水の透明感にはときめきます。

 

この前浜ビーチから最も近いのが東急リゾート。

広い広い敷地はとてもきれいに手入れが行き届いており、クラシックリゾートの王道を行っています。

ほっとする南国リゾートの景色ですが、ただ、これだけあちこち見てしまうと、すべてデジャヴ感が…。

ファミリーが数日間、じっくり滞在して飽きないように、コンビニ、ショップなどの施設も充実しています。あまりにも何もない「イラフSui」でおそろしい退屈を味わったあとでは、こういうの、ほっとします。(好みですね)

ややディズニー味もあり…。この安定感と既視感を時代遅れと見るミレニアルズもいて、ホテルのターゲティングはますます細分化されていくでしょうね。

見晴台、左側。遠方に伊良部大橋が見える。

見晴台、右側。どちらも絶景です。

来間大橋をわたり、来間島へ。これは来間島の展望台から見た大橋。

来間島はそこはかとなく竹富島っぽかったです。

展望台からは左に伊良部大橋、右に来間大橋が見え、宮古島の全景が見える。今回、三島踏破したのだな。

空港に向かう時、タクシーの運転手さんが「ココだけは見ていけ」とわざわざ立ち寄ってくれたのが、前浜ビーチ。さっき見たんだけど……とは言えず、喜んで見せる演技をするサービスをする私はなんなのか。

 

見渡す限りのサトウキビ畑。私の瀬よりも普通に高い。夜、通るとかなり怖そう。

 

イラフ一のビーチといっても、意外と狭い。ただ、曇り空でも水の透明度と砂のきめ細かさは際立っています。

google map を頼りに、伊良部の「集落」の調査。

 

集落の中央部は、これが伊良部の人々の生活なのだと謙虚な気持ちにさせられる荒れ果てた家屋が目立つ。壊れっぱなしの家屋も。

 

潮風も太陽も強いので、塗装の落ち方が激しい。

交番前のガジュマル。

村にあるスーパー二軒。ともに昭和感がある。そのうちの一軒では「ココでしか売っていない」黒糖アイスを扱っている。ハーゲンタッツよりもさりげなく高い。

「まるきスーパー」の隣はなにげなく絶景。これが日常の伊良部の風景なのかな。このスーパーの二階で宮古そばを食べてみる(またしても)。美味しい。村の方々が食べに来ている日常感たっぷりな食堂です。

シギラを出て、かの有名な伊良部大橋をわたり、伊良部島へ向かいます。

宮古島の象徴のようになっている伊良部大橋は、渡っている最中はその美しさが見えない。いざ渡っている最中は何が何だかわからない。車の横から見えるのは欄干と海だけ。遠くから見るといったいどの位置にいるのかわかる。どんな全体の中にいるのかがわかる。

この橋を渡るBGMとして小沢健二の「強い気持ち、強い愛」の最後のサビの部分が意外とよい。華やかな橋なんですが、ちょっとだけ刹那感や悲しみ見たいのが混じってくるんですね。

イラフ SUI ラグジュアリーコレクション。


各ライフスタイル誌が称賛していることもあり、かなーり期待していったのですが、え?これでラグジュアリーコレクション?

雨が降っていたとはいえ、バルコニーは濡れたままでまったく使えず。そもそもガラスにモップのあとが。まあ、最低ランクの部屋だったのだろう…と思うことにしました。それにしてもマリオットのゴールドランクの会員でもこの扱いは。

部屋の質感も都内の4スターホテルといった無機的な感じで、アメニティもこれだけ。かなーり気落ちします…。この時点でかなりシギラに「帰り」たくなっている。

なんといっても施設が小さすぎるのです。フロントは狭くて、スタッフが机周りに固まっており、その机の後ろを通ってレストランに行くときにフロントのパソコン画面が見える…ってちょっとこれは。

 

唯一のレジャー?が自分で創るバスソルトコーナー。一度やると飽きるし、プールもフロントから丸見えで入る気にもならなければ、レストランも一か所しかなく、スパもなく、庭も小さく、ホテル内散策の楽しみがゼロ。スモールラグジュアリーを謳うならもうちょっとなんとかしたほうがよいのでは。

夕方にはサンセット・シャンパンフリーフローサービスがあります。これが価格に含まれていたので高いわけですね。部屋まで持ってきてくれますが、少しぬるくなるのです。この時期には仕方ないですね。せめてお天気よければ気分も持ち直していたのですが、レストランも一度で飽きて、周囲にはレストランも皆無。


最寄りのビーチまでは歩いて10分ちょっとです。 左奥に白く見えるのがイラフ。

朝食も同じレストラン。

ホテルの前はごつごつした岩で、雲が広がると「東映」という文字が浮かび上がりそうな雰囲気。

朝食はセミブッフェ。お料理は丁寧に作られており、美味しいです。食べきれないパンは丁寧に包装してテイクアウトさせてくれます。

スタッフの対応もよくて、よいところもたくさんあるホテルなのです。ただ「ラグジュアリーコレクション」とする基準には、「?」。珍しく辛口でごめんなさい。すべてはお天気のせい……なのでしょうか。

リゾート内では最大規模のシギラ・アラマンダ。クラシックでゴージャスなザッツリゾートといった感のホテルです。

ここは宿泊はせず、レストラン利用のみ。プールサイドでシャンパンつきの遅めのランチという、どこか嘘くさいリゾートランチが、嘘のようにばっちりはまります。

ハウスシャンパンがペリエジュエ。ハンバーガーもフレンチフライも美味でした。ポテトは細目でかりっとしたのが好みですが、まさにそれで(UMAMIバーガーについてくるようなアレです)。

南国の楽園感があるので結婚式にもぴったりで、ちょうど撮影がおこなわれていました。チャペルもあります。

どこをとっても絵になる景観。

ハスの池も。

徹底的に手入れされた南国庭園。ここは快晴のときに再訪してみたいです。

シギラリゾートはユニマットグループの傘下だそうです。これほどのスケールのリゾート、今作るのはなかなか難しいのでは。クラシック感がむしろ懐かしい感じでした。

島の道で好きなのはこの感覚。前方に海が見え、このまま歩けば必ず海に行きつくというこの構図。

ミラージュの「タートルベイ」での朝食は朝からルイ・ロデレールがついてくる。フリーフロー状態です。仕事があるので飲まないけど。これが夜だったらよかった。(笑)

ブッフェスタイルですが、お料理をとるときには手袋をはめて、というスタイル。

朝から新鮮な海鮮のバーベキューまでやってくれます。ここはほんとにレベルが高い。

ビーチサイドには「海の家」っぽいこんなカジュアルレストランも。鉄板の宮古そば。美味。

 

ロビーです。エステなどもよさそうでしたがチェックする時間もなくパス。

仕事の調査で宮古島です。

あいにくの曇りで宮古ブルーには出会えませんでしたが、それでも透明な海、真っ白くきめ細かな砂浜。

シギラ・セブンマイルズリゾートは想像していた以上にスケールが大きい。敷地内の移動はスタッフを呼んで車移動です。車移動必須の広大なエリアです。

 

リフトに乗ると、帰途がすばらしい。海を見渡せます。

高い建物がシギラミラージュ。

シギラリゾートのなかにはいくつもホテルがありますが、その中で最も新しいのがシギラミラージュ。

 

 

部屋からの眺望。この美しさは石垣のANAインターコンチを超える。

プール、レストランはホテル内にもリゾート内にもいくつもあり、選び放題で飽きないようになっている。

お部屋は広く上質なリゾート感覚にあふれていて、ハレクラニを超えるかというレベル。ジャクージがバルコニーにもついている。

アメニティはディプティーク。ポイント高い。さわやかな香りで泡立ちもよくなめらか。

リクエストしなくてもオムニサンスの基礎化粧品がたっぷりついてくる嬉しさ(右奥)。

タオル、スリッパ、シーツなどのリネン類もことごとくハイクオリティでうっとりする触れ心地でした。

宮古そばはやはり地元の人気店で。「ひろちゃん食堂」、地元の方々でにぎわっています。奥はゴーヤちゃんブルー。ひろちゃん食堂はセブンマイルズリゾートのぎりぎりのところにあるので、帰りはホテルに電話をかけて迎えに来てもらうというパタン。歩けばジャングルで、巨大な昆虫や不思議な虫に出会います。

北鎌倉の建長寺。日本最初の禅寺だそうです。

「君が代」にでてくる「さざれ石の巌となりて」の現物を初めて拝みました。日本の何カ所かにあるようですが。

樹齢数百年という樹がふつうにばんばん生えており、建物とともに威容に圧倒されます。以下、写真集にて失礼。

 

 

庭園もよく手入れされて、静謐な美しさを見せてくれます。

 

 

足利尊氏公ゆかりの禅寺、長寿寺が季節・曜日限定で特別公開されていました。

以下、写真集で失礼します。

 

清らかに手入れされた建物と庭園。寺院というよりお屋敷のようでした。(これが当時の寺院の常識なのかもしれませんが)

 

場違いな色の服を着ている私が階段の上の方に小さく見えます。笑

尊氏公は54歳没だったのですね。若い…。当時は人生50年、という時代。

 

北鎌倉の明月院、今年最後のあじさいです。

以下、シンプルな写真集。

紫陽花の名所だけあって、浴衣を着たカップルがあちこちでインスタ映え?写真を撮影していらっしゃいます。

有名な庭園。余白が日本の禅的スピリットを表現しているという文脈でしばしば引用されますね。

 

地蔵さまと紫陽花。絵になります。

北鎌倉には違う時間が流れているような感覚。

紫陽花以上に心に残ったのが、石に根を張るモミジの根。

 

 

昨年は見られなかった分、今年の紫陽花は十二分に堪能しました。もうお腹いっぱいなくらい。これだけのケアをしてくださる管理人の方に感謝したい。取材ついでの駆け足でしたが心の保養になりました。

 

いくつかの仕事を兼ねてマンダリン・オリエンタル東京。

バースデー祝いとしてホテルからカードとフルーツ盛り合わせが届いていました。ありがとうございました。

部屋はゆったりと使いやすく、文具が一通りそろった引き出しも備えられており、ワーケーションにも最適です。

 

嬉しかったのが、メモパッドはじめ紙の文具もたっぷり用意されていたこと。いまコロナ対策で、ペーパー類を一切おかないというホテルも多いなか、この判断はとても貴重。

リクエストベースでもってきてくれる基礎化粧品のセットも、フランスの「オムニサンス」。たっぷり使えるサイズなのも嬉しい。隠れたサービスに底力を感じます。

高層階の景色は仕事柄見慣れて感動が薄くなりがちでしたが、これには驚き。日本銀行の屋根が見えるのですが、上から見ると「円」という字の形になっている。日本銀行なだけに。

 

マンダリンのスパ。聞きしに勝るすばらしい質感とサービス、トリートメント技術。

 

写真撮影不可なので写真はありませんが、37階に全面古ガラスになっている開放感ありすぎのサウナにはちょっと圧倒されました。ミストサウナも別にあるほか、広く高く深い(印象的日本語)お風呂もいい。これだけ充実のスパ施設はなかなかないのではないか。

オーストラリアのサトルエナジーは、こちらででも取り扱い。(ペニンシュラとマンダリンのみ)

アロマテラピー・アソシエイトのバスオイルはセラピストお勧め。「ディープリラックス」を購入してルームバスに入れてみたら驚きのデトックス効果でした。

お風呂の照明もセンスよく、お湯がゆらゆら揺れて見える照明です。(時間にせこくて、ぼーっとするのが嫌いなので、パソコン持ち込みの入浴。笑)

水が流れる素敵すぎるバーでお酒が飲めないのは残念でしたが、アフターコロナのお楽しみということで。

部屋の冷蔵庫にはクリュッグの誘惑。飲まないけど。ルームサービスの和牛バーガーがとても美味しかったです。

夜景も完璧。

朝食のクオリティも高く、とても美味しい。

マンダリンカフェでのグルメおみやげのラインナップも充実しています。

適度にオープンなロビー。待ち合わせができる程度の広いロビーがあるのはよいですね。

 

日本橋周辺は歴史的な建造物も多く、周囲の環境も落ち着いていながら便利です。

となりには千疋屋本店。チェックアウトの後、立ち寄ろうとしたら長蛇の行列であきらめました。

薔薇の季節はあっという間に終わり、あじさいのシーズン。これもまたあっという間なのですが。

山下公園からみなとみらいにかけての光景です。

以下、淡々とただの写真記録です。

 

 

 

 

 

 

アガパンサスも、今がシーズンです。実によく手入れされており、いつも感心します。

 

この時間がいちばんきれいな光景を楽しめますね。

できたばかりのエアキャビンにも初めて乗ってみました。数分で1000円というのは、維持費を考えればそうなのかもしれませんが、一度乗れば、もういいかな。ケーブルカーですが、アトラクションみたいな感じです。

エアキャビンの中から撮影したアニベルセル。

絶景でした。

いくつかの仕事を兼ねてペニンシュラ東京泊。36時間ステイというプランに便乗してみました。10時にチェックインして翌日の夜10時までいられるって実質まるまる二日間使えるということですね。(実際にはそれほどいられなかったのですが)

すっかりあじさいの季節になっています。

いつもの通りも、華やかな花に彩られておりました。あいにくの曇りです。それにしてもこの週は一週間陽射しがありませんでした。こんな5月もありますね。

お部屋には総支配人さまからのメッセージとウェルカムスイーツが。(一休のダイヤモンド会員だから、だと思います。笑) 手書きのメッセージには心があたたまりますね。

デラックスルームという標準ランクのカテゴリーですが、ビジネスパーソンにとってはこの上なく機能的に作られていると思います。上のようなコーナー、仕事に最適です。机の前の眺めがよすぎると落ち着かなかったりしますが、このコーナーはほんとうに書くことに集中できる。しかも右下にはプリンターも備え付けです。印刷もコピーもファックス(もう使いませんが)もビジネスセンターに行かずにここでさらっと済ませられる。ワーケーションに最適です。

バスルームもすばらしく、テレビは当然のようにあるし(見ないけど)、モードを変えると照明が少し落ちてリラックスミュージックが流れてくる。外部からの連絡を遮断することも可能。この音楽があまりにもよいので、ずっとBGMとして流していました。

 

クローゼットが広々としていて、この中でヘアドライやメークができるというのも気が利いている。とにかく非常に使いやすく、ストレスがまったくない設計。ドライヤーはレプロナイザー。今やほとんどのホテルがこれですね。

基礎化粧品セットをリクエストしたらたっぷりとしたサイズのこれ。嬉しいですね。

アメニティはペニンシュラオリジナル。パルファンさとりの大沢さとりさんがこのアメニティの香りに関わっていらっしゃるようです。やさしい香りだちで、現代の日本らしさを感じさせます。バレーボックスもあり、ドアを開けなくても新聞やルームサービスを受け取ることができる仕組み。人と接しないので安心・安全。むしろ徹底的にビジネスパーソンの需要をくみ取ったホテルだと感じました。

滞在中にスパでトリートメントもお願いしました。あいにく時節柄、サウナは使えませんでしたが、きわめて快適な施設で、セラピストの腕も極上。

オーストラリアの高級アーユルヴェーダ系の「サトルエナジー」と、モナコ発のアンチエイジングブランド「マージーズ」を使用。ホテルで販売もしています。

「目に見える」効果に、勢いで購入したのが「サトルエナジー」のバスソルトと、マージーズのローション。バスソルトはとにかく心の深部まで癒される香りで、これを入れて入浴すると不安要素や不快要素がデトックスされるような感覚。マージーズを扱っているのはペニンシュラのみ、サトルエナジーはマンダリンとペニンシュラのみの扱いだそうです。

滞在中はスタッフにたいへんよくしていただきました。お水やお茶もふんだんに補給していただいて集中できたおかげで4日分くらいの(ウソ)仕事ができました。

それにしても怒涛の長時間プラン。ホテルの稼働率が低いこの時期の一つの流行のようで、いま40時間ステイプランも出ております。一泊の料金で40時間。書き物を一気に仕上げたい人にとっては、ありがたきプランです。

 

 

 

 

大手町の森ことOtemoriのなかに潜むアマン東京。書評のためになんとしても読み終わらなくてはいけない本をもってこもりました。

お部屋の玄関から旅館風。

日本の要素がこれ以上ないくらい洗練された、アマンの精神が感じられる別格の空間。

視界に入るものすべてが、細部に至るまでノイズなきよう徹底的にコントロールされています。

アマンの水もこんな容器で覆われ、アマンブランドのロゴの主張がどこにもないのに、アマンらしさが伝わってくる。

ウェルカムドリンクとフルーツ。冷蔵庫の中のソフトドリンク類もすべて無料です。

スパエリアには、バスローブとスリッパで直接伺うことができます。これは非常にありがたいですよね。


陽の光がふんだんに注ぎ込むプール。

部屋のお風呂も、たっぷりとした大きさ。玄武岩でできており、お湯がぜんぜん冷めない。バスソルトが和のアロマを活かした良い香りで、この香りとスパのオリジナルコスメの香りが館内にそこはかとなく漂っています。ホテルアロマはあえてなし。こうしたセンスにもアマンらしさがありますね。

照明もコントロールしやすいように作られています。

大手町の日の出もよいですね。

 

実は意外に周辺には緑が多い。

早朝の東京駅にも、人がいない。

 

 

天井の高いロビーにひとり。ホテル貸し切りでした(ウソです)。

おみやげにアマンオリジナルのトラベルタグまでいただきました。中には、ゲストそれぞれの名前が書いてあります。嬉しい。

 

激戦区大手町エリアでも突出した施設のすばらしさなのにフォーブスの格付けは4。なぜ5ではないのか? 外部の格付けによってホテルの価値が変わるわけではないですが、やはり気になりますよね。原因として考えられるのが、スタッフの対応でしょうか。外に出て戻ってきた時に宿泊ゲストと認識されずレストラン客のように対応されるとか。私の存在感が薄すぎるからしかたがないのかもしれないですが、それを差し引いても、「?」な違和感が何度か残りました。

あるいは、アマンゾエ、アマンキラ、アマンプリなどに求められるようなとんでもない基準を期待していたらふつうだった(それでもふつうではないのですが)ための「4」?

ホテルの格付け評価の基準の難しさ。フォーブスの審査員のお話を聞いてみたい。

ほぼ一年ぶり、二度目のハレクラニ沖縄。

 

 

解放感と質感の高さ、ホスピタリティはやはり別格です。

前回とおなじサンセットウィングでしたが、再訪だったためか最上階の少し広めのツインに案内していただきました。

オリジナルバスソルトはじめ、アメニティのひとつひとつに心がこもっていて、高揚感を与えてくれます。ドライヤーはすてきなケースに入った「復元ドライヤー」だし、ヘアアイロンを頼むと「ヘアビューロン」の最新バージョンだし。いちいち想像を超えて感動させてくれます。

冷蔵庫の中にあるドリンクはすべてサービスとして用意されています。

クラブラウンジのサービスも相変わらず驚きにあふれていてすばらしく。今回は曇りだったのでサンセットが拝めなかったのが残念でした。

前回はブッフェ形式でしたが今回はあらかじめセッティングされた形でお料理が提供されました。

昨年は工事中だったサンセットウィングのプールも完成し、シャンパンバーまでできていた。シャンパンのメニューが豊富。ただ、今年は虫が異常発生していて、あまりプールサイドでゆったりできませんでした。黒いむしがわんわんよってくるので。「宮古島はもっとたいへんな状況」とのこと。

夜のプールのライトアップも幻想的。

翌日のランチ。ハワイのロコモコにゴーヤがあしらわれているのが沖縄風。

ずっと曇りでしたが、ようやく帰路に太陽を拝むことができました。

 

昨年、泊まったブセナ・アッタテラスは、ショップで買い物のために再訪しました。お茶が目当てです。リカバリー、リラックス、デトックス、ビューティーのブレンドティーがハイレベルなのです。インターネットでも販売していないのはいまどき貴重ですね。(だからこそわざわざ買いに行く人がいる…)

ショップから眺める中庭。

スタッフも相変わらずとても親切で、本館までカートで乗せていってくれました。

ブセナ本館は、ランチに訪れました。

やはりここの庭園の迫力は別格。

くもりでなんとなく水の光が今一つに思えたので、スマホで色彩を強調してみた写真。うそくさい。笑

 

このトリ。なんどか飛んで行ったり戻ってきたりしたと思ったら……

次第に距離をつめてきて……

この写真を撮った3秒後には私のランチをさっとかすめて去っていきました。すごいなブセナのトリ。

本館もスタッフは制服からしてモダンコロニアル風、建築とのハーモニーでなんとも気分が高揚します。どのスタッフもフレンドリーで、お料理もおいしく、短時間でしたが印象的な滞在になりました。

ハイアットリージェンシー瀬良垣。

小さな「島」を丸ごと使ったリゾート。

たかーい天井、黒、グレー、ナチュラルカラーを使った幾何学的なインテリアはハイアットの特徴ですね。どこのハイアットだったかわからなくのは仕事ゆえの不幸か。

周囲は砂浜ではなくごつごつした岩浜で、近くで見ると神秘的でこわいくらい。

どこを撮ってもフォトジェニックです。これで陽光がさせば完璧。

プールが多い。しかもドラマチックな作りで、お子様づれファミリーには最高ですね。一日いろんなプールで遊べます。

まだ肌寒かったのでプールは撮影のみでした。

どこを撮っても絵になるなあ。

インフィニティプールのように見渡せる場所もあり、時間を忘れる眺望です。

クラブラウンジがかなり残念。フードはほとんどないに等しいし、シャンパンすらおいてない。ドリンクの種類が少なすぎるうえ、サービスがほとんどない。このホテルはクラブラウンジなしで使うのが正解かも。

翌朝は少し晴れて、海がいきなりきれいになりました。太陽があるのとないのとは雲泥の差。

 

 

朝食は、もはや都内のホテルでは皆無になってしまったブッフェスタイル。手袋をつけてトングでとるようになっています。プールでは全く人に会わなかったのに、朝食のレストランはほぼ満員。みなさんどちらにいらしたのでしょう…。

 

すばらしい施設でしたが心が動くような感動がなかったのは、陽光が足りなかったためなのか。こんな日もある。

 

 

 

仕事で沖縄。沖縄は何度か来ていますが、那覇市をあるいたのは初。

有名な国際通りとはここだったのですね。人がほんとに少ないです。

脇道にはいるととたんにアヤしさが増して良い感じになる。

疲れたな~と思ったら目の前にハイアットリージェンシーが。ここ今回の調査対象の一つでした。なんと奇遇。

ハイアットらしい建築。

お茶もおいしく、庭園の景色もきれい。願わくば晴れてほしかったけどそこまでは。

〇二期会のハンサム四兄弟によるコンサート「とびきり甘い夜2021」が開催されました。紀尾井ホールにて。

それぞれに実力とルックスを兼ね備えたバリトンのスターが4人結集し、親しみやすく、別格の芸術的なパフォーマンスを見せてくれました。

パフォーマンスは圧巻で、合間のトークも楽しい。燕尾服の格の高い美しさにお色直し後の黒×赤のセクシーさ。目にもここちよい舞台でした。

 

(僭越で恐縮ながら、お色直しの衣裳に関しアドバイスをさせていただきました。赤いブトニエールを完全に正面に向かせるなど現場でのきめこまやかな配慮をされたのは二期会理事の谷口久美さんです。)

 

〇6月26日(土)、ザ・プリンスパークタワー東京で「ハンサム4兄弟プレミアムディナーショー」が開催されます。

ホテルで二期会オペラという初めての試み。長男の宮本さんはトークも面白く(エッセイも上手だし、プロデュース力も高く、ほんとにマルチタレント)、それぞれに華のある4人が結集したときの品格と迫力はもう、鳥肌ものです。ぜひ体験していただきたいです。

お申し込みはこちらからどうぞ。

 

〇プリンスホテル東京シティエリアのホテルの中から、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町、高輪花香路が2021 Forbes 5 Starsに正式に輝きました。祝!

この快挙は、統括総支配人の武井久昌氏のお力によるところが大きいです。この数年、「ゼロ」から「3」へ、「3」から「4」へ、そして「4」を「5」にする地道な努力と大胆な改革が積み重ねられてきました。

いまだに10年前のプリンスホテルのイメージを引きずっていらっしゃる方がいらしたら(いらっしゃらないとは思いますが)、ぜひギャラリー、花香路を訪れて、その変化に驚いてください。笑 この2ホテルのほか、ザ・プリンスパークタワー東京、さくらタワーもおすすめです。この2ホテルは「4」ですが、逆に「5」を求めない上質な寛ぎがあり、泊まってみると実感するのですが、それはそれでひとつの別のカテゴリーのスタイルです。

昨夜の紀尾井町、ザ・プリンスギャラリーです(左の建物)。桜がライトアップされております。

Palace Hotel の強みのひとつは、散歩圏内に皇居があるということ。

手招きするとなにか語り掛けるように声を出してこちらに向かってくる皇居の白鳥。白鳥の鳴き声って個性的。人間におびえていないのは皇居に住んでいるからか。

クラブラウンジは朝食タイムはクローズ。代わりにレストランでの朝食またはルームサービスを選ぶことができます。ルームサービスにしていただきました。こちらも完璧以上。ルームサービスの朝食のパンのセットはいつも多すぎて食べきれませんが、なんと、最初から持ち帰り用のペーパーバッグをつけてくださいました。こういうサービスは嬉しいですよね。

エビアンスパ。七色に光が変わるサウナを楽しみにしていたのですが、残念ながら女性用のサウナは故障中……。アメニティは共用のものがなくなり、ひとりひとりに小さなボトルに入ったバスアメニティが手渡されるシステム。一回分のスキンケアセットもついていて、至れり尽くせりです。

フィットネスルームで一時間ほど。誰もいないのでほとんどパーソナルトレーナー状態でスタッフについててもらえました。眺めが抜群なのです。ランニングマシンからは枢密院まで見下ろせます。ちょうどなにか制服組の式典がおこなわれていました。

プールにも誰もいないので、撮影許可をいただいたうえで撮影。朝の光がたっぷり差し込んで、健康と幸福の象徴というイメージ。

時間が深く流れていくので、ほんの一晩過ごしただけでも、3日間くらいどっぷり滞在していたような錯覚。明らかに脳内時間の流れ方が違う。また新しい気持ちで仕事に向かえます(たぶん)。総支配人はじめスタッフのみなさまに感謝します。

先週末になりますが、パレスホテルのクラブフロアに久しぶりに滞在しました。

クラブラウンジでのウェルカムドリンク。

そのままアフタヌーンティーのサービス。コロナ前はブッフェスタイルでのスイーツ提供だったのですが、どのホテルも今はこうした形に転換しているようですね。かえって落ち着けてよいと思います。甘いもの苦手ですが、ひとつひとつが極められたおいしさで、感動のレベルです。

 

ラウンジのテラスはまだやはり寒い。

今回はテラスつきの部屋にしました。1-1-1という住所、皇居のとなりの高層階でテラスに座りながら空気に浸れるという場所、なかなかないのでは。

総支配人の渡辺勝さまよりあたたかいウェルカムギフトが。

時間が止まる絶景です。

スイッチを探したりするストレスもなく、まったくスムーズに快適に使えるように考え抜かれています。

バスアメニティは、バンフォード。

 

クラブラウンジ、カクテルタイム。

こちらもブッフェではなくなったのが寂しいですが、あらかじめセットされた「冷たい前菜シリーズ」と「温かいお料理シリーズ」を二回にわけて持ってきていただけます。

 

シャンパンはローランペリエ。

スタッフはマニュアル対応などすることなく(そのように対応せよというマニュアルなのかもしれませんが。笑)、ゲストひとりひとりにまっすぐに向き合って接してくれるんですよね。その接客があたたかさを感じさせて、すばらしいのです。

冷たい前菜シリーズ。シャンパンに合う絶妙においしいお料理ばかり、少しずつ。

あたたかいお料理シリーズ。カクテルタイムとはいえ、お酒と一緒だとこれだけでディナーとして十分です。笑

コロナで時間やサービスに制限があるとはいえ、どこどこまでも快適な、完璧なクラブラウンジでした。

 

 

決してスピリチュアル系ではないのですが、やはりそこに行くと感覚が洗われたり研ぎ澄まされたりするような場所があるということは実感します。世にいう、パワースポットのようなものでしょうか。

あくまで当社基準においてですが、東京でも一、二をあらそうパワースポットが、皇居周辺。

税金が投入されていることもあるのでしょうが、とにかく、落ち葉一つ落ちていない。掃除が徹底されていることはこの上ないラグジュアリーなことなのだと思わされる。完璧、最強です。

大手町のビル群も、好きな光景です。中で働いている方はまた別の見方をされるのかもしれませんが。

樹の形までなんだか似ていて、同じリズムで踊っているような。光が水に差し込み、時折白鳥がつい~と泳いでくる光景は、夢幻的ですらあります。

パレスホテルを出発して皇居に沿い、大手町ビル群を横目にみながら二重橋を経由し、桜田門まで。

二重橋の実物がこちら。「浪漫」と漢字で書きたくなるような雰囲気です。

 

シュールなほどの清潔感。皇居まわりは神社や歴史遺産もなにげにぐるりととりかこんでおり、「守られている」場所であることが身体感覚として実感できます。警備もそれなりに点在していますので「守られている」のは視覚的にも明らかではありますが。

こちも好きなウォーキングコース。

中華街~元町~山下公園あたり~関内~みなとみらい、でだいたい1時間ちょっと。途中お茶したりなんだりしているともっとかな。

異国情緒があちこちにあふれており、景色のバリエーションが豊かなので飽きません。

こういう壮麗な建物が店舗になっていたり資料館になっていたり。

チューダー建築っぽい。

よく見るとものすごい建築なんだけど、さりげなく街のなかに溶け込んでいるところがまた味わい深い。

ライトアップされるとまた美しいのですが、あえて逆光でシルエットのみ。

ブランディングにおいて細部にいたるまで徹底的に気を抜かないということは大前提なのですが、

同時に、細部に至るまで「ウチの世界観はこれなのです!」という強い主張がはりめぐらされていると、それはそれで問題がある。

最初はすごいな!と感動するのですが、その後は、なんというか、あまりの主張の強さにおなかいっぱいになるのです。

ある程度、第三者を巻き込めるようなイノセントな余白や静けさがあるほうが、長く付き合える気がします。建物も、商品も、人も。

徹底的にブランディングがなされた形跡のある、とあるホテルと商品ラインナップを見て、そんなことを思いました。「私って、こうなの」という自己規定はほどほどに。笑

このあたりはタイムレスな穏やかさがあり、いつ来ても癒されます。

 

2月のラストスパート、良い一週間をお過ごしください。

仕事を兼ねてOkura Tokyo 泊。

ひっそり。を超えて、がらーんとしたロビー。ゲストよりもスタッフの方が多い。ホテル業界の起死回生に帝国ホテルがサービスアパートメントを打ち出したのは、正しいと思う。30泊36万円より(広い部屋は60万、72万とランクごとに上がっていく)は内容を検討するにつけ安すぎるくらいだと思っていたら、すでに満室だそうですね。他のホテルも積極的に打ち出してほしいところです。

オークラは周囲に大使館も多く、治安は万全です。

クラブラウンジもクローズ、スパもメンテナンスで休止、というわけでホテルの実力を見るにはかなり無理はありました。

リニューアルオープンして間もない部屋はとても使い勝手よくできており、大変快適でした。レイアウトもこれまでの常識を破るイメージでしたが、実際、使ってみると合理的。水回り空間がベッドルームからは完全に見えないようにできる。これは落ち着きます。

極みはビューバスです。虎ノ門の景色が広がり、おふろテレビもついているので、延々と長風呂していられます。大理石の質感もすばらしい。

アメニティはミラーハリス。基礎化粧品セットとしてTHREEのトライアルサイズのボックスがついていたのは嬉しかった。他のアメニティも品質が高く、合理的にそろえられています。

家具の質感、リネン類、照明、すべてが山の手好みの最高峰でとりそろえられています。

夕刻の絶景。

 

iphone 12は夜景を撮るときにすごい力を発揮する。何の調整もせずにこれだけくっきりキレイに。

ハウスキーピングの対応もすばらしく、全てにおいて完璧に見えましたが、サービスの面で「?」という点も、部屋のお水の追加は有料で500mlボトル1本あたり400円+税とか。(たとえば同価格帯のフォーシーズンズはクラブレベルではなくてもいくら頼んでもフリー。) バーでグラスのクリュッグを頼んでみたら、ボトルから注ぐところをみせるべきなのにそのままグラスでもってくるとか。しかも詳細は省きますがちょっと小さなごまかしがあって不信感が残りました。

小さなことですが不信感が2つ重なると「次はない」という気になるんですよね。他山の石。「右の頬を殴られたら左の頬をさし出せ」っていう聖書の言葉、最近はサービスにおいても強引に引き寄せて解釈できるなあと実感します。サービスするならいっそ、すでに赤字ですがおまけでこれもどうですか!?っていうくらいギヴしてみる。そうすると返報性の原理が働くのか、ギヴした以上のことが返ってくるんですよね。即時ではないとしても、しばらくたってみて「あの時サービスしたからこれが返ってきた」ということがけっこうある。ケチると二度と次のチャンスはない。あらゆる仕事や人間関係に言えること。これ、長く生きれば生きるほど真実であることがわかる。あらためて学ばせてもらいました。

今回は、緊縮時でいろいろたいへんだったのかもしれないですね。コロナのあと通常営業に戻ったらクラブラウンジ、スパも含めた滞在で再訪してみたいです。(がんばれホテル業界)

この10日間ほど懸案だった10000字ほどの原稿を仕上げて久々の解放感。

こもりきりだったのでかなりの運動不足を感じ、中華街で食事したあと山下町から桜木町まで海岸通りを歩く。その途中で、前記事のRising Sunを発見したというわけです。歩くと思わぬ発見や出会いもありますね。

日本海側のみなさま、ごめんなさいm(__)mm(__)mという空なのですが。雲ひとつなく、空気も澄み切って刃物みたく冷たく刺さってくる。

10000字10日間というのは超遅筆。でも10日間ずっと書いているわけではなくて、実際に書き始めることができるのは最後の3日間から。その前の7日間は、ひたすら仕込み&発酵の期間です。

この間は「書けない」「苦しい」「孤独」の三重苦とともに過ごすことになります。今日一日、何の生産もしなかったと自己嫌悪になることも。

しかし、この発酵期間が実はもっとも重要。この期間にどんどん脳内のシナプスがつながっていくのです。それだけの時間がかかる。

いやそれにしても遅筆だろう。

横浜の夜もきれいです。飽きない景色があるから延々と歩けるというところはあるな。

ランドマークタワーが見えてくると一安心。とはいえ、ここからが実はなかなか遠い。笑

この写真、実は今年に入って買い換えたばかりのiPhone 12 Proというスマホで撮ったのですが、夜景がこんなにきれいに撮れる! このカメラの性能には感動します。

さて、気持ちも切り替えたので、今日からまた新たな10000字の旅。

1月初めに仕事で宿泊したメズム東京です。

昨年オープンした話題のホテルで、オートグラフ・コレクションにはいっています。ゆりかもめ竹芝からすぐ。

フロントからの視界はすばらしく、近くに建物がないウォーターフロント。真下には浜離宮も見えます。

 

ミニチュアの箱庭みたいに見える。

ロビーにはピアノがあり、夜にミニライブも(行かなかったけど)。

特筆すべきはクラブラウンジ。オープンエアで非常に気持ちがいい。今の季節は寒いですが。

クラブラウンジからの眺め。グラス、カトラリー、スタッフの制服、スタッフの仕草、あらゆる細部に世界観が行きわたっており、かなり力の入ったブランディングがなされていることがうかがわれました。

クラブラウンジ、夜の眺め。

お部屋も広く、アメニティや備品にオリジナリティがあります。バスローブとゆかたの中間のようなローブ。やわらかくて着心地がいいし、ベルトが素敵で見た目もジェダイの騎士風。

 

冷蔵庫内のドリンク(ビール、オレンジジュース、水)はフリー。お水もペットボトルではなくガラスの瓶というのが今どきの環境に対する配慮でしょうか。コーヒーは猿田彦コーヒーとのコラボだし、抹茶までお部屋で作って飲める。ペコちゃんのミルキーもあるよ。

バス周りのアメニティも楽しく、本をあけると、こんなふうにアメニティがパズルのように組み込まれています。シャンプー、コンディショナー、バスソルトなどもオリジナルで、質も上質でした。こういう徹底したブランディングには感心するばかり。

電子ピアノまでおいてある。久しぶりにピアノを弾きました(ねこふんじゃった、ですが)。

とまあ、よいところは本当にたくさんあるし、スタッフも若い人が多く、親切だし、クラブフロアのフード&ドリンクも高めのレベル。朝食からシャンパンがおいてあったのもポイント高い(飲まなかったけど)。

 

ただ、立地に難点があります。角度によっては景色はよいですが、なにせ竹芝。まわりは倉庫が多いし、下が高速道路なので一晩中、車の音に悩まされる羽目に。フィットネスもウェアを貸し出ししていないのでフィットネス施設も使えず、スパ施設もなし。ビジネスホテルにしてはクオリティが高すぎるしリゾートホテルとしては環境がいまひとつで館内になごめる場所もない。ちょっともったいない。

とはいえ。角度によっては車の音が聞こえない部屋もあると思うので、ワーケーションでご利用になる場合はそういう部屋を指定されるのがよいと思う。コーヒーもお水も追加でいただけるし、外に遊びに行きたくなるような場所もないので、心おきなく部屋&クラブラウンジで仕事がはかどりそう。クラブラウンジにはおひとりさまもけっこういらっしゃいました。とにかく人と飛沫をとばしあう距離で接しない、ということを死守すれば、安全対策を徹底してとっているラグジュアリーホテルはかえって安全で、心の疲れも癒してくれるのでよいと思います(がんばれホテル業界)。

海外旅行に行けないこの時期は、各国のことをヴァーチャルトリップでじっくり学べるチャンスでもありますね。

キャンドルウィックのスタッフによる、オンラインでのモナコの歴史や現在の解説、そして360度ヴァーチャルツアーがなかなか楽しく、勉強になりました。

 

夜の港。©Monaco Communication Direction.

知っているようで知らないことばかりだったモナコの情報シャワー。バチカンに次いで2番目に小さい国、ということからして知りませんでした。

カジノが入っている建物のようです。©Monaco Communication Direction.

スタイルアイコンになっている王妃たち(グレース・ケリー、シャルレーヌ妃)のことを書くなら、もっと背景を知っておかねばなりませんね(反省)。

イラストバージョン。©Monaco Communication Direction.

コロナが落ち着いて海外渡航堂々解禁となればぜひ行ってみたい国になりました。モナコのジンと、モナコにもレストランを構えるアラン・デュカスのチョコレートを楽しみつつの脳内モナコツアー。薔薇の舞踏会、機会があれば参加してみたい。笑

ほかの小国に関してもこんなバーチャルトリップがあれば、この移動不自由な時期にこそ学んでみたいと思います。

北日本新聞のお招きで富山で講演。テーマは「コロナ後のファッションと新しい価値観」。

プラスチックマスクをしてさらにアクリル板、客席は広くディスタンスをとる、という徹底した対策のもと、コロナ後の新しいファッション、ラグジュアリービジネスの変化を解説しました。

ミレニアルズくらいの若い世代のマーケターの反応がよく、希望を感じました。Z世代が主戦場に入る5年後の社会にいまから照準を合わせていきたいものです。

夕陽に照らされる立山連峰。崇高とはこのこと。

おせわになりましたみなさま、ありがとうございました。

ANA クラウンプラザホテルのロビー。

仕事を兼ねてアンダーズ東京泊。

コスメやファッションの発表会では何度も訪れていましたが、宿泊は初。やはり泊まってみるとそのホテルの力量がわかる。

お部屋は広々と50平米超。バスルームも美しく、全体的にウッディなインテリアで、アンダーズ・スタイルとしか形容のしようのないスノッブな雰囲気にあふれている。落ち着きとリラックスを強要されているというか。笑 初心者にはわかりづらい入口からしてそうなのですが、なにがどこにあるのか、わからないくらいにスムーズに洗練されている。

アメニティもスタイリッシュなボックスにこのように詰められている。一瞬、インテリアのようでよくわからない。箱をあけると、比較的フツウなアメニティが出てくる。このようなアンダーズの美意識を理解すると、ホテル各所のいろいろな謎(というほどでもありませんが)が解けてくる。それにしても、これは美観という意味ではすばらしいですが、資源をかなり無駄にしていることもわかります。美観とサステナ、どうやって落としどころをみつけていくのか、環境問題にうるさいゲストに指摘されるようになれば、これから課題になりそう。

一枚板のデスク。インテリアも外の景色も、申し分ありません。ハード面では感嘆するしかないハイレベル。

クリスマスツリーも洗練されています。

49階の部屋から見る夜景が、やはりひと味違っている。日頃、仕事で見慣れている(というほどのことでもないのですが……)夜景よりも約20階分高い。それだけ高さが違うと見える景色にも違いが生まれる。

ハード面は申し分ないのですが、カクテルタイムに全宿泊客にサービスされるクラブラウンジが、やや理解できなかった。シャンパンもスパークリングもなく、白も赤も頭が痛くなりそうな安価なワイン。最初に出るのが「明治製菓」のチョコレートと、おせんべい(明治のチョコレートはむしろ好き。ただ、こうしたホテルのクラブラウンジでそのまんま出すのは?なにか理由があるのだろうか?)。そもそも飲み物にコースターもつけない。扱いがかなり雑です。それでも飲み放題だからと長居してらっしゃるようなゲストで混んでいるので、お代わりする気力もなく、早々に見切りをつけて、ルーフトップバーで飲み直すことにしました。

寒かったので電気毛布がありがたく、ムードも満点。寒空のペリエジュエ最高。しかしやはりこちらでもワインにコースターすらつかず、おしぼりも催促しないと出てこないというのは、もしかしたらなにかアンダーズ的な理由があるのかもしれませんね。夜景とシャンパンとキャンドルの相性はこの上なくよいですね。

ハード面では完璧なすばらしさ。クラブラウンジを宿泊者全員に開放ということでレベルを落とさねばならないのなら、やらないほうがよいのでは? と思われたのはやや残念。スパも温浴施設がいまひとつ中途半端で、狭い印象。フィットネスは今回使わず。

東側の部屋だったので広い窓の真正面から朝日が昇るというありがたい光景。

早朝のまだ誰もいない虎ノ門。一晩でしたが、遠方に旅行したようなリフレッシュ感を与えていただきました。

お仕事ついでに日比谷公園。あじさいの季節にゆっくり訪問したことはありますが、秋に訪れるのは初めてかもしれません。

ヨーロッパのような雰囲気。

 

赤・黄・緑のみごとな共演。

この季節の陽の光は澄んでいて柔らかい。

霞が関・日比谷のビル街に囲まれているというのも日比谷公園特有の景色を形づくっています。

右にちらと見えるのは松本楼。テラス席は満席でした。

水に映る光景で美しさ二乗。

 

 

10歩、歩くたびに違う表情になる。

 

 

樹齢の見当もつきません……

秋の薔薇。風に吹かれてよい香りがあたり一帯に漂っています。ひときわ強い薔薇の香り。

なかにはテニスコートあり、図書館あり、音楽堂あり、池も複数あり、レストランやカフェも数軒あり。広くて贅沢な公園です。紅葉はまさに今、見ごろ。人の少ない平日の午前や、2時、4時、といったレストランも空いている時間帯がよさそうです。

箱根は近場でもあるので数えきれないくらい訪れているのですが、実は「観光」なるものをしたことがありませんでした。ロープウェイにも乗ったことがなかったので、混雑が予想される前の9時台に初挑戦。ほとんど誰もいないのですんなり乗れました。(降りて帰ってきたら10時台ですでに行列。少し時間をずらすだけでまったく違う環境になるのだな。)

 

かなりの急勾配をのぼります。実は紅葉が見たいと思って乗ってみたのですが、箱根の山の上部はもう終了でした。冬の枯れ木が広がるのみ。それはそれでよき景色でした。

 

大湧谷では火山ガスが激しく噴き出しています。

というか、このガス、かなりゴンドラの中まで入り込んできます。帰途には、緊急放送が入り、「火山ガスの濃度が危険なレベルに達したので非常用の箱から酸素ボトルを取り出して身を守ってください」と。緊張しました。酸素ボトルを取り出したはいいものの、使い方がわからず。もたもたしているうちに危険領域を通過し、なんとか生還できました。酸素ボトルはビニールを外してしまったのでおみやげにお持ち帰り。

 

崇高な感覚というのは、こういう感覚を言うのかなという澄みきった絶景。

写真で見ていると幽玄ですが、遠くから見ると、ゴンドラがガスに包まれているのがわかる。

火山ガスが噴出しているということは、火山が生きているということなのですよね。

強羅に戻り、バス待ちの間に紅葉狩り。

 

とにかく混まない場所、人がいない時間、を狙っての移動だったのでおそらく観光ビジネス的にはすべてが異例づくしの時間だったと思います。でもおかげで密な状態にある時間が皆無という、比較的安全な移動ができました。帰途のロマンスカーは早い時間だったので一車両に一組という貸し切り状態。

感染症拡大予防のためには、全員、家にこもっているのが理想。でも、旅行業界で働く人たち(私もその一端にいます)はいったいどうやって生計を立てろというのでしょうか。政府が延々と末端まで補償してくれるでもなし。

旅行をすべて自粛とするのではなく、分散型にするというのも一つの方法ではないでしょうか。場所も時間帯も、集中しないように、散らす。それが可視化できるようなアプリか何かを開発する。今のところ私は、早寝早起きができることを活かし、人がいない時間に移動することに極力努めています。

グループ旅行でついおしゃべりがはずむという状況を避け、できるだけ一人旅または言葉が少なくても意志の疎通のしやすい人同士ふたりぐらいで行動し、大声ではしゃがないようにする。消毒はこまめに徹底。そのように細心の注意を払って合理的に、冷静に、感染防止を心がけていくことで、旅行業界に与える打撃も小さくできるのではと思います。

御殿場アウトレット調査。出していないのは、シャネル、ヴィトン、エルメス、ディオールくらい。あとはほぼ全ブランドがアウトレットに参戦している。クチネリまで。ドルガバも。なにをやらないかを徹底できるというのは、逆にすごいことなんだな。

Hyatt Regency Hakone.

朝も美しい日の出と出会うことができました。

 

朝日に映える、夕陽に映える、というのは重要な条件ですね。

 

2階から見下ろした中庭。

説明不要の絶景。

昨年は朝食ブッフェのあまりのすばらしさに心底感動したのですが、今年はセットメニューとなり、これで3800円(⁺税)というのは、いかがなものか? 夕刻のシャンパンフリーフローのサービスがあまりにもすばらしいのでそれと相殺して仕方ないかなと思えるのですが、そうじゃなかったら……。

混まないうちに早々にチェックアウト。時節柄、人の多い場所や時間は極力避けて通ります。

総合的に、やはりとても居心地のいい大好きなホテルです。足りないものはサウナと露天風呂くらい。また状況がよくなったら、夕刻のシャンパンタイムだけのためにでも訪れたい。

ほぼ一年ぶりのハイアットリージェンシー箱根。

やはりここは最高です。お部屋の使い勝手もすばらしく、ハイテクすぎることなく、何のストレスも感じないように品よく配慮されています。和風温泉のいいところ(浴衣で過ごせる)を取り入れつつ、基本はホテル。純和風旅館特有のサービスには実はかえって気疲れをしてしまうこともあるので、干渉されないこのスタイルがもっとも寛げます。ラウンジでサービスされるシャンパンをはじめとしたフリーフローも、このホテルならでは。

ゆったりとした配置で、ゲストが変わるごとに徹底的な消毒。感染予防対策が万全になされていることも安心です。

暖炉前でいただくハイカロリー食……。別格のおいしさです。

本物の火なので、薪が燃える香りにほんのりと包まれます。

感染防止に合理的な最大限の留意をしつつ、お世話になっているホテル業界を微力でも支えながら、心身の健康を保つ努力をしていきたいものです。

今年オープンで評価の高いホテルのひとつ、フォーシーズンズホテル大手町に宿泊してみました。


いつもお世話になっている読売新聞東京本社の斜め前にそびえたつビルの39階がフロント。1階のエントランスの期待感から39階でエレベーターを降りた時の高揚まで、もう最初からけた違いでやられました。

フロントは日本語がネイティブではないスタッフが多かったのですが、親身な対応。

皇居側の眺めはすばらしく、広い広い皇居の奥に沈む夕陽の美しさときたら。

室内は一つ一つの調度品、お茶、冷蔵庫内、すべてが超一流品で選び抜かれ、考え抜かれており、完全に敗北を味わうレベルです。笑 だってアメニティにしてからがフレデリック・マルですよ? 最愛ブランドのひとつ、マルのアメニティ。パリのホテル・ルテシアのアメニティがエルメスだったとき以来の衝撃です。ボディローションをたっぷりつければ香水不要で全身まろやかにマルの「マグノリア」が香ります。なんという幸せ。

サービスの山椒のおせんべいも洗練の味わい。


宿泊したら必ずリクエストする女性用の基礎化粧品セットは、なんとなんと、カルトゥージア。修道院ブランドで、ここの「メディテラニア」は永遠の定番なのですが、化粧品も作っていたとは。通なセレクションのすばらしさに言葉を失いました。というかもうこれはレアすぎて使えない。持って帰る。いったい何のためにリクエストしたのか。笑

とにかく5stars は軽く超えているレベルであることを見せつけられるホテルです。中も、外も、これまでの5 stars のスタンダードを塗り替えるのではないか。

ライブラリもため息ものです。

ピニェートでアペリティーボをと思っていたのですが、満席で入れない。予約しなかったのが悪いのですが、なんだかなあ。そりゃあ、話題のレストランとなれば仕方ないですね。

ホテル内の施設では飲めないということになり、せっかくの快晴の夜なので、徒歩圏内にあるパレスホテルまで遠征しました。

ここの6階にあるプリヴェは週末の夜でも意外に入れます。眺めは絶景、サービスは5 stars 級で、期待以上のおもてなしをしてくださって、ほっと寛げます。写真は1970年代にコンテストで優勝したオリジナルカクテル、「エルメス」。洗練の余韻が続く、飽きないおいしさです。お料理もおいしい。

金曜の夜でしたが、窓際のロマンティックな席はずらりと女性の二人連れで占められていました。最近は珍しくなくなった光景ではありますが、おそらく日本特有なのでは。

 

それにしても徒歩圏内にシャングリラもアマン東京も東京ステーションホテルもペニンシュラも帝国も、なんならフォーシーズンズ丸の内も星のやもある。この時代に、この激戦区で、すべて経営が成りたつというのはすごいことなのでは。

The Timeless UK British Fair 2020 。今年も開催されます。11月1日から2か月間(ホテルによって異なります)。10月30日、ザ・プリンスパークタワー東京にてレセプションが開催されました。レセプションの模様は次の記事で書きますが、ここではレセプションのどさくさにまぎれて宿泊したザ・プリンス・パークタワー東京のことを。

これだけ何十回も泊まると、もはや「ただいま」感もあり、こういうホテルとのつきあい方もまたよいものです。たとえば、カールドライヤーなどはもうわざわざ貸出をお願いしなくても、最初からバスルームにおいてある、など。リピーターだからこそ享受できる世界の片鱗をあちこちで見せてくれます。

いま、「涙活」宿泊プランを出しており、部屋には泣ける動画を集めたDVDと、泣ける本が置いてあります。

ただ私はよくある、いわゆる泣ける短い話というのにはどうも乗れず、どちらかというと、複雑深遠な物語の旅を経て、2時間、3時間の後に訪れる大団円のクライマックスで感動の涙、というのが好きですな。これは好みの問題ですね。ミストサウナが好きか岩盤浴が好きか、みたいな。

今回は、「ナンバー17」の部屋をアサインしてもらいました。各階の下二けたが「17」の部屋は、角部屋で、バスに入りながら東京タワーが真正面に見えるのです。ジャグジーなので、バブルバスを作ってシャンパンを持ち込んで東京タワーを眺めながら入浴タイム、ということが可能なのです。(だから何だ、という方もいらっしゃるかとは思いますが……笑)

イベント終了後にほっとしてクラブラウンジでシャンパンタイム。フリーフローです。これが何よりも楽しみ。

バスルームからの夜景こんな感じです。

夜もいいけど朝がそれにましてすばらしいのがこのホテル。近くに芝公園、増上寺もあるので、朝食前の散歩も充実したリフレッシュタイムになります。

写真ではわかりづらいのですが、鏡にはスカイツリーが映り込み(左)、リアル東京タワーと鏡の中のスカイタワーが隣同士で並んで見えるのです。マジカルな設計。

周辺の散歩コースは緑と光で祝福されています。

いつみても最高な景色(同じような写真が100枚はありそうな……笑)

薔薇もよい感じで咲いています。

増上寺の本堂は改築中でございました。


パワースポットです。芝公園~増上寺~東京プリンスへと抜ける道の散歩ついでにパークタワーのラウンジでお茶、というコースもおすすめ。

鳥羽国際ホテル。

 

昭和のよきクラシックが息づいているという印象でした。いまどきのホテルトレンドにはほとんど目を向けていません。笑 逆にそれがほっとするという客層に支持されているようです。

 

海側のお部屋は絶景で、気持ちが伸びるような海と空が広がっています。部屋には望遠鏡も設置されています。

アメニティはふつう。別の棟にあるパール風呂はなかなか美しく、アメニティはすべてミキモト。クリームが持ち去られないようしっかり底が板にはりつけてあるとか、なんだかいろいろな意味でほほえましい昭和。くどいけど、こういう雰囲気にほっとする層も多いということ。

タツノオトシゴが飼われています。なんともユーモラスで美しい動きをします。

立地は最高。眺めのいいすてきなバーがあるのにいまひとつ長所が活かされていないところが少し心残りでしたが、ゆったりとした時間が流れていて、癒されました。

伊勢志摩ワーケーションついでに、一年ぶりのUSJ。

ハロウィーン仕様もそれほど濃厚ではなく、適度な感じで。とはいえ、ゲストはおそろいコーデでハロウィンという方が多かった。

USJで好きなのはここ。何度か来るとさすがに新鮮味も薄れるところがありますが…。

ディズニーのソアリンとインディジョーンズをかけあわせたようなライドに乗る。私は身体的に振り回されるのは苦手なのでこれが限界かなあ。

スイスの古城に来たみたいですね。海外旅行がままならないので、擬似外国気分。

 

 


いつ見ても、これはぜったいムリというフライングダイナソー。下から見てる分には楽しい。笑

 

文脈から切り離してみると海外旅行してるみたいな。

グッゲンハイム美術館までありますよ。笑

 


「2020年の晴天の秋の日」は、そんなにたくさんあるわけじゃない。来年、地球がどうなってるかもわからない。

念願のミキモト真珠島。鳥羽駅からすぐです。

快晴に恵まれました。ありがたいかぎりです。

これまでさんざんミキモトさんのことについて書いたり話したりしておきながら、養殖真珠がはじまった島には行っていなかった。今回、初めて足を踏み入れることができて、この上なく幸せというか、ほっと安心しています。

幸吉翁の銅像。ほんとに大きい銅像です。インスタにアップしたら「月光仮面かと思った」というコメントも。笑

アイランドには、真珠博物館、古今の真珠の展示、そして幸吉さんの記念館など、御木本幸吉ファンにはたまらないテーマパークです。

これまで知っているようで、実は知らなかった、真珠の養殖に関するデータが惜しみなく披露されています。

古今東西の天然真珠、養殖真珠の博物館も圧巻のみごたえ。

これこれこれ、これです。ニューヨーク万博に出品された「自由の鐘」。予想以上に大きく、力強い存在感があり、5分くらい立ち尽くして眺めてしまった。

 

アイランドなので当然、周囲は360度、海。

 

通常、60分から90分で回れるらしいのですが、いちいち展示にかまけていたので、異様に滞在時間が長くなってしまいました。

そして幸吉記念館。

何度見ても、いいおお顔です。年をともにますますいい顔になっていく。幸吉さんの内面の表れですね。

生家のうどん屋の看板も再現。

肉声も録音してあり、聞くことができました。

もっとじっくり記念館に滞在したかったのですが、閉館時間となり後ろ髪をひかれるように帰りました。次回来ることがあれば、幸吉記念館をメインにゆっくり過ごしたい。

 

いつだってインスピレーションの源、幸吉翁ですが、今回もホテルに帰ってすぐ原稿を一本、仕上げることができました。こういう人に私はなりたい、といつも思わされます。

初伊勢神宮。

横浜から名古屋まで新幹線、名古屋からさらに近鉄で、合計3時間ちょっとで伊勢市に到着。

光と緑と風が、なんとも崇高な時空を作り上げていました。


これより先は撮影禁止。何百年もの間、どれだけの人々が祈りをささげてきた場所なのかと思うと、敬虔な気持ちになります。

樹齢何百年なのか、想像もつかない。


How Blessed.

実は外宮と内宮があることすら知らなかったので、内宮へタクシーで移動。3000円弱分の距離がある。

内宮は内宮でけた外れの美しさでしたが、それだけに人が多い。人込みがどうにも苦手なので、駆け足でお参りのみで撤退。

言葉を失うほど美しい場所。

神聖な霊気のシャワーを浴びました。



こちらもやや時間が経ってしまったのですが、8月末、視察も兼ねて晩夏に訪れた強羅花壇。秋のご旅行先選びのご参考になれば幸いです。

強羅駅から歩いても行ける距離ですが、お願いすればメルセデスで送迎にきてくださいます。

強羅の絶景の中にあり、森林浴には最高の環境です。

ラウンジのバニラアイスは、バニラビーンズをたっぷり使った本格派でおすすめ。シャンパンも美味しいのですがグラスだけがシャンパン会社のおまけで、惜しいところでした。

 

建築はかねてより有名なのであえて詳細は書きませんが、気持ちがのびーる天井の高さと開放感は別格です。

ザッツ強羅花壇な廊下。「舞台」です、もう。

 

お部屋には花の名前がついており、ゆかりの花が飾られます。前日に予約したのでここしか空いていないと割り当てられたお部屋でしたが、十分、広い。

お部屋によっては露天風呂つきもあるようですので、気になる方はお早めにご予約を。このタイプでも十分、ゆったりとした解放感は感じられました。夜はほぼ満月で、この「ベランダ」(?!)で月見シャンパンを楽しみました。

料理がすばらしく芸術的で、一品一品、ここまでやるのですかという心づくしがなされています。これはアユの塩焼きでしたが、内臓と頭部はこのように別皿に盛り分けられ、とても食べやすく供されていました。「頭からがぶっといってください」ではないのが強羅花壇流ですね。

すべてヘルシーで、コースのあとのデザートはこのような「すいかのゆるゆる」。砂糖・でんぷん系などデザートとして一切出さないというのがいいです。この配慮が大人でうれしい。

日が落ちてくるとこのように火が飾られ、ドラマティックな演出がなされていました。

 

朝も空気と光がきれいです。

 

この天井の高さを感じていただければ嬉しい。

個室岩盤浴。オプションで希望すれば入れます。快適でした。

個室の露天。いまはコロナで外国人がいらっしゃいませんが、外国人はここにシャンパンを持ち込んでプチパ―ティーをされるそうです。

どこをとっても絵になる建物。

朝も丁寧に作り上げられたお料理が、バランスよく。

のりは湿気を帯びないように、ずっとこのようにあたためられているのです。感動しました。

選び抜かれた粒のぶどうには、一粒、一粒にきれいな十字の切れ目が。

晴天でしたがあまりの傘のかわいさに、ささずにはいられず。笑

 

サービス、料理、施設、すべてにおいて超一流とはこういうことなのかと教えていただきました。

少し時間が経ってしまったのですが、カハラ横浜。9月のオープン3日後くらいに、宿泊しました。

 

 

ハードウェアは最高レベルなのですが、オペレーションが追いついておらず、チェックイン50分待ち、しかもロビーに待たせて順番が来たら「名前を大きな声で呼ぶ」とか、かなりファミレス級、どころかホテルNGシリーズで衝撃でした…。このクラスのホテルだったらクラブフロアを創るというのがいまどきのやり方ですが、その方式はとってないみたいですね。

オペレーションはあんまりだったのですが、スタッフは一生懸命でしたし、まあオープンしたてということで忘れることにしました。

部屋はとにかく完璧です。最新のテクノロジーと最高級のアメニティ。

ハワイのカハラは50周年なのですね。ちなみにショップのマカダミアナッツ・チョコレートは宿泊客でも朝9時に並ばなくては購入できず、いったいなんのためにコンシェルジュがいるのか…。とか言いつつも、おひとり様3つ(小2、大1)まで、という貴重なチョコを8時半から並んで無事購入しました。笑 3つともプレゼント用にしましたが、驚くほどおいしかったというコメントをいただきました。喜んでもらえて並んだ甲斐がありました。

みなとみらいからは少し距離がありますが、横浜の美しい夜景。

朝のホテル外観も圧倒的な眺め。くどいですけど施設のレベルはすばらしいのです。スパも2種類のお風呂があり見た目にもお洒落で快適でした。フィットネスもテクノジムの最新マシン完備。でも朝食のレストランがすべて満席で宿泊客も食べられないというのはいかがなものか。ルームサービスもチェックインと同時にすべて終了でなにも食べられない状態。しかたないので中華街までタクシーとばして「馬さんの店」で朝ごはんという羽目に(それはそれで超おいしかった)。

ベイブリッジからの朝日。

ハワイみたいじゃないですか?! 横浜ですよん。

言葉が追いつかないほどの美しい海辺の朝日が堪能できるのもこのホテルの立地の強みですね。

 

サービスが追いつけば、よいホテルになるのではと思います。隣接するベイコートクラブとオペレーションがつながっているようでしたが(会員は両館内を自在に行き来できるようになっている)、今後の充実に期待しています。

「イデ・オム」を展開するアイ・コーポレーション主催の女性リーダー合宿で講演でした。合宿テーマは「自分らしさを生きるために未来を創る」。

最新ツインドームのグランピング施設を備えた、長野の「Gramprook 飯鋼高原」にて1泊2日の濃密な時間。

長野からお迎えバスで40分。途中、りんごがあちこちで赤くたわわに実っており、ああ長野だな~と実感。

きもちのよい絶景です。

一日目はお天気ももち、木洩れ日がファンタスティック。

グラムルークは、今年オープンした国内初のツインドーム型グランピング施設です。遠くから見ると基地が点々としているようで、わくわくします。

クラブハウスにはラウンジやスパ施設、研修ルームなどがあり、都会的な??生活を送るための快適さは保証されています。

バーカウンターでは自由に飲み物も。

ツインドームの入り口。ドームにはそれぞれ、名前がついています。

ベッドルームには4つのベッド。とても広くきれいなインテリアです。私はここを一人で使わせていただきました。

お天気のいいときには星空も見えるそうですが、この日は雨音を楽しむことになりました。

奥に見えるのがリビングコーナー。ごらんのとおり、広いので、4人家族で十分ゆったり、宿泊可能です。

食事はクラブハウスで提供されますが、長野の素材を生かした洗練されたお料理です。

肉料理もワイルドなバーベキューではなく、フレンチスタイルで。笑

翌朝の朝ごはんはこんな感じ。

合宿一日目の後半に講演しました。アパレルイノベーターの具体例を通して、ラグジュアリーの意味の大きな変化、これからの時代におけるラグジュアリーのあり方、ひいてはラグジュアリーに生きるというところまで語りつくし。

 

インプットをもとに、2日目は全員でディスカッションでした。

長野に拠点をおく撮影会社のナイスガイ4人が終始、密着撮影。彼らがまたすてきな方々で、ほどよい緊張感を保った自由闊達な雰囲気で合宿を終えました。

ダイジェスト映像は後日、アイ・コーポレーションのホームページで公開されるそうです。ドキュメンタリー番組のようになるのでは。

合宿中はディスカッション、講演も含め、フェイスガードをつけて物理的なディスタンスを保っていました。集合写真は一瞬マスクをはずし、一発テイクで。ほんとに楽しかった。参加者をインスパイアする役割でお招きいただきましたが、私も多くを学ばせていただきました。ご参加のみなさま、スタッフのみなさま、ありがとうございました。

グランピングはお天気のいいときに星空目当てで、また行ってみたいな。

ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町と、グランドプリンス高輪内の「花香路」が、念願のForbes 5 Stars を獲得しました。

ギャラリーの中でも大好きなバー、レビータ。

ホテル内和風旅館、花香路。全16室です。

Beyond Your Expectations.  時には、自分自身の期待も超えていく。

ほんとうにおめでとうございます。

Prince Hotels Tokyo City Area 8つめのホテル、東京ベイ潮見プリンスホテルがオープンしました。

東京駅からもディズニーランドのある舞浜駅からも近い、でも住宅街(マンション街)にある穴場的な立地。ディズニー周辺のホテルが確保できなかったときの心強いお助けになってくれそうです。

客室はデイベッドつきで、このランクのホテルにしてはとても質感が高い。広い面積というわけではないのに、たっぷりとした浴室とトイレはきちんと別々になっており、洗面の水回りも浴室とは別に作られている(←これ、複数で泊まったときには重要なことなのですよね)ので、使い勝手もよいのです。鏡は女優ミラー、タオルも上質でデザインもモダン。

東京の古地図と現代地図をモチーフにしたアートが明るい気分を盛り上げてくれます。

このアートのモチーフは、客室内のカップやお水にもあしらわれています。ルームキーもこのアート柄。

レストランは一か所のみなのですが、とても広く、いくつかのパートに分かれており個室もあるので、不自由な感じはまったくありません。カトラリーや什器もあかぬけています。写真の個室のテーブルは重厚な一枚板。照明も各パートによって微妙に異なり、用途によって違う演出がなされています。

お料理も基本に徹しながら随所に潮見らしい個性が出ています。写真は朝食のコースのオムレツ。

総支配人は、これまでパークタワー東京の支配人だった石川さん(右)。左は、料理長の関谷さんです。

フロントロビーにて。左はプリンスホテル東京シティエリア マーケティングの杉田さん。

 

ロビーの解放感はなかなか素敵です。

ロビーには電源もとれるこんなスペースもあり、リモートワークにも向いています。

特筆すべきは、2階の大浴場。とにかく広くて、サウナもついています。最新型のコインランドリーもあり、コンパクトながらフィットネスルームもあります。周辺の住宅街からは品よく視界がさえぎられるような配慮もなされているので、なんというか、日常のなかに溶け込んでいる非日常といったイメージ。

 

 

東京駅からほんの少しの距離にあり、都市の誘惑はゼロ。ラグジュアリーホテルのクラブラウンジの誘惑もない、コンパクトで機能的で、現代的な快適に満ちたホテルです。サウナも大浴場もあるし、ここにこもって本1冊仕上げる、というような滞在をしたいな。

TMC2日目。(TMCそのものは5日目。)朝、ブリーズヴェールで完璧なブレックファスト。オレンジジュースは本物オレンジからしぼりたて。サラダのドレッシングも、ヨーグルトも、もちろんオムレツもパンも、ひとつひとつが基本に忠実で、この上なく丁寧に仕上げられている。満足感が本当に高い。

 

ザ・プリンス・パークタワー東京は、あるベストセラー作家さんはじめ、「日常の住まい」として暮らしていらっしゃる方が何人かいらっしゃるようです。ココ・シャネルも晩年はリッツのスイートに暮らしていましたね。「レジデンス」部分ではなく、客室に住むというのがポイントです。お掃除や洗濯をすべてやってもらえるし、災害のときにも絶対安心。

さて、15日、当初、チェックアウトしてすぐ帰ろうと思っていたのですが、昼の部もよかったら、と勧められて3ステージ目を見ることになりました。

アン・サリーとパリマッチ。お二組ともTMCファミリーというか、ほぼ初回から参加しているアーチストです。アン・サリーの透明な歌声で「銀河鉄道999」を歌われると違った「星」へのジャーニーに連れていかれるような。パリ・マッチの山下達郎のカバーもセクシーでした。もちろん、オリジナル曲も。彼女たちもやはりこうして観客の前で歌えることのありがたさ、貴重さを語っていました。

結局、3ステージ、どっぷり堪能いたしました。

東京シティエリア マーケティング統括支配人の林佳代さんとTMC2020の記念写真。マスクはとても2020的なのでそのまま外さず。

TMC総合プロデユースを務めたシティエリア統括総支配人の武井久昌さんは、学生の頃から音楽志向でした。一緒にステージを拝見しながら、武井さんがつぶやいた一言。「こういう仕事がしたいとずっと思っていたんですよね」。

音楽の道をいったんあきらめてホテリエとして〇十年、海外や日本のホテルで闘い続け、6年前、ホテルで音楽フェスを開催するというアイディアを思いつき、好きなアーチストにじかに声をかけてTokyo Music Cruise をスタートさせました。当初から参加しているアーティストがファミリーのようなのは、音楽のパトロン的な統括総支配人の力も大きいのです。

若い時に、進路が望むようにいかないことがあっても、(やむをえず)進んだ道で結果を出せるよう精進すると、いつのまにか昔の夢をかなえるチャンスを作ることができる力がついていた、という鮮やかな例ですね。

昨年はTable 9でDJデビューも果たしていらっしゃいます。

アーチストにもスタッフにも観客にも、それぞれのドラマがあったTMC2020。来年はマスクなしで開催できますように。

 

Tokyo Music Cruise 2020 at The Prince Park Tower Tokyo.

今年はスピンオフ版。会場を一番広い宴会場と、最上階チャペルのみに絞り、8月11日から16日の間、TMC week として開催されました。

私は14日の夜から参加。検温、チェック、消毒、ソーシャルディスタンスは徹底され、マスク必須、前列の人はさらにフェースガードまで。盛り上げるのはもっぱら拍手で。ちなみにホテルのスタッフは全員PCR検査を受けており、陰性と確認されて会場に出入りしています。

畠山美由紀富田ラボ。アーチストたちは、観客のいるステージに立つのは半年ぶりだそうで、いかにそれが貴重でうれしくありがたいことなのか、何度も何度も語っていました。

音楽も映画も芸術も、人間にとって必要不可欠なものであることは自明。ロックダウンの期間、私たちは何して過ごしていたのでしょう? 音楽を聞いたりネットフリックス見たり本を読んだり画集を見たりしていたのではなかったか? 政府が「不要不急」扱いしてほとんど見捨てたに近い形になっていたこのようなジャンルで活動している方々が、どれだけ不安をやわらげ、孤独を癒してくれたのか。支援できるときには、できる形で支援すべきではないのか。

少なくとも音楽好きのシティエリア統括総支配人はそのように思い、最大限の注意を払って開催することを決定しました。アーティストたちにも音楽好きのゲストたちにも感謝され、「リスクをとって開催して本当によかった」と思っているとのこと。

開幕前と合間の休憩時間には、シャンパンをはじめとしたドリンクや、パークタワー自慢の料理のワゴンなどがまわってきて、ゆったりと楽しむことができます。

ローストビーフや和牛の岩塩焼き、サーモンロール、キャビアなど、シャンパンにあう料理もおいしいのですが、こんな食べやすいサイズのうな丼も。

ミッドナイトライブは、Neighbors Complain . 「近所迷惑」という意味。男の子4人のバンドで、それぞれとてもうまい。佇まいの抜け感も今どきで、楽しそうな演奏に癒されました。ミッドナイトライブの会場は東京タワーが至近距離に感じられる最上階ガラス張りの会場です。12時になると、東京タワーのライトが消えるのですね。その瞬間がまたロマンティックです。

そのままパークタワー泊。もう何度も見ているはずなのに、「東京でいちばん<気>のよい場所」こと芝公園~増上寺~東京タワーが見渡せる場所に来ると、あらためてリセットされるような感覚を覚えます。コロナで経費節約のためか質を下げているホテルも少なくない中、客室のレベルがコロナ前の高いレベルに保たれていて、感激しました。

ただ、クラブラウンジだけはフードの提供をやめています。ドリンクと簡単なスナックのみ。代わりにインルームダイニングでの料理が好きな時間にサービスされるというシステムに変わっていました。こればかりは安全対策を徹底しようとすれば当面、仕方がないのでしょう。


このホテルには芝公園から湧き出る天然温泉があります。塩っぽくやや赤みを帯びた温泉なのですが、疲れはとれます。

 三宅秀道『新しい市場の作り方』。

難解な用語をまったく使わず、市井の人に語りかけるようなイメージで経営学を説く。「余談の多い」経営学、と表紙にあるけれど、余談を聞きながらすいすい多様な事例を通して学べるし、その事例を起点として枝が広がるように考えさせられる。

ラグジュアリー市場に関してはやや手ごたえが薄いような印象も。でも「ステータスと仲間をつくれ」の章では、具体例を通してラグジュアリーにまつわる新しい表現というか見え方を示唆してもらった。以下は、備忘録を兼ねたメモで一言一句正確な引用ではありません。詳しくは本書をお読みくださいね。

・機能性、経済性といった科学的価値→芸術的価値→宗教的価値(あこがれの対象と自己同一化できるような感覚)

・織田信長が部下への恩賞として茶器を用いたこと。家臣は財産も手に入れ、権力も手に入れ、最後にはステータスを求めた。信長は巧妙に自らも茶の湯文化を尊んでみせることで名物である茶器をもつステータスを高めることに成功し、領地や権限以外の報酬を生み出すことに成功。

・正岡子規が東京帝国大学の学生時代にベースボールを輸入した。子規の本名「升」(のぼる)をいたずらで用いて「野」(の)「球」(ボール)→「野球」と訳されることになった。彼らに対するあこがれから野球はステータスを築き上げた。

・「ラグジュアリーブランドというのは、『華麗なるギャッツビー』、あの世界に出てくるものですね」

・デイジーの涙が、ラグジュアリーブランドという現象のどこかにまとわりつく哀しさを示している。

・大戸屋はなぜ一階にないのか? 「女のくせに自炊をさぼって外食している、と外から見る人に思われないかと心配せずにすんで助かる」 (←これには笑った。ここまで徹底的に考え抜いたブランディングだったのだ)

・ハーレー・ダビッドソンは、機能で他のバイクと競合しない。競合するのはむしろアウトドアライフスタイル。「家族の理解が得られるようになった」(ハーレーに乗っているパパがかっこいいと思われるようになった)からこそハーレーは成功した。ハーレーを乗る人たちのコミュニティ、帰属意識も満足させる。

・ハーレーに乗るライダーに「あなたは社会的階層のシンボルとして、この決して安くはないバイクに搭乗されているのですよね?」と聞いても、決して素直な答えは返ってこないでしょう。ことは人間の心のあまりにも柔らかなひだの奥に触れる話題なので、そこを意識すればこそ、ライダーたちは「いやいや、このハーレーの走りが、馬力がいいんですよ」と機能性にこだわった証言をするでしょう。商品のシンボル性にひかれたと、自分で素直に認められる方はそうはいないでしょう。(←これ、まさしく!! 人は虚栄心を認めない。この証言を言葉通りにとってモノづくりをしてはいけないのだ)

 

“God is a metaphor for that which transcends all levels of intellectual thought. It’s as simple as that.” (By Joseph Campbell)

 

 

 

〇ディズニーシー、続き。

 

何度も来ておきながらここでゴンドラに乗るのは初めて。制服もおしゃれでした。

漕ぎ手のお二人、「屋根のある」汽船をうらやましそうに眺めていらっしゃいました。炎天下のお仕事、ほんとうにおつかれさまです……。

 


今回、コロナ後はじめてのシェラトングランデのクラブフロアに泊まったのですが。コロナの影響でしょうか、クオリティが著しく下がっていました。カクテルタイムに出されるものもプレートに載った一律の「給食」状のスナック。朝も「キューピー」の袋入りドレッシングとか「QBB」のチーズとか、ペットボトルに入ったウーロン茶とかが、むき出しで供される。部屋のアメニティもぎりぎり最低ラインになっており、昨年までのシェラトンであればありえなかったようなサービスの数々になっています。ガーデンプールも予約制で入れず。今年はスタッフも少なくしてソーシャルディスタンスも必要なので仕方がないというところもあるのでしょうね。制約の多いコロナ禍の状況下にもかかわらず頑張って営業してくださってありがとう。開放感があって好きなホテルのひとつなので、早く元のクオリティに戻りますように。

JB autograph 連載「モードと社会」第4回です。「フェイクも包摂する時代」。

 

多様性と包摂を謳うことはよいことだ、というリベラルな態度はどこまで正しいのか。リベラリズムと多様性包摂の落としどころはどこなのか。『西洋の自死』を読んでからますます考えさせられます。フェイク礼賛のこのムードもまた、どこまでOKなのだろう。

“In our lives in a lot of ways it’s all about fake. You’ve got people wanting things for fake reasons.” (By Billy Corgan)

 

 

〇ディズニーシー 続き。

 

ディズニーこそ多様性と包摂の象徴ですね。こうして平和に多様性が共存している世界はやはり、フェイクというか架空の世界でしかありえないのかもしれません。


荒れない海。サメのいない海。汚染されない海。

ほんもののヴェネツイアを見たら「ディズニーみたい」となりそうな作り込み。

 

ラグジュアリーな男性用パンツ「TOOT」を展開するCEO、枡野恵也さんの著書。枡野さんのキャリア論、人生論が展開されます。

枡野さんもラグジュアリー研究会に途中から参加くださっています。マッキンゼーにいらしただけあって、話を始めると引き込まれます。「ラグジュアリーとはバカすれすれなのではないか?」論には思わず膝を打ちました。ルックスもユニークでロマンティスト、現在のキャリアは必然、とだれもが納得する「ラグジュアリーな」方です。著書も読むと元気が出ます。

“Without deviation progress is not possible.”  (By Frank Zappa)

 

 

〇ディズニーシーの続き。

もう何十回来ているかわからないくらいなのですが、毎回、心に響く場所が違うし、それぞれの場所に違う思い出もある。

それぞれの場所に立つと、「あの時の選択」につい思いが及んでしまいます。これまで何度か人生の岐路を分ける選択を迫られましたが、その選択は振り返ってみるとすべて、社会の価値観から見ると「損」するほうでした。

「(社会的評価基準から見ると)間違った選択」ばかり繰り返して、時折こうして、選択をした当時の心境に戻れる場に来てみると……やはりその選択を非常に後悔します。あのとき、「左」ではなく「右」を選んでいたら、「西」ではなく「東」を選んでいたら、明らかに今よりも、トクしていた人生だっただろう。

そういう後悔はあるものの、その瞬間にタイムスリップして戻れるとしたら、やはり同じ選択をしてしまうような気もします。

いつも「ワクワクする」方を選んでしまい、その先はオールアローン、自分一人でなんとか切り開いていかねばならない孤独が待っているという。「なんの経済的保証もないけど、ワクワクする」ほうを選んでしまうのは、もはや病と思われる。The syndrome of making bad choices=SMBCとか。(どこかの銀行みたいな)

しかしそういう無謀な経験をしてきているゆえに、他人の選択に対してはいろいろな可能性を客観的に示唆できる。そういう経験が今、誰かの役に立っていたりする。だからどちらでもよかったのだと思うことにしています。

この作り込みの徹底ぶりにはやはり情熱を感じます。それが確実に伝わってくる。ディズニーはやはり「人を楽しませること」を考える時のインスピレーションに満ちています。

 中央大学ビジネススクール教授の田中洋先生の「ブランド戦略論」。個々の具体例も交えながら、教科書としてブランドにまつわる知っておきたい理論が網羅されています。田中先生には、ラグジュアリー研究会にも(ズームにて)お越しいただき、ゲスト講師として貴重なレクチャーをしていただきました。多謝。ラグジュアリーの原則中の原則は、新・旧それぞれに通じるところがあり、普遍です。この分野を語る際には、ぜひ一読しておきたい一冊です。

ちなみに田中先生によるラグジュアリーの条件は以下の通り。新旧ラグジュアリーにともに通じる条件かと思います。「非日常」のみ今は少し変化しており、日常的にラグジュアリーを感じるラグジュアリーがあってもよいのではという時代になっています。

・知覚入手困難
・日常との距離=非日常
・希少
・社会的価値(他の人が良いと決めたこと)
・個人的関連性
・非有用性

「社会的価値」に関しても現在は過渡期でしょうか。他の人や権威が「価値あり」と決めたことは関係がないという人も増えてきました。

「ラグジュアリーのジレンマ」なる言葉も教えていただきました。ある程度販路を広げようとすれば希少性がなくなる。それに対する解決法も本書に書かれておりますよ。

 

〇再開後、初のディズニーシー。

薄曇りでしたが、外気温は35度。

季節に応じた花々がディズニーの魅力ですが、この日はひまわりが全開。

この日一番の目的は、ソアリン(Soaring)。いつもは5、6時間待ちだそうですが、この日は60分待ちということで、それでも私としては苦痛に感じましたが、それほどの価値というのはどれほどのものか見ておこうと思い、待つことにしました。

マーメードのセクションあたりが最後尾で、延々と海底2万マイルあたりを経由して60分。ソーシャルディスタンスを保って待つよう、係の人がひっきりなしにチェックに来ます。マスク必須でいたるところに消毒液があり、徹底して感染症対策がおこなわれています。

待っているだけでサウナ状態ですが、ANA石垣インターコンチで知ったアロマおしぼりをたくさん持参していきましたので、比較的気持ちよく過ごせました。

いよいよソアリン城へ到着。乗り場までここからさらに15分ほどかかります。笑 待つ間も退屈しないよう、きめ細やかな工夫が凝らされているあたりはさすがディズニー。

いったいどのようなアトラクションなのか、まったく予備知識なしで行ったので、このあたりからあれこれ想像をふくらませつつ。

住みたくなるほど美しい庭。

中は「空を飛ぶ」「地球を知る」ことに関する博物館のようです。

ようやく乗れたソアリンは、10分間の空からの地球の名所一巡りといった印象のアトラクション。匂いつきで、リアリティがすごかった。物理的には高く昇っていないはずなのに、脳内でおそろしい高度まで上昇 (soar)するんですね。これは優雅でスリリングな世界一周。旅行に行かなくてもこれでOKと思わせる。また乗りたいけどもう待つのは十分。

 

 

“Refuse to be average. Let your heart soar as high as it will.” (By Aiden Wilson Tozer)


 じっくり読む本というわけではない。カール大帝の鋭くウィットの効いたお言葉の数々に癒されたり笑わされたりする。どこから読んでもいいし、気が向いたときに1つ、2つじっくり味わうのもいい。装丁もきれいなので、お部屋のコーヒーテーブルブックとしても(そんなに大きくもないですが)おしゃれに決まります。

 

“The larger the island of knowledge, the longer the shoreline of wonder.” (By Ralph W. Sockman)

 

 

 

 

 

 

 

〇小浜島続き。(しばらく前の写真をアップしています)

自転車を借りて島をめぐります。全部回っても2時間で回れるという小さな島。とはいえ、アップダウンもあるので体力はかなり消耗します。

時間の流れがゆったりしている。

道の向こうには、必ず海が見える。島ならではの風景。

人には一人も会いませんでしたが、牛や羊には何度も遭遇。

気持ちがのびる……。

雲の形もドラマティック。

島には商店が1軒のみ。久々に自転車の感覚も懐かしく(高校の自転車通学以来)穏やかな時間にひたることができました。

講談社FRaU のウェブサイトで日本のラグジュアリーに関する連載が始まります。スタイリストの森岡弘さんとの対談形式です。第一回の対談はズームでおこないました。担当は吉岡久美子さんです。

アップまでしばしお待ちくださいませ。

ラグジュアリーの研究会を進めているタイミングで、別のルートからラグジュアリーに関する仕事をいただくというのは奇遇ですが、やはり今は、日本のラグジュアリー産業を真剣に考えるべきときという思いに支えられた行動があちこちで発生しているということなのかもしれません。祈ることも大事ですが、行動しなくては変わらない。

 

“Industry need not wish.” (By Benjamin Franklin)

 

 

 

 

 

〇小浜島続き。(しばらく前の仕事旅のなかから写真をアップしています)

 

キックスケーターもない(話が違う…)とのことだったので、スタッフにカートでビーチまで送ってもらいます。途中の光景は自然の栄光に包まれ過ぎてどこか「ミッドサマー」味あり。

プール越しにビーチ。パラソルの配色が白日夢。


ほぼ宿泊客だけのプライベートビーチ化してますが、人はほとんどいません。「ベニスに死す」のラストシーンを一瞬連想してしまった。

透明すぎる海。

誰もいないビーチをひたすら歩く。ときどき転がっている漂流物を見るとかえってリアルでほっとする。シュールなくらい「何もない、誰もいない」。

ビーチにしつらえられたブック&カフェ。営業しておらず、ここにもだれもいない。ここで映画を撮るとしたらなんだろう。やはり「ジョーズ」系かな。島だから「蠅の王」かな。「ミッドサマー」の海版かな。(←なぜこういうグロい系ばかり)

絵葉書になりそうな光景。

陸側にはガジュマル広場もあり。

すわったとたん、なにかの仕掛けが起動してこわいことになりそうなハンモック型のチェア(この時点でかなり、妄想はダークな方にしか働かなくなっている)。


地球にこんな時間が流れているのかと驚かされる絶景。

 

“Life is not accumulation, it is about contribution. ” (By Stephen Covey)

 

 

 

 

 

 

 

〇竹富島から石垣島へ戻り、小浜島へ。(しばらく前の仕事旅の写真をぼちぼちアップしています)

小浜島へのフェリーはオープンエアーで、水しぶきがふつうにかかってくる。途中、水の色が、ブルーから淡いエメラルド色へと変わる場所がある。鮮やかな水の色の変貌には目を奪われる。


小浜島。

星野リゾート リゾナーレ小浜島のお迎え車に乗り、ホテルまで。途中、延々とさとうきび畑が広がる。
リゾナーレの敷地入り口からもさらに長い長いアプローチ。当初は口コミ評価の高い「はいむるぶし」に泊まることが目的だったのですが、星野が7月オープンと知って、「最新の」リゾートホテルの状況を知るために急遽、こちらに変更。


フロントのある棟。部屋はいくつもの棟に分かれており、各部屋、各施設へ向かうためにはカートでの移動が必須。移動のたびにいちいちスタッフを呼ぶのもしのびなく、パンフレットにあったキックスケーターをお願いしましたが、この日はすでに全部貸し出し中で、「ない」とのこと(じゃあ、書かないでほしい)。 スタッフも少ないのか、後に何度か、フロントに電話をかけてもかけても誰も出ず、移動がまったく不自由だと思ったことしきり……。これは想定外でしたので、小浜島に行かれる方はあらかじめ移動手段を確認しておいたほうがよさそうです。

 


7月リニューアルオープンということでしたが、建物全体は旧いままで、アートを壁に張って新鮮味を出しただけ?  写真だときれいではありますが、根本的なところが旧いままで、全体に山荘特有の匂いが漂っています。そもそもウェルカムドリンクなどの配慮もまったくなくて、到着してすぐ水も飲めない。アメニティもぎりぎり最低限のビジネスホテル並み。タオルも並の品質で最低限の枚数以下。いくら物の移動が不便な小浜島といえども、東京の5☆ホテル以上の強気の料金をとるならばもう少しゲストへの配慮があってもよいのでは。


ベッドルームも、少し戸を開けると虫やヤモリがすかさずはいってくるので要注意。まわりがブッシュなので当然と言えば当然です。ただ、クローゼットを開けるといきなり「ゴキジェット」が出てきて、これもリゾートホテルとしてはいかがなものなのか。見えないところに置いておき、スタッフから一言なにか声をかけて注意を促すとか、いくらでも方法はあるはず。さらに、私が支配人であればこの環境ならゲストを守るために「網戸」に相当するものをつけるかなあ。


ベランダの手すりにさわると手が汚れる。この時点で、初志貫徹しなかったことをかなり悔やみ始めました……。


遠くに海が見えますが、軽井沢の山荘にいるような感じです。このブッシュにしても、敷地内だけでも多少、手入れすれば見晴らしがよくなるし、虫も少なくなるだろうに、なぜジャングルのままなのか。島だからこその野趣がいい、という意見もあろうかと思いますが、ANA石垣の手入れがあまりにも行き届いていたので、対照的な印象。

翌日の朝食も、某ビジネスホテルにも及ばない。そもそも朝なのにブラインドを開けない暗い部屋にゲストを通すという感覚は何だろう。一品一品が安易で、そもそもフルーツが皆無というのはいったい。物流が悪いから、という事情を最大限に考慮しても、価格とサービスの内容があまりにも釣り合わない。チェックアウトのときも、ゲストをひとからげにしているゆえのスローな対応で、さすがに「これはないのでは」という問題が度重なりすぎでした。

リニューアル直後でスタッフの対応が追い付かないということはあるのかもしれません。今後の改善とご発展に大いに期待いたします。

ブランドの評判と価格で期待していただけに、落胆が大きかったので珍しく辛口連発で失礼しました。しかし、「私が総支配人だったらこうする」のアイディアがむくむく出てきたのでその意味では刺激になりました。このリゾートホテルの名誉のために言うと、感染予防対策は徹底されておりました。当方ももちろん、アルコール消毒、マスク、必要な場での手袋、公共の場所にあるものをむやみにさわらない、パーソナルディスタンス、できるだけ話さないを常時、徹底しています。

次回は小浜島のスペクタクルをアップしようと思います。

 

 

Truthful words are not beautiful; beautiful words are not truthful. Good words are not persuasive; persuasive words are not good. (By Lao Tzu)

 

 

 

 

〇竹富島。(しばらく前の仕事旅の写真をアップしています。今現在の状況だったらとても伺えなかった。)

石垣港から高速フェリーで10分ほどにある島です。

竹富島の海の水は、石垣島以上に透明度が高い。

ザ・南国。

ハンサムな水牛がひく牛車にのって島内めぐりをしました。


水牛くんのヒップ越しに町を見る。竹富島はサンゴ礁が盛り上がってできた島で、水などはとなりの石垣島からひいてくるのだそうです。


住んでいらっしゃるのは代々、土地を受け継いできた方々。「よそものには売らない、というのが基本姿勢です」とガイドさんは言いながら、新しく進出してきているリゾートホテルへのさりげない批判を。この意味がほんとうにわかったのは、翌日のことでした。


30分もあれば町の中を一周できるという小さな島。ハイビスカスが咲き誇り、バナナが実る美しい別世界でした。


出航まで時間があったので、グラスボートに。広いボートを貸し切り状態でした。水がきれいなのでサンゴ礁の細部までじっくり見ることができました。

ガイド兼ボートの運転手(という表現でいいのか?)が超ベテランで、どこにボートを止めるとどの魚が見えるのかを熟知しているのですね。たとえばニモことカクレクマノミが住んでいるイソギンチャク。近辺には4家族のカクレクマノミがいて、そのうちの一家族には今年1月に赤ちゃんが生まれた、という事情まで熟知していらっしゃるのです。各家族が住むイソギンチャクの上にぴたーっと正確に停止していくのです。このプロ精神には畏れ入りました。


あまりにも魚がいないときには、わざわざ餌をまいてきれいな魚を呼んでくださいました。

 

“We are what we repeatedly do. Excellence, then, is not an act, but a habit. ” (By Will Durant)

 

 

 

 

〇ANA Intercontinental Ishigaki Resort の続きです。(しばらく前の仕事旅の写真をアップしています)


日の出前の海岸。

いつどの角度から見ても新鮮な美しさのある庭園。

クラブインターコンチネンタルの朝食は、控えめに言ってもここ数年で食べた朝食のなかでピカ一のレベルだった。フレッシュフルーツ、シャルキュトリ、野菜、チーズ、ペストリーはブッフェ形式。感染症予防対策は万全にとられていました。

それとは別に、メインが各自でオーダーできるのですが、出色は「和食」。夜の料亭で出てきそうなフルコース級の和食で、これには感動を通り越して言葉も出ない。一品一品がすべて意味をもち、洗練されています。

和食についてくる卵焼きとデザート。

クラブラウンジ専用の贅沢な「景色」となっているプール(泳いでいる人をあまり見かけなかった。そもそもゲストも少なく、密になる場面も皆無)。

予想をはるかに超えたすばらしいホテルでした。ただ、残念だったことは、去り際の対応。帰り際の印象というのは滞在全体を左右するだけに、ここはちょっと「?」でした。


まだできたばかりの新しい棟&サービス形態なので、今後の改善に期待し、いっそうのご発展をお祈り申し上げます。

CSVとは。Creating Shared Value (共通価値の創造)。

CSVとは、社会価値と経済価値を両立する経営戦略のこと。企業が社会課題に取り組み、社会に対して価値を創造することで、経済的な価値がともに創造されること。社会の持続可能性だけを重視するわけでもなく、従来の資本主義にもとづいた企業利益だけを優先するわけでもない。
両者を両立したサステナブルな企業経営のあり方。
本業がそのままCSVになれば万々歳なのだが。それを実現している数少ない日本の企業があって、そがファーストリテイリングである。というなかなか興味深い話。NewsPicksの会員限定なのですが、もし会員でいらしたらお読みになってみてください。こちら。

“The ultimate value of life depends upon awareness and the power of contemplation rather than upon mere survival.” (By Aristotle)

コロナ禍を「サバイバル」して(まだ終わってはいませんが)、口では「価値観が変わる」とか変化がとか言いながら、以前とちっとも変わっていない人が多い気がする……。「覚醒」して行動やあり方を変えた人はどのくらいいたのだろうか。

 

 

 

 

〇ANA Intercontinental Ishigaki Resort の続きです。

夕方5時からカクテルタイムが始まります。ドリンクはシャンパーニュ(ペリエ=ジュエ)はじめ、各種ワイン、スピリット、カクテルがフリーフロー。


スタッフの制服も、美しいのです。男性は、コロニアル風シャツとミドル丈のパンツ。そして海をイメージさせるマスク。

女性は波と自然からヒントを得てデザインされたドレス。ホテルのインテリアにシックにとけ込み、リゾート感を演出してくれます。

ブッフェ形式ではなく、「アミューズ」「野菜」「スペシャル」「フルーツ」などいくつかのカテゴリーがあり、それを注文するとプレートに載ったお料理を運んでいただけるという方式。全部、順番に頼むとフルコースの料理をいただくことになります。お腹の具合に応じて、適宜、なにかをスキップしてほしいものだけいただけるというのはありがたいですね。フードロスにもつながります。

しかもお料理ひとつひとつのレベルが超高い。一口、一口、意味のある作り込みがおこなわれており、感動しました。サービスも丁寧で言うことなしのクラブラウンジです。

夕暮れの景色。

夜の海も澄んでいます。

石垣の夕陽。神々しい……

プールサイドも夕暮れはところどころで火がともり、ドラマティックに変貌します。


夜空には星。一晩中、睡眠を妨害しないゆるやかなBGM。

〇ラグジュアリーの勉強会は引き続き活発におこなわれております。

こちらは、勉強会主催者の安西洋之さんによる「パーソナリゼーション」の真の意味を考える論考。ネットでなにか買い物をしたら「あなたへのおすすめ」が次々でてきて、げんなりすることは多々ありますよね。ああいうマスマーケティングによる「パーソナリゼーション」はラグジュアリーの分野では無視します。年代、階層はまったく関係がない。ほんとうのパーソナリゼーションが与える幸福感について、もしよかったらお読みになってみてください。こちら。

 

“When we seek to discover the best in others, we somehow bring out the best in ourselves.” (By William Arthur Ward)

 

 

 

〇ANA Intercontinental Ishigaki Resort 続き。

クラブインターコンチネンタルは朝食、アフタヌーンティー、カクテルがフリーで含まれています。アフタヌーンティーから感動の連続。ホテルコンセプト「波と自然」にそったセイボリーとスイーツが、すてきな三段トレイ+アルファに乗せられて運ばれます。

魚の形をしたスコーン。クロテッドクリーム、ジャム、はちみつも一ひねりを加えた本格派。

マンタをかたどったチョコレート。波をイメージしたお皿にのせて撮ってみました。

隣接するクラブ専用のプールが常に視界に入り、リゾート感を盛り上げてくれます。

スパは本館のプールに隣接。

本館のプールも延々と続く広さ。場所によって形を変えるので飽きさせません。


時間があればカバナで半日ぐらい過ごすのも寛げそうですね。ここでシャンパン片手に洋書など読んでたらインスタ映え抜群でしょう(笑)。洋書の上下が間違っていないように気をつけよう。

 

〇(しばらく前の仕事旅行がらみの写真をぼちぼちアップしています) 石垣島では7月にオープンしたばかりのANA Intercontinental Ishigaki Resort のベイウィングのクラブフロアに滞在。目を見張るラグジュアリーリゾートでした。


別ウィングの作り方、フロントの作り方などは、ハレクラニ沖縄を意識しているのかな? とも感じる。


部屋のベランダから見える景色はどこどこまでも夢のよう。見下ろすとクラブラウンジ専用のプール。かなたにはエメラルド色の海。クラブインターコンチでは24時間心地よいBGMが流れていました。夜空は星がまばゆく、下を見ればライトアップされたプールにBGM。なんという演出。


家具、ファブリック、アメニティ、食器類、ドライヤー、どれをとっても、とにかくすべてが「ベスト」「最新」尽くし。


ティーセットも南部鉄器。ティーバッグはTWG。冷蔵庫の中身も、カトラリーも、グラスも、すべて最高峰でおしゃれ。感動するレベルです。

支配人からのメッセージとプレゼント。クラブフロアのゲストには日傘がプレゼントされるのです。手書きのメッセージに心があたたかくなります。


ナチュラルな木のイメージ×波のイメージを生かした館内(廊下)のインテリア。お部屋の鍵にいたるまでデザインにそのコンセプトが生かされています。

各階のエレベーター前には、個包装のマスクと、アロマウェットシートが。使い放題です。このアロマシートがあまりにも気に入ったので、即、アマゾンで購入しました。ラベンダーがお勧め。

 


マエサトビーチへの期待を盛り上げるアプローチ。

この標識のセンスのよさったら。

かぎりなく透明な海がどこまでも。


本館へと続く庭園も徹底的に演出がほどこされており、飽きさせません。

 

” The love of heaven makes one heavenly.” (By William Shakespeare)

 

 

“Wild waves rise and fall when they arrive.  And that’s what makes the calm sea alive”  (By Munia Khan)

 

〇仕事で石垣島。こちらもしばらく前のものですが、支障ない程度にのこのことアップします。


那覇を過ぎるあたりから海の景色が変わってくる。


上から虹を見おろしたのは初めて。翼の下の方に、虹が見えるのがわかりますか?


拡大します。これこそOver the Rainbow.


人間の力ではこんな美しい光景は作れない。

 「三体II」下巻も読了。スケールがけた違いのスペースオペラがこれでもかというくらいに展開して、大胆な想像力に圧倒される。SFだけど自分の物語として読める理由は、戦いが起きる原因として普遍的な人間の心のひだが描かれ続けること。三体人との対決を通して描かれるのは人間世界の残酷(と小さな希望)かもしれない。

「歳月に文明を与えよ。時間に命を与えよ」。

このフレーズが出てきたとき、「ゴドーを待ちながら」を思い出した。邂逅、あるいは絶望的対決を待つ間の時間をどう過ごすのか。大切なことはその待ち時間に起きるということ。この壮大な三部作も三体人との対決を待つ間に起きる物語である。

「黒暗森林」というタイトルの意味の本当の意味がわかったとき、足をすくいとられるような思いがした。

さらに続編があるそうなので、こちらも「待つ」ことにしよう。

 

 

〇横浜市中区をほぼ初めて歩き通して見て、予想以上に美しい歴史的建造物の数々に遭遇。3週間ほど前のことですが、歩きながら撮影した写真をのこのことアップしてみます。解説なしで失礼します。公の建物が多いですが、気になる建物があったら適宜、画像検索などで調べてみてくださいね。



足元を見るとこのような装飾が随所に。



実はこの日、朝おそろしく早く出て、中華街で朝食でした。同行者の絶対的な推薦により「馬さんの店」で朝がゆ。

感動的なくらい美味しくて、価格もリーズナブル。あまり日頃足を踏み入れない雰囲気の店でしたが、ごめんなさい、偏見でした、お味はすばらしかったです!! 小籠包も絶品。また食べに行きます。

一方、期待十分で行ったのに「???」で終わったのが、新しくできたハイアット系のホテルのランチ。


お料理もプレゼンテーションも食器類もすべてが10年以上前のトレンド?という印象でハイアットクオリティには届いていないのでは。いったいどうしたのかといぶかっていたら、どうやらオペレーションが異なる会社であるらしい。ブランド名を守るためにもここはもうひとがんばり、ハイアットのエッセンスをまぎれもなく入れることが大切なのではないでしょうか。まだまだこれからのホテルなので、今後に期待いたします。

〇日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。

昨日付では、史上初のデジタルファッションウィークとなったロンドンファッションウィークについて書きました。こちら、電子版ですが、登録してないと全文を読めないようです。恐縮です。

 

〇横浜山手散策の続きです。神奈川近代文学館。

第一部:夏目漱石、森鴎外、北村透谷、島崎藤村、国木田独歩、与謝野晶子、泉鏡花、武者小路実篤、志賀直哉、有島武郎、斎藤茂吉、高浜虚子、北原白秋、萩原朔太郎

第二部:芥川龍之介、横光利一、川端康成、永井荷風、谷崎純一郎、岡本かの子、吉川英治、堀口大学、西脇順三郎、中原中也、小林秀雄、堀辰雄、中島敦


第三部:太宰治、坂口安吾、島尾敏雄、大岡昇平、安部公房、三島由紀夫、澁澤龍彦、山本周五郎、開高健

 

名前を挙げていくだけで虚実のイメージが去来して脳内にすさまじい世界が展開するなあ。彼らのような、生き方そのままが「文学者」という作家が今ではすっかりいなくなった。

文豪たちの直筆は、意外と「達筆ではなかった」です……笑。

 

館内のカフェというか、懐古的な「喫茶コーナー」は眺望最高。サービス内容は文豪の時代に戻ったかのようなウルトラレトロで、じわじわきます。

“Literature transmits incontrovertible condensed experience… from generation to generation. In this way literature becomes the living memory of a nation.” (By Aleksandr Solzhenitsyn)

梅雨の合間の貴重な晴れ間、少しだけ足を延ばして横浜山手地区を散策しました。


暑かった……。ですが異国情緒たっぷりの山手地区に癒されました。

中も見学させていただきました。ベーリックホール。すべてにおいて理想的な「お屋敷」。


山手234番館。

イギリス館。クリスマス前後にはよくイベントが行われていますが、夏に来るのは初めて。

庭園も壮麗です。

薔薇は終わってしまいましたが、いまは百合とあじさいが見ごろです。


カソリック協会。

いくつかの建物の解説はこちらのサイトにあります。アメリカ人、イギリス人、フランス人、イタリア人が競って母国建築風の建物を建ててくれたおかげで美しい遺産が残っています。横浜雙葉、フェリスに通っていた方々はこういう美しい環境のなかを毎日通学していたのですね。

 

There are no foreign lands. It is the traveler only who is foreign. (By Robert Louis Stevenson)

Shibuya Sky.

昨年秋に誕生していた施設ですがタイミングがなく初訪問。47階、地上230メートル。

 

みなさんがインスタにあげていらっしゃる映えスポットですね。

屋上は芝がしきつめられており、寝転んで寛ぐ方々も。

スクランブル交差点も、見下ろすとこんな感じ。

新宿方面。

なんだか既視感があるなあと思っていたら、六本木ヒルズの展望台とどこか酷似してます。帰りのエレベーターを降りたらそこにもおみやげショップ、というあたりも。オークランドでもっとも高いなんとかタワーの上もこんな感じだったような……。高層を売りにすると、バリエーションが生まれにくいのかもしれませんね。

 

カフェにはシャンパンの銘柄が5種ぐらいと、こういう場所にしては比較的豊富だったのが嬉しい。コロナロックダウン中、断酒していたこともあり、あまり多くは飲めなくなりましたが。

渋谷はほかにも新しい施設が続々生まれていますね。ただ、なんだかどこも東急系の同じような店舗が入っていて、いったん中に入ると他との違いがよくわからなくなります。そこそこきれいで便利かもしれませんが、予想を外してくる驚きが何もない。こんなことでよいのでしょうか。おそらく大人の諸事情でこのようになるのでしょうね。

 

週の真ん中、梅雨の晴れ間で暑くなりそうですが、よい一日を。

 

 

“The greatest happiness of life is the conviction that we are loved; loved for ourselves, or rather, loved in spite of ourselves.” (By Victor Hugo)

サンセットシャンパンがあまりにも美味しくすすみ、部屋に戻り爆睡してしまったため、おすすめされたハレクラニホテルの夜の演出を見のがしてしまいました。火がビーチサイドの庭園のあちこちにともされ、ライトアップされて、それはそれはロマンティックな光景なのだそうです。わーん。ばかじゃないか私。いやしかし、これは次回のお楽しみということで。

さて朝は朝で散歩がとても気持ちよく、珊瑚のかけらなど拾いつつ(あとで箸置きに)海辺をかなり歩いた後、クラブラウンジの朝食です。


各テーブルには蘭がこのように繊細なアレンジをほどこされて飾られています。

アサイ―ボウル、ヨーグルト、しぼりたてフレッシュジュースなどはこうして端正に並べられ冷蔵庫に。


朝は時間帯も長めなためか、パン、焼き菓子類はこうしてひとつひとつ包まれて提供されていました。


野菜やフルーツもこのようなラップで覆われて提供されます。それはそれで安心でした。


広大な芝の手入れは、ロボットが。中央に見えるかぶとむし状の黒いロボットが、芝をきれいに整えていっています。間近で見ると、けなげに働いているさまがかわいい。


やはり度はずれたスケールのハレクラニでした。備品のドライヤーも「復元」ドライヤーだったり、カーラーも備えて貸与してくれたりと、すべてにおいて、細部までぬかりなく最高を追求していることがうかがわれました。衣類のクリーニングも頼みましたが、新品と見まがう完璧な仕上がり。唯一の不満はスパ(くどいけど。笑)。クラブフロア向けにスパのアクセスをご検討いただけば嬉しいです。

2020春の沖縄シリーズ終。

ハレクラニの夜は、完璧なサンセットを眺めながらシャンパンをいただく、という至福の時間を堪能しました。

クラブラウンジのテラスは、ホテルスタッフが「沖縄でもこれだけ条件が揃ったすばらしい景色を眺められるのはこの場所だけ」と言い切るほどの絶景ポイント。17時ころからすでに期待も高まるというもの。


日中は本を読むだけでお腹もすいていなかったのでほとんど食べませんでしたが、カクテルタイムのフードもすばらしい。上質な素材を使った料理がこの上なく美しく盛り付けられて供されておりました。


このようにブッフェもとくに覆いなどせず、通常のスタイルで提供されています。入り口での手の消毒は全員に促されていました。

シャンパンはルイ・ロデレール。フリーフローといっても一杯一杯、スタッフがていねいにグラスに注いでもってきてくださいます。


スタッフの制服も素敵なのです。ロングタイトのスカートながらスリットが入っており、上半身がきちんとしたテイラード。シアサッカーの涼し気な素材です。「少しでも太ったらすぐに目立つので、常に体型の変化には気をつけていなくてはならない」そうです。


日焼けをものともせず、最高のシチュエーションで、ありがたき時間。

まったく奇遇なのですが、フォーブスのお仕事を通じて知り合ったKさんご夫妻とこのラウンジで遭遇。お二人はニューヨーク旅行がキャンセルになって、3泊の予定でハレクラニ滞在にふりかえたとのこと。東京でもなかなか会えないのに、南の島でばったり会うなんて、こんなこともあるものですね。


ドラマティックで崇高な、一瞬のサンセット。こういう一瞬が人生のなかにあってほんとうによかった、としみじみ思いました。ありがとうハレクラニ。

2日目はハレクラニ沖縄泊。

どこまで広がるんだという圧倒的に広大な敷地のなかに2つのエントランス。サンセットが楽しめるサンセット・ウィングとビーチサイド・ウィング。今回はクラブレベルが研究対象でもあり、クラブラウンジのあるサンセット側に宿泊しました。

 

 

海が見渡せる開放感あふれるロビーにいきなりうっとり。

 

まったくの別天地。クラブラウンジでウェルカムドリンクをいただき、あまりにも芳しい海からの風の香りに期待値が最大になります。

館内には花もあふれているのですが、このように廊下にも蘭の花が。

オーシャンビューの広々とした部屋。エントランスからゆったり空間がとってあり、クローゼットの中でも余裕で着替えることができる、贅沢な設計です。

ベランダも広々。目の前にはダイヤモンドヘッドと海。ほかの建物が何も目に入らないという究極の非日常設計です。

バスルームからも海を見ることができます。

アメニティはハレクラニとROJAとのコラボ。オリジナルですが、とても香りがよく、上質です。
総支配人からのギフトがテーブルに。泡盛とオリジナルのお菓子。ちなみにターンダウンのときはハレクラニ柄のブックマークが添えられていて、センスのよさにうなりました。

クラブレベルではアフタヌーンティーもついてきます。和牛のハンバーガーやサーモンサンドイッチが一口サイズの超ミニチュアなのに本格的で、一品一品に感動しきり。コロナ対策としては入り口で手の消毒を促されること。このようにふつうにブッフェスタイルですが、トングなどこまめにとりかえられているようでした。

 

ちなみに、冷蔵庫のドリンク20種類くらいがすべてフリーです。

ビーチウィングへの移動は、常駐するスタッフに声をかけるとカートで送ってくれます。

オーキッドプールは残念ながらメンテナンス中で入れませんでした……。涙


永遠に見ていたい絶景…。

クラブフロアの楽しみはなんといってもスパ(温浴施設)にあると思うのですが、ハレクラニに対する唯一の不満は、スパの利用がエステ利用者に限られていること。クラブレベルのゲストには、エステの利用に関わらず温浴施設のアクセスをフリーにすべきと思うのですが。

というわけで楽しみにしていたスパが使えなかったので、ひたすら太陽の下で読書しました。機内で半分ほど読んできた「シン・ニホン」読了。この本についてはまた後日。

ランチはリッツカールトン沖縄で。

沖縄リゾートのラグジュアリーホテルは、程よい距離感で点在しており、それぞれ1000円前後でタクシー移動できるのですね。(那覇空港までは一仕事ですが)

 

ブセナテラスから坂を上っていき、タクシーでほぼワンメーターでリッツカールトンに到着。ここは首里城ですか?!という巨大なスケールのお城のようなホテルでした。

プールの先を見下ろすと広大なゴルフ場、その先には海が水平線まで広がる。なんとすばらしい立地なのでしょうか。

それにしても人がいないので、せっかくのお城もなんというか、立派過ぎる施設を持て余しているようでもったいない……。

 

広い敷地のどこもかしこも水が流れ、この維持費はさぞかしたいへんなのではと余計な心配をしたりする。人が全然いないので、ホテルのグラビア撮影?も楽々。

レストランはイタリアンも中華もクローズド(夜のみ開店)ということで、オールデイダイニングへ。沖縄の焼きそばを注文してみました。リッツカールトンで供される地元の超高級焼きそば。シュールな体験でした。とても美味しかったです。

箸置きは、珊瑚。リアル珊瑚。インテリアも食卓回りも沖縄の美しさを洗練された形で活かしており、ムード満点でした。珊瑚のかけらはなるほどこうして使うのか。


お水のグラスもブルーの模様が入った大きめのグラス。沖縄の海を思わせます。

それにしてもこんなに人がいなくて大丈夫なんだろうか、リッツカールトン。タクシーの運転手さんは、新型コロナの影響で沖縄のホテル全体の稼働率が30%以下とおっしゃっていましたので、これほど大きな施設はひときわ閑散として見えるのかもしれません。あるいはゲストはアウトドアに出かけられて日中はホテルにいない、ということもあるのかもしれませんね。

壮麗なエントランスにはアロマがたかれておりましたが、この香りにやや違和感あり。異国情緒の演出はよいのですが、南国の香料の癖が強すぎて頭が痛くなるのです。私ならココナツ系を少し減らしフランキンセンスをやや増やし高貴で穏やかな香りをと助言しますが(頼まれてないので余計なことは言いませんが)。

すばらしい施設なだけに、ずっと建っていてほしい。早く多くの旅行者が戻ることができる時期が訪れますように。

 

朝日の出とともに海岸線を歩くことができるという幸せ。


砂浜のとなりはうっそうとした森。途中にお墓もあったりして、映画だったら木の向こうから何か出てくるなというような、ちょっとした怖さもある。

こういう植物と水の中で遭遇したら、なんとも幻想的でしょうね…。

やや雲の多い朝日の出でしたが、荘厳な雰囲気。

ウェルネスを謳うホテルだけあって、朝食が完璧以上。細部が徹底しており、感動しました。オレンジジュースからして、このように自分でマシンの中に入れてしぼりたてをいただけます。

野菜、ドレッシング類がとにかく充実。初めて見る野菜もあります。今回、はまった沖縄野菜が「ハンダマ」という表が緑、裏が紫の葉野菜です。中央の貝殻型トレーに入っている野菜ですね。抗酸化作用、アンチエイジング効果があるそうです。

東京ではブッフェスタイルがもう行われていないのですが、沖縄はまだこんなふうにブッフェで自由に楽しめます。もちろん、入り口でのアルコール消毒などは徹底されております。

オムレツも作りたてをもってきてくださいますが、ソースも自然の味わいで、美味しい。ハムやベーコンなどの加工肉は一切提供されず、魚料理、肉料理、すべて原材料の形がわかる料理が出されていました。さすが。食材のレベル、種類の豊富さ、ヘルシー度、料理のおいしさ、すべてにおいてハイスコアだと思います。

チェックアウトまではタラソプールで遊びました。写真禁止区間なので、ホームページでご確認ください。温海水のジャグジー迷路プールといった印象ですが、数字の順番に歩いていくと全身、温海水でマッサージできるというしくみ。サウナなどもついていて、寒ければ身体を温めることもできます。

ブセナはオリジナルのお茶やお菓子も充実しており、とりわけ「デトックス」「リラックス」系のハーブティー4種が洗練されていてすばらしい。かさばることもないので、おみやげに買って帰りました。

この後もずっと快晴に恵まれた最高の一日になりました。

 

夜はブセナ本館のほうを散策。

こちらはこちらで、壮麗。

 

ライトアップされたプールや建物は絵のような夢のような。

人がほんとうにいないので、「夢か」という感覚が加速される。

 

次回は夏、泳げるときに来たい。ちなみにこの日は20度くらい。暑くもなく寒くもないのですが、泳ぐには寒いという気温。

ふと思い立って沖縄へ。まだ新型コロナが出ていない場所だし、飛行機内は換気しているので安全度が高いとのこと。仕事のためのラグジュアリーホテル研究も兼ねて、比較的空いている今はまたとない機会でもあります。

那覇空港から恩納村までのアクセスが不便であまりにも遠いのは想定外でしたが、ほぼ丸一日かけて移動した甲斐のある別世界が開けていました。透明な海とどこまでも青い空、適度に湿度のあるさわやかな空気は、やはり南国の島ですね。

初日はテラス・クラブ・アト・ブセナに宿泊。ブセナのクラブラインです。

スタッフの制服も白とベージュのコロニアル風で明るい印象。インテリアともぴたり合っています。

入ったとたんにうわーっと気分が上がるコロニアル風のゆったりしたお部屋。

ベランダでも寝そべってくつろぐことができます。どのサイドも絶景ですが、こちらからもまるでディズニーランド?という南国風の景色が堪能できて、夜はとりわけムードがありました。

 


アメニティはタルゴ。女性用の基礎化粧品はテラスオリジナルの3点セットで量もたっぷりあります。なかなかポイントが高い。唯一残念だったのが、カールドライヤー系のスタイリングギアの貸し出しがなかったこと。ヘルシーを売りにしているので、そもそも滞在中は誰も髪を巻いたりしないのか……。笑

建物は通路に風がふきぬけていく作りで、解放感は抜群。鳥まで飛びぬけていきます。

クラブフロアに固執するのは、ひたすらシャンパンフリーフローのためです! こちらではパイパー・エドシックが提供されていました。フードはいまひとつ種類も少なめでしたが、海からの風を受けながらのシャンパンは最高。

ホテルスタッフがマスクをつけていない、ということにもほっとする。入口でのアルコール消毒など万全の対策はなされていますが、そもそも人が少なく、この開けた空間ではマスクがあまり意味もなさないのではと思われました。というわけで私も久々にマスクレスで過ごして深呼吸。

 

 

?日経新聞の書評効果に驚きました。


昨日は一度、アマゾン全体のランキング549位というのを目にしました。3桁というのは初めてです。ずっと見ているわけではないので、たまたまここまで上がった瞬間を目にしたのかもしれませんが、驚愕です。

 

?さてKeep Calm。

本日の東洋経済オンラインで、ベルナール・アルノーの巻が公開されました。こちらです。

 

?横浜中華街の聘珍楼で免疫力アップのための(?)ランチ。いつもは予約しないと絶対入れなさそうな人気高級店ですが、休日にもかかわらず、ガラガラでした。

 

テタンジェ もつけてしっかり栄養補給。野菜のトリュフ炒めが絶妙に美味しかった。接客もすばらしく丁寧で、感動。

 

飲食店、ホテルはどこもたいへんに苦しい時期をしのいでいらしゃることと思います。私も超弱小フリーランスに等しいので苦境には変わりないのですが、可能な範囲で機会をとらえて利用したく思います。お互いに助け合ってサバイバル、がんばりましょう。

“I don’t do damsel in distress very well. It’s hard for me to play a victim.” (By Scarlette Johansson)

高輪の日本庭園にも河津桜が咲きました。

ピンクとブルーのコントラストが澄んだ空気に映えてすがすがしい。コロナにびくびくして精神的にやられてしまうより、せめてこの瞬間は、この解放感を楽しみたい。


グランドプリンスホテル高輪のロビーにも春。ホテルはあらゆる入り口でアルコール消毒液を設置するほか換気などにも万全の対策をとっているので安心度が高い。今の時期は比較的空いていて、ほっと一息つきたいときの癒しを与えてくれます。

 

For happiness one needs security, but joy can spring like a flower even from the cliffs of despair.  (Anne Morrow Lindbergh)

「幸福のためには安全が必要だが、喜びは絶望の淵からでも生まれる。絶壁に花が咲くように」

そういえばJoy という香水は、1929年のウォール街大暴落の後、ジャン・パトゥが「パリに来ることができないアメリカの顧客に、喜びを」という意図をこめて発売したものでした。

喜びまで自粛せず、この時期を乗り切りたいですね。

JAL機内誌SKYWARD 3月号が発行されました。

連載「私のホテル時間」Vol.4 は、「3つのホテルが囲む奥深き都心のロマンティックオアシス」。ザ・プリンスさくらタワー東京/ グランドプリンスホテル高輪/ グランドプリンスホテル新高輪です。

JALに搭乗される機会がありましたらご笑覧くださいませ。

 

 

?日本実業出版社のホームページに著者インタビューが掲載されました。「一大トレンドを生んだクリエイターの驚きの発想力」。

 

 

?JAL 機内誌 SKYWARD 2月号にて連載「私のホテル時間」vol.3 が掲載されております。今回は品川プリンスホテルです。JALに搭乗される際にチェックしてみてくださいね。

もともと私の文筆業としてのキャリアは19歳で始めた旅行ライターから始まっていることもあり、ホテルレポートは超得意分野の一つなのです。

これからのラグジュアリービジネスを考えると、ファッションが占める割合が大きくなっていくようには見えず、むしろ食や旅も含めた、「経験」に重きがおかれていくだろうと思います。

 

ご協賛各社です。イザイア(ISAIA)さま。イザイアは、ナポリの名門ファクトリーブランドで、世界のエグゼクティブに支持されています。イタリアらしいクラシカルな品格といえば、イザイア。はい、こちらをご覧ください。

160名ほどのゲストでにぎわうボールルームでひときわ存在感を発揮していたイザイアの市瀬晃央さんと本間宏海さん。イギリスのスーツにはない独特の艶っぽい華やかさがありますね。

今回、レセプションで各ホテル総支配人が着用したネクタイとチーフは、イザイアの製品です。


お花越しに(笑)微笑むザ・プリンスパークタワーの総支配人、石川学さんが着用していらっしゃるのがイザイア。(遠くてわからないですね……至近距離で写真撮るべきでした。反省)

そして車ではマセラッティ。

内装がまたひときわ上質で、なんともセクシーな空間でした。

さらに、ランジェリーのインティミッシミ(intimissimi)。


フェア期間中、intimissimiの赤のキャミソール&ショーツがプレゼントされるステイプランもありますよ。15室限定です。詳しくはこちら

 

さらに、テクノジム。

最新型のラグジュアリーフィットネス製品は、ボールルームでも大人気でした。東京シティエリア マーケティング統括支配人の林佳代さんと私が座って、というか乗っかっているのは、テクノジムの高級レザー製のバランスボールです。座り心地も快適です。

 

社交に夢中になっている間にも舞台上ではオペラティックなパフォーマンスが。歌うのは柴田泰孝さん。

To be continued……

Buono! Buono! ITALIA FAIR 2020 の詳細はこちら

#BeyondYourExpectations

Hyatte Regency Hakone Resort & Spa.

Mountain lodge meets contemporary luxury hotel. Rich in nature and warm hospitality, and free flow of champagne (from 4 pm to 7 pm).



Library with games. You can walk around in Yukata during your stay, like the other onsen ryokans in Japan.


Lounge with center fireplace. Can you believe champagne and wines are free flow?  You may order foods (only foods are charged).



The room is spacious and full of sophisticated amenities. Breakfast was more than perfect.

Highly recommend.

12月になりました。

JALの機内誌「SKYWARD」も本日より12月号が搭載されます。

連載「Beyond Your Expectations 私のホテル時間」。第2回目はザ・プリンスパークタワー東京/東京プリンスホテル です。

芝公園エリアでの私の過ごし方を書いています。

JALに搭乗される時にはチェックしてみてくださいね。

 

台風当日は、アン王女がご臨席のレセプションがあったはずだったのですが、ぎりぎり直前で中止が決定になりました。多くのイベントがキャンセルされ、店舗も閉鎖され、交通機関も止まった状況のなかでしたから、納得の決定ではあります。

ザ・プリンス・パークタワー東京を着替えなどの準備のためにおさえていたので、そのまま宿泊することに。非常時の宿泊といえば、大雪の日、帰宅困難になった日もさくらタワーに宿泊しました。不安要素が多々あるときこそ、ホテルは頼れます。スタッフは非常時も平時も関係なく出勤し、働いていらっしゃいます。頭が下がります。

なんとこの日、結婚式が4組予定されていたのですが、キャンセルは2組のみで、残りの2組は決行されたそうです。ホテルの式場、宴会場周辺は多くのゲストでにぎわっていました。ゲストはさぞかしたいへんだろうな……と思いきや、目にした限りでは、非日常感が加わってかえって盛り上がっているようでした。いずれにせよ、ひときわ思い出深い結婚式となりますね。

このような嵐も乗り越えたカップルが、この先も幾多の困難を乗り越えて幸せな人生を送られますように。

結婚式場ばかりでなく、交通機関、防災関係部署、病院などでもくもくと仕事を続ける方々がこんなにも多いということもあらためてよくわかった台風の日。ひとりで生きているつもりでも、実際はひとりで生きているわけでもない、という感謝がじわじわと。


ザ・プリンスパークタワー東京、フロントから客室エレベーターへ向かうアプローチです。


壁一面に巨大な絵がかけられている空間。何度も来ていても、まだまだ発見の多いホテルです。

 

東京タワーは嵐のなかでも変わらずライトアップ。こういうときのタワーの変わらぬ存在感にどれほど励まされることか。強風でタワーが倒れてきたらどうしよう、という心配の声をときどき寄せられるそうなのですが、東京タワーは330m、こんな至近距離に見えていても、ホテルからは400mも離れています。なので約70mの余裕があります(そういう問題か)。

 

翌朝の5:30ごろ。台風が過ぎ去ったあとの空。太陽が昇ってあたりを照らす、ということのありがたさ。

 

被害状況の広がりがますます明らかになっており、安全な場所から云々語ることの愚かしさは重々承知しております。重ねて、慎んでお見舞い申し上げます。不謹慎と感じられたらご寛恕ください。今度もわずかでも自分ができる形での貢献に努めたく思います。

 

#Escada
#ThePrinceParkTowerTokyo

豊橋のスーツファクトリー、アルデックスに取材に伺いました。



太陽光パネルが設置され、日当たりよく心地の良いオフィス。

なんと、10年ほど前に日経新聞に寄稿した私のエッセイ「白いシャツの記憶」が額に入れて飾ってある。感激。


ファクトリーも広々、ゆったり。多様性に富んだ社員がそれぞれのセクションで仕事中。

裁断はレーザーカット。裁断まではテクノロジーを駆使し、それ以降は熟練職人によるハンドメイド。

学びと仕事の両立も、アルデックスのテーマ。

オフィスの窓からは社員のためのテニスコートも見えます。

 

中外国島の伊藤核太郎社長(左)とアルデックスの山口達三社長(右)。


人間を幸せにする経営。多様性と包摂。サステナビリティ。学びと仕事の両立。定年なし。山口達三さんは何十年も前から最先端を走り続けています。

 

詳しい内容は12月初旬に活字になります。

JALの機内誌SKYWARDにて不定期ホテル連載始まりました。

 

JALにご搭乗になられる機会がありましたら、ご覧いただけましたら幸いです。


#BeyondYourExpectations

友人ファミリーがホテルニューグランドに宿泊しているというので、急遽、夕食をご一緒することに。

昼の開放感とはまた一味違う趣があります。

噴水にこんな像があったなんて、昼間には気がつかなかった(どこを見てたんだ)……。

氷川丸も夜には別の印象。


 

 

週刊ポストの「断韓」見出しが話題になっていた。教え子に韓国からの留学生が大勢いるが、みな素直で日本が大好きで(だから留学してきた)勉強熱心、人懐こくてとても良い子たちだ。彼らがこういう文字を電車のなかで見たらと思うと、やるせなく、泣きたくなった。

一方、小学館は巨大な企業で、私が仕事上のお付き合いのある小学館の社員の方々はそれぞれ誠実に向き合ってくれ、充実した仕事の成果を上げるために最大限の努力を惜しまないでいてくれる。良心的で倫理感もあるリベラルな彼らが、自社の暴挙とそれにともなう自社バッシングにどれだけ心を痛めているかと想像すると、これもまたつらくなる。

目の前にいる生きた人を見ず、国や所属団体という塊でくくって差別したり憎んだりしてしまうことの恐ろしさを思った日でもあった。

 

母国への罵詈雑言に耐えている韓国の留学生のみなさん、自社への非難を耐え忍んでいるリベラルな小学館社員のみなさん、がんばれ。

京都ではThe Thousand Kyoto泊。今年の1月29日にオープンしたホテルです。なんと京都駅から徒歩2分。

 

京都に出張の多い知人の間でも評判のよいホテルです。


期待がふくらむ長いアプローチを過ぎると、ふわふわ舞う天女の羽衣が迎えてくれます。

スタッフの対応もフレンドリーでありながら丁寧確実で、行き届いています。



通常のツインルームでもかなりのハイクオリティ。あたたかみのあるバスルームはゆったりとってあるし、インテリアは上質で、無駄なくすっきりデザインされています。アイパッド一つで部屋のコントロールもコミュニケーションもすべて可能という今どきのテクノロジー。紙類やスイッチをごたごた置かないこの方式は、もう常識になりつつありますね。

 

備品もアメニティも徹底的に選び抜かれており、ご担当者の審美眼の高さがビシビシ伝わってきます。

配置にも配慮があって、細部にいたるまで使いやすく、美しく、感動を与えてくれました。

たいへん僭越ながら、ちょっとだけ残念だった点を。スパは岩盤浴とホットタブで、そこそこ快適ですが、エビアンスパやキオイスパ、ナゴミスパなどと比べてしまうと、少し物足りない印象…(比べてはいけないのかもしれませんが)。サウナが男性のみ、なのに料金が男女同じというのもいかがなものでしょう。フィットネスとスパのフロアが違うというのも、使い勝手がいまいちとなり、惜しいところです。


ティー&バーの雰囲気は素敵で、お料理もおいしいのですが、お酒のメニューが少なすぎるのがもったいない。逆に言えば、改善しやすい余地がたっぷりあるということなので今後に期待したいところです。

特筆すべきは朝食。品ぞろえの豊富さ、一品一品の品質の高さと美味しさ、プレゼンテーションのきめ細やかさと美しさ、そしてスタッフのサービス、すべてにおいて目を見張るレベルでした。今回は洋食ブッフェにしましたが、次回宿泊する機会があれば和食も試してみたいと思いました。この朝食はこれまで食べたホテルの朝食のなかでもトップ3に入るレベルでは。


スパもバーも完璧がよければ一泊10万超のリッツカールトン京都などがありますが、その半額以下の価格帯でこれだけの感動を与えてくれるというのはすばらしいことですね。京都駅のほぼ隣なので荷物を預けての観光にも便利。ホテルのホスピタリティの勉強にもなり、充実した京都滞在になりました。スタッフのみなさまありがとうございました。

京都国立近代美術館で開催されている「Dress Code?」展。

ユニークな問いかけのもと、見応えある服がたっぷり展示されています。

個人的には、スーツのバリエーションがワクワクしました。撮影不可のセクションでしたので、ぜひお出かけになってご覧くださいませ。

ファッション好きな方にはとても楽しめると思います。

今回、夜も昼も中華街でしたが、新しい発見に感動したのが状元楼。

まったく何の先入観もなく、ただ建物の美しさと「1855」と刻まれた数字に惹かれてはいってみたのですが。

アールデコなインテリアの美しさに驚き。

 

1920年代に「東方のパリ」「東方の真珠」として称えられた上海がここにあるんですね。

1920年代の上海。アヘン戦争による南京条約(1843)締結以降、アメリカ、イギリス、フランスによる中国主権の及ばない外国人居留区として祖界時代が始まりますが、それゆえ、同時代のヨーロッパの文化の影響が色濃く反映されているのでした。

いたるところに繊細な細工がほどされ、フックや照明、些細なところまでアートになっている。中国の皇帝文化と、ラグジュアリーなヨーロッパ文化が融合したような、豊かな気持ちになれる空間でした。上海料理もすばらしく美味しい。

ちなみに、「状元」というのは、至難の国家試験に首席で合格した人のみに授けられる称号だそうです。なんだか納得してしまう。

しかし、一歩外へ出るとなんでもありなキッチュな世界。


なぜにベルばら。

 

熱中症になりそうだったので早々に退散しましたが、何度来ても新しい発見のあるみなとみらい+中華街、仕事半分とはいえよいリフレッシュになりました。



インスピレーションがわいて締切1週間前の原稿もアップできたし。大きな山場はこれからですが。

台風が近づいているとが報じられておりますが、移動される方、どうぞくれぐれもお気をつけて。

書店ごあいさつやメディア出演や社交などもろもろの目的で、富山へ。

紀伊国屋書店さんでは、イギリス史のコーナーの中央に、目立つように飾ってくださってました。ありがとうございます。

KNBラジオでは小林淳子アナウンサーの番組でお話させていただきました。ありがとうございました。

夜は富山でビジネスを展開する若き社長さんたちや文化に携わる方々が、出版祝いの会を開いてくださいました。環水公園の話題のイタリアン、「ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ」にて。

オーナーが趣味を貫いて作り上げた自慢の個室で、すばらしいお料理を楽しませていただきました。

富山の食のレベル、ほんとうに高いのです。

みなさん、楽しい時間をご一緒していただき、ありがとうございました。

ほかにも、多くの方とお会いし、お話をしたりお茶を飲んだりさせていただきました。あたたかな応援をたくさんいただき、ありがたさをかみしめています。また近々お会いできますように!

Worcation の続きです。以下、花々が最高に美しい今の季節のディズニーランド「写真集」です。私が座右の銘としている言葉の数々をさしはさみました。

Happiness radiates like the fragrance from a flower and draws all good things towards you. (By Maharishi Mahesh Yogi)

Loneliness is the poverty of self; solitude is the richness of self. (By May Sarton)

Elegance is not a dispensable luxury but a factor that decides between success and failure. (By Edsger Dijkstra)

Progress is measured by richness and intensity of experience – by a wider and deeper apprehension of the significance and scope of human existence. (By Herbert Read)

For happiness one needs security, but joy can spring like a flower even from the cliffs of despair. (By Anne Morrow Lindbergh)

Our greatest human adventure is the evolution of consciousness. We are in this life to enlarge the soul, liberate the spirit, and light up the brain. (By Tom Robbins)

Knowledge will give you power, but character respect. (By Bruce Lee)

Life is not accumulation, it is about contribution. (By Stephen Covey)

A person often meets his destiny on the road he took to avoid it. (By Jean de La Fontaine)

There are no rules of architecture for a castle in the clouds. (By Gilbert K. Chesterton)

Experiencing sadness and anger can make you feel more creative, and by being creative, you can get beyond your pain or negativity. (By Yoko Ono)

Being brave enough to just be unapologetic for who you are, that’s a goddess. (By Banks)

Special Thanks to Tokyo Disney Resort.

Have a nice week!

この一週間で一気に季節が移りましたね。それぞれの季節の美しさを感じさせてくれる大好きなスポットのひとつ、高輪日本庭園の現在の風景でございますよ。

品川駅の喧騒からほんの数分でこの雅やかな静寂にひたることができます。

完璧な光と風と色と匂い。深呼吸して体内の気を総入れ替えし、一瞬で気持ちをリセットするのにもってこいの場所。

さて、「ロイヤルスタイル 英国王室ファッション史」ですが、6月15日発売予定でしたところ、少し延びました。6月26日発売です。お待たせしてたいへん申し訳ございません。表紙をちら見せします。人文学の老舗、吉川弘文館らしい重厚な表紙です。

ご参考までに、6月26日は、一粒万倍日にして天赦日という、この上なく縁起のいい日でもあります。

紀尾井町でローズウィーク開催中。

赤坂クラシックハウス。薔薇のよい香りに包まれています。以下、ことば不要の薔薇の世界。


さまざまな種類の薔薇が楽しめます。深呼吸をして体内の空気を旬の薔薇の空気に入れ替えていくには格好のスポットですよ?

この日はビジネスランチでザ・プリンスパークタワー東京紀尾井町の和食「蒼天」でした。構築的、立体的な「蒼天」の料理。

国会議事堂や議員宿舎を間近に見下ろす絶景。前方にはスカイツリー。

ブランディング最前線の具体例をみっちり3時間、学ばせていただいた充実した時間でした。オンリーワンでトップを走るランナーはやはりエネルギーが並外れて高い。

みなさまにお勧めしておりました5月5日、6日のザ・プリンスパークタワー東京「Park Day」。

連休疲れを休めにくる方、あるいはリフレッシュにいらっしゃる方、意図はどうあれ、大盛況でした。ブッフェも大人気で、芝の上でピクニックをする家族連れやカップル、あるいはおひとりさまが、思い思いに食べたり飲んだり昼寝をしたり映画を見たり。

5日(私は京都で仕事でした)は快晴に恵まれ、やや暑いくらいだったそうです。6日の午後、仕事帰りに訪れましたが、ほどよい雲がかかり日焼けの心配もなく、快適なピクニック日和でした。

東京プリンス屋上でのヨガも2日間満席。東京アーバンリゾートのすばらしさが全面的に活かされた、すてきなイベントでした。

イベントをおこなっていない時でも、プリンス公園を楽しむことができますよ。今の季節はラベンダーや薔薇が咲き誇っていて、深呼吸すると東京タワーエリアのパワーあふれる気とともに、植物のよい香りに満たされます。都心でリラックスしたいときのお勧めスポットです。

このあたりをひとしきり歩いた後、ホテル1階のラウンジでお茶するのがマイブームです。お勧めは窓際。一段低くなっているので他の席からは見えないうえ、眼前に水の流れと東京タワーがあります。リセットに、あるいはヒントを得るのに最高のインスピレーションスポットです。

16日はアスプレイの「ロイヤルスタイル」トークショーのため、大阪へ参りました。

アスプレイはリッツカールトン大阪の中に入っています。リッツとアスプレイの関係は深く、リッツのお部屋のアメニティもアスプレイなんですね。

タダシのドレスの上につけているネックレスは、アスプレイのコズミックコレクションから「シューティングスター」。ピンクのシルクスカーフもアスプレイです。肉厚で上質です。そもそも創業者のウィリアム・アスプレイは、1781年、シルクプリントから事業をはじめているのでした。

アスプレイジャパンの中村之夫社長、PRのキャンドルウィックのノリコ・シルベスター社長と打ち合わせを兼ねたランチをいただきました。リッツカールトン内の新感覚広東料理「香桃」。

中国茶も桃が香るオリジナルなブレンドのお茶で、くせになるおいしさでした。前菜の盛り付けもこのように上品で華やか。

鶏肉のアーモンド揚げ。上品にカリッと仕上がっていて、美味です。

そしてもっとも衝撃だったのが、こちら、うなぎのチャーハン。なんと、くりぬいた焼きりんごのなかにチャーハンがつまっております。最後はりんごも食べることができる。独創的。

その後、リッツのロビーラウンジでMC役の野村雅夫さんと合流、最終打ち合わせ。野村さんのお母様はイタリア人だそうで、野村さん自身、よく外国語で話しかけられるそうです。そういう時には外国人のふりをするんですって。笑 野村さんはDJのほか、翻訳や映画評論など多方面でご活躍中です。

リッツ・カールトンの前で。左から中村之夫社長、野村雅夫さん、中野とんでノリコ・シルベスターさん。全身写真だとよくわかりますが、野村さんのトレードマークは、ベルボトム。70年代の音楽に影響を受けて、ずっとベルボトムだそうです。今ではベルボトムはレアで、渋谷にしか売っておらず、ずっとそこで注文していらっしゃるとのこと。ジャケットはZARA。ポケットチーフを入れてさらっとおしゃれに着こなしていらっしゃいました。

富山ネタ最後です。2日間、ほとんどプライベートの時間はなかったのですが、2日目の講演前のランチに、久々に友が集まってくれました。総曲輪のレストラトゥールにて。

前菜のサラダ。右下にちょこっと載っているホタルイカが富山らしい。

メインのお魚料理。素材そのものから新鮮な富山のレストランのレベルは、かなり高いと思う。

個性的すぎる友たち。左からFoggy and Sunny の店主、中川くん、アーチストのトムスマさん(地球の化身)、北日本新聞の田尻くん、モデルにしてピラティス講師の池端忍さん、中野とんで牛島屋社長の武内くん。よく笑って楽しかった。今回、惜しくもお会いできなかった方々、また次回のお仕事のときにお目にかかることができれば嬉しいです!(まんまる100回記念イベントを楽しみにがんばります。)

さて、富山のおみやげとしてもお勧めなのが、能作さんのグッズ。高岡市で1916年に創業した鋳物メーカーで、 仏具、花器、茶道具から錫テーブルウェア、ホームアクセサリーまで作っています。

モダナイズされた洗練されたデザインを通して、今に生きる伝統技術のすばらしさが伝わってきます。写真は富山大和店。

今回、ギフトに購入したのが、この花びらの箸置き。春らしくて気持ちが華やぎます。

アクセサリー類も充実。同じお金を使うなら、こうした伝統技術に「投資」するという感覚で買い物をしたいものです。

どこへ行ってもたっぷり愛のあるおもてなしで接していただいた2日間で、心から幸せを感じ、たくさんのエネルギーをいただきました。お世話になったみなさま、あらためて、ありがとうございました。またお招きいただけるよう、さらに精進します。

打ち合わせを兼ねた初日のランチ。中央通りの藤右衛門。

ここは私の小6の担任の先生として、当時は初任務で赴任してきた石上正純先生が、定年退職後、奥様とご一緒に運営されているお蕎麦屋さんです。校長も歴任され、定年後は教育委員会にというお話もあったそうなのですが、定年後は好きなことをして第二の人生を奥様と共に歩みたいということで始められました。

メディアの取材を一切、お断りし、素材や器にこだわって丁寧に作られたお料理を提供し続けていらっしゃいます。


お休みの日には食材や器を求めて各地にご夫婦で出かけていらっしゃるとのこと。一つ一つのお料理がほんとうに美味しくて、器の美しさとともに心にしみ入ります。

そば粉で揚げた天婦羅。かりっとした仕上がりが持続します。このあと十割そばとデザート2種が続きます。充実した満足感。

夜は新聞社の方々とともにワイン食堂 Le Glouton(ル・グルトン)。オーガニック素材、地元でとれた食材を使ったイタリアンです。上の写真はお店近くの本願寺(富山別院)。夜空を背景になかなかの迫力。


10皿ほどのコースでこちらも満足感が高いレストランでした。お腹いっぱい。オーガニックワインも数種、料理に合わせて出してくださいましたが、どれも美味しく、翌朝も残らずすっきりした目覚め。

香水を飲んでいるような錯覚を覚えた個性的な食後酒。

店主の吉国信輔さんと記念写真。すばらしいおもてなしをありがとうございました。

北日本新聞主催の富山でのトークショー。2日間で80名様募集のところ、160名を超えるご応募があったとのことです。ありがとうございました。

ファッションを通して時代の先を見る、というテーマでの50分。おこなってきた取材の秘蔵写真など70枚近い写真のスライドをご紹介しながら話をさせてただきました。お客様のノリもよく楽しく盛り上がりました。

司会進行の西野由香さんと記念写真。

衣裳協力は総曲輪のmou。白いドレスはヴァレンティノ、シルバーのショールはブルネロクチネリです。このショールの輝きがまた素敵なのですが、写真で再現されないのが残念。

本当に多くの方々が惜しみないご支援をしてくださいました。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。2日目もさらに楽しんでいただけるようがんばります。

ANAクラウンプラザの部屋から見える夕日。よく晴れたよい一日でした。

シンガポール投稿はこれで最後になりますよ。もうそろそろみなさんも飽きてきたころですね。

ナショナル・ギャラリーです。

2015年11月にオープンしたこのギャラリーは、旧市庁舎と旧最高裁判所を合体させてリノベーションした、東南アジア最大のモダンアート美術館。

2つの巨大な建物が合体して展示会場になっており、その数、延べ13階分以上になるそうです。

ひとつひとつの作品がとても興味深いのですが、とにかくはてしなく数が多く、見ても見ても終わらない。

旧日本軍の兵士が描かれている絵もあり、なかには胸が痛むような描写のものもありました…。

「人々の痛みや悲しみを描くものでなかったら、アートはいったい何のためにあるのだ?」


感情を揺さぶられつつ、2時間くらい見て回るものの、まだ3分の1も観終らないという状況。

あちこちで小学生とおぼしき集団が、アートの講義を受けています。

足が先に疲れて、ルーフトップガーデンで休む。


シンガポールの名所が一望できる。

見慣れるとやはり幕張。

残りは駆け足で、締めは、旅行中にインスタ経由で情報をくださったシンガポール在住の友人の勧めによりギャラリー2階にあるViolet Oonというカフェに行ってみました。

コロニアルプラナカンという風情の素敵なインテリア。スタッフもインド系、マレー系の美男が多く、目の保養をさせていただきました。

ただ、black coffeeを頼むと、砂糖入りミルクなしのブラックコーヒーが出てくるんですよね。without sugarと強調したのに、そういうレシピはないんですな。甘いコーヒーは大の苦手なのでとほほでした。他のテーブルの方々は、3段トレーに甘いモノどっさり載ったアフタヌーンティーをお楽しみでした。(無理だ……と思いながらちら見する) それ以外はほんとうに時間を忘れる素敵なお店。

インド系美男スタッフは最後まで親切で、タクシー乗り場が見えるところまで送ってくれました。

ぎっしり5日間、久々のシンガポールを満喫できました。以前より多くの場所に行くことができたので理由を考えてみますと、まあいろいろありますが、その1つは「買い物をしなくなったから」。今すっかり物欲がなくなり、モノより経験が面白い。モノならば日本でもいくらでもあふれているし、世界中のモノがいつでもECで買える。場に敬意を払える清潔で上質な服を2、3着、着まわしていれば何の問題もない。今回買い物したのはアラブ香油、小さな2瓶だけでした。ホテルでランドリーサービスも活用し、少ない枚数の服で過ごしたので行きも帰りも軽々。こういう旅の方が快適で、充実しますね。味をしめたので日常生活からも携行品を減らしていこうと決意。

ココ・シャネルが最後にもった服はベージュと黒のシャネルスーツ2着、という話がなかなか深く響く。

ともあれ。次回、シンガポールに来るときにはディープな「人」や「組織」の内部の取材をしてみたいです。

などと書いても書かなくてもよいような「締めの文句」を書いているあたりは19歳の頃に旅行ライターをしていた頃と変わらないな。

 

シンガポール関連記事はこれで終わります。おつきあいくださいまして、ありがとうございました。インスタ経由でオンタイムに情報をお寄せくださった方々にも心より感謝します。旅のきっかけをくださったグランドハイアットシンガポール、グランドハイアット東京、そして映画Crazy Rich Asians にも深く感謝申し上げます。

フラトンホテルの近辺は金融街シェントン・ウェイ。


今、世界でもっともお金が動いているスポットのひとつとも言われてますね。(金融にはまったく縁遠いわたくしです)

10年前にはまるで面影もなかったような、超近代的な高層ビル群が。

昼休み終了間近のビジネスマンのスタイル観察。ほぼ長袖シャツスタイル。タイレス。シャツには胸ポケット付き。トラウザーズポケットにも胸ポケットにもいろんなものがぱんぱんに詰め込んであるのは日本と変わらず。やはり年間を通して外気温ほぼ28度前後という環境においては、ドレスシャツそのものが「上着」になる。原理原則ではシャツの胸ポケットを廃止すべきなんだろうけど、現実問題として、本来ならば上着の内ポケットに入れておくべきものをどこかに収納せねばならない。となればシャツの胸ポケットは切実に必要なんだろうなと思う。

人は「原理原則にのっとった正しい服」のために生きているわけではなくて、服は人の仕事を助けるべきものである、という立場に立てば、亜熱帯~熱帯地方での胸ポケットはアリでいいんじゃないか。(すでに勝手に普及してますが……(^^;)) いずれにせよ、既成事実が今後の歴史を作っていく。

しつれいしました。お仕事おつかれさまでございます!

いろんな経済会議が開かれておりました。

 

建物の裏側?はリバー。リバーサイドには柵も何にもない。悠々と船が航行しています。

こんな活況を呈している国際的金融センターもあれば、アラブ街、インド街、チャイナタウン、ホーカーズに行けばさらになんでもありで、それぞれの世界のエネルギーに触れると、小さい一世界の価値観にふりまわされて落ち込んでいるのがくだらなく思えてきて、少しだけ救われるね。

名門フラトンホテル。


やはりコロニアル建築を見ると落ち着きます。どこから見ても壮麗です。

ホテルの入り口にはレッドカーペット。


そこはかとなくイギリスっぽいクリスマスの装飾。

この吹き抜け。同じ吹き抜けでも成金感はなく、次回はここに泊まってみたいな。

建物の中に鯉まで泳いでいます。


本格チャイナのJade でランチをいただきました。壁紙といい、インテリアといい、スタッフの制服といい、すべてJade (翡翠)色で揃えられていて、ロマンティック。


天井が高いところが、コロニアル建築の好きなところ。このあとすぐ満席となりましたが、付近のエグゼクティブビジネスマンとおぼしき方々、社交人士と思しき美女たちの立ち居振る舞いもなかなか美しかったです。

 

 

小籠包はじめ点心いくつかと、北京ダックをいただきました。すべて美味しいのですが、北京ダックのお肉はさすがに満腹で食べきれず……と困っていたら、なんときれいにタッパーに入れてテイクアウト用に包装してくださいました。さすがのサービス。カトラリー、食器、テーブルクロス、すべてが選び抜かれていて、目も舌も心も満足。ここは夜、お酒とともに数人で多種の料理を楽しみたいレストランですね。全力推薦。

リトル・インディア。 10年以上前のシンガポール旅行では必ず来ていたので懐かしさもあり。

前の週がお祭りだったとかで、その名残もあるセラグーン・ストリート。

礼拝には裸足になる必要があります。中は礼拝の人たちでひしめいていました。

ありとあらゆるものを売っている。香料、人の匂い、食物、布、雑貨のにおいが入り混じり、あまりの強烈さに倒れそうになりました……。

インド料理は好物ですが、体力が落ちているのか、雑多な生活臭が入り混じる匂いは受け付けなかった。結局、お目当てのインドデパート再訪も省略して、30分ほどで退散しました。次回訪れることがあるとしたら案内してくれる人が必要かな。素人うろうろでは難しい。


それにしても、インド人は美しい。

「世界で二番目に大きなルイ・ヴィトン」という建物に入ってみました。

一番目はどこですか?と聞いてみましたが、答えてもらえませんでした。私もわかりません。ご興味が湧いた方は、各自で調べてくださいませ。


店舗+美術館+ヨットを足して3で割ったようなイメージ。


階上にはルイ・ヴィトン関連の本やアートピースが展示されています。


外に出るとヨットのデッキのようなくつろぎどころ。

ルイ・ヴィトン、バルーンキャンペーン。意匠を凝らしたバルーンがあちこちに。



巨大スカーフも「壁紙」として贅沢に使われています。


そのままショッピングモールに続くのですが、建物の下に「川」が流れており、レジャーボートで行き来できるってちょっとけた外れのスケール。

クラブ55でのカクテルタイム。

ここのカクテルタイムをめあてに宿泊している方もいるそうで、たしかに、シンガポール全景を見おろすことのできる高層階でのシャンパンは伸びやかな気持ちにしてくれます。

お酒の種類も、お料理も、カクテルタイムにしては充実しています。フリーフローで、スタッフがどんどんついでくれることも手伝って、気が付けばかなりの量を飲んでいたのでは。

部屋からの夜景。このあと噴水ショーが見えるはずでしたが、疲れが重なっていたところにシャンパンが効いて、爆睡……。ショーを見逃しました…。

朝食は、インフィニティープールの隣にあるSpagoでのブッフェ。上質な素材が、多すぎることなく(←けっこう大事)揃い、美味しかったです。

早朝からインフィニティ―プールで自撮る人々。100mあるこのプールで「泳いで」いる方を一人も見なかったという不思議。

マリーナベイサンズホテルはスケール感と目新しさで1泊するにはよかったですが、それ以上はよいかなという感じでした。人の行き来も多すぎて、雑然としていて、寛げないのですね。よくもわるくも観光地ホテルというか。ホテルそのものが巨大レジャーランドとして作られているので、その目的は十分、果たしていますが。


部屋から見下ろす昼間の光景。幕張っぽい感じもありますが、左手に奇妙な形のV字型の建物が見えますね。これが「世界で二番目に大きなルイ・ヴィトン」です。次の記事ではこちらの内部の模様を。

3晩めはマリーナベイサンズ泊。


タワーが3つもあり、タワーの車寄せには信号まである。世界中からの観光客で大混雑。これはタワー1の入り口で迎えてくれるクリスマスツリー。すべてにおいて巨大。スケールがけた違い。

フロントロビーから見上げると。(おのぼりマックス)


入っているブランドも半端ではなくて、これは超高級フランス香水ブランド、アンリ・ジャック。アルコールを使わない、高級素材のみを使ったオート・フレグランスなのですが、香りも別格、価格も別世界。パリに本店がありますが、アジア第一号店がここだそうです。店員のシンガポール女性もコンパクトセクシーというか、小柄ながら洗練されていて自分のいいところを引き出す術を心得ている感じで、魅力的です。

ショッピングモールもけた違いの規模で、世界のめぼしいブランドがほぼ全部入っているのではないか。シンガポール全体に、コンビニよりもシャネルが多いという印象なのですが、ハイブランドの店舗が見飽きるほどある。カジノの出口に高級時計店がずらりと揃うさまは生々しかったな。ここで利益を時計に換えて本国へ持ち帰るという仕組み? (私は賭け事が苦手でカジノには入りませんでした)


さて。建物の外、下から見上げるとこのような構造になっていることからもおわかりのように、高層階は、窓が地面に対して90度ではなく、海側に傾いているんですよ。

41階の部屋の窓辺はこのような感じ。足がすくみます。高所恐怖症ぎみなのであまり窓辺には近寄らないことにします。幸い、お部屋も広い広い。



タオルアートのうさぎとマネージャーからのカード。いま、ホテル業界ではタオルアートが流行りなのでしょうか?


水回りもゴージャスで、バスタブとは別個にあるシャワールームも大理石で、広い。アメニティはアロマテラピーのもの。

ただ、スケールは大きく作りも贅沢なのですが、ちょっとした細部が行き届いてないのですな。ソープをおくケースがないとか、ドライヤーが別のところにあって持ってこなくてはいけないとか、このクラスの部屋なのにバスローブが薄くて安っぽいとか、クローゼットが狭すぎるとか。ほかにもホテルチェッカーの目になりいくつかチェック事項がありました。(スミマセン、職業病です)

クラブ55 (クラブラウンジ)のアクセスをつけました。朝食、アフタヌーンティー、カクテルタイムがフリードリンク、フリーフード。雑然としたところはなく、サービスは行き届いていて、スタッフが丁寧に飲み物のリクエストを聞いてもってきてくれます。


真下には前日に見たスーパーツリー群。どの方向にもユニークな景色が広がります。

とはいえ、見慣れると既視感……。横浜と幕張と銀座と表参道を足して4で割ったような印象もそこはかとなく、なきにしもあらず。

クラブラウンジのドリンクカウンター。フルーツはたくさんあってもどれも「甘くない」。野菜に近い味わい。日本のフルーツの甘さが特殊なんですね。マンダリンオレンジだけは美味しかった。


そして宿泊客限定の、インフィニティ―プール。

世界中からインスタ蠅(わたしもな)が集まる聖地のようになってますね。みなさん自撮りがお上手。というかビニールケースに入れてのプロ自撮り。私はスマホ落っことしたら怖いので持って入れませんでした。

はい、これを撮らずに帰れませんね。笑

 

プールの水は意外と冷たくて長い時間は無理でした。そのままスパであったまりましたが、スパはこのレベルのホテルにしては規模も小さいし、庶民的な感じです。「万葉の湯」みたいな。(おとしめているわけではなく、私は「万葉の湯」のゴールド会員です。念のため)

 

 

セントーサ島、S.E.A. アクアリウム。



いきなり頭上にサメのお迎え。

外はかなり激しい雷雨だったので屋内で楽しめるところは限られており、当初さほど大きな期待はしていなかったのですが。こんなカラフルな熱帯魚群。

予想以上に楽しめました。コメントほぼなしでインスタ映え(笑)写真のオンパレードね。


最初にこの方を食べようと思った人間の気がしれません。

クラゲがデジタルアートのよう。いやデジタルアートがクラゲを模倣しているのか。

このストライプの美しさ!

透明感がありすぎて骨が全部見えてる子たち。

ヒ☆ト☆デ☆

JK軍団のあとにフォトスポット。ばかじゃないの、と笑われつつ。撮ったもん勝ちね。

雄大すぎて神々しささえ感じる。

巨大な映画のスクリーンのような水槽。ただただ水中に魚たちが泳いでいる光景を見る。不思議なことに、何の人為的な演出もないのに、ぜんぜん見飽きないのね。魚がひたすら泳ぐ。ピュアに生きて泳ぐ。それを見ているだけで次第に癒されていくんですね。純粋に生きているだけで人に癒しと感動を与える。これは偉大なことですね。


巨大な混合施設の外には、フレッシュオレンジをスクイーズしてフレッシュオレンジジュースを売るという自動販売機。3ドル。美味しかった!

 

最初の2晩にお世話になったグランドハイアット・シンガポールについてもう少し。

今のシンガポールの近未来的な喧騒のなかで過ごしたあと、こういう品の良いゆったりした空間は癒しになります。どんどん新しいホテルが建っていくシンガポールのなかにあっては、もしかしたら「時代遅れ」なのかもしれませんが、そのくらいがちょうどいいと思える時もあるんですよね。


帰ってくると、タオルアートのうさぎとメッセージカードが迎えてくれます。嬉しくなります。


熱帯ならではの光景。スパに向かう途中もわくわくします。


プールもシックでクラシック。プールサイドのレストランもムードが素敵で、ぜひ行ってみたかったのですが、今回は時間がなく断念。

スパの施術室。トリートメントを受けなくても、サウナとジャクジーなどは使えます。ドライ、スチーム、2種類のサウナがあり、ジャクジーも広い。ただアメニティやドライヤーまわりなど、日本のホテルのスパと比べるとかなり不便です。日本のホテルは痒い所に手が届くというか、「ここにこういうのがあるといいな」と思うものがすべてそろっていたりしますが、そちらのほうがむしろ特殊なのかもしれませんね。


コロニアルな雰囲気のスパラウンジ。早朝から、フィットネス帰りのビジネスマンがここでパソコンに向かって仕事していたりします。実際、客層を観察するとエリートビジネスマンの一人旅という風情の方が圧倒的に多かった。



朝食はストレートキッチンでのブッフェ。通常のヨーロピアンスタイル、アメリカンスタイルのほか、インド、ムスリム、チャイナなど、各国料理が揃うのはさすが。朝からインド料理を食べてみましたが、本格的なカレーでナンも美味しく、リトルインディアまでいかなくていいレベル。



各国料理の様々なにおいが混じり合うのが快い、と感じるのはシンガポールならではでしょうか。

クラブラウンジでは好きなときにドリンクをいただけます。アルコールは夜からですが、お酒の種類も豊富で、気が付けば3杯とか。笑 お料理もそこそこ充実しているので、疲れているときにはここだけで十分。

チェックアウトも少しだけ時間を延ばしてくれました。いたるところでゲストの身になった寛大な対応をしていただき、学ぶところも多かった。マネージャーはじめスタッフのみなさま、ありがとうございました。

 

 

ナイトサファリに向かう途中で雷雨になり、動物園がクローズドになったとかで急遽、マリーナベイ周辺を夜散歩。

Crazy Rich Asiansでもひときわ存在感を放っていたスーパーツリー・グローブ。
(ガーデンズに着いたら雷雨もやんでいる。)

 

マリーナベイサンズホテルとの相性も抜群。

こういうものを作ろうと思う発想そのものがかっこいいし、またそれを実現できてしまうパワーにはただただ圧倒されます。あやかりたい。


下から見上げるツリーには近未来を感じます。

 

どうしたらこんな建築が可能になるのか。間近で見ると心底、感動します。うわー。(ボキャ貧)


National University of Singapore.  通称NUS。

アジアナンバーワンの大学。東大はNUSよりもはるか下のランキング。

とてもわかりやすく、おしゃな「標識」。

建物の中や外に、こんな風に偉人の言葉が書かれていたりする。


いやもう想像をはるかに超えるスケールでした……。

広大すぎるほどの構内は徒歩で回るなど当然無理。校内だけで無料バスが何ルートにも分かれてぐるぐる回っている。

文化施設、シアター、コンサートホールなども充実している。

どの建物もそれぞれの学問の特徴を生かした個性的な作りで、ロゴの文字やスローガンなどにいたるまで、いちいちセンスがよい。

飲食施設もいたるところに備えられており、手入れされた緑も悠々と広がる。こちらはセントラルライブラリーの中から眺める光景。「隣」の建物はあるのだけれど、見えない距離。


Mission: To educate, inspire and transform.

Vision: A leading global university shaping the future.

ミッションとビジョンがいたるところにこのように明確に掲げられている。そりゃあ学生も「なんのために大学に来ているのだろう?」などと余計な不安を抱くことなく、誇りをもって日々過ごすことができるだろうなあ。


構内にはレジデンスもある。大学関係者が住むのでしょうか。かなりお洒落な作りで、私もここに住みたいと、心底思った。


飲食施設もいたるところに豊富にある。ランチ難民などおそらくありえないほどに。こちらはホーカーズ風で各国料理をいろいろ好きなように食べられるようになっている。とても清潔で、もちろん外部からのゲストも利用可能で、普通のファミリーなんかも来ている。小籠包をいただきましたがかなりおいしかった。

あいかわらず「緑茶」がお砂糖入りで甘いのだけは困った。大学のせいではありませんが(^^;) この砂糖緑茶の延長に、抹茶ソフトとか、抹茶チョコとかの人気があるのね。

 

 

アラブストリート。

ベタですが、モスクを背景に。


目的の一つは、香油を買うこと。ジャマール・カズラ・アロマティクスさんで、いろいろ香油を試しつつ、2種、購入してきました。

同じ香料を使っていても、アルコールを使うものと、使わないものでは、まったく違う印象の香りになるのですね。中東の歌姫ナジワ・カラームにインタビューしたとき、別世界の人のようないい香りがしていたので聞いてみたら、アラブの香油と西洋のパフュームの重ね使いでした。以後、私もいつかチャレンジするぞと思っていたので、念願が叶いました。幸いなことに、フレデリック・マルと非常に相性が良いことを発見。

それにしても日本人のお客様が多いのですね、この店は……。

日本でいえば竹下通りのようなハジ・レーン。おしゃれなショップがひしめいております。


アートな店舗も。

これもかなり目をひきました。背景の高層ビル群とのコントラストがシンガポールらしさですね。午前中でしたので、飲食店はまだ開いてません。

高い湿度と暑さでじわじわ汗ばむ気候。鳥さんも水たまりの水を飲んでます。

 

Yomiuri Executive Salon 終了のあと、シンガポールへ向かいました。20年ほど前は一年に一度は訪れていたのですが、今回はほぼ10年ぶり。Crazy Rich Asiansを見たあと、なんだか呼ばれている気がすると思っていたら、諸々の幸運が重なり、縁あって出かけることになりました次第。

新しくシンガポールの象徴になっているアレもコレもまだ見ていない。というわけでJAL深夜便で羽田を発ち、早朝のチャンギに着きましたが、この空港もいっそうスケールアップしておりますね。

最初にお世話になるホテルがオーチャードのとても便利なところにあるグランド・ハイアット・シンガポール。早朝7時過ぎに到着したら、なんと、寛大なことにすぐにチェックインさせてくださいました。

(この花、全部ピンクの胡蝶蘭) お部屋はシックなインテリアで、リビングとベッドルームが分かれたスイートタイプ。

水回りもたっぷりとスペースをとってあり、快適です。

マネージャーからのウェルカムメッセージがフルーツやクッキーと共に届けられておりました。

こういう歓迎は心があたたくなりますね。

クラブラウンジを終日、使わせていただくことができ、飲み物やフルーツとともにリラックスして仕事もできます。

早朝からチェックインさせていただいたおかげで、深夜便の疲れがとれるまでゆったりリフレッシュでき、到着の一日をフルに使うことができました。ホテルのホスピタリティのおかげですね。

 

ベルサイユからパリに戻ってランチはオペラ座となりのカフェ・ド・ラ・ぺにて。

(オペラ座。ここはここで壮麗でしばらく見とれていました。今回は時間がなく中まで入れませんでしたが次回は中に入りたい)

(あのグランドホテル。1階にカフェ・ド・ラ・ぺがあります)

ド・ラ・ぺ! ド・ラ・ぺ! カフェ・ド・ラ・ぺ!

文化史系の本を読んでいたら必ず登場する、カフェ・ド・ラ・ぺ

1862年にグランドホテルの1階にオープン。エミール・ゾラやモーパッサンが足しげく通い、オスカー・ワイルドも訪れ、20世紀初頭のベル・エポックにはディアギレフや皇太子時代のエドワード7世も顧客だったという。プルーストやヘミングウェイの名前も出てくる。

シャネルの本にもしばしば名前が登場する。このカフェにラジオステーションが設置され、アメリカ向けに「This is Paris」が放映されたこともあります。

現在は国によって歴史遺産に指定されているそうです。

前菜としてこのカフェの名物というオニオングラタンスープをオーダーしました。熱々のスープと言うよりも完全にグラタン。パンもたっぷり使ってあるのでこれ一品でかなりおなかがいっぱいになります(というかボリュームがあまりにも多く食べきれませんでした……ごめんなさい)。

メインにはシンプルにビーフステーキ。

王道フレンチのサービスでした。

 

客席はほぼ満席で、富裕層と思われるおしゃれなパリジャンが相当のボリュームのお料理を平らげている光景にも圧倒されます。

階段、廊下、化粧室、インテリアはどの部分も帝政時代やベルエポックの華麗を感じさせます。どっぷりとクラシック・パリの雰囲気に浸ることができました。

 

Paris記はこれで終わりです。走り書きメモで恐縮でした。2泊4日とは信じられないくらい充実したイベント尽くしでした。今回のメインミッションであるフランソワ=アンリ・ピノー会長インタビュー記事は来月発売のForbes Japanにて。

Kering、Forbes Japan各社、パリ&ベルサイユでお世話になったみなさまにはあらためて深く感謝申し上げます。

 

 

ベルサイユ宮殿の庭。ここはまた別料金をとる。いたるところで追加料金。
すっかり観光地の論理のもとに管理されている。


でもそれだけのことはあるという徹底した手入れがなされている。

ガーデンは池も含め、ちりひとつ落ちておらず、完璧に美しく整えられている。

音楽まで聞こえる。ディズニーランドか。

どこまでいっても違う景色が楽しめる、バリエーション豊かなガーデン。宮廷人はこういうところをそぞろ歩きすることで気晴らしをしていたのですね。

大理石の椅子に座ってみたら、濡れているのか?!とぎょっとしたほど冷たかった。ストーン・コールドとはよく言ったもので、これだけの陽ざしを浴びていても冷たいままなんですね。

それにしても広大だ。広すぎる。広すぎるけれど、中に住む人は限られているというとても狭い世界。

マリー・アントワネットは孤独だっただろう。隣など見えない、逃げるところなどない、広すぎる庭。牢獄のように思えたかもしれない。

18世紀フランスファッションといっても、記録に残っているのは宮廷人のファッションなのだ。ここに住んでいた、ごく限られた人たちの装い。

(民衆が「王妃の首を出せ」と押し掛けたことで有名なバルコニー)


他の大勢の人々の装いは、そもそも記録されてもいないのだ。

記録されないままに世を去った多くの人々のことに思いが及んだツアーでした。


生きた証を残すには、記録せよ。ですね。

パリ記録No.10 。パリ郊外のベルサイユ宮殿へ。

早朝集合だったのでルームサービスで朝食を頼んだら相当なボリューム。もう一日分のカロリーはこれで十分という勢い。


朝焼けの静かなパリの街。ツアーバスで小一時間のドライブで、ベルサイユ宮殿に向かいます。

朝9時のオープン前からすでに長い長い行列。

やっとの思いで入場できましたがどこもかなりの混雑。毎日これだけの観光客が来場すれば大きなビジネスになるのも当然。


資金力のある権力者が、とてつもなく贅を尽くした建造物や美術を造らせておくというのは、ノブレス・オブリージュでもありますね。後代にこれだけ世界中の人々に感動を与え、しかも無限に資金を回収できるのだから、この上なくすばらしい遺産といえます。


 

 

かの有名な太陽王ハイヒール脚線美の肖像画は、ここにあったのですね。本物にようやく出会えて、しばし感無量でした。


窓を開けるとどこどこまでも広い庭園。

一点の隙も無く埋め尽くされた壁面・天井。空間恐怖であるかのように細部にいたるまで贅を尽くした装飾が凝らされている。こんな空間に住んでいるからこそあの装い、あの言動があったのだな。住環境が人に及ぼす影響の大きさをあれこれ想像する。

 

鏡の回廊。ロココのあのパニエで広げた衣装でそぞろ歩きをするには、やはりこれくらいの「場」があることが大前提だったのですね。

もう広すぎて豪華すぎて情報量が多すぎて本欄では到底カバーしきれない。

(王妃の階段)

詳しい情報は、こちらのベルサイユ宮殿ホームページでご覧ください

パリの伝統あるカフェ、Cafe de Flore. ここで日本人初のギャルソンとして働く山下哲也さんがいらっしゃるので、ご挨拶を兼ねて訪問。

すでにミッドナイトですが、店内は満席。

 

 

(シャンパンを注いでいるのが日本人初のカフェ・ド・フロールのギャルソンとして有名な山下哲也さん。右からForbes Japan谷本さん、コーディネーターのムッシュウ・モリタ)

ほかの同行のみなさまはカフェオレ。私だけ当然のようにシャンパン(すみません)。

 

 


山下さんは特別にあつあつのアップルパイをテーブルにプレゼントしてくださいました。

華麗なギャルソンの立ち居振る舞いがカフェ・ド・フロールの雰囲気を盛り上げているということがよくわかりました! 山下さん、そしておつきあいくださいましたみなさま、ありがとうございました。

 

 

 

大きな仕事を終えたあとの夕方は、「Heritage Days 文化遺産の日」オープニングナイトのVIPカクテルパーティー。ケリング本社にて。

美術品、文化遺産に囲まれてのカクテルパーティー。

グラスがまず配られて、そこにシャンパンのボトルをもったギャルソンがシャンパンを注いで回る。

(さりげないお洒落が板についているゲストの皆様)

日本と違って面白いなと思ったのは、中年以降の、面白系のギャルソンが多く、カナッペを受け取るまで笑わせてくれたり、いちいちなにか楽しいことを言ってくれたりすること。

日本だとパーティーの黒服は、「ルックスのいい若い男性」が招集されるようで、モデルのバイトであることも多いんですよね。ただ「イケメン」であることに安住しているのか、あるいはゲストと必要以上に話をすることが禁じられているのか、面白い人はあまりいないのですよね。

無表情なイケメンウエイターよりも、体型が多少くずれていようとも笑わせてくれるオジサンギャルソンのほうが、はるかに魅力的だと思います。

日本のパーティー関係者もぜひ、ご一考を。

それにしても、ゲストの方々の立ち居振る舞いのかっこいいこと。男性も女性もごく自然な振る舞いなのに目をひきつける方が多く、見とれておりました。

 

ちなみに、ここではヒール靴は履けません。ローヒールで来るようあらかじめ注意されておりました。玉じゃりを通って建物に入らなくてはならないので、ヒール靴ではムリなのですね。

 

パリの街のなかでもハイヒールは一人も見ませんでした。ごつごつの石畳にハイヒールは無理があります。スニーカーかローヒールの方ばかり見かけました。ハイヒールは外を歩くための靴ではない、と納得。

リムジンを降りてからレストランやホテルへ入るまでレッドカーペットが敷かれるのは、ハイヒールのためですね(^^;)

 

(なんだかんだと言いつつも、楽しかったです。)

 

 

そしていよいよ今回のメインイベント。ケリングCEOのフランソワ=アンリ・ピノー氏へのインタビュー。

実は質問事項をめぐり、事前に相当のやりとりをおこなっており、ここまでの事前準備はふつうはなかなかしないのだがと思ったのだが、結果として、そのやりとりを通してケリングに対する理解がかなり深まっていたのだった。

(ケリング本社内)

また、当日は通訳の岡本僚子さんとも綿密な打ち合わせをした。岡本さんは数々の国際会議もこなしているベテランで、準備のためのメモもぎっしりと書き込まれていた。聞きたいことは山ほどある、でも通訳込みで1時間で終わらせなければならない。無駄なことを聞く時間などない。ポイントを絞りに絞って万全以上の準備をもって臨んだのであった。

(ケリングのマークはお花のように見えるが、実は飛び立つフクロウなのです。叡智のシンボルね)

(階段の上には鳥かごをイメージしたこんなオブジェも)

(かつて病院だった建物の中庭には癒しのハーブが)

このうえなく集中した一時間だったが、通訳を通したにもかかわらず双方向のコミュニケーションがとれたすばらしいインタビューになった。期待をはるかに超えるお話を伺え、爽快なほどの達成感に満たされました。

(左から谷本さん、フランソワ=アンリ・ピノー氏)

 

そしてインタビュー終了時にはなんと、創業者のフランソワ・ピノー氏(パパ・ピノーの方ですね)も登場し、握手してくれたのでありました! ご一緒に写真が撮れなかったのは残念でしたが。

 

 

(フランソワ=アンリ・ピノー氏、中野)

オフィスを出て、思わず通訳の岡本さんに感謝のハグしてしまったくらい、彼女の通訳は神業ものでした。広くビジネスパーソンを意識した質問の方向を考えてくれた谷本さんにも深く感謝したいし、綿密に質問事項をリファインする過程でさりげなく最高の聞き方に持っていけるよう示唆してくださったケリングの産形さんにも感謝したい。こうしたプロフェッショナルな方々との本気のチームワークを通して、自分の実力以上が発揮できたように思う。

(左から谷本さん、岡本さん、中野)

なによりも、ピノー会長のあたたかい人柄、明晰な言葉、一貫した知性と責任感、そして社会に影響力をもつ企業としての説得力あるビジョンに心打たれました。リーダーはこういう力強い言葉で、しかも自分自身の言葉で、語ることができなくてはならない。

自身の仕事に誇りをもつプロフェッショナルな方々との仕事を通して成長を実感できるほど幸福なことはない。最高に幸せな時間でした。関わってくださったすべての方、ありがとうございました。

来月発売のForbes Japanをお楽しみに!

 

 

ケリング本社とルテシアは徒歩数分の距離にあり、ランチはいったんホテルに帰り、ホテル内の「ル・サンジェルマン」で。

リンクをはったホテルのHPからご覧いただくとその雰囲気の一端を感じていただけるかと思いますが、ステンドグラスの天井からは陽光が降り注いで、豊かで贅沢な空気が広がっています。なんといってもいちばん素敵なのは、地元のお客さま方。おそらくパリの富裕層の方々と思われるのですが、老若男女問わず堂々とした立ち居振る舞いで、魅了されます。

そんななかで、フォーブズの谷本さん、ケリングの鈴木さんと3人でランチをいただきました。料理は当然のように洗練されており(HPの写真参照)、ギャルソンのもてなしぶりも粋で、ザッツ・パリという楽しい時間でした。

(ホテルのHPより。)

 

 

 

 

今回はパリ観光の時間もないので、移動中の車のなかから撮ったパリ名所。上はオルセー美術館。

 

説明不要のエッフェル塔。

凱旋門。今度来たときにはくぐりぬけてみたい。

そして忘れてはいけないことがあって、それは、パリ市内至る所に場所を占めているホームレスの方々の問題です。今回の取材対象がラグジュアリーコングロマリットのケリングなので富裕層とばかり接することになるのですが、テレビのニュースをつけると、パリの貧富の格差の問題が報じられていました。ホームレスの方々を見捨てないこと。これを解決しないとまたフランス革命の二の舞、とまではいかなくても社会の均衡は保たれなくなっていく。

もう一つ。町のなかにはところどころ、銃をもった迷彩服の兵士がいる。すれちがうとどきっとする。一見、おだやかに見えても、実はいつテロが起きてもおかしくない状況なのだ。

他国の問題は自国の問題にもつながっている。視野を広く保って、自分ごととして考えることも忘れずにいたい。

ケリング本社の新社屋訪問。

アドレスは40 rue de Sevres. ここは1634年から2000年までラエネック病院として使われてきた歴史的建造物です。

フランス歴史文化財のチーフ・アーキテクトであるベンジャミン・モートンが修復プロジェクトを率いて、ルイ13世時代に建てられたチャペルなどはそのままに残しながら、現代の基準に適合したハイテクオフィスが入居できる状態に生まれ変わらせました。

病院だっただけあって、多くの種類のハーブが植えられているのですが、ミックスハーブの香りが建物内部まで漂っているのです。

(屋根の上にいるのは、「風見鶏」!)

コミュニケーションもインスピレーションもごく自然に活性化する豊かな環境。ケリングで働く人すべての名刺にはEmpowering Imaginationと書かれているのですが、それは「イマジネーションのその先へ」という意味。こんな環境であれば過去の遺産や伝統、そして自然から受けるイマジネーションも豊かになろうと思われます。

この日、今年で33回目を迎える「ヨーロッパ文化遺産の日」に合わせて、特別展示会が開催されました。ケリングのピノー会長はアートに対する関心が高く、世界中のアート作品を集めています。


上は、ダミアン・ハーストのJacob’s Ladder (2008)。3000以上の昆虫が標本にされています。同じタイプの昆虫が縦列に並んでいます。左の方へいくほど昆虫は小さくなり、まるで地から天へ続くヤコブの階段のように見える。

上はジェームズ・リー・バイヤーズによる”Byars is elephant” (1997)。

上もダミアン・ハースト。”Infinity” (2001)。 並べられる色とりどりの小さなものは、薬です。現代人の医薬への過度な信仰とは何なのか、たぶん後世の人から見るととんでもなく愚かに見えるんでしょうね。

バレンシアガの過去のコレクション映像がずらりと。

アベラールとエロイーズが実在したことを示す、聖遺物。それぞれの小指の骨と首のどこかの部分の骨。丸い白いケースに入った小さなものが骨なんです。フランスの国宝。

ほかにも多くの美術品や聖遺物などがケリングによって守られ、こうして現代の観客にも公開されているのです。


こうして日常的に新旧のアートにふれることで、インスピレーションは生まれやすくなるし、コミュニケーションも生まれやすくなります。(思わず隣にいる人と目の前の作品について語りたくなってくる)

パリの最新情報に通じるコーディネーター、Morita Hiroyukiさんに連れて行っていただいたレストランが、「クローバー」。サンジェルマン・デ・プレの裏通りにあるこじんまりしたカジュアルなレストランです。

お店は20席ほどで、オープンキッチン、テーブルクロスなし。スタッフも若くて、服装はTシャツとレギンスみたいなカジュアルスタイル。

あまりにもカジュアルな雰囲気なので、最初、ほとんど期待はしませんでした。

ところが出てきた料理を食べてみてびっくり!!なんですかこの美味しさは。

経営シェフはジャン=フランソワ・ピエージュ。アラン・デュカスの店でシェフを務め、オテル・ド・クリヨンの二つ星レストランのシェフを務めていたという経歴の持ち主です。


出てくるお料理、すべてが驚きに満ちた新鮮な味わい。ワインもオーガニックでとてもおいしいのです。

聞けばこれが噂のビストロノミ―。気がつけばおしゃれに装ったパリ地元の人たち(とお店の人が言ってました)で満席です。

ビストロノミ―とは。

これが登場する以前、従来の飲食店の形態は次のように分類されていました。シックな内装で高級料理を出すガストロノミー。伝統料理や家庭料理をカジュアルな食堂感覚で出すビストロ。ビアホール的なブラッスリー。そして簡単な料理も出すカフェ。

ビストロノミ―とは、ビストロで出すガストロノミーということを意味するようです。1992年にパリに開店した「ラ・レガラード」が先駆け。パリを代表するラグジュアリーホテルで修業を積んだ、イヴ・カンドボルド氏が「高級店なみの上質な食材を使った本格料理を、カジュアルな雰囲気で多くの人に食べてもらいたい」という趣旨で始めたとのこと。

この形態のレストランが大ヒットし、今では有名シェフがカジュアルな形態で料理を提供するビストロノミ―は、フランスの飲食産業の重要な一角を占めるようになったそうです。

 

 

最先端のフレンチスタイルを堪能しました。コーディネーターのムッシュウ・モリタ、ケリングジャパンの産形さん、鈴木さん、フォーブズジャパンの谷本さん、楽しいディナーをありがとうございました!

 

フランスのラグジュアリーが結集する聖地といえば、ヴァンドーム広場。1805年の戦勝を記念して建てられたコラム(円柱)が建っており、帝政の象徴として賛否両論があるそうなのですが。

(左はForbes Japanの谷本さん)

この広場周辺にはフランスを代表するジュエラーすべてがあり、ラグジュアリーブランドもほぼこのあたりにそろっています。


ココ・シャネルが住んだホテル・リッツもあり、シャネルはこの広場の形状からインスパイアされてNo. 5 のボトルのデザインをディレクションしたともいわれています。

この周辺の道路沿いに、ケリングが傘下にもつラグジュリーブランドも結集しています。

グッチ。このタッキーな色柄あわせがかくも成功するとはだれが予想したでしょうか。グッチ製だといわれなければジャ〇コで売っている服に見えてもおかしくない。アレッサンドロ・ミケーレのきわどい美学。

ボッテガ・ヴェネタ。次のシーズンからデザイナーも交替し、がらりと変わる予定。

アレクサンダー・マックイーンは開店時間過ぎても開いてませんでした。ステラ・マッカートニーも同じ状況。イギリス系はあまり時間を厳守する必要はないと思っているようです。

バレンシアガ。靴とレギンスをくっつけるとか、巨大なブランドロゴを装飾にしてしまうとか、奇想天外なやり方を成功させてしまいました。店構えもほかのクラシックなブランドの店舗のなかにあって、一風変わってます。

ちなみにゴヤールは重厚なクラシック感で存在感を発揮してます。(ゴヤールはケリング傘下にはありません)

最新のコレクションを展示するブランドの店舗のあいまに、こんな歴史的な建物が出現したりして、なんとも魅力的な界隈です。

ご参考までに、ケリング傘下にあるブランドを以下に列挙します。

グッチ、ボッテガ・ベネタ、サンローラン、バレンシアガ、アレキサンダー・マックイーン、ステラ・マッカートニー、クリストファー・ケイン、ブリオーニ、ブシュロン、ポメラート、ドド、キーリン、ジラール・ペルゴ、ユリス・ナルダン、プーマ、ヴォルコム。

滞在したホテルは、LVTETIA (ルテシア)。


左岸唯一のグランドホテルだそうです。1910年代の建築の外観は壮麗そのもの。

 

(ホテルの中庭。ランチタイムにはパリのおしゃれな人たちで満席になっていました。)

サンジェルマン地区の社交に欠かせないホテルとして愛されてきた歴史をもつそうです。

内部は大々的な改装が終わったばかりで、ハイテクノロジーが駆使された今どきラグジュアリーの極みのような快適空間でした。

室内のカーテン、調光、温度などはすべてワンタッチパネルで操作できるようになっています。


大理石で作られたバスルームも広々と美しい。バスルームには外に出られる広いドアのような窓もあります。(さすがに出ませんでしたが、お風呂から外が見えるというのはいいものですよね)

シャワールームも独立しています。大理石とやわらかな調光のおかげで癒される空間。

このテクノロジーは初めて見た。鏡のなかにタッチパネルがあって、そこに触れるとテレビ画面が浮かんでくるという。鏡とテレビが一体になってとけこんでいるというか、鏡がそのままテレビ画面になるというか。チャンネルも音量もすべて触れるだけで簡単に操作できます。

アメニティはエルメス。


ルームフレグランスは部屋の中にも、ホテルのあちこちにもあって、ホテルの香りとして統一された印象を与えています。


シューシャイン(靴磨き)サービスをお願いしたところ、ベルルッティに委託したサービスということで、革製のベルルッティの靴箱に入ってピカピカになったフェラガモが帰ってきました。笑

廊下には丸い窓もあり、聞いてみたところ、ホテル全体がボート(客船)をコンセプトとして作られているとのことでした。

ライブラリー・ラウンジには厳選された本が置いてあります。ファッションの本が、哲学の本と同格とされて並んでいるんですよね。日本だとサブカル以下の扱いだったり「家庭の実用」扱いだったりするんですが。笑

スパも神秘的で別世界。サウナまで大理石でできてました。アメニティとしてエルメスがあちこちに配され、もう圧倒的な贅沢感にやられます。

ただこれほどのホテルでも「歯ブラシ」は置いてないんですよね。ヨーロッパのホテルでは5スターであろうとどこも歯ブラシはおかない。逆に日本だと星の数がどんなに少ない宿であろうと歯ブラシだけは置いてある。この違い、なぜなの。


 

部屋からの眺め。サンジェルマン地区のどまんなかにあるため、ビジネスや観光利用にはとても便利ですが、夜間の騒音はやや免れないところがありました。それを差し引いてもすばらしいホテル。

 

 

 

パリ弾丸取材に行ってまいりました。

Kering × Forbes Japanのお仕事です。2泊4日のなかでハイライトスケジュールがぎっしりの濃密な時間でした。別格のスケール、別枠のマインドセット、最先端のビジネス環境、最高級のサービスなどに触れて、脳内リノベーションを迫られたような体験でした。ケリングジャパン、フォーブズジャパン、そしてパリ、ヴェルサイユでお世話になった多くの方々に心より感謝します。

読者のみなさまはご存じだとは思いますが念のためKering について簡単に。ケリングは、グッチ、サンローラン、バレンシアガ、アレキサンダー・マックイーン、ステラ・マッカートニー、ボッテガ・ベネタなどのラグジュアリーブランドを傘下にもつ、フランスのラグジュアリーコングロマリットです。創始者はフランソワ・ピノー、現在の会長はその息子であるフランソワ=アンリ・ピノー。アンリ=ピノーの奥様は女優のサルマ・ハエックです。2017年12月期の売上は約2兆120億円。

今回の主たるミッションはケリングの現CEOのフランソワ=アンリ・ピノー氏にケリング本社でインタビューをおこなうこと。ケリングがおこなっている文化遺産およびアートの保護について取材をすること。そうしたすべての取材をもとに後日Forbes Japanにビジネスパーソン向けの原稿を寄稿すること、でした。

19歳の頃からやってきた旅行レポーターとしての経験、専門家として積み重ねてきたファッション史やファッションビジネスの研究、そしてファッションマインドのない人向けにファッションの話を書くというエッセイストとしての力量、さらには企業の顧問として企業を俯瞰的に見る視点など、これまでおこなってきた仕事の経験を全部ここで活かせというような天啓ミッションです。

往復はJALのビジネスで、完全にほぼ個室・フルフラットになるスカイスイートです。これがおそろしく快適で、まったく何のストレスもなく12時間超を過ごすことができました。もっと乗っていたかったくらい。機内のすばらしさもさることながら、出入国もなめらかで迅速でした。無駄や苦痛を極力なくし、時間を最大限に有効利用できるという印象。

機内では見逃していた映画や、日本未公開映画をチェック。計5本見ることができました。映画についてはまたあらためて。


パリの街は同じ色彩、同じ高さの建物で統一感を失わないよう造られていますね。工事中の場所も、青いビニールシートで覆うというような不粋なことはせず、シートじたいが見て美しいアートになっていたりして、美しい景観が保たれる努力がなされています。

何よりも人が、とりわけある程度年を重ねた男性がかっこよくて眼福です。姿勢がよく、個性的な装いをさりげなく楽しんでいる人々の姿が、町全体を美しくしています。

 

一方、たばこの吸い殻や犬の落とし物などがあちこちにあるというマナーの悪さも目立ちました。これに関してはおそらく、日本がとびきりマナーの善い国ということを考慮しなくてはならないのかもしれませんが。

渋滞する車の間を縫うように、キックボードで移動している人が多いことにも驚き。

LEON×Nikkei Style Magazineの取材と撮影でした。

芝公園ザ・プリンスパークタワー東京にて。

撮影場所として使わせていただいたのは、ハーバーロイヤルスイート。

LEONのチームはノリがよくて、終始笑わせていただきました。


楽しい現場でした。左からヘアメイクの伊藤さん、ライターの持田さん、編集の清水さん、中野、編集の市村さん、そしてカメラマンの齊藤さんです。ありがとうございました! きめ細やかにご配慮くださったパークタワーのスタッフにも心より感謝申し上げます。

 

そのままパークタワーでTokyo Music Cruise 2018.
ボールルーム、メロディライン、森のチャペル、どこも満席で立ち見であふれている! 世代も若い方からご年配の方まで、それぞれのペースでライブを楽しんでいらっしゃる光景は何とも美しいものでした。(撮影不可につき、写真がなくて残念ですが、どの場所も、ミュージシャンと観客が一体になって盛り上がっています。)


そして穴場的なスポットでもある、鈴虫カフェ。


ここでは芝公園から流れてくるライブと鈴虫の音色、そしてアーティスティクな照明と線香花火の香りに包まれ、和の雰囲気のなか、おしゃれでおいしいフードとドリンクを楽しめます。


オプションで浴衣も着つけてもらえますよ。若い女性グループばかりか、男性だけのグループもいらして、ほんわかとノスタルジックな雰囲気のなかリフレッシュできました。

大人気の鈴虫カフェは、来週いっぱい、開いています。

そして今回のTMCのメイン、スカイチャペルでのミッドナイトライブ。

迫る東京タワーを真横に見ながら、アン・サリーと畠山美由紀、そして土岐麻子、という何ともゴージャスなトリオによるライブ。宿泊プラン限定なので観客もそのまま泊まっていくだけでいいというリラックスしたムード。シャンパンを飲みながら日付が変わるまで3人の歌とトークを楽しむという、ファミリーのような一体感に包まれた贅沢な時空でした。

17日、そして日付が変わった18日はそれぞれアン・サリーさんと畠山美由紀さんのバースデーということで、ホテルからゴージャスなケーキと花束がサプライズでプレゼントされました!

先ほど森のチャペルでライブをしていた澤田かおりさんも実はお誕生日で、かおりさんにもスペシャルケーキが。なんとトリプルバースデーだったのですね。パークタワーのパティシエさんたち、がんばりましたよね(^^;)

翌朝の芝公園も晴れ渡って、まだ暑いとはいえ、秋を感じさせる風が心地よい。

(A room with a view of Tokyo Tower, Shiba-Park, Skytree, etc.)

ザ・プリンスパークタワー東京は改装後の部屋が快適で洗練されており、非日常空間ながらゆったりと寛げるばかりか、クラブラウンジの朝食は、極上です。えり抜きの素材と丁寧に作られた料理が、最適のバランスで並べられたブッフェです。

ここはよい「気」が流れており、来るたびに浄化されるような感覚を味わえます。

 

 

Tokyo Music Cruise は本日18日もやってますよ。午後2時オープンからミッドナイトまで、大勢のアーティストが登場します。今日のミッドナイトはジルデコイと澤田かおり、そしてミズノマリです。こちらもガールズトークが楽しそう。(うかがえないのが残念です)

ライブトークでは、話題を作り込まず、その場を楽しんでいるありのままの自分自身から出てくる言葉が観客との一体感を作るんだということも、あらためて学ばせていただきました。

 

 

夏休みで遠くへお出かけの方も多いと思います。

うちの近所はみな「子供たちと孫が帰ってくる」みたいな世代なので、この時期はかえって周辺が混雑するのです。

都心はガラガラになりますね。そんなときこそ、都内のホテルのプールサイドで夏を満喫!というのもよいですよ。

新高輪グランドプリンスホテルには、2つのプールがあり、夜までプール三昧ができます。

まずは、SKY POOL。高輪地区の3つのプリンスホテル(ザ・プリンスさくらタワー、グランドプリンス高輪、グランドプリンス新高輪)に宿泊のゲストのみが利用できる、プライベートな感覚のあるプールです。

広がる夜空が楽しめるライトアップされたナイトプールは、カップルの天国だったりしますが……。笑 プールサイドではお食事やドリンクも楽しめます。

場違い感のあるわたくし、リゾートを楽しむ風情を装っておりますが、実はこの日はクリスマスの企画を議論するお仕事でした。クリスマスとお正月に向けての闘いはとうに始まっているのです。猛暑のなか、汗かきながらクリスマスケーキのことを考える。今、この季節にコートや毛皮のことを考えているファッションデザイナーの気持ちがよくわかります。

SKY POOLではミュージックナイトもあります。8月はあと、15日(水)、22日(水)、29日(水)。ピアニストとDJによるBGMをお楽しみいただけます。

(Night view from a room of Grand Prince Hotel New Takanawa)

 

そしてもう一つのプールは、DIAMOND POOL。こちらは宿泊ゲストのほか、各種会員のビジターも利用できます。シーズンパスポートを購入してほぼ毎日いらっしゃる方もいるそうです。

有料ですがカバナを借り切って、プールサイドのテントの中で一日優雅に食べたり飲んだり読書したりというのも可能。

こちらでも一瞬、インスタ蠅に化け、リゾート風を装ってみましたが、実はひたすら仕事虫。

DIAMOND POOLでは、8月12日、13日、14日、17日、18日に、朝8:30からモーニングプール&ビタミンカラーのイエローに彩られた朝食を(プールサイドで)楽しむことができます。

SKY POOL とDIAMOND POOLのことを考えていたら、 Lucy in the Sky with Diamondのメロディが脳内に流れてきました……。

 


そんな特色の異なる2つのプールをもつグランドプリンス新高輪は、デザインスタジオSPINの小市泰弘さんにより、大々的にリノベーションが行われて、ロビーはシックながら高級感のある華やかな空間に生まれ変わっておりますよ。

開放感のあるラウンジMomiji からはDIAMOND POOLも見える緑が広がり、癒されます。夜はライブもあり、プールもライトアップされるので大人の社交場としてもセクシーな空間になります。(窓側の、一段低めに設置されたソファ席がお勧めです。)

 

ではみなさま、すてきな夏休みをお過ごしくださいね。

 

 

 

ゴールデンウィーク中も仕事三昧でしたが、唯一のレジャーらしきことが、ベタですがファミリーでディズニー。


ミラコスタの超穴場、プールバー。

パークはたいへん混雑しているようですし、ミラコスタ内のレストランもすべて満席。でも、ここだけは誰もいなくてコーヒーもおかわり自由、別天地です。とくにがつがつアトラクションに乗る必要もない大人ファミリーには、こういう寛ぎがいいんです。


スパのフロントから眺める景色も、なごみます。


時折、アトラクションの絶叫が聞こえてくる程度の、完璧な静けさ。静けさを幸せだと思えるのは、外から聞こえる時折の騒音があるからなのかもしれない、と気づく。


Great tranquility of heart is his who cares for neither praise nor blame. (By Thomas a Kempis)

ファミリーといっても息子二人、一人で育てるのは言葉にできない苦労がありましたが(まだまだ続きそうですが)、苦労してもラクしても同じ時間が流れていくんですよね。とすれば、苦労を選んでおいたほうが、後で振り返った時に、「物語」も感慨も深いものになるものですね。人生の岐路ではいつもいつも苦労する方ばかりを選んできて、ばかじゃないかと自分でも思いますが。

 

The Prince Gallery Tokyo Kioicho. 時間がとれないけどリフレッシュが必要なとき、遠いところまで旅行にいかなくても、非日常の世界にトリップできるホテルです。

部屋から見える富士山。

 


朝食のブッフェも、新鮮で良質な食材が豊富に並びます。



こちらはトリュフ入りオムレツ。




スパKIOIではアンチエイジングライン、スイス・パーフェクションを使った施術が受けられます。


紀尾井町名物? インフィニティ・スパで体をあたためてからトリートメントに入ります。


今回、こちらでブライトニングフェイシャルのコースを受けました。きめ細やかなおもてなしと芳しい花の香り、和楽器を使ったヒーリングミュージック、適度に落としたあたたかな照明で、五感をリラックスさせてくれます。技術も高く、施術後はかなりつやつや。リピートしたくなる効果は確実にあります。

こちらはカップルでも施術を受けられるスパスイート。日が落ちてからの夜景を見ながらここでエステサービスを受けられたら至福ですね。

すっかり生き返りました。明日からまた爆速で書きます。

最終講義(22日)の感動もさめやらぬまま追い立てられるように外へ出るとすでにかなりの積雪。この日予定されていたプレゼミOBたちとの飲み会も延期となり、早々に帰宅する……はずでした。

 

ところが渋谷駅がとんでもないことに。田園都市線の改札から密集した人々があふれ出ていて、その「人の塊」が動いていない。少しがんばってその後についてみたけれど、すぐにあとに人が続き、集団に八方から押されて息ができない。これは乗るまで苦しいガマンを長時間し続けなくてはならないし、乗ってからがさらに大変だろう……途中で気分が悪くなるかもしれないし、万一、雪のトラブルで電車が停車したらそれこそ地獄だ……と想像し、閉所恐怖症ぎみの私は退散し、タクシーで帰ることにしました。

ところがタクシーもまた長蛇の列のうえ、そもそもタクシー乗り場に30分待ってもタクシーが一台も来ない。人の列だけが長くなっていく。もちろん、流しのタクシーはすべて誰かがすでに乗っている。ホテルのタクシー乗り場に移動しても、同じ状況。タクシーを探す間にも雪は降りしきり、凍死しそうになってくる。

 

まずは食事しながら人が減るのを待とう……と思いゆっくり時間をかけて食事をしたあと戻ってみると、さらに帰宅困難者が増加し、どこもひどい状態に。

 

この時点でさすがに帰宅をあきらめ、都内に泊まっていくことを決め、幸い、ザ・プリンスさくらタワーにぎりぎり部屋がとれました。ほかのホテルはすでにどこも満室だった。この日はレストランはキャンセルが多かったそうですが、ホテルは特需だったようですね。


ホテルに向かう前に、品川プリンスの最上階、Table9でたまたま知人たちが集まって飲んでいたところに合流させていただけるという幸運。最上階からの眺めはいつもの東京とは違う非日常感があり、楽しくおしゃべりしながら3杯ほど美味しいお酒をいただきました。お隣のさくらタワーへ向かう途中も、夜の積雪風景は幻想的なまでに美しく、人通りが少ないこともあり、興奮しながらあちこち写真を撮りつつ移動していたら寒さも感じないほど!

(こちらは、新高輪プリンスのロビーラウンジから見える庭園の風景。ガラスに小市さんデザインによるロビーラウンジの照明が写り込んでいます)

 

さくらタワーはこのまま住みたいと思えるような、洗練された居心地のよいホテル。広々としたバスはジェットバスで、冷え切っていた身体も完全にあたたまり、上質なベッドリネンで癒されました。


(満開の桜のようにも見える、雪のふりつもった樹の美しさときたら。満員電車を選択していたら味わえなかった感動)

慣習に逆らった方向へ、人込みとは逆の方向へと向かったら、予想外の楽しみが次々に訪れて最高の夜になったという、なんというか、天の啓示を感じるような、これから向かう未知の冒険を激励してくれるような「最終講義の夜」でした。



(部屋から見える貴賓館。夜と朝)

 

朝は快晴。青い空に真っ白い雪。最高に澄んでいた朝でした。(前夜の雪の中でのしばしの行列がたたり、少し悪寒はしたけれど)


ザ・プリンスさくらタワー。地下にはサウナや大きなプールバスのあるスパもあり、広い日本庭園を通して新高輪プリンス、グランドプリンス高輪とつながっています。クラブラウンジも厳選されたフード&ドリンクが品よく提供され、外国人ビジネス客が9割ほどを占めていました。大雪のあおりで予定外の宿泊となりましたが、かえってリフレッシュできました。また泊まりたいホテル。

 

?本日、心のピントが合ったDaigo Umehara のことば。「安全そうな道を行くと、結局それが行き止まりになる」。

 

ニュージーランドでの「日本食」というのがどのような解釈をされているのか興味があり、とはいえ、あまり歩き回るのも疲れる、ということでプラザ・スタンフォード内の「日本食」レストラン、鉄板焼き「歌舞伎」へ。


この外連味のあるセッティングにはちょっと盛り上がりました。


日本酒もずらりと揃えられています。


コースを頼んだのですが、「前菜」に出てきたこの「テンプラ」と「スシ」なるものにまず笑いが…。 「テンプラ」はフリッターのようで、「スシ」にはマヨネーズがかけられております。


そして鉄板焼きパフォーマンスが始まるわけですが、そんなにしゃべらなくていいのに、終始、サービス精神旺盛で、笑わせようとしゃべりっぱなしの「シェフ」。


そして「口を開けて」と言って、客の口の中に鉄板から料理(卵焼き)を放り込むパフォーマンス。ほかのテーブルでもやっていて、盛り上がっていましたが、これ、日本では絶対やらない(できない)でしょうねえ…。


さらに、「投げる」パフォーマンスは続きます。鉄板の上で炒めたご飯(チャーハンですな)をお椀に入れ、お椀ごと客に投げてキャッチさせるのです。これも日本でやろうとすれば「食べ物を粗末に扱うな!」と非難殺到必至と思われます。実際、私はあんまり快い感じはしなかった。

お椀投げも、隣のテーブルでもやっていたので、「定番」のサービスなんですね。そしてこんな「フランベ」もお約束のパフォーマンスであるようです。

そして包丁をくるくる回したり左右に素早く持ち替えたりするパフォーマンスで締めてくれるのですが、これもなんだか危なっかしいというか、刃物を客の前で振り回すというのは、やはり日本のシェフだったらやらないところ。(包丁が高速で回っているのですが、高速すぎて映ってないですね)




日本人のスタッフも何人かいらしたので、日本流を正確に提供するつもりはなく、あえて、ニュージーランド受けのいい、アレンジされた鉄板焼きスタイルを演出しているのでしょうね。いやもう完全に異国料理でした…。笑

プラザスタンフォードのドアマン。オークランドでも、たまにネクタイ姿を見たと思えばユニフォーム。

(ニュージーランドシリーズはこれで終了です。ありがとうございました。)

ワイヘケ島ワイナリーの続き。2軒めは、Cable Bay。


緑を生かしたオーガニックな一軒めとは印象が変わり、スリークで都会的な印象のワイナリー。

チーズを中心にしたおつまみをいただきながら、5種類ほどをテイスティング。

樽、樽、樽…。こうしてワインが熟成されていく。

ライブラリーのようなワインセラー。

少し雲が出てきて、風がほどよくひんやりとしてくる。

「試飲はもう十分……」な気分になったが、あと一軒ということで気力を持ち上げる。最後のワイナリーは、Te Motu.


ツアーメンバーも、酔いも手伝ってだいぶ打ち解けてくる。この頃になるとワインの写真も撮り飽き、「猫とワイン」の撮影会になってしまう。ワイナリーの飼い猫だと思うのだが、撮られ慣れていて、グラスのそばでさりげなくポーズをとってくれるのがおかしい。


一面に広がるブドウ畑。

Back to Auckland.  Thank you and Good-bye, Waihake Island.

ワイへケ島のワイナリーめぐり。オークランドの埠頭からフェリーに乗っていく。


好天で空気も快適、寒くもなく暑くもなく、絶好の海日和。島も点在するので海景色を眺めているだけで飽きない。小一時間後、あっという間にワイへケ島が見えてくる。



ワイへケ島にあるいくつかのワイナリーのなかから、3つのワイナリーをめぐります。まずはMudbrick.

海からの潮風。山。ラベンダー。ブドウ畑。そしてワイン。

世俗のわずらわしさを吹き清めるように、ただただ気持ちの良い風が吹いています。

ラベンダーの香りもほのかに風の中に混じります。

泡、白、赤、赤。ワイナリーのご主人の説明を聞きながら4種ほどテイスティング。(2杯目くらいからほとんど説明は聞いてない)



併設されていたレストランもよい雰囲気でした。今回は時間のタイミングが合わず、ランチをいただけなかったのが心残り。ここでの結婚式も人気という話に納得。


オークランド大学。アルバートパークの向かい側に。


アルバートパークは広くて手入れが行き届いている。巨大な桜の木の向こうにスカイタワー。

 



学部の中には、このように建物自体が独立しているものも。こちらはFacalty of Arts.

誇らしく、こんな垂れ幕も。


オークランドでの宿泊は、プラザ・スタンフォード。各国の要人も泊まるという格が高いはずのホテルなのですが、なんというか、巨大すぎて味気なかった。フロントもドアマンもひっきりなしに交替していていつも「新しい」人だし、荷物を部屋まで運んでくれるわけではなく、ドライでビジネスライクな印象。

お部屋も施設は一応はすべてハイクオリティで整えましたので文句はないですよね、という感じ。スパ施設も結局は「使えない」ものだったし、なんだかな。これに比べると「リーズ」のラグジュアリーがいかに行き届いていたかがわかる。ただの「デラックス」と「ラグジュアリー」の違いを考えるよい研究材料になった。やはりそこには「人」と「思い」が介在するのだ。


町の中心にあって、立地は抜群。ホテルには安全と快適のみ保証されればいい、という割り切りができる人には向いていると思う。なんの不服もありません。ただ、どんな旅をするにせよ、旅先の印象は、滞在先のホテルで覚えた「感情」に大きく左右されると思う。「ラグジュアリー」なレベルを目指すには、人の「感情」の繊細な扱いを学ぶ必要がある。いかなる分野においても。

オークランド。中心部に来るとほっとしました。郊外もいいけれど、やはり都会のほうが安らげます。

 


イギリスの植民地の名残りがいたるところに。メインストリートは「クイーンズストリート」だし。アルバートやヴィクトリアの名前が付いた建物や通りもある。


クイーンズストリートに面したクイーンズカフェでランチ。お料理は洗練されていておいしく、サービスもフレンドリーで、やはりソーヴィニヨン・ブランが最高に美味しい。(とはいえ、感激して買ってきたこの銘柄も東京で飲むと、???だったのですよねえ)



ロンドンの街並み?と錯覚させるような一角もある。しかし、現在、地下鉄の建設中ということもあり、いたるところ工事中で、迂回させられることも多く、騒々しく落ち着かない。さらに、新しい建物とヒストリカルな建造物が計画性なく並び合っていて、町全体は、こじんまりとしているけれど雑然とした印象。3時間あれば、町全体のおおよその感覚がつかめる。

スカイタワーから、バンジージャンプする人も眺められる。(写真にうつっているロープは、バンジージャンプ直後のもの) バンジー大人気。よくやるなあ。私にはムリ。


ピンクにライトアップされてるのが、スカイタワーですね。森タワーやランドマークタワーなんかに慣れてしまった身ではあまり新鮮味もないのですが(すみません)、高いビルが少ない(建てる必要もあまりなかった)オークランドにおいては、観光の目玉。


夜の通りは、郊外のように真っ暗にはならず、照明がきれいで雰囲気がありました。

シェイクスピア・パブ。メニューからインテリアまで、シェイクスピア尽くし。

1階がパブで、2階がレストランになっています。この後、2階で500グラムステーキというのをいただきました。(もちろん息子とシェア。ほかのテーブルをちら見すると、ひとりで一皿平らげている方が多い。驚。)

次男が短期留学していた学校、マフランギカレッジのあるワークワースへ。


オークランドから車で1時間以上。途中の道路脇に見える羊、羊、牛、羊、羊…。タクシーの運転手さんによれば、ニュージーランドでは人の数より羊の数のほうが多いとか。


タクシー代がおそろしく高い。レンタカーを借りるかタクシーか。知人に車を出してもらうのでなければ、ほかに移動の手段はないのだ。

学校の環境はすばらしい。どこまであるのか、果てしなく広く感じられる広大な敷地に、たくさんの校舎、ラグビー場、テニス場、サッカー場…。


建物は、学校も含め、平家建てが多い。土地が広いので、上に高くする必要がないのですね。

パトカーが派手。治安はとてもよいそう。

ワークワースの町じたいは、日本の地方によくある小さな町のような感じ。巨大なスーパーマーケットがあり、小売店があり、不動産会社があり、役場があり、パブがあり、図書館があり……。そのくらい。17時でほとんどすべて閉まってしまう。


ワークワースでは、(そういえばクイーンズタウンでも)男性のスーツ姿を見ていない。着る必要がないのだ。学校の先生も運動着にサンダル。ジャケットを着ていてもネクタイはしない。町で唯一の❓メンズウエアショップでもジャケットが飾られていない。


人口も少ないので、競合する必要がなく、夕方は早く仕事を終えて家に帰って家族と過ごす。そのようなライフスタイルなのだそう。


真っ暗な町で少し明るい感じがしたパブで夕食。夕暮れから夜にかけての町全体が、デビッド・リンチが使いそうな映画音楽が流れてくる雰囲気でありました。

翌朝、ワークワースから少し離れた住宅街のホームステイ先のみなさまにご挨拶。住宅もやはり平屋建てが立ち並ぶ。広大な敷地があるから、横に広げればいいのだ。家で過ごすことが多いというだけあって、インテリアのレベルがとても高い。どの家庭も犬と猫を飼っている。おもてなしもあたたかくて、穏やかに、豊かで平和な暮らしが営まれているなあという印象。

桜満開。

そしてオークランドを目指し、どこまでも続く緑を眺めながら再び車で移動。

ザ・リーズの朝食には驚愕。山際からのぼる朝日を浴びながら、ポーチドエッグ(卵2個分)添えのステーキ・オン・トーストって。これにサラダやフルーツやイングリッシュブレックファストのブッフェがつく。成長期の息子が平らげてくれたので助かった。


ザ・リーズのロビー。ガラス張りの窓の向こうは山と湖。スタッフも親切です。ここは機会があったらまたぜひ泊まりたい。

午後の飛行機の時間まで間があるので、近場の観光。「いちばん人気」とホテルスタッフにすすめられたのが、ショットオーバ―・ジェットでした。時速80キロの水上ジェットで渓谷をめぐる30分。


渓谷ぎりぎりに走り、途中360°回転のサービス、水しぶき、絶叫、爆笑が飛び交い、インディアナ・ジョーンズになった気分でした……。



きっかり30分で次のグループへバトンタッチする効率的なツーリズム。終わればちゃっかり写真が用意されていて、買わざるをえなくなるようなシステムは、横浜のランドマークタワーなんかでもやってるなあ。地球上どこでもやっているのか。買わなくてもいいけど、まあ、記念だし、なんて言い訳をして一度は買うという……。




エリザベス女王もいらしたようですよ。


満開の桜、雲一つない青空、澄みきった空気。完璧な絶景。


もう一か所、お約束の観光地、キウィバードセンターへ。ニュージーランドの野生の鳥が広々とした環境で飼育されている。キウィさんの部屋も観にいったが、まっくらで何も見えない。しばらく目を凝らしていると、もふもふした塊が移動しているのがわかる。くちばしもうっすら見えた。飛べない鳥、キウィは、ニュージーランドの人ですらほとんど実物を見たことがないというレアバード。これで「見た」ことにする。



この方はさすがに貫禄があったわ。目が合っても逸らさず、逆にこちらをじーっと見てくる。


高速ロープウェイで高いところまで行ってみる。時間もないので、来た、見た、撮った、のとんぼ返り。


地球はまだまだ広い。小さいことで悩んでいるのがほんとにどうでもよくなる、心癒されるおおらかな空と山と湖。

 

アップしていなかった10月初旬のニュージーランドの旅行メモです。写真を中心に(写真をブログにアップしておくと、あとで探す時に非常に便利なのです)。メインのミッションを果たしたあと、空いた時間で足早に調査も兼ねた観光。オークランドからさらに南へ飛行機で2時間弱のクイーンズタウン。


「女王にふさわしい街」として名づけられたというだけあり、山、湖、こじんまりしているけれども洗練された街並み、どこも品があって美しい。観光地として栄えているのも納得。


こちらがクイーンズタウンの老舗ホテル、エイカーツ。25ansで紹介されているのを見て、興味を持ったのですが、今回は泊まらず、視察のみ。

クイーンズタウンはちょうど桜の季節でした。見上げているのは次男。

パブはインテリアも様式もメニューもイギリスの植民地だったことの名残りを色濃く残しています。パブフードも美味しい。価格は(というか物価は全体的に)高めです。


ニュージーランドで目覚めたのがソーヴィニヨンブランのおいしさ。どこで飲んでもフレッシュで深いコクがあり、目を開かれるような思いをしたものです。そこで感激して6種類、空輸してきたのですが……日本で飲むとどうも違うんだな。どれも薄く感じられるし、こんなはずではなかった。これはいったいどういうことなのか。その土地のワインはその土地の空気のなかで飲むのが一番おいしいということか。旅先の恋というのも帰ってきてから「こんなはずでは」ということが多いらしいし(伝聞だが)、やはり地産地消というのは大切なことなのですな。

動物、鳥はどこへ行っても人慣れしているというか、かなり近づいてもおびえて逃げたりはしません。そもそも人が(日本に比べると)はるかに少ないので、ゆったりした空気が流れています。


宿泊したのはザ・リーズホテル。ここはすばらしいホテルでした。インテリア、水回り、アメニティにいたるまで、ときに意表をつく最高のおもてなしを感じさせてくれました。住みたいと思ったほど。全力推薦。




ワカティブ湖に接するレイクサイドには広いバルコニーがついており、部屋から見える景色は刻々と変わり、一瞬も飽きさせません。写真ではとらえきれなかったのですが、夜空では星が無数に輝いて、それはそれは幻想的でした。




 

 

12日、13日に、ザ・プリンス パークタワー東京にて、Tokyo Music Cruise 2017が行われました。

             (芝公園エリアにそびえたつパークタワー東京)

バンケットルーム、チャペル、屋外庭園などホテル内各所を会場としてライブを展開する、大人の音楽フェス。

各日、午後3時からミッドナイトまで、1グループおよそ40分くらいの持ち時間で、入れ替わり立ち代わり、さまざまなジャンルのライブを演奏する。

「大人の」とはすなわち、「座れる」ということでもあるのですが(←これ重要。笑)。ゆったりと座って、シャンパンを飲みながらライブを楽しむ、これがよいのですね。

初日夜の、ISEKI with JUNK FUJIYAMA、鳥山雄司&BENI、二日目のNAO Yoshioka、そしてUnlimitid tone (guest 澤田かおり)のライブに参加しました。

立ち見のお客様もいて、親密な空間のなかに心地よい熱気があふれ、なんとも楽しい時間を過ごしました。それぞれにカラーが異なり、個性的でレベルの高いパフォーマンスだったのですが、とりわけUnlimitied toneが醸し出す空気感にはやられました。平成男子の作り込まないファッション、素直に感情を吐露する歌詞も好感度高い。撮影禁止だったので写真がなくて残念ですが、2017年夏の記憶として心の中にずっと焼きつきそうです。それにしても「チェンジ」とか「自分から変わろう」みたいなことを歌っているシンガーが多いことに気づく。「そのままずっと」じゃダメなんですね、今は。

今年で3回目、着実にファンも増やしているとのことですが、来年もぜひ伺いたいと思わされました。

ライブを口実にパークタワーに宿泊。なのにシャンパン飲み過ぎと前日までの寝不足がたたってミッドナイトライブ中は爆睡してしまったという情けなさ……。

土曜日のライブということもあってほぼ満室で、希望のタイプの部屋がなく、幸運にもプリンススイートに格上げしていただきました。


113㎡、バーカウンターまである広々とした素敵なお部屋でした。

このホテルは今、順次、内装の改装を進めています。上のプリンススイートは改装前で、シャンデリアまでがリッチ感を添える、20世紀的な美しさにあふれる空間なのですが(これはこれで好きです)、よい機会なので、改装後のお部屋も見学させていただきました。

改装後はこんな都会的な質感になっています。ツインルームです。


(たんすのように見えますが、中には冷蔵庫や食器やお茶セットなどが。覆い隠すだけでホテルの無機質な印象は薄まり、温かみのある空気が生まれます)




インテリアデザイナーは、エービーコンセプトのエド・グ(ED NG)氏。シックなブラウンを基調としながら、ブルーが随所に使われていて、なんというか、21世紀的なラグジュアリーを感じさせてくれる空間になっています。同じホテル内でありながら、インテリアでかくも印象が違ってくるとは。改装後のフロアは、廊下のカーペットもスタイリッシュです。

クラブラウンジでは朝から夜までほぼ終日、時間帯に応じたリフレッシュメントが用意されています。東京タワーの絶景を活かすために、インテリアの枠には赤が効果的に使われています。スタッフの制服もかわいいのですが、デザイナーはアートマージナルのミネオマサル氏。


このエリアは周辺の散策も気持ちがいいですね。東京タワーと増上寺。


こちらは重要文化財である旧台徳院霊廟惣門。左右に立つのは木造仁王像で、港区指定有形文化財になっています。

このあたり一帯をパワースポットと呼ぶ人がいることにも納得。歴史の重みと緑の量感が都会的に溶け合う場所。

 

 

 

(前項からの続き)
朝ご飯は、専用ラウンジで和食が用意されます。1の膳(スターター)、2の膳、3の膳(デザートとコーヒー)。朝からボリュームたっぷり。

珈琲(と漢字で書きたくなる)のカップ&ソーサーは九谷焼(久谷金山)。ゴールドがふんだんにあしらわれています。当然、食洗器にかけられないのですべて手洗いだそうです。

この花香路の宿泊客は専用ラウンジ(眺望がないのが玉にキズ)だけでなく、


庭園に面した眺めのいいグランドプリンスのクラブラウンジ「花雅」(はなみやび)も使えるうえ(↑)、

隣のさくらタワーのスパや新高輪グランドプリンスの2つのプールまで使えます。


(新高輪グランドプリンスにはダイヤモンドプールとスカイプールがあります。上はダイヤモンドプール、下がスカイプール。スカイプールは夜のライトアップがロマンティックです。)

つまり、和と洋のいいところどり+庭園でつながる3つのホテルのいいところどり。


さらに、都会のわびさびといった風情の庭園内の茶室のなかでのお茶の体験(ホテルスタッフがもてなしてくれる)や、着付け・折り紙・風呂敷体験までできるという盛りだくさんのお楽しみが用意されています。初心者にも形式をうるさく問われないのが嬉しいですね。


きめこまやかに選ばれたアメニティや浴衣や調度品など、海外からのお客様にはとりわけ喜んでいただけるのではないかと思います。


最近の外資系ラグジュアリーホテルは、高層ビルの30階あたりがフロントになっていて、さらにそこからエレベーターを乗り換えてさらなる高層の客室に行く……というタイプが多いですね。それはそれで非日常感があっていいのですが、こんなふうに広々と庭園が広がる昭和ゴージャススタイルのホテルもやはりすばらしい。内装やおもてなしを時代に合わせてアップデートしていくことで、外資に負けない日本独自の高級ホテルスタイルを発信できるのではないかと思いました。

ホテルスタッフのみなさま、あたたかなおもてなしをありがとうございました。

 

品川のグランドプリンスホテル高輪、「花香路」に滞在しました。和風旅館とラグジュアリーホテルの長所を折衷した、「ホテル内旅館」といった趣きの全16室。専用の入り口があります。



次の間もあり、廊下も広く、とても開放感のある和室。16室それぞれに花の名前がつけられており、各部屋にはその花をモチーフとした装飾がさりげなくあしらわれているのです。ちなみに今回泊まった部屋は「沈丁花」でした。



バスルームも広々としているばかりか、檜の枠と、十和田石という、お湯を入れると青く光る石の浴槽。

トイレもゆったり。

アメニティはジョン・マスターズ・オーガニック。和の香り、和のモチーフの形に作られた素敵な入浴剤がつき、女性にはミキモト基礎化粧品セットがプレゼントされるというのも海外の方にはとても喜ばれますね。

リラクゼーションサロン「たゆた」(←たゆたう、に由来する名)で、日本酒のフットバス(←足だけつかっているのに全身の血行がよくなります)の後、和製のオイルを使ったマッサージをしていただきました。室内の置物や器具などにいたるまで、すべて部屋の雰囲気と調和するように木や陶器などで作られています。


ゆかたと下駄風のスリッパ、香りつきの足袋なども備えられ、グランドプリンス内は浴衣で過ごすことができます。


備え付けの食器や急須なども選び抜かれています。これは南部鉄器。とても軽やかで粋なデザインです。




夕食も部屋で。しゃぶしゃぶのコースでは、前菜とお刺身、焼き物までの段階ですでにお腹がいっぱい……その後に佐賀牛のしゃぶしゃぶが続きます。薬味も全13種類!

部屋内のお風呂も外の景色が見えるうえ、洗い場も広くゆったりできるのですが、花香路の宿泊客は隣のさくらタワーの地下のスパ(ジャグジー、サウナ)も使えるようになっています。
夜の庭園も神秘的で美しい。(続く)

 

ピッティ最後の日のショウは、OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH 。ピッティ宮殿にて。

ショウ開始が22:00とあり、どれだけ苛酷なのかと心の中で恨む…。疲労も積み重なってかなり消耗してはいたが、なんとか気力だけで起きている。

先に軽く夕食をということで、コーディネーターTerashimasa さんのパートナーの勤務するホテルのテラスレストランに再び。

夕刻は昼間と違う雰囲気で、なんとも幻想的な夕暮れを楽しみました。



すみません、こんな場所でしかできないドルチェヴィータごっこでした…。

 

22:00にピッティ宮殿へ向かうも、始まる気配はナシ。このショーのために屋外に巨大な、特別な階段状のベンチが作られている。フロントロウではあったのだが、席がなかったと怒るカップルが目の前に陣取り、フロントロウの意味がまったくなくなる。プレスの人が注意しても「招待状があるのに席がないのはおかしいだろう」と逆ギレ、移動する気配はない。こういうのはあきらめるにかぎる。客席全体からイライラした空気が漂う。


22:30あたりからようやく始まり、ピッティ宮殿に大きな文字で「ポエトリー」が流れていく。世界のあり方や戦争に抗議しているのだろうか。これがとにかくうんざりするほど延々と続く。なかなかモデルは登場しない。

いいかげん眠気をがまんするのも限界に来たところでショウが始まるものの、会場が広すぎて、モデルが「遠い」。よく見えないまま、あっけなくすべて終わる。

終了直後、正直すぎるジャーナリストのOくんが「くだらん!」と叫ぶ。たしかに、壮大な舞台設定、強いメッセージで斬新な演出を意識したものなのかもしれないが、観客のことをあまり考えていない印象だった。22:30開始という時間といい、「暗くて遠くてよく見えない」ショウといい。実際にどのような作品が発表されたのかを知るためには、撮られた写真だけをあとから見るほうがよほどよさそう。(デザイナーはストリートファッションに対するしっかりした知見の持ち主として高評価の方なのです。ただ、今回の見せ方が、狙いすぎだった。)

とはいえ、夜のフィレンツェの裏通りなんかも、こんなことがないとなかなか歩かないので、見ることができてよかった。映画で見たような光景。

真夜中の橋の上や下でも酒盛りをしている人々がいる。酔って川に落ちる人もいるらしいが、とくに対策などは講じられていないそうです。

 

翌朝。ようやく帰国。とはいえパリのシャルル・ド・ゴールでトランジット、待ち時間8時間と聞いてほとんど気絶しそうになるが、ラウンジでシャンパン飲んだり写真の整理したりしているうちに意外とあっという間に過ぎる。

10日間の休みなしの取材の旅でしたが、なんだか3か月ほど過ごしたような。脳内の一部分が書き換えられた感じというか、別次元にシフトした感じがする。

 

詳しい内容は追々、活字になっていきます。自分のための備忘録のような旅レポにおつきあいくださいまして、ありがとうございました。

 

個々の取材はきりがなく、つかみどころのないピッティ。膨大なピッティの全体を俯瞰する視点がどうしてもほしい。そんなときはトップへの直接インタビューにかぎる。と思ったので、だめ元でピッティCEOにインタビューを申し込んだらご快諾くださったばかりか、イタリアファッション業界の、半世紀以上にわたる歴史をわかりやすく解説し、ピッティとのつながりを解き明かしてくださいました。


ピッティCEOのラファエロ・ナポレオーネ氏。ロマンと現実を織り交ぜながら一瞬たりとも飽きさせない明朗な話しぶりに、すべての霧が晴れました。

イタリアファッションの歴史の本までおみやげにくださったナポレオーネ氏に、心より感謝します。お話はそのまま講演にしたいほど面白かったのです。詳しくは活字で。

イタリア語の通訳をコーディネーターのTerashimaさんにお願いしました。CEOは英語でもお答えくださるのですが、イタリア語になるとお話される量がとたんに3倍くらいになるのですね。となればイタリア語で聞く方がいい。

 

インタビュー終了後、ナポレオーネ氏が、ぜひ見に行くべき、と勧めてくださったピッティ宮殿でのモーダ展に急ぎました。なんとかピッティ宮殿の入場は間に合ったのですが、宮殿がまた大きくて、会場となる部屋までたどりつくのにさらに10分以上かかり、入り口にたどりついたとたんに「すみませんが、本日終了です」と扉を閉められてしまいました…。

ここで「5分だけなら」と開けてくれるのが日本ですが、ぴったり時間通りにクローズするのがヨーロッパ。終わりの時間がきたら1分たりとも開けていない。

というわけで泣く泣く見逃したモーダ展でした。



20時でも余裕で明るいフィレンツェ、サンタマリアノベッラ教会前の広場。

35度超のなか、バスでレオポルダ駅に移動し、ヨシオ・クボのショウ。会場に入ると冷たいドリンクを振る舞ってくださいました。席には扇子。こんな気配りがあることでほっと落ち着いてショウに臨める。この細やかさ、やはり日本のブランドならではのものでしょうか。ついでに連想したのですが、レストランでおしぼりが出てくるのは日本の常識ですが、ロンドンでもフィレンツェでもついぞ出てこない。むしろおしぼりなどないのが世界の常識。とはいえそのままパンをちぎったりするのはかなり抵抗があります……。コーディネーターの方はそんな日本人の葛藤を知り尽くし、常にウェットティッシュを持ち歩いていらっしゃいました。

さて、クボ・ヨシオのショウです。

 

アフガンの戦士?!と第一印象で感じたのだが、あとからデザイナーにインタビューしたところ、まったくそれは私の誤解であり、日本の伝統工芸の絞り染めの、新しい表現方法を提案したとのこと。なるほど、そのような視点で見ればまた見え方も違い、納得。




絞り染めで覆う、縛る、結ぶ、巻く……。新鮮な男性像を見せていただいた、力強いコレクションでした。

デザイナーのヨシオさん。世界の舞台での発表を今後も続けてください!


会場にはこんな万華鏡のような装置がおいてあり、中に入って楽しめました。

 

再びバスに乗りピッティ会場へ戻り、プレスルームで休憩。日頃なかなかお会いできない日本のメディアの方と遭遇することもある。


Men’s EXチームのみなさん。中野の右は大野編集長、左は副編集長の平澤さん。平澤さんはここ数年、イタリア語を学び続けて、かなりレベルアップしたという努力家でもいらっしゃいます。さすがのMen’s EX、35度超えでもタイドアップスーツなのです。


Leonの表紙でおなじみ、長いモデル歴でギネスにも載るジローラモさん。

そしてピッティはまだまだ続く……。今回、Pitti プレスのMorishige Makikoさんにひとかたならぬお世話になりました。

 

 

平和なファッション見本市が行われているとはいえ、バッソ要塞の入り口には写真のような特殊警察が武器をもって見守っているし、フィレンツェの駅周辺にはやはり武装した兵士が巡回しています。目にするといやおうなく緊張が走ります。


むしろこのような方々に守られているのだと心の中で感謝しつつ、3日目(6月15日)。午前中から外気温は35度に上らんとしている会場周辺。


写真を撮られたい方々も、さすがにこの炎天では日陰に逃げ込んでいらっしゃいます。


実は女性も少なくない。メンズにしても、華やかな方々が目立つのでついカメラを向けてしまいますが(彼らは撮られるために来場していたりします)、実際は、しのぎやすい半袖シャツの方も多い。

さて、Pittiのブース。ふと目についた個性的な「アロハ」シャツのブランド名を見たら、沖縄にある日本の会社でした。


PAIKAJ。服地から日本で作り、日本で縫製するアロハシャツを中心に作っています。


日本人にしかできないきめ細かさを活かしたシャツ、と解説してくださる社長の吉田さん。もともと奥様のご実家が沖縄でアロハシャツを作っていたことから、この会社を立ち上げたそうです。

カジュアルスタイルのなかに、ドレスシャツの技法が使われている。上質なカジュアルが中心ですが、上の写真のように、見えないところに遊びのあるドレスシャツも。

そしてユナイテッドアローズの鴨志田さんのブース。なんとピッティ11年目だそうです。世界から敬意を受けるMr. Kamoshitaについては、この後インタビューすることになるピッティCEOもわざわざ名前を挙げて讃えていました。


ジャケットスタイルのドレスダウンをさまざまに提案。「たとえば…」と言いながらその場でぱぱっと各アイテムを選んでコーディネート例を作ってくださいました。

この色使い、さすが。インナーとハーフパンツの色合わせはなかなか素人には思いつかないですが、両方の色を使っているジャケットを合わせることで、トータルにまとまります。


周囲に幸せな空気を作るカモシタ・スマイルは感染力があります。つられて笑顔になる。


そして強力な磁力を放っていた、Gabriele Pasini 。ただものではない美意識が、一体一体のコーディネートから伝わってきます。



「抜け感」も「隙」も、どこ吹く風。細部に至るまで手ぬかりなく緻密にドレスアップ。完成度なんていうことを超えている。

クリエイティブディレクターのガブリエルさん本人も、存在感のある方。強面な感じですが、話すとむしろシャイで優しく、丁寧に解説してくださいました。

あとからLEONの編集長に聞いたのですが、ガブリエルさんはLEON読者にもファンが多く、「ガブさん」の愛称で親しまれているとのことです。不勉強で失礼しました…。それにしても、ここまで突き抜けた美意識は、一種の共通言語になるのだなあと納得。

バッソ要塞へ戻り、ピッティ展示会ブースめぐり再び。


外気温35度のなか、いたるところで撮影がおこなわれています。こちらは動画の撮影。歩く姿や帽子に手をやる姿も、みなさん決まって(決まりすぎて)ます。

ひときわ多くの人が訪れていた、ポール・スミスのブース。彼はイギリス人ですが、ロンドンコレクションではおこなわず、ピッティに来るんですね。ピッティのほうがやはり商業的にもリターンが見込めるのか、イギリス人デザイナーやイギリスブランドのなかには、ロンドンではとくに何もせず、ピッティに力を入れているところが少なくない。ブースにはロンドンの著名なブランドがいくつもありました。気鋭のJ.W.アンダーソン(英)も今回、ピッティでショウをおこないました。J.W.アンダーソンに関しては、ミハラヤスヒロも「注目のデザイナー」として名前を挙げていましたが、今回のショウではかなり強気で、観客数を絞り、招待状を送ったところにまで「送りましたが間違いでした。来ないでください」というメッセージを送ってきたらしい。失礼だと怒るジャーナリストもちらほら。こういう対応もブランドイメージを左右します。ひょっとしたら、「怒らせる」ことで何かのブランド価値を発信しようとしていたのかもしれません。今後どうなるか、徐々に明らかになってくると思います。

さて、ポールのブースです。






展示作品も密集、ゲストも密集。そのなかに何気なくゲストに混じっているポール・スミス発見。左から2人目。


しっかりデザイナーと記念撮影。笑

いいかげんこれ以上歩けなくなったところでこの日の取材は終了。

着替えて地元のレストランへ。Hiromi Asaiさんと彼女の作品のために服地を作った丹後の服地屋Yamamotoさん、そして靴デザイナーKatsukawaさんと、インタビューを兼ねて夕食。詳しい内容は後日。



そういえばフィレンツェに来て初めてまともにレストランで食事をしたなあ。あとはプレス用のあわただしいフリーランチとかパーティーフードやサンドイッチばかりだったような。写真のTボーンステーキはフィレンツェ名物で、5人ならなんとか食べられるだろう、と。



出展の苦労や服作り・生地作りの苦労などうかがいつつ、楽しく過ごさせていただきました。

フェラガモミュージアム。

フィレンツェにおけるフェラガモの影響力の大きさはいたるところで感じる。フェラガモが経営するホテルが数件、レストラン、ワイン、ファッション、などなど。

この建物はフェラガモが買い取ったもので、本社オフィスも美術館もこの建物のなかにある。

美術館のテーマは随時変わる。今回は1927年。これはフェラガモがアメリカからイタリアに帰国した記念すべき年。船での帰還なので、展示においても航海がイメージされている。


靴がみんな小さい…。足が小さかったのだろうか。



20年代といえば、このシルエットですね。頭はボンネット、ストンとしたギャルソンヌスタイル。


当時のセレブリティたち。

フェラガモのほか、今回は時間がなくて観られなかったのですがグッチも展覧会をおこなっている。そもそも町中が芸術的な雰囲気。


コーディネーターMayumiさんのパートナーが勤務するホテル、Tornabuoni Beacci のテラスで少し休憩。ここがもうなんとも雰囲気のある素敵なホテルでした。イタリア名をもつ日本のジャーナリストも常宿にしていらっしゃるとのこと。


世俗の時間の流れが感じられない、別世界。


少し英気を養ったその後、某ブランドのファッションショーを見るために、酷暑のなかシャトルバスでレオポルダ駅まで。レオポルダ駅といっても電車が止まるわけではなく、上の写真ですが、中も格納庫のようで、歴史的な建造物らしい。(こちらのショーに関しては、座席の割り当てられ方において運に恵まれず、よく見えなかったのでコメントを控えることにしました……。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14日はフェデリコ・クラーディのショウから。場所はバルディーニ美術館。画家からキャリアを始め、美術商になったバルディーニ氏が、昔の館を修復し、美術館としてよみがえらせた建物という。


こんなところで生活すると、いやおうなく美意識が鍛えられますね。美術が生活や人格の一部になってしまう。

9:30スタートとインビテーションに書いてありましたが、実際に始まったのは10:30過ぎ。コーディネーターさんによれば、時間の感覚は「そんなもの」だそうです。


スタンディングのゲストが見守る中、裸足のモデルたちが歩いていく。どこからがランウェイでどこからが観客側か、すべてが一体となったような雰囲気。


観光地につき記念写真。歴史的な建造物をファッションの舞台として紹介していくのもピッティの役割。フィレンツェならではの建物でした。それにしても朝から待ちくたびれ、立ちくたびれ……。

 

Baguttaの時点ですでに20時すぎ、日本にいれば当然、本日の業務終了としていい時間なのですが、夏至前後のヨーロッパ、まだ外は明るい。これで帰らせてはもらえず、さらにこれからHugo Bossのショー会場へ移動します。

この日(13日)の朝はロンドンにいました。疲労もとうに極限超えしていますが、経験的に、極限超え、限界超えをすることによって次の次元に行けることも知っている。(不本意な仕事であれば過労死してしまうかもしれないというぎりぎりのところなので、すべてのケースにあてはまるというわけではありません。) もうこんな無茶ができるのはあとどれくらいだろうと思いながら、とりあえず、ほとんど意地だけで行く。


会場は、閉鎖取り壊しが決まった煙草工場。建物の中からの照明の演出が考えつくされており、映画の世界に入ったような錯覚を覚えます。





幻想的で退廃を感じさせる場所に似会うクールなコレクションでした。


終了後はパーティーフードとお酒がふるまわれます。

日本ではかえってなかなかお会いできないファッションジャーナリストの方々とお話することができるのも、ファッションウィークや見本市の楽しみですね。左からコーディネーターのMayumi Terashimaさん、中野、世界各地のファッションウィークを飛び回るYu Masuiくん、そしてジャーナリストのTakuro Ogasawaraさん。それぞれ率直に本音を語る方々で、疲れも吹き飛ぶひと時を過ごさせていただきました。

ラルディーニ、ブルネロ・クチネリはじめ日本にも人気のイタリアブランドのブースを回り、デザイナーやディレクターにご挨拶をしつつ最新作を取材。

クリエイティブ・ディレクターのルイジ・ラルディーニ。ラルディーニはファミリービジネスで、会場でも兄弟何人かでいろいろ言い合いながら楽しそうに。

クチネリのブースは社員?と思しき人が大勢。ソファに座っている左側の方がブルネロ・クチネリ氏。

クチネリのコレクション。色使いがうっとりするほど美しい。

いい加減歩き疲れてきたところで会場の終了時間。


ぞろぞろ出てくるイタリアのファッション関係者の静かな迫力。

その後、急いで着替えて、バグッタのプレゼンテーションへ。



会場はウェスティン・エクセルシオール。

ここは1年半前に泊まったホテルで、ほんとうに居心地のいいホテルでした。

今回もできればこのあたりに泊まりたかったのはやまやまですが、ピッティの時期はホテル争奪戦で、コーディネーターのMayumi Terashimaさんによれば、「みなさん、お帰りになるときに、来年のホテルを予約していかれます」。1年前からすでによいところは埋まっているというわけです。

このたびのピッティ行きが決まってホテルを手配してもらったのが1か月ちょっと前で、そのころに空いているホテルとなると、信じがたいほどに価格が高いのに、なにかしら難点があるところばかりなのですね。しかし、当日、オーバーブッキングで泊まるところがなくなり、電車で30分のボローニャでようやく真夜中にホテルを見つけたという日本人もいたということを思えば、泊まるところがあっただけでも心からありがたいと思いました……。

今回のフィレンツェのホテルに関しては、そんなわけで、この繁忙期に3泊も無事に取材できただけで感謝しつつ、ノーコメントです。学んだことは「4つ星自慢ばかりするのは、最低限の設備は備えているがほかに自慢することがないことを意味する」「ホテル予約サイトの口コミは、ホテルに求める要素が違う人のコメントだったりするので、まったくあてにならない」「場所自慢、歴史自慢には要注意。ほかに褒めるところがないことがある」。

素人レビューにこそ、高いリテラシーが求められますね。

滞在した場所によって、同じ町でもまったく違う印象をもってしまうのは確か。前回のフィレンツェと、今回のフィレンツェで、まったく異なる面を見ることができて、それもまた貴重な経験でした。

13日、空路ロンドンからフィレンツェへ移動して、休む間も与えてもらえず、ピッティ・イマジネ・ウオモ会場のバッソ要塞へ。記録的な暑さらしく、30度を優に超えていますが、フル装備のスーツの男性も多い。



ピッティは世界最大の男性服見本市で、クラシックスーツのトレンドを発信するブランドがブースを出しているイメージが強いのですが、カジュアルウエア、スポーツウエア、装いに関わる各種小物、ニッチな香水などのブランドも出展しています。


ブースを出すという形式だけでなく、フィレンツェの各種歴史的建造物を活かしたショーも行われます。商談がメインになりますが、各国からジャーナリスやブロガー、「写真に撮られたい人」やその他もろもろのファッショニスタらも集まります。年に一度、ピッティで顔を合わせるということになっている人たちもいるようで、メンズファションの一大祭典。

初日のブース巡りでは、まず、Hiromi Asaiさんにご挨拶に伺いました。今回、ピッティに強く誘ってくださったのはほかならぬ彼女なのです。「まんまる」の連載で、もう2年ほど前になりますが、Hiromi Asaiさんの、着物地を使ったニューヨークコレクションのことを記事にしたことがあります。それをきっかけにHiromiさんとの交流が始まり、何度か冬のピッティにもお誘いいただいたことがありましたが、タイミングもなかなか合わず、今回、堂々取材できることになり、ピッティでお目にかかることができた次第です。


着物地からオーダーして作り上げたという作品の数々は、独特の存在感を放っています。

やはり着物地によるメンズウエアというのが珍しく、海外メディアの取材もたくさん来ています。

これは地模様が薔薇なんですよ。薔薇が透けてみえて、意外と涼し気な夏物素材なのです。私自身がこの服地でスーツを作ってもらいたいと思った傑作。

Hiromiさんのディレクションのもと、これを縫製したのは、弟子?の長谷川彰良くんです。Good Job!  良いご縁が生まれたことを、心から嬉しく思います。

 

この日の最後は、ヴィクトリア&アルバート美術館で開催されているバレンシアガ展。

ここはケンブリッジ時代にも、週末にロンドンに来るたびに通った大好きな美術館。


外側は当時のままで懐かしい、ところが、中は大胆に変貌している。そこがいかにもイギリスらしい。
バレンシアガ展はすばらしかった。すべて撮影可能というのもこの美術館のいいところ。撮影されたものが出回ると人が来なくなるので撮影不可にする、というのは主催者側の大きな勘違いです。写真が出回れば出回るほど、人は「本物」を見に来るんです。フラッシュさえ禁止にすれば、来場者に写真撮影を許可するのは、来場者を増やしたければ、メリットになるはず。

詳細に関しては、また機会をあらためて書きます。


次回はピンク・フロイド展ですって! これを見るためにまたロンドンに来なければ!と思わせるクールな「次回予告」。

 

最後のディナーは、ピカデリーのThe Wolseley で。



やはり王道をいくスコッティシュ・サーモン。鱒ずしと錯覚しそうなシンプルなレイアウト。

とても天井が高く、開放的なムードで、好みのど真ん中でした。

(くどいですが)私は小食で、雰囲気のよい店で正統派の(凝りすぎていない)料理を2品ほど食べてシャンパンとワインを1~2杯いただければそれで大満足、デザートも不要という単純なタイプです。そういうタイプにはこの店は気楽なのにリッチな気分を味わえて最高でした。味にうるさい人はまた違う意見かもしれません。

食事が終わる頃、ロンドン在住のソーシャライトで25ansブロガーでもあるSatoko Matsudaさんがご主人さま(←とても優しくて奥様思い♡)とともに合流してくださって、コペンハーゲンファッションサミットの資料をお持ちくださいました。ひととき、ロンドン社交界のお話で盛り上がり、楽しいひと時を過ごさせていただきました。ありがとうございました!

かくしてロンドン取材は無事に終了。終始、晴天に恵まれたのは幸いでした。予定していたショーが見られなかったなどのハプニングもありましたが、予想外の収穫も多々ありました。今回の成果は後日、順に記事になる予定です。どうぞお楽しみに。

疲労も極限にきていて、このあたりで東京に戻りたいのはやまやまですが、取材はもうひと山分残っています。そのままフィレンツェに向かいます。

 

続いて、ミチコ・コシノのプレゼンテーション。ミチコさんは昨年、「ミチコ・ロンドン」30周年を祝いました。ロンドンではベテランです。


テーマは日本の野球少年。



バックステージにもお邪魔しました。インスタレーションのモデルは時々こちらに帰ってきて、着付けを直したり、飲食物をとったりして休憩をとります。

ミチコさんにもお話を伺いました。ロンドンを中心に発表するのは、ロンドンには自由があり、「しがらみがない」から自然な形で服作りができるため、とのこと。「しがらみ」とは、百貨店のバイヤーからの注文や契約や、その他もろもろの数字的な束縛のことのようです。表現は違いますが、同じようなことを、ミハラさんもおっしゃっていました。ロンドンは「コマーシャル(商業的)」ではないところがいいのだと。


気さくに記念撮影に応じてくださるミチコさん。


移動のタクシーの窓から、ジャック・アザグリーのお店発見。ダイアナ妃のデザイナーとして10年以上前?に来日した時、インタビューしたことがあります。今回はお会いできなかったけど、お元気でいらっしゃいますでしょうか?

5日め、12日の午前中はさすがに動けず、少し体力の回復を待ってから、午後のヴィヴィアン・ウエストウッドのショウからスタート。場所はシーモア・レジャーセンター。公民館のような体育館のような場所。すでに外は一目でヴィヴィアンのファンとわかる人たち、彼らを撮るカメラマンらで大混雑。



シートには”We are Motherfucker”と題されたコレクションテーマ、というかアジテーション文が。各モデルのメイクは、次のものを表す、と書かれています。ハート=愛、自由な世界。ダイヤ=欲望、腐敗、プロパガンダ。クローバー=戦争。スペード=シェルやモンサントなど地球を凌辱する巨大企業。現代社会のもろもろのコントロールに対し、抵抗していこうというメッセージ。


開始前、ゲストのファッションを眺めているだけでも相当面白い。


どのショウにも共通しているのですが、おしゃれな方は靴に凝りますね。

向い側のフロントロウも、おそらくファッションエディターらが多いと推測するのですが、個性的な人がずらり。


いよいよ開始。期待を裏切らない、過激で、メッセージ性の強いルックが続々。


ただランウェイを歩くのではなく、サーカスダンサーが大胆なポーズをとりながら踊り、挑発し、移動していく。



フィナーレは大歓声、大喝采。スタンディングオベーション。こんな熱い反応で盛り上げる大勢のファンがヴィヴィアンを支えている。

 


ラストにヴィヴィアンがサーカスダンサーに肩車されて登場した時には鳥肌が立った。なんとかっこいい人なんだろう!


よほどバックステージにかけつけてインタビューしたかったのだが、日本のPRに「混み過ぎていて無理です」と止められる。今から思うに、そこを突破していくべきだった。ヴィヴィアン・ウエストウッドならそんな行動も歓迎してくれたような気がする。


デザイナーに敬意を表して、いちおう、ヴィヴィアン・ウエストウッドのセットアップを着ていったのです(レッドレーベルですが)。しかし私が着るとパンクなイメージからほど遠くなりますね。人込みを突破していくくらいのガッツが足りないのだな。

ちなみに、この服の左肩のボタン(ヴィヴィアンのロゴ入り)だけ、ブロガーさんたちが熱心に撮影していきました。笑


ヴィヴィアン・ウエストウッドはやはりロンドンファッションの女王であると確信した午後。

寝不足続きの上、バイクレースのおかげでタクシーに乗れず歩きどおしで疲労も極致に達していたので、19:30から始まる夜のイベントに備えていったんホテルへ戻って1時間ほど仮眠をとることにしました。

ところが、うとうとしかけたところでけたたましい火災報知器の音が鳴り、万が一本当だったら、と思ってパスポートとお財布だけ持って部屋の外へ。しかし、どうやら間違いらしいと他の客が言うので様子を見ていたら、2分ほどさらになり続けたあとに終了。でもあの音は心臓に響きますね。ドキドキしたまま部屋に戻り、再びうとうとしかけたところ、またしても火災報知器。念のために、もう一度出てみる。やはり間違いとのこと。このときはなんでもなくて幸いでしたが、この誤報事件の翌日、ホテルのあるストランドからは離れるのですがロンドンの高層住宅の火事が発生し、思わずあの報知器の音を思い出して身が凍る思いがしました。巻きこまれてしまった方々は、いかほど恐ろしい思いをなさったことでしょうか……。逃げきれなかった方々に、衷心よりお悔やみ申し上げます。

 

なにかと心労ばかり増え続けた今回滞在のホテルとは違い、その空間にいるだけで疲れが癒される思いがした、リージェントストリートのカフェロワイヤル(ホテル)。「オスカー・ワイルドのバー」に行きたかったのですが、


予約がとれず、ラウンジでカフェ。ここはここで優雅な時間が流れており、別格の居心地よさと安心感を感じさせる対応でした。


高い飲食代や宿泊代には、「安全」や「安心」も含まれているのですね……。

ミハラヤスヒロのショー会場から近いということで、そのまま歩いてサヴィルロウへ。


ザ・サヴィルロウの貫禄、ヘンリープール。



ハンツマンの看板は、右側から見るとHuntsman と書いてあるのに、左側から見るとKingsmanと書いてある。かなり嬉しくなりました。少し光が反射して見えにくいですが、Kingsmanと書かれているのがおわかりになりますでしょうか?


アレクサンダー・マックイーンもサヴィルロウに。刺繍入りのジャケットに目が釘付け。

日曜なのでほとんど休業ですが、リチャード・ジェームズはファッションウィークに合わせた展示会でにぎわっています。



上の写真はリチャード・ジェームズのオーダーメイドの店。今回展示会がおこなわれたのは、お向かいの既製服の店でした。



カラフルな色彩使いのうまさがリチャード・ジェームズ。ピンクと黄色とグリーンを同じ靴下にあしらうなんてなかなかできることではありません。

リチャード・ジェームズご本人もいらっしゃいました。右側です。左は、大手PR会社パープルPRのディレクター、ナンシー・オークリーさんです。

リチャード・ジェームズのマネージング・ディレクターとデザイン&ブランドディレクターのおふたり。靴が茶色です。聴いてみると「もちろん、ブレーキングルールさ!」と即答。この店ではブレーキング・ルールを守ることがむしろ王道という皮肉なことが起きています。笑

こんどは平日に!

日曜日はメジャーな自転車レースがおこなわれているとかで、道路がレースのために使われ、タクシーでの移動がほとんどできない。それで地下鉄と徒歩になるのですが、これがけっこうな距離を歩くことになるのですね。寝不足とオーバーワーク気味で相当、体力は消耗しているはずなのですが、好奇心というのは何よりも強力なエネルギーになるようで、ふだんなら信じられないような体力を発揮してしまいます。

ランチ後のコーヒーもそこそこに、ミハラヤスヒロのショウ会場へ移動。オクスフォードストリートの地下駐車場でおこなわれます。



クレッシェント型にのびる駐車場に、心をざわつかせるような生演奏が響く。ちょっと寒くて怖い。そんな雰囲気によくあうコレクションが展開される。





丁寧に作られた見ごたえのあるコレクションの最後には、デザイナーが走って登場。ちょろっと顔を出してひっこむデザイナーが多い中、カメラの前まで行くデザイナーは珍しい。

感動さめやらぬままにバックステージにお邪魔して(プライベートでは慎ましすぎるほど控えめな私ですが仕事となるとかなりアグレッシブになります)、ミハラさんにお話を伺いました。


テーマはブランク・ミラー(blank mirror)。電源の消えたパソコンのこと。いまや「アンチテーゼ」が当たり前すぎて、パンクすらアンチテーゼになっていない。そんな時代の葛藤や混沌を表現したかったとのことですが、詳細は活字で!

日曜12時からジョン・ローレンス・サリヴァンのショー。大勢の人、人、人。バブル期に人気を博したブランドというイメージもありましたが、今また盛り返しているようです。テーマはポスト・パンク&クール・ウェイブといった音楽を含むカルチャーを背景とするファッション。

定番アイテムをオーバーサイズにすることで挑発。


どこか破壊された服なんだけど、きれいな印象。これが「ポスト・パンク」?


レディス?が何気なく混じっている。写真ではわからないのですが、胸元はニプルまで見せています。


クールウェイブ?


ボディに響く音楽との相乗効果で、なんともしびれるショーでした。最後にちらっと出てきたサリバンは歓声と喝采を浴び、熱気のなかに終了。

 

ランチは会場から歩いて数分のサヴォイホテルの中にあるサヴォイ・グリルで。

日曜なのでサンデーローストがおすすめ、というわけでローストビーフをいただきました。コーディネーターYumiさんによれば、ゴードン・ラムジーが関わるようになってからこのレストランも格段においしくなったとのことです。

またしてもボリュームに泣きそうになりましたが、向こうのテーブルに座っている父子に癒されました。プチ紳士といった風情の坊や、しっかり気取って紳士の振る舞いをしていたのがなんともかわいかった。

サヴォイホテルのサービスも雰囲気もさすがにすばらしい。次の機会があればぜひこんなホテルでゆっくり過ごしてみたいものです……。

日曜。ホワイトオムレツに懲りたので、朝食はイングリッシュブレックファストにしてみました。これで一人分…。小食なのですべて少量でお願いしますといってこの分量。マッシュルームが巨大すぎて怖い。甘いペストリーが山盛りに(トーストを選ばなかったためではありますが)。ベリーミックスにも焼き物のプレートにもエディブルフラワー(食べられる花)が散らしてある。贅沢な不満だとはわかっているのですが、この巨大な量、むだなおしゃれ演出に、そろそろ泣きたくなってきました……。

さて、気をとり直して朝11時スタートだったはずのアストリッド・アンダーソンのショーに行こうとしたら、直前にスケジュール変更があり、10時にスタートしており、見逃してしまう羽目に。

さらに気を取り直し、ロンドンのキングズカレッジ内で行われていたDanshanのインスタレーションに。ぷちぷちで作られたトラウザーズが目をひく。


でもこれだけ!?

不完全燃焼感が残り、隣接するコートールド・インスティテュートで、印象派展を開催していたので、こちらで気持ちを持ちなおすことにする。ファッション展がしばしばおこなわれている館内でもあるので、それを見ておくためにも、というわけで。


麗しき天井画。

ピアノのふたにもアート。


天井画、シャンデリア、宗教画、暖炉、カーペットというのは、この種の「カルチュア&ヒストリー」の迫力で威圧するための必須アイテムと見えました。


館内のカフェから眺める広々とした中庭。ここでもしばしばファッションショーが行われるそうです。メイン会場の隣とは信じられないほどのゆったりとした時間が流れていて、休憩中のファッションジャーナリストやブロガーらがコーヒーを飲みながら談笑している。イギリスでは紅茶、というのは昔のステレオタイプ。時間が止まってほしいくらいの平和で豊かな光景。

フォートナム&メイソン、セリフリッジ百貨店についても最新のディスプレイを見ておかねば。というわけで駆け足で訪問。

店舗内のディスプレイは、とてもわかりやすく、眺めているだけでも楽しいミュージアムのようになっていました。


フォートナムメイソンの入り口では、トップハットのドアマンがいい味だしています。日頃はとなりのおじさんのような装いなのだと思います。お仕事のためのコスプレ。

セルフリッジ百貨店入口にて。入っていきなり広々とした香水売り場で、文字通りむせ返りそうな匂いに迎えられます。入口に香水売り場があるのは、においを外に逃がしやすくするためだそうです。日頃はブティックでしかお目にかかれない、各ブランドのエクスクルーシブラインがすべてそろっているのもセルフリッジならでは。すべて3万円超えクラスの香水。またとないチャンスなのでいろいろ試香してしばし夢の時間を過ごしてしまいました。

靴売り場が顕著でしたが、こちらもミュージアムのように商品を並べており、一点一点、デザイナーの作品を比べていくのは、まさに美術館体験と似ているように感じました。


ヌーディストのサイクリストたち。文字通りフルヌードで自転車に乗っている人もいるんですよ。驚愕でした。一瞬で走り去っていくので、不快なものを見たという気はせず、眺める人たちも寛容な笑顔で。

メンズファッションウィーク期間は、メイン会場だけなくロンドン全体がお祭りを盛り上げる。メンズの聖地、ジャーミンストリートでも道路でファッションショーをしたり、特別なインスタレーションをおこなったりしています。



ジャーミンストリートの守り神といえばこの方。ボー・ブランメルさま。


ルー・ダルトンの店では、ショーウィンドウに生身のモデルが入り、動いたりおしゃべりしたりしながら最新コレクションをアピール。ルー・ダルトンは女性のクリエイティブディレクターです。モデルはみなつるんとして「かわいい」印象の男の子たち。


写真を撮る人、撮られる人があちこちにいて、地味な賑わい感。


ターンブル&アッサーは長く続いた外壁の修復もようやく終わり、少しリフレッシュされた外観。


おなじみのブランドの「本店」「ジャーミンストリート店」というのはやはり心ときめくものですね。


連日、快晴に恵まれています。スーツでやや汗ばむくらいの暑さ。


ジャーミンストリートから少し外れたところには、ロック帽子店が。「キングスマン」にも登場した、世界最古の帽子店です。



大きな古時計と並ぶ、クラシックな帽子の数々。そして美しい帽子ケース。


上階は女性用の帽子やファシネーターが並びます。ロイヤルアスコットも近いので、帽子を売るには最適なシーズンですね。

試着しているうちに、明日夜のイベント用に最適なハットと遭遇。買ってしまいました。
六角形の素敵なハットボックスに入れていただきました。しかしこれはさすがに日本に持って帰れないので、箱はコーディネーターのYumiさんに引き取ってもらい(収納ケースとしても使え、お部屋のアクセントになるそうです)、帽子はかぶって帰ることに。帽子はかぶりなれないと「じゃま」と感じることも多いのですが、それにゆえにたぶん、帽子とのつきあい方を学ぶよい機会。

11日。Me Londonの朝食、モーニングのメニューに「ホワイトオムレツ」というのがあったので、どんなだろうと思って頼んでみた。クリームソースでもかかっているのかと想像していたら、なんと、卵の白身だけを使ったオムレツだった。見た目はおしゃれすぎるほどなのですが、ありえない味でした。


すべてにおいておしゃれすぎる、というのもやや疲れるものですね……。ホテルに入ると、ホテル自慢のオリジナルのアロマが迎えてくれるのですが、これも狙いすぎの最先端で、疲れて帰ってくるとややついていけない感に襲われます。ホテルのホスピタリティも実に多様。よい経験をさせていただいています。

気をとりなおし、ホテルから歩いて3分の、ロンドンファッションウィークメン、メイン会場へ。

このスーツもアトリエサルトの廣川さん作。今回の出張のために、前回の型紙を使って、途中のフィッティングを省いて超特急で作ってもらいました…。廣川さん、ありがとうございました。

フロントロウに座ってファッションショーに参加するには、やはり空気をぶち壊しにするわけにはいかず、それなりの配慮が必要なのですね。

まずはE. Tautzのショー。
こんな打ちっぱなし風のショー会場。



少しゆるい空気感をただよわせるテーラードを中心に。ハイウエストで、ややオーバーサイズ気味の太めのラインが特徴。


クリエイティブディレクターのパトリック・グラントが、最後にちらっと登場。喝采を浴びていました。デザイナーというよりもむしろマーケッターという印象。E. Tautzを立て直した敏腕”ビジネスマン”としてBBCに特集されたこともあるそうです。

会場には熱烈なグラントのファンが詰めかけていました。ひときわ目をひくイケメンさんがいるなあと思ったら、モデルのデイヴィッド・ギャンディでした。LFWM(London Fashion Week Men’s)のアンバサダーもつとめるスーパーモデル。あちこちで記念撮影に応じていました。

サンダーバ―ドから飛び出してきたようで、あまりにも美しすぎてリアリティがない。笑。

ファッションウィークでは、日頃メディアでしか見かけない有名人が何気なく混じっているのも面白いですね。

10日、午後7時でまだ明るい。一日が長いとなかなか仕事も終われない。かなり体力もきつかったのですが、ソーホー地区に新しくオープンしたRag & Boneのパーティーへ。

店内はラグ&ボーン的なファッションの男女でひしめく。

テラスの壁には一面に骨の絵。

道路にあふれるゲスト。

ストリートファッションに関しては、一時、ソーホーの勢いが減じていたのですが、最近、再び盛り返しているそうです。キティスカートの男子も、何でもないようにしっくりと風景に溶けこんでいます。


午後8時過ぎでもまだ明るく、パブでは人が外で立ち飲み。


今回の取材、ロンドン編は、ロンドン在住のYumi Hasegawaさんにお願いしました。きめ細かにアレンジしていただき、ありがとうございます。


帰途、9時半ごろでようやくこのくらいの暗さになる。夜のロンドンも照明が美しく、ムード満点です。


 

その後、いよいよダイアナ妃展へ。詳細に関しては、後日、活字媒体で書きますので、こちらではさらっとね。



社交界デビューに際し、ハロッズで買ったというドレスからスタート。



学芸員のマシュー・ストーリー氏の解説のもと、ダイアナ妃が社交界デビューから晩年にいたるまでに着たドレスやスーツ、それぞれにまつわるエピソード、デザイナーと結んだ関係、およぼした社会的な影響を学んでいきました。

これまでにかなりダイアナのファッションについては書いたり話したりもしてきたのですが、それでも新たに発見したことが多々。




写真で何度も見て、よく知っていたはずのドレスであっても、細部の工夫のすばらしさはやはり、肉眼で見ると初めて心に迫ってくるものなのですね。

それにしても背の高い方だったのだわ。

原稿はどこから何を書くべきか……。字数制限のあるものを、いざ書いてしまうと、「書けなかったこと」がどうしても出てくるのです。それが気になるとなかなか仕上がらなかったりするのですが、最後には、割愛分もまた書かれたことの厚みにつながると自分を無理やり納得させるしかないのですね。

10日、夕方はケンジントン宮殿へ。ダイアナ妃展が目的ですが、その前に、宮殿内を見学。広大な庭園でくつろぐ人々がけっこう多くて、公園と勘違いしそうなのですが、ここは「パーク」ではなく「ガーデン」。あくまでも、宮殿内の「庭」なのです。




柳のように下に垂れさがる大木。夜に遭遇したらかなりコワそう。


ケンジントン宮殿とは、1689年以来、イギリス王室の王や女王らの住まいとなってきた「ステート・アパートメンツ」です。ジョージ2世とキャロライン王妃、メアリ2世、ヴィクトリア女王、ダイアナ妃らがこの「アパートメンツ」のなかで過ごしました。


天井も壁も、隙間なく美術で埋め尽くされております。



窓から見えるガーデン内の白い像はヴィクトリア女王。その先には広大な池が。


18世紀、ロココスタイルの宮廷衣装も展示されています。間近で見ると、ぎっしりと宝石や刺繍がぬいつけられていることがわかります。壮麗というか、これはまさしく権力を見せつけるための衣装だったのですね……と理解できる。かなりの重さだったことがうかがわれます。



こんな豪華なタペストリーも。保存状態がかなりよい。


ハイテンションの勢いで、「女王の椅子」というのに座ってみました。笑


シャフハウゼンのときも感じましたが、ヨーロッパの曇って3G的というか、厚みがある。

10日、エドワード クラッチリーのショウ。場所はバービカン、シャフツベリープレイス、アイアンモンガーホール。


歴史的価値のある建物で、どんなショウが行われるのか、かなり期待が募ります。


時間、国、ジェンダー、肌の色、文化、全てを越境して紡ぐ、最高級素材を使った斬新なルックが続々登場。


バックステージに紛れこんで話を聞きました。次世代の鬼才ですね。



配られたメモから。”The irrelevance of gender; the relevance of sex.  Prog-rock Mediaeval rivivalism.  The role of Wakashu in Edo-era Japan. Poetry, not romance.”

荒唐無稽に見えますが、すべては一点ものの、彼のために特別に作られたテキスタイルから作られています。間近で見ると、リッチで豪華なのです。

マックイーンやガリアーノを生んだ、これがロンドンの底力。

ダイアナ妃関連の取材。パーソナルデザイナーとしてダイアナ妃のドレスを作っていたアイルランド人デザイナー、ポール コステロ氏にインタビューしました。

こちらが日本人だからこそ初めて語ってくれた、アイルランド人の目から見たダイアナ妃像。日本人ジャーナリストとしてのこの話題でのインタビューは初めてとのことで、記念にさらさらとデザイン画まで描いてプレゼントしてくださいました。貴重なお話の数々、必ずよい形で世に伝えます。

 

 

オフィスの前。立っているのは、息子さんでPRのロバート。

実はポールは現在、復興支援として釜石とコラボレートしてアクセサリーも作っています。


ケースの上に彫られているのは、アイルランドの「愛」の象徴。

 

詳しくは後日、活字で。

今年の誕生日はロンドンで迎えることになりました。

たまたまイギリスの総選挙の日とも重なり、テレビのインタビュークルーなども町の中にちらほら見かけます。

今回の訪英の目的は、ロンドンメンズファッションウィークの取材と、ダイアナ妃展関連の取材です。インタビュー、ショウ、展示会、イベント、パーティーなどの予定がぎっしり詰まっています。

(ホテルにはすでに大量のインビテーションが届いていました)

到着してすぐ、瞬間で着替えてイベント2件のはしごから。


コベントガーデンにあるBeastにて、グローブトロッターのパーティー。


グルーミンググッズや香水なども扱われていて、今どきのセレクトショップという感じでした。グローブトロッターのデザイナー、シャーロット・セドンと久々に会い、喜びあって記念写真。
テロへの警戒も高まっているロンドンですが、「できるだけいつも通りに日常生活を過ごすことこそが、テロリストへの最高の復讐」だそうです(グローブトロッター社長談)。平常を保つということ。Keep Calm and Carry On. これにはやはり強い心と意志が必要ですね。私にしても、「何も今、行かなくてもいいのではないか?」と心配してくれる家族の言葉に後ろ髪をひかれる思いでしたが、どこにいても多かれ少なかれ危険はあります。恐れすぎず、楽観しすぎることもせず、いただいた仕事のチャンスがあれば謹んで応えていくのが務めかなという思いです。

二軒めは、ロンドンメンズコレクション5周年を祝うパーティー。とあるジェントルマンズクラブ風の建物のなかで行われていました。

写真は遠慮して撮らなかったのですが、とりわけグルーミングにおいてスタイリッシュな方々がひしめいていて、やはり同じ国の人でも場所によって「人種」(誤解を生みそうな表現かもしれませんが、肌の色による人種分けや社会階級分けとは違う、装いに対する意識が生む見かけの違いという程度の意味です)が全く違うということをあらためて実感。

建物自体も一室、一室、とても凝ったインテリアで、トイレの中にもクラシックな本がぎっしり飾られていました。

インドにかかわるモチーフが集められていた、赤が印象的な部屋で、誕生日の記念写真。着ているのはTae Ashidaです。

向かい側にはパブ。木曜の夜にパブに集う人々。夜9時過ぎでも明るいですが、夜は肌寒く、コートを着ている人も。


今回の滞在はコベントガーデンにあるME Londonという5つ星ホテルです。進化形スタイリッシュ&グローバルなモダニズムを意識した、おしゃれ(すぎる)ホテルで、広々としたクイーンサイズのベッドをおく最先端テクノロジーを搭載した部屋には身体が全部入る長さと深さのバスタブもついており、水回りも快適で、移動の疲れも癒せました。ただ、一人で使うのが相当もったいない……。

 

北朝鮮のミサイルが今朝もまた発射されました。情勢がいっそう緊迫していることを感じますが、直接、私が交渉に行けるわけでもなければ抗議行動をしてどうなる相手でもない。外交・防衛を担うプロフェッショナルの方々に最悪の事態を防いでほしいと希望を託しつつ、Keep Calm and Carry On.  恐れてばかりいても何もならず、避難といってもどこにどんな危険が飛んでくるのか全く読めない状態。知人のなかにはすぐに上海に飛べるような用意をしているという方もいますが、私は海外に頼れる知人がいるわけでもないし、家族をおいていきたくもない。こんな時の最善の過ごし方は、日常の業務をいつも以上に丁寧に務め、会う人に笑顔を向けていくこと、という気がしています。たとえ能天気に見えようと、とりあえずは淡々といつも通りの日々を過ごすこと。不安のなかでこそ意識的にこのように心がける一日の終わりと、その翌日の始まりが平穏だと、心から感謝したくなります。本当に大切で必要なものとそうでないものがはっきりとわかってくるのも、実は「今日を生きることができた奇跡」を実感するこんな時だったりしますよね。

さて、少し時間が経ってしまいましたが、せっかくの貴重な機会をいただきましたので、シャフハウゼンDay 3 のその2、写真と個人的な印象を中心に、記録だけ残しておきます。

Gerberstubeでのランチを済ませたあとは、再びIWC本社へ。

CMO(マーケティング最高責任者)のフランチェスカ・グゼルとの会談です。マーケティングのプロフェッショナルとしてチョコレートの「リンツ」でも働いた後、引き抜かれてIWCに来た女性です。今回の同行者のなかにマーケティングのプロが二人もいた(竹尾さんと武井さん)ことで、とりわけ質疑のときにはきわめてハイコンテクストな会話が交わされていました。

私が深く共感を覚えたのは、男性社会において女性が最高責任者としてリーダーシップを発揮するための条件の話になったときです。振り返ってみれば私も同じことを感じていたし、他の同行メンバーも大きくうなずいていたので、スイスも日本も変わらないのだなと思いました。これについてはまた別の媒体で機会をあらためて書きます。

(左から谷本有香さん、中塚翠涛さん、フランチェスカ・グゼルさん、中野、武井涼子さん、竹尾純子さん)

少し休憩をはさんだあと、いよいよ「シャフハウゼン会議」。フォーブス副編集長の谷本有香さんの司会のもと、今回、シャフハウゼンであらゆる角度から時計文化に接した4人が、「時」「プロフェッショナリズム」「美」「これからの時代に求められる価値」などをテーマに議論を交わします。詳細はフォーブス7月号に掲載されますのでここでは書けませんが、それぞれの分野を極めた結果、越境して仕事をすることになった4人の見方は各自においては一貫しているものの、互いにまったく違うもので、非常にエキサイティングでした。

まだまだ語り足りない状態でしたが、時間がきてしまい、続きは後に、移動の車の中や食事の時などに交わされることになります(笑)。実際、今回のメンバーがとてもユニークだなと思ったのは、表層的な世間話がまったくなかったことと、女子会的な同意のノリ(「そうよね~」「わかるわかる」)が皆無だったこと。いきなり「本題」的な話が始まり、「いやそれは違う」から次の議論へ続きます。それぞれの人格と貴重な時間を尊重するからこそ、そうなるんですよね。意見に違いがあるからこそ、面白い。相手の人格を尊重し、信頼するからこそ、「違う」と言える。唯一の人格から出てきた、かけがえのない他人の「違う意見」と、同じように唯一の人格から生まれた「自分の意見」を、どのように掛け合わせ、昇華させていくか。その醍醐味を知るからこその深い会話が、なんとも楽しかったのです。


(自由時間はほとんどないに等しかったのですが、熱い会議のあと、少しだけ町に出てビールを一杯、のセルフィ―)

レストランやカフェは道路までテーブルを出し、こんな光景がちらほらと。平和で穏やかな時間が流れていることの、ありがたき幸せを実感します。

 

 

 

 

 

3日目の朝の第一部は、IWC本社前で誌面用の撮影の後、
シャウハウゼンの町ツアーから。

ガイドさんに付きしたがって、街を歩きます。
修道院の庭。


修道院だった建物の天井の梁にはとげとげがびっしり。鳩除けだそうです。


水量の多いライン川が交通機関として機能し、商業が発達して、また傭兵も多かった地域。その名残が随所に見られました。
噴水の上には傭兵の銅像。


延々と坂を上り、要塞に向かいます。


中はこんな感じの空洞。敵が攻めてきたらこの中に避難するんですね。


ひんやりした石造りの空洞は声の響きもよく、ここでオペラ歌手でもある涼子さんがワンフレーズ歌ってくれました!

屋上には砲台もありました。屋上から見渡す町の、統一感があって美しいことときたら。

翠涛さん、有香さんと屋上でセルフィ―。

町に降りて、ほぼ休む間もなく、クリエイティブディレクター、クリスチャン・クヌープによるDa Vinciのデザインに関するプレゼンテーションを聞きます。

美しさは論理的に作り上げることができるというその明快な議論に衝撃を受けました。こちらも、詳しくは別の媒体で書きたいと思います。

 

本社近くのイタリアンレストラン、Gerberstube でランチ。ピンクの壁、天井の彫刻、大きな時計、鐘など、インテリアがすばらしかったです。お料理はシンプルで力強いイタリアン。

 

午後のプログラムに向けて、再びIWC本社へ。

2日目の最後のアクティビティは、実際に機械式時計を分解し、組み立ててみるという体験。

一切のほこりが入らないよう、白衣を着用し、靴にもカバーをかけて、専用の部屋に入ります。机も特注で、高め。こうするとルーペをつけて時計を見た時に、ちょうど作業がしやすい姿勢になります。

機械式時計はぜんまいばねと歯車で動きます。これが複雑にかみあい、さらに何層にも重ねられていく。膨大な数の数の、しかもひとつひとつ違いのある小さな部品を、人間が削り出し、磨き、人間が手で組み立てているのですね。

 

くしゃみでもすれば吹き飛んでいきそうな細かすぎるねじなど。専用のねじ回しの使い方も教えていただきます。

部品の精密さもさることながら、それらの部品を作ったり磨いたりするための道具もすべて開発されているんですよね。気の遠くなるような叡智の結晶だと感じます。

レクチャーしてもらい、いったん分解した後、その逆の手順で組み立てていきます。不思議なもので、コツがわかると面白くなってきて、もっとやりたくなってしまいます。隣では現役の時計師が見守り、戸惑ったり間違ったりすると、さりげなくやり方を教えてくれます。


全員、無事に修了証書をいただきました! 本当に楽しかった。でもこの作業を朝から夕方までやれと言われると眩暈がしそうになりますが。

みっちり充実したプログラムをすべて終了したあと、ようやくディナー。


Sommerlustという、庭園の美しいレストランです。夕陽を浴びる庭をながめながらのすばらしいお料理を楽しみました。

スイスの夏の夜。ゆったりと豊かな時が流れています。

 

クルト・クラウス氏とのランチのあと、IWC本社に併設されているミュージアムへ。


IWCの歴史が、豊富な資料とともに時の流れに沿ってわかりやすく展示されています。IWCのホームページにも概要がありますので、ぜひご覧になってみてください。

案内をしてくださったのは、キュレーターのデイヴィッド・セイファー。左は、IWCジャパンの広報、南出留理さんです。今回の旅のコーディネートすべてをおこなってくださった、とても感情細やかで聡明な女性です。IWCにはもう7年目とのこと。IWC愛がとても深く、私たちにもその愛はことあるごとに伝わってきました。

素人写真ではなかなか迫力が伝わらないのですが、当時の広告と並べて展示される貴重な時計は、一点一点が重厚な存在感を放っています。

「アクアタイマー」のコレクションでは「2000メートルまで潜ることができる」ことが謳われているのですが、肝心の人間は2000メートルまで潜ることができない。笑。そこにこそ時計のロマンがあるのですね。


父から子へと伝えられていく時計。時の流れを継承する、という意味でも。

その後、本社の会議室へ移動。Da Vinciコレクションを含む、IWCのすべてのコレクションを、すべて直接手に取って眺め、時には実際に着けてみます。

(このたび発売された、Da Vinciコレクション。IWCのホームページより)

 

これだけたくさんの時計に触れていると、自分が好きな時計というのが、ほぼどのタイプかわかってくるんですね。歴史家の目で見ると、だんぜん男性用の複雑時計がすばらしいと思うのですが、実際に着けてみると、サイズも雰囲気もまったく似合わないことがわかります。

全員が「似合う」と言ってくれたのが、ダイヤモンドがケースにセットされた36ミリ女性用のポートフィノ。自分でもきらきらがついているとしっくりくるのがわかります。笑

 

 

ライン川の滝の間の崖の中にしつらえられたエレベータ―に乗り、頂までのぼると、なんとも瀟洒なレストランが現れます。

 

「シュロス・ローフェン」。

快晴で風も心地よいので、外のテーブルでランチをとることになりました。

伝説の時計師、クルト・クラウスとのランチです。クルトさんは現在82歳ですが、IWCの旧開発部門トップでした。あの「永久カレンダー」の実現に成功した方で、クオーツ革命の打撃を受けていた時計業界を救っただけでなく、その後の徳のあふれる行動もあいまって、世界中の時計関係者から尊敬されている時計史におけるレジェンドなのです。

インタビューの内容についてはフォーブズ誌に掲載される予定です。また、それとは別に、私なりの視点からもこのレジェンドについて機会をあらためて書こうと思います。しばしお待ちくださいませ。(「まんまる」次号に書きました。)

謙虚で気取りなく、質問を真摯に聞いて、よく考えてから的確な答えをくださる頭のよい方で、その場にいた全員はクルト・クラウスの大ファンになりました。

その後、車に乗って再びIWCの本社へ向かいます。午後もみっちり時計の世界を多角的な視点から学ぶことが予定されております…。(その3に続く)

 

#IWC × Forbes Japan “Code of Me”

 

 

鳥の鳴き声で目覚め、ライン川を眺めながらの朝ごはん。

昨夜かつてないほどのボリュームのシャリアピンステーキをいただいたはずでしたが、ブッフェ形式で用意されたすべてのメニューが最高でした。とりわけ、半熟卵をお願いしたら、こんなかわいいウォーマーのなかに入れられてサーブされました。

午前中はまずIWCの本社へ。
本社前で記念写真。

今回の旅のメンバー。左から、マーケティングのプロフェッショナルにして二期会オペラ歌手の武井涼子さん、書家の中塚翠涛さん、中野、円谷プロダクション取締役の竹尾純子さん、そしてフォーブズジャパンの副編集長にして経済キャスターの谷本友香さん。全員、越境型のプロフェッショナルです。
まずは広報担当の方から、IWCの歴史のレクチャーを受けます。

これがとても興味深く、ブランドとは何かという問題を考えるヒント満載なのですが、内容については長くなるので、あらためて別の機会で書きます。

その後ファクトリーへ移動し、それぞれの部門でどのように時計が作られているのかを間近で観察し、ときには作業を体験させてもらったりします。カメラマン以外撮影禁止の場所も多く、そのあたりの具体的な話は、後日、フォーブズジャパン誌が詳しく報じる予定です。ルーペで見なくてはわからない細かな部品をすべて人の手が創り出し、人の手が磨き、人の手が組み立てていく。およそ400人の人が従事するその工程を見たあとは、時計に対する見方が一変しました。

ファクトリーがランチタイムに入り、一行はラインの滝へ。



ボートに乗って至近距離まで行くのですが、滝の轟音、水しぶき、迫力、美しさ、すべてにおいて形容などとてもおよばない圧倒的なスケール。

 

滝の間から魚がぴょんぴょん出てきたりして。


接近すると、かなり水しぶきを浴びます。晴れててよかった。

ラインの滝の水まで売ってるあたり、さすが観光地。


ちなみに今回の旅にはカメラマンが二人、同行しています。上は翠涛さんのセルフィ―ですが、後方に二人、カメラマンがいます。左はスティルカメラマンの原田康平さん。上はパリ在住のムービーカメラマン、小田光さん。写真右の美女は、IWCの広報担当の方です。
そしてランチをいただくレストラン目指してひたすら上へ上へと昇っていきます。(その2に続く)

Forbes Japan と IWCの共同企画、「The Code of Meの旅」にお招きいただき、スイスのシャフハウゼンに来ています。

 

シャフハウゼンはIWCの本社を擁する美しい街。スイスの国境にあり、宿泊は国境を越えたドイツのオーベルジュです。これから毎日、国境を越えて(といっても警護がいるわけでもなく、いたってのんびりとしたもの)取材に行くことになります。

ホテルは「レストラン&ホテル アルテン ラインミュール」。高級ヒュッテのようなインテリアのレストランからは、豊かな自然とともにあるライン川の流れを眺めることができます。


部屋に入ると、IWCからの美しいチョコレートとカードが。

部屋のなかはきめこまやかなあたたかさを感じられる居心地のいいインテリアです。水回りも快適で広々としており、ハイテクは一切ないのですがコージーな雰囲気でくつろげます。

 

初日の夜は、今回のメンバーである円谷プロ取締役の竹尾純子さん、オペラ歌手にしてマーケティングのプロフェッショナルである武井涼子さん、書家の中塚翠涛さん、Forbesの谷本有香さん、そして動画・スティールのカメラマンである小田光さんと原田康平さん、そしてIWCのプレスである南出瑠璃さんと顔合わせのディナー。今の季節は日が長く、21時ごろまで明るい夕日が照らすライン川の風景を楽しみながらの食事で盛り上がりました。

細部まで手の込んだおいしいお料理でした。とりわけシャリアピンステーキが最高でした。ハーフポーションでも二度に分けて供され、それぞれのボリュームもたっぷりで、やや日本人には多すぎるかもしれない
…。しかし絶品。

 

雲と空のバランスが刻々と変わり、雨が突然落ちてきて、止んだと思ったら虹が現れ、その虹が二重になり、それぞれがさらにライン川に映され、4つの虹を見ることができたという幸運。

ライン川の流れは思ったよりはるかにスピードを感じさせ、夕日の照り返しを受けて木々の色がドラマティックに変わっていきます。幻想的な光景でした。

翌日からハードにスイス時計文化の取材が始まります。

遅まきながらようやく伺うことができました。横浜美術館での「ファッションとアート 麗しき東西交流展」。

絵画から陶器、アクセサリー、衣装、小物、家具、カトラリー、テキスタイルなど211点。発見の多い展覧会で、やはり写真では伝わらない本物の迫力のオーラを全身で浴びました。19世紀のヨーロッパに日本のキモノが与えた影響は、想像していた以上のものだったように思います。


写真撮影可能なコーナーはほんの一角ですが。


ついでに家族サービス。ファミリーで泊まるにはここの適度なゆるさがいい感じなのです。眺望最高なこちらのバスルームには癒されます。


潮風も心地よく、陽ざしも快適で、花も緑も美しいベストシーズンですね。

ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町を訪れました。「ラグジュリー・コレクション」と謳うだけあり、都心にありながら別世界にいるような贅沢な時空を体感できる、あらゆる意味で最先端のホテルでした。ホテルのデザインは、マドリードのデザインディレクター、エヴァ・ロンゴリア。

紀尾井町のガーデンテラス・タワーの30階から36階がプリンスギャラリー。この日はクラブフロアの34階でした。

館内はなんともいい香りがして、聞いてみると、プリンスギャラリー専用のオリジナルアロマを漂わせているとのこと。樹木の香りにフランキンセンス、さらにベルガモットなど柑橘系の香りもブレンドされています。フロントでも購入できるとのことでしたので、即決で購入しました。笑。 フランキンセンスはキリスト生誕のときに東方の三賢者が贈った3つの贈り物のひとつ。なにか清められるような感覚があり、脳内から神聖な世界へ連れていってもらえます。

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部屋に入ると、統括総支配人の武井久昌さまより、ウェルカムフルーツが届いていました。感激! ありがとうございます。

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ツインルームで42㎡、ベッド幅もたっぷりのゆとり。

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窓際はこのような作りになっていて、ガラス越しとはいえ、外の景色とダイレクトにつながり、天空のなかにいるような感覚を味わうことができます。

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見下ろすと、真下には衆議院と参議院、それぞれの議員宿舎が見えます。

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室内の家具は、テレビをはじめとして最先端のテクノロジーとデザインが駆使された高級品で、場所をとらないのにきわめて効率のいい働きをしてくれます。悠々とリッチなバスルームの壁はガラスばりで、明るく広々とした印象をさらに強めていますが、スイッチひとつでくもりガラスに変わり、入浴時には外から見えなくなります。今はこんなことまでできるんですね。

ホテル内の説明はすべてアイパッドひとつでスマートにわかるようになっていますし、ルーム内のあらゆるスイッチもハイテクなタッチパネルになっています。シンプル&リッチ。

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アメニティは高級スパラインのRemede(ルメードゥ)。これでシャンプー&トリートメントをすると、つやつやでコクのある髪になります。ボディローションの香りもアロマティックで癒されます。

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女性用の基礎化粧品セットをお願いしたら、なんと資生堂最高ラインのクレ・ド・ポーのミニサイズのセットが! 嬉しすぎます。

表面だけを見ると一切の無駄も余分な装飾もないのですが、引き出しや扉をあけるとゴージャスな食器や調度品などが収められていて驚きます。お茶のセットが入った引き出しには、南部鉄器の急須が。

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東京の絶景を眺めながらのクラブラウンジも居心地がよく、カクテルタイムには、ルイ・ロデレールのシャンパーニュはじめ、おいしいワインとお料理やおつまみが用意されています。

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夕食は「蒼天」でお鮨をいただきました。ここはほかにも鉄板焼きはじめ多種類の日本料理を扱っています。鮨専用カウンターは、アーティスティックなインテリアで天井も高く、なんともよい空気感。しかも、お鮨にあうワインの品ぞろえも豊富で、これはワイン派にはなんとも嬉しい限りです。今回は、シャブリとともにいただきました。好みや苦手に合わせてスマートに最高のディナーを供してくださった東山淳二さん。大満足でした。

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2階分を吹き抜けにしたスカイラウンジ、レヴィータは、天井から床まで光の滝が流れているようなイリュージョンを見せてくれます。外国からのゲストも多く、多国籍というか無国籍な雰囲気。

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フロントのインテリアはじめソファや椅子の配置においても、過剰な装飾は一切ないのにすべてが上質なのであかぬけた品格があるという、現代のラグジュリー感覚を押えた王道をいっている印象。英語でいう、Sleekな感じ。なめらかで優雅で最先端感がある、というような。

2.18.15
スパには、ガラス張りのプールや浴場があり、サウナからも外を見ることができる作りなので、閉塞感とは無縁で、別天地のリラックス感が堪能できます。邪魔にならない程度のBGMが流れているんですよね。タオルやバスローブの感触もよく、エステルームから香るスイスの高級化粧品ラインの香り(たぶん)も心地よいので、五感すべてがおもてなしされている感覚に満たされます。

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就寝前に部屋に戻ると、総支配人の大森伸翁さまからのメッセージとともにチョコレートとお菓子が用意されており、あたたかな気持ちで眠りに入ることができました。

翌朝は、ビル群の向こうに見える東京湾からのぼる朝日を眺めながらのスパと朝食。

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交通費をかけず、遠いところまで旅行に行って帰ってきたようなトリップ感を楽しめました。ザ・プリンスギャラリーのスタッフのみなさま、心づくしのおもてなしをありがとうございました。2月もあと1週間、よいエネルギーをチャージできて、なんとかがんばれそうです。現代における最先端のラグジュリー感覚も体感できました。今後の仕事にも生かしていきたいと思います。

少し時間が経ってしまいましたが、まだ感動の余韻が続いております。11月1日夜、パークハイアットホテル東京のスイートルーム見学会にお招きいただきました。

客室階に向かうエレベーターや廊下も落ち着きのあるリッチなグリーン系で統一されており、期待を盛り上げてくれます。デザイナーは、開業のときからずっと、John Morford氏だそうです。

この日に案内されたのは、「ロスト・イン・トランスレーション」のロケにも使われたパークハイアットが誇るスイートの中から、3部屋。まずは「2番目に大きなスイート」こと50階のTokyo Suite。220㎡、1000冊のライブラリやアートが飾られる、ちょっとした邸宅のようなスイートです。プライベートキッチンや住みたくなるようなバスルーム。隅々まで徹底的に行き届いた美意識。あまりの贅沢感とシャンパンのおいしさ(!)に写真を撮ることも忘れ、気持ちのいい空間にどっぷり浸る幸せを味わいました。

次にご案内いただいたのが、「3番目に大きなスイート」こと、Diplomat Suite。160㎡。グランドピアノがごく自然におかれ、300冊のライブラリやアートピースが品よく飾られています。本の配置も、インテリアデザイナーのJohn Morford氏が一冊一冊すべて決めています。トーキョースイートの1000冊の蔵書も同様で、適当に置かれているように見えますが、背表紙の色や高さで選ばれているそうです。それもMorford氏のこだわりで、彼の「アート」なのですね。12人座れる会議室もありますが、東京全体を爽快に見下ろせるこの部屋なら、滞る案件もよい結論が出るのではないかと思ったり。

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そして最後に案内されたのが、51階にある、最大の広さを誇るPresidential Suite。290㎡。ホテルのスイートルームというよりもむしろ、豪奢な邸宅といった趣き。アートがふんだんに飾られます。

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南東に面したガラス張りのバスルームは、想像をはるかに超えるゴージャスな迫力でした。

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バスルーム、というカテゴリーに入れていいのかわからないほどのリッチな空間。

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あまりの広さと贅沢さと高さに迷子になる。where am I? という気分がよくわかりました……。この3種のスイートルームのほかに、スタンダードスイートルームは各階に、ディプロマットスイートは48階、49階にもあるとのこと。

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会場で偶然、一緒になった堤信子さん(左)と、PR会社経営の藤井裕子さん(右)と、記念写真。

“Lost in Translation” のなかのシャーロットのセリフ。”Let’s never come here again because it would never be as much fun. “(もう二度とここには来ないことにしましょう。これ以上楽しいってことは絶対ないだろうから)。

おそらく東京のホテルのなかでも最高峰にあたるであろう3つのスイートを周遊できるのは貴重な経験でした。また訪問できるかな?笑

各スイートルームの詳細は、こちらに。

 

Spaecial thanks to all the staff of Park Hyatt Tokyo, especially Ms. Sayako Ishikawa.

“All real education is the architecture of the soul.” (By William Bennett)

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最終日の最後には、卒業セレモニーが用意されていました。つい先ほどまでのレッスン風景の写真が、感動的な動画になっていて(結婚式の最後に流れる動画のように)、いつの間に撮ったんだ!?という無防備な写真ばかりですがいっそうジワっとくるものでした。髪を巻いているヒマなどあるはずもなく、毎日、文字通りのノーメイクでトレーニングに没頭していましたが、それもまたよい思い出。ca 71

ひとりひとり、修了証書を授与されたあと、並ぶスタッフそれぞれにハグや握手でのお別れ。アメリカ式ですね。

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今回、中心的に面倒を見てくださったUCIのインストラクター。左から、Roger Dupuy, Michelle Ryan, Chris Stillwell, Karl Kottman。彼らは自称「Crazy Americans」でしたが(笑)、ほんとうにオンオフの区別なく、きめ細やかに、こちらが気付かない深いところまで親身になって、的確に面倒を見てくれた。

さらに、ひとりひとりがスピーチ。ca 46

原稿もなく心の準備もなく、いきなりの英語でのスピーチというのは、かつてなら怯んでいたでしょうが、完全ではなくても、勢いでなんとかなっちゃうものでした。それはやはり、オーディエンスとの信頼関係も大きい。この人たちの前だったら、別に恥をかいてもかまわないというか、多少ミスをしても本意は伝わるはずという安心感があったから。日頃の教室でも、そのような雰囲気を作り上げることが大切なんですね。

Discover, Engage, Transform を地で行く濃密な一週間でした。思い通りに表現できない悔しさにも泣きましたが、かつて味わったことのないマインドセットの「変容」の経験をさせていただきました。これまでただ学生による授業アンケートの評価に安住していた自分がいかに生ぬるかったか。上には上がまだまだある。この経験をこれからの現場に生かしていきます。素晴らしいプログラムを用意してくださったUCI, そして明治大学国際連携部に心より感謝します。また、「たまには家事を忘れて思い切り勉強してこい」と背中を押してくれた息子たちにも感謝。留守中の彼らをそっと見守っていてくれた優しい友人・親戚にも。みなさまのおかげです。

 

 

 

朝一からクリスのハードなレッスンとワークショップ。効果的な質問の仕方、ディスカッションの仕方を実践的に学んでいく。「Yes / No 」で答えられる質問はしない(そこで議論が止まるから)”Do you understand?” “Why don’t you understand?”なども悪い質問例。ca 51

(Prof.Yuichi, Prof. Suzanne, Prof. Keisuke.)

ではどうするのかといえば、パラフレーズ(言い換え)を続けていく。”What I am hearing you say is……” とか、”It sounds like you are saying……”とか。本人に答えを見出させるのが目的であって、決してこっちが答えを押し付けるような真似をしてはいけない。このあたり、カウンセリングの手法ですね。

学生に答えを作り上げさせるこの手法を、Constructivism  というそうです。=Let students help themselves という考え方。演劇みたいですな。

そして教師は常に能動態でクラスに臨めと。Surprise, Make Think, Make Laugh, Scare(笑)など。

ca 50                                                                                                    (右端がChris)

なかでも基本となる能動態動詞が、Create.  Create the happy place for everyone.  クラスの全員すべてが、自分は受け入れられていると感じるような雰囲気を作ること。これまで学んだすべてのテクニックがそのためである、と。もし、クラスの雰囲気がネガティブなものであったら、それはほかならぬ教師の責任。環境は自分が創り出しているのだということを忘れるな、という厳しい指導に身が引き締まる思い。

そうですよね、これは大学の教室のみならず、あらゆる場面で言えること。周囲はいつだって私自身の態度の鏡だ。たくさんの人に囲まれているように見えてコミットしてくれるような人が一人もいないのは、コミットするようなことを私自身が面倒と思って避けているからですね。思い当たることいろいろ。自分のマインドセットや態度が、環境を決めていく。

とにかくクリスもロジャーも、教授法を超えて、本当の意味でコミュニケートするとは、エンゲージするとは、どういうことなのか?を本人たちが実例となって示してくれるのだ。

 

その後、ひとりひとりがファイナルプレゼンテーションをおこなう。月曜と比べ、それぞれが劇的に向上したり、よりその人らしさを発揮したりしている。なんだか感動。私はやはり繊細でこみ入った表現をしたいときにスピードが追いつかずにもどかしく思うこと多々、まだまだ英語のスピーキング力が足りないと思う。これはもう、口まわりの筋肉を慣らしていくのみ。卓球の練習をしていたときのように、ひたすらこまぎれの時間を見つけて実践的なトレーニングあるのみ。

とはいえ、ハッピープレイスを作るためのさまざまなインタラクティブな方法は、まだ「間」が悪いが、できるかぎりやってみた。今後、さらに工夫してやっていけそうなことも多々。

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思えば、大学教師をつとめて何年にもなるけれど「教え方」をこのように専門家から教わったのは初めてのことだ。他の参加者もそのように言っているし、日本の多くの大学の先生がそうだろうと思う。小中高の教師は教育実習なるものを受けているが、大学の教師にはそのような機会はない。自分の教え方を客観的に指導されることなんて、経験している人はほとんどいないのではないか。多くが我流。ないしは師の方法の継承とか。それはそれで味わいもあるけれど。

このたびのEMIのプログラムは、英語で教えるための訓練だったが、すべてのテクニック、考え方、戦略は、日本語で教えるときにも役に立つ。多くの場面で、さっそく応用・挑戦してみたい。

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引き続き、朝8時からガチなレッスン。クリスは、大量の情報のシャワーを休む間もなく与えながら、私たちにグループディスカッションをさせる。それを組み合わせて(ジグソー)、クラス全体の結論を創り出していく。話させる書かせる質問させる考えさせる答えさせる。だからほんとうにあっという間に時間が経ってしまう。レッスンに飽きているヒマもないという感じ。話したことはすべてクリスがすさまじい速さでパワーポイントに書きこんでいく。

こうしてみんなで作り上げた情報でもあるパワーポイントは、その夜のうちにメールで届く。いま、見るとほんとうに宝物、情報の宝庫だ。うわっつらの、というかすでに権威がつくったフィクスしたものではなく、その場、その時、そこにいた人々が、その空気のなかでのみ発することができた、生きたことば、ライブな知恵の集積なのだ。

今回、参加した同僚もすばらしいのである。みな、ホームに帰ればその道で有名な一流のプロフェッサーである。だから質問は鋭いし、教師や仲間をいじって笑いをとるのもお手のものだし、なによりも知的好奇心にあふれていてエネルギッシュ。個性的な彼らからも多大な刺激を受け続けている。日頃、ほとんど接点のない同僚とこうして「クラスメイト」として一日中一緒にいて、互いにファーストネームで呼び合い、課題をクリアし続けていると、戦友のような、不思議な連帯感も生まれてくる。こんな思わぬメリットが生まれるのも、海外集中研修ならではですね。

学んだ詳しい情報をすべて公開しているととうてい追いつかないので、また機会があるときにでも、追々に。

 

また、ランゲージレッスンでは、ボディランゲージを学ぶ。ついでにサイレンスやボディタッチ、アイコンタクトの意味なども。ぐっときたキーフレーズ、「ホンモノになるまでフリをせよ」。

 

午後後半は、各自メンターとのフリーの面談というスケジュールになっていたが、カリフォルニアまで来てビーチを見ていかないのはまちがっている(笑)という声が誰からともなく出て、スタッフとも相談したら快く協力してくれた。スタッフのカールとミシェルの車で、ビーチまでサンセットを見にいく。車で20分くらいのドライブ。

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超高級住宅がずらりと並ぶビーチは圧巻。テレビ番組のロケも。ca 23

夕陽の美しさは壮大で、左のほうに、太陽と同じくらいの大きさの七色に輝く球体が見えた。「シーボール」と呼ぶのだそうで、めったに見られないとのこと。天からの激励として受けとめました。ca 68
みんな黙り込んでしまうほどの、圧倒的に美しいサンセットでした。機会を作ってくださったUCIのスタッフに感謝。

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サンセット後は、UCIの教授お二人も合流して、近くのおしゃれなパブレストランでワインを飲みながら食事。大学のこと、研究のこと、映画のこと、日本文化のこと、人生のこと(笑)などなどを語って、よく笑った、楽しい夜だった。

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Photo of professors.  左端にいらっしゃるのはアフリカン・アメリカン・スタディーズのProf. Chandler。右端は日本文化を研究するProf. Willam Bridges。ウィルは日本語がぺらぺらで、日本文学にやたら詳しい。専門だからあたりまえなのですが。私の名刺をコースター代わりにしていたので怒ってみせたら(ジョークでね)、日本人のように「キョウシュク」していたのがおかしかった。

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そろそろ疲労もピークに達しているのですが、あと一日……。

 

 

 

 

ロジャーことロジャー・デュプイのドラマチックなレッスンからスタート。いきなり、「スターウォーズ」の台本読みのシーンから開始。スクリプトがいかに大切であるかということを印象づけられたうえで、Thinking in Pieces という考え方、そしてFlipped Learning の実践的方法を学ぶ。

Thinking in Piecesを具体的に理解するために、A4の紙を8つに折らせる。それぞれのセクションにスクリプトを書いていくのだ。

1. Metadata  2. One Important Term  3. Definition  4.Picture  5. Sentence of Reason (Why the learning of this topic is important)  6. Tell a Story  7. Mention the Term again  8. Metadata

1ピースに1テーマ。このようなピースに分れたスクリプトを作っていくことで、話すほうもロジカルに話を進めていくことができ、聞く方もわかりやすくなるという仕組み。

Flipped Learning は、20世紀的な授業の進め方を反転する学習方法。これまでは、学生は学校で先生の話を聞き、家でホームワークをする、というやり方だった。それを反転させる。つまり、学生は家でパソコンなどを通して学び、学校では議論をしたり作業をしたりする。

これによって、学生をUnleashする! 束縛を解いて自由にする、という感じでしょうか。

従来、プロフェッサーのイメージは、知識を一方的に授ける賢人であった。しかしこれはもう時代遅れ。インターネットに知識があふれているような現代では、学生の理解を導くガイドであることが求められている。

そのために、学校は、インタラクティブな作業や議論をする場にしなくてはならない!

というわけで、インタラクティブな場にするための、雰囲気の作り方、学生のコントロール、よい質問の仕方、グループワークの方法、必ず挙手させる秘訣、ときどき立って運動させる具体的な方法、などなど、ユニークな方法をたっぷり学ぶ。

そしてなによりもやはり、このようなやり方だと、教師のヒューマニティーが否応なく問われるのですね。

ロジャーはHumanity is Charm. と強調し、どんどんあなたらしさを出していきなさい、英語が完璧でなくても。そのほうが活発なクラスになっていく、と話す。たしかに。

20世紀的な「プロフェッサーらしさ」というものに、あまりにも私はひきずられていたかもしれない(これでも。笑)

賢者からガイドへ。このマインドセットの大転換は、一種の革命……。300人クラスでこれをやるのはビッグチャレンジだ。

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UCIのモットーは、Discover Engage Transform. 発見せよ。深く関われ。変容せよ。インストラクターたちのエンゲージの度合は、想像以上に深い。それゆえ、こちらも感化されていやおうなく変容する。

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午後は、今になって時差ボケが出て、ハードなスケジュールの疲れもかさなり、ややつらかった。おまけにこの研修のためにわざわざ買っていったマイクロソフトのSurfaceの電源が入らなくなった。同僚にアダプタを借りても、ネットで調べた再起動の方法その他もろもろを試してもダメだった。なんだよマイクロソフト。

 

それでもなお、刺激的なレッスンに頭が冴える。実践的なディスカッションの方法、シラバスの作り方、クラスルールを設定するメリットなどなど、おびただしい量の情報を、感動とともに学ぶ。

 

 

ランゲージ運用レッスンのあと、UCIの教授に面談。ラテンアメリカ文学を専門とするDr.ホレーシオ・レグラスにお話をうかがう。

スペイン文学や映画の話、授業の進め方、大学の制度など。なんという贅沢な時間。

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ランチはUniversity Centerで。ここも美しくてレストランのバリエーションが豊富。

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たっぷりの野菜サラダに肉(ビーフかチキン)、少しのパン、というのが「定番」になりつつつある。日本にいるときよりも大量多種類の野菜を食べていてヘルシーな気がする。ただ、昼休みが一時間しかなく、広大なキャンパスの移動時間も考えると、あわただしい。

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午後はクリスことクリストファー・スティルウェルによるスピーディーなレッスン。

EMIの問題点を政治的な側面、大学運営的な側面、教育的な側面、学生からの視点、教師からの視点、それぞれを通してすべて洗い出していく。参加者からどんどん出てくる意見をクリスが驚異的な速さでパワーポイントに打ち込んでいき、それが現前に「書かれた文章」となって表れていく。パワーポイントのデータはその日のうちに、各自にメールで送られてくる。だからメモをとることに気をとられず、議論に集中することができる。このやり方、いいなあ。ただクリスは毎日そのために夜遅くまで準備している。情熱と体力が半端ではない。

さまざまな議論と、それに対する対策が出たなかで、私が授業のやり方として取り入れるべきと感じたのは、コミュニカティヴな方法。教師が一方的に知識を授けるという昔ながらのやり方ではダメ、双方向的にコミュニケーションをとりながら進めていくべき、と。

そのためのクラスの雰囲気の作り方の具体的方法、質問の方法、議論の方法などを学んでいく。実に細かく、実践的だ。いままでぼんやりとしていて「あえて学ぶ必要もない」と思わされていたことを、明確な言葉と、インストラクターであるクリス本人の態度そのもので、はっきりと教えられる。

でも私の授業は一クラス200~300人だ。ホールでの講義。小人数ならいいけど、これにどうやってインタラクティブな方法を取り入れていくのか? いくつか試したいと思った方法があるけど、果たしてうまくいくのか? これからの課題。

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ハードな一日を終えて帰りのシャトルバスを待つの図。Prof. Yuichi, Prof. Keisuke.

オスカーセレモニーに次いで、スーパーチューズデーもアメリカで体験できたのは幸運。下は翌朝のUSA TODAYの一面。大学のスタッフは、「毎朝ドナルド・トランプの顔を見なくてはいけないという状況にうんざり」と言っていた。

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“Let us absolutely clear about one thing: we must not confuse humility with false modesty or servility.” (By Paulo Coelho)

“It is not serving, but servility, that is menial.”(By Hortense Odlum)

“Servility always curdled into rage in the end.” (By Tina Brown)

一日目の午後は、参加者8人それぞれの模擬授業、10分~15分。

英語でのプレゼンテーションのやり方もさることながら、8人それぞれのアカデミックな研究領域の具体的な内容も知ることができる。奴隷制度、ガヴァナンス、映像表現、Kawaii、視覚文化、マーケティングなど。各分野の専門用語のシャワーを浴びたことはなかなか新鮮な体験で、ひるがえって、自分の専門領域のこと(ファッション文化史)をどのように英語で説明していくとわかりやすいのかということを考えるヒントをたくさんいただいた。

インストラクターのクリスとロジャーからのコメントばかりではなく、参加者からの手厳しい(笑)コメントももらえて、これまで自覚していなかったことがあぶりだされてくる。

とどめは、やはりスタッフのひとりであるカールが撮ってくれたプレゼンテーション中のビデオですね。これを見て反省点などを書く課題が出されるのだけれど、自分の姿が正視に耐えない。

ひどく落ち込む。

金曜日の最終日に、改善点をふまえてファイナルプレゼンテーションをすることになる。

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同僚のProf. Connie, Prof. Keisuke, Prof. Yuichi, Prof. Takane. インストラクターたちはすぐに私たち全員の名前を覚え、ひんぱんにファーストネームで呼び、コールドコール(いきなり指名すること)をしたりする。一秒の気も抜けず、時間を忘れるほど集中しているうちにあっというまにレッスンが終わる。

初日は、自分のダメさ加減ばかりが目についてほんとんど卑屈になりかけるが、卑屈と謙虚はしっかり区分せねばとぎりぎりの自尊心を保つ。

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UCIのシンボル、アリクイ。ca 62

キャンパス内はとにかく花と緑にあふれて、胸がすくほどに広大で、癒される。

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ホテルの部屋から見下ろすとプールが見えるが、早朝から夕方までのレッスンと、大量の宿題で、なごむ時間もなく。ca 79

 

 

 

UCI (University of California, Irvine)での研修初日。これから一週間は朝8時開始、夕方5時終了というハードなスケジュールでみっちり「学生」として学びます。ca 44

今回の研修は、EMI (English as Medium of Instruction) プログラム。「英語を母国語としない」教師が、それぞれのアカデミックな領域を、「英語を母国語とする学生も含む多様な学生」に対し、英語で教えるための戦略や技術を学ぶ、あるいはよりブラッシュアップするための集中コースです。大学の国際化にともない、英語を母国語とする学生、留学生もますます増加の傾向にあります。そんな学生に対し、英語で専門科目を教えるということがあたりまえの能力として求めらる時代に入っています。

UCIのエクステンションではこの分野を専門的に研究し、教えているスタッフがいて、今回は彼らが明治大学のためにつくった特別プログラムに参加させていただくことになりました。

最初のオリエンテーション講義からマインドセットを変えるものでした。

インストラクターの一人であるロジャーは、ホワイトボードに、「これまでの人生でもっとも教育上、大きな影響を与えてくれた人」の名前を書かせます。

8人の参加者、それぞれが、自分の父だったり、母だったり、小学校の先生だったり、高校の先生だったり、アドバイザーであったりと、「自分の教育にもっとも影響を及ぼした人」の名前を書いていきます。

ロジャーは次に、「では、どのような意味で、そう思うのか?」をひとりひとりに説明させます。

「経験が豊かで、現実に対処する方法を教えてくれる」「科目への愛があふれていて、先生が好きになるあまり科目まで好きになった」「好奇心を刺激してくれた」「自分の才能を信じさせてくれた」「寛大だった」「自分自身になることこそが人生の目的だと教えてくれた」などなど、理由が続々と出てきます。

ホワイトボードに書かれていく理由を見ているうちに全員が実感すること、それは、

偉大なる教育者であった人は、決して莫大な知識の持ち主ではなかった、ということ。

むしろ、偉大なる教育者は、すぐれたヒューマニティの持ち主であった、ということ。

講座の締めくくりに、ロジャーは言うのです。

「いつか、あなたの学生が、このように、ホワイトボードにあなたの名前を書く。そんな日が来ますように」。

技術や戦略や知識も学んでいくのですが、それ以上に、教育にとって必要不可欠なのは、教える側の人間としての人柄や心の豊かさであること。それをプログラムの最初に叩きこまれたわけです。

 

 

学生のカフェテリアでは多彩な料理のなかから食べたいものを選んでいく。野菜をたっぷり使ったヘルシーな料理も充実。ca 39

久々に「学生」に戻ると、教室で「学生」として過ごすときの気持ちもあらためてよくわかる。

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学内には、このように、スター教授のポスターが掲げられている。社会的な貢献をなしとげた女性の教授が、さながら女優かなにかのように。こりゃあ、研究者のモチベーションも上がるなあ。研究者に憧れる女性も多いという社会的な空気も、こうやって醸成されていくのかもしれない。

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” I thank you all for this amazing award tonight. Let us not take this planet for granted. I do not take tonight for granted. ” (By Leonardo DiCaprio, at Oscar Winning Speech)

One day off before starting a hard week.IMG_2065Visited Fashion Island, New Port Beach, 15 minutes drive from Costa Mesa.FullSizeRender (9)A kind of theme park about American Fashion.

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Heaven or Hell?FullSizeRender (15)FullSizeRender (12)FullSizeRender (11)

After returning to Hotel, watched Oscar ceremony.  Congratulations to Leo! This was his night.

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オスカーセレモニーを同じカリフォルニアで(テレビですが)同時刻の夜に見られるというのはなんという幸運。この日は世界中がレオの受賞を待ち、讃えた日、という印象でした。スピーチも貫禄。冒頭に引用しましたが、「この地球環境をあたりまえに与えられたものと思わないようにしましょう。ぼくも今夜のことをあたりまえのものとはせず、とても貴重なものとして大切に守ります」というニュアンスを感じました。もっと若くして受賞していたら、果たしてこれだけのことばが出てきたでしょうか。総立ちで彼を讃えるオーディエンスの表情に、映画業界全体の、レオへの敬意と愛情を感じました。

“When I despair, I remember that all through history the way of truth and love have always won. There have been tyrants and murderers, and for a time, they can seem invincible, but in the end, they always fall. Think of it–always.”
(By Mahatoma Gandhi)

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Came to Orange County, CA.  To attend the Oscar ceremony.

Joking.

I shall go through some program at University of California Irvine Extension.

大学の研修で、カリフォルニア大学アーバイン校で一週間どっぷり過ごすことになりました。オレンジカウンティあたりは治安の良さにおいてアメリカでもトップクラスだそうで、見た目は品のいい人が多いという印象。親日家も多く、滞在ホテルのそばには日本系スーパー「Mitsuwa」があったりします。およそ日本のスーパーと同じ品ぞろえ。

それにしても広い。今回は同僚8人とともに来ていますが、そのなかの一人、K先生いわく「どこまで行っても自然を征服できないというこの広さに、人は絶望するんじゃないか」

人込みの中の孤独がもたらす絶望とは違う、延々と自然の光景が続き、どう人間ががんばってもこれにはかなわないという絶望。それにも負けず淡々と開発してきたパイオニアのおかげで今があるんですよね。

コスタメサのショッピングモールも、延々と続きます。地図だとすぐですが歩くと20分とか。

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コスタメサのモールのなかのレストラン、 Hamamori で頼んでみたカリフォルニアロール。海苔が外側に巻かれていないことと、アボガドがポイント。美味。ca 5
同じくHamamori のビーフサラダ。食べても食べても終わらない。

 

 

富山にはあまりゆっくり滞在できなかったのですが、イベントの日の夜と翌日の昼に、友人たちに駆け足で富山新スポットを案内していただきました。

できたてほやほやの市立図書館、「キラリ」。建築家は隈研吾さんだそうです。
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そしてレトロモダンな街並みに変身中の岩瀬。8.24.1日本酒の満州泉の製造・販売を手掛ける桝田さんが、岩瀬じゅうの家を買い取って改築し、若い才能あるアーティストを招いて安価で家を供与し、岩瀬の町の、内実も外観もアーティスティックに変えている。8.24.3電線はすべて地下に埋められている。改装された家々は(銀行までも)「町屋」風でどこかモダンな景観はとても落ち着くし魅力的。桝田さんのやっていることは、芸術のパトロン、メディチ家みたい。8.24.2

1日はチャーリー・ヴァイスのバースデーパーティーの前に、花園神社で花見。伊勢丹メンズ館靖国通り側入り口のすぐ目の前にあるのに、きちんと参拝したことはありませんでした。4.1.16 境内にはメインの拝殿のほか、芸能浅間神社、威徳稲荷神社が。芸能浅間神社は社の隣に藤圭子の「夢は夜開く」の歌碑があったり、芸能人の名前が書かれた札がずらりと並んでいたりと、ミーハー心が刺激される。4.1.13 名札の行列の奥には二宮尊徳の像。才能を開花させるにも日々の勤勉が大切、と教えているような。4.1.12威徳稲荷神社の社は、小さな鳥居を20くらいくぐってたどり着く。恋愛や結婚や子宝などにご利益のある神様だそうです。4.1.11 神社の隣には新宿ゴールデン街が。日の明るいうちに歩くとなんだか沢田研二主演の「悪魔のようなあいつ」なんかに出てくるドラマのセットを歩いているような気分になる。4.1.10 近くには廃校となった小学校を事務所にしている吉本興業が!!異次元にまぎれこんで旅をしてきたような不思議な感覚で満たされたパワースポットでした。近辺を歩くとさらに昔の文豪の小説やエッセイに出てくる有名なバーの看板もぞろぞろ発見したりして、4.1.19

年度初めのお参りにふさわしい最高のお花見だったかもしれません。

4.1.17

イタロに乗って、ミラノへ北上。イタロとは、フィアットの会長とトッズの社長が共同出資して作った鉄道会社が走らせる特急電車。私鉄ですね。塗料の赤はフェラーリの赤と同じものを使っているらしい。内装もスタイリッシュで、なんといってもwi-fi無料というのが助かった(イタリアのホテルではすべて時間制で高く課金されました)。

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待合室までスノッブな感じ。スタッフもみな赤い制服。

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ミラノの中心部はショッピングをする人でかなりの混雑。LEONで見るような、リッチなおやじと若いモデル風美女のカップルというのは都市伝説かフィクションだと思っていたが、ほんとうにごろごろ歩いていたので、お前は場違いと言われているようで居心地が悪かったです(笑)。結局、人と街を観察することに終始して、何も買わず。基本的にあまり買い物に時間を費やすことが好きではないのですね。日本でも、「ウィンドウのあれください」で、試着せずに買うこと多々(~_~;)

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日本と比べると、ショッピング街での男性比率が高いように見受けられました。

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何度か遭遇した武装軍団。ローマでは黒い制服の武装警察を見ましたが、ミラノでは、オリーブドラブのアルファ・ロメオに乗ったベレー帽の武装警察に目が釘付けになりました。車体に見える文字はGuardia di Finanza、経済事件専門の武装警察ですね。税務署からこの出で立ちでやってこられると思うと恐怖ですね。イタリアでは税務署がマフィアと闘ってきた歴史があって、武装する必要があるのだとか。そういえばイタリア系マフィア、アル・カポネも脱税で挙げられてましたね(アメリカの話ではありますが)。ベレーのかぶり方も決まりがあるようで、角度や密着度がばしっと統一されています。

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少し中心部をはずれると、八重桜が満開。

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ミラノでは中心から少し離れたプリンチッペ・ディ・サヴォイアというドーチェスター系のホテルに。

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どこもかしこも「ポッシュ」というか、フィレンツェの重厚ラグジュアリーとはまた異なる、モダンでスノッブな今どきミラノテイストで圧倒されました。バスルームも当惑するほど広く、アメニティはアクア・ディ・パロマ。

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ホテル内のスパにはこんなテラスもあり、ミラノ市内を見渡せる。サウナはハーブミストとドライ、二種類あって快適だったのですが、男女兼用で、バスローブをフックにかけておくことで、「誰かが入ってるのかいないのか」を察して行動せよ、という仕組み。

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イタリアのホテルは、そういえば、どこもアメニティとして歯ブラシを置いていませんでした。ほかはありとあらゆるアメニティが充実しているのに、歯ブラシセットだけが、ない。客室係にお願いすると、デンタルフロスまでついた立派なセットを持ってきてくれましたが。日本の旅館が「なにはなくとも歯ブラシだけはサービス」するのと、対極にありますね。

ここのホテルのレストランもモードな装いの笑わぬ美男美女(笑わないこと、これかっこよさには重要なのかもですね)であふれ、動くファッション誌のように楽しませてもらいました。

などなどと書いててなつかしきデジャブ感。そういえば30年ほど前、私は「レジャーアサヒ」の旅行ライターとしてデビューしたのであった。メキシコ、グアム、沖縄、奄美、国内温泉地などなど、旅しては書く、ということが天職だと思っていた時期があった(笑)。天のはからいで原点に還らせていただいた気分です。

ダイナースクラブさま、アリタリア航空さまに、あらためて心より感謝します。

北上してフィレンツェ。空気がゆったり澄んでいて、波長に合う。飛び込みで入るリストランテやバールがどこもおいしいし、人が親切。タクシーも正直(笑)。ようやく寛げる街に来たという感じ。Firenze_3

街全体がオレンジ色で、夕刻になるとオレンジ色の照明が灯り始め、あたたかみのあるいい雰囲気になる。アルノ川沿いを散歩しているうちにあっという間に夕刻から夜。

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フィレンツェではウェスティン・エクセルシオールに二泊。

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ロビーも重厚で広く、部屋もヨーロッパのラグジュアリーとはなにかを教えてくれるような快適で美しい空間でした。ホスピタリティもすばらしくて、なによりもチップを出しても受け取らないスタッフがいる(!) ローマで抱いたイタリア人不信を、フィレンツエで完全回復。

夕食はホテル最上階にあるSE.STOというレストランでとったのだが、インテリア、セッティング、サービス、味、雰囲気(窓の外にはルネサンスの眺め)、すべてにおいて、これまでで最高のレストラン体験をさせていただきました。

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背景に広がる空間は、なんとガラス張りになっているテラス席。客層もかなりよいと思われ、思わず見とれてしまうような美男美女のカップルやらグループやらでほぼ満席。

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日曜の朝。部屋から見る朝日。定時に鐘がなりひびくのも、情緒があります。

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こんな自転車おやじ軍団にも遭遇。レースかなにかだったのでしょうか。

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アルノ川の対岸には、釣りを楽しむ人たち。みごとに等間隔に並んでいたのが、イタリア人っぽくなく(?)面白いな、と。Firenze_10

フィレンツェではいわゆる「観光」をせず、ホテルまわりでゆったり過ごした。有名なポンテ・ベッキオは、駅に向かうタクシーの中から鑑賞。

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ローマからバスでヴァチカンへ。ローマ教皇が統括するカトリックの総本山となればやはり見ておきたいと思って。

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宮殿の威容にも圧倒されたけど、なんといっても美術館が、ケタ外れのスケール。500年分、歴代の教皇の収集物が延々と続く。

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ガイドさんに解説してもらいながら4時間も歩く。足も目も痛い。とにかく神々の像がいたるところにあり、

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床はモザイク、天井も壁も空間恐怖のように絵が書き込まれている。

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回廊と回廊をつなぐ中庭にもなにげなくバンバン美術品が置かれている。

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 巨大な松ぼっくりの像も。なぜに松ぼっくり。

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クライマックスが、システィナ礼拝堂。ここでコンクラーベが行われる。根比べ?と疲労のあまり気が遠くなって、ほとんどおやじになっている。ミケランジェロが描いた天井画の「最後の審判」とか、側壁のキリストとモーゼの生涯の絵なんかは、キリスト教徒が見たらまた違う感慨なのだろうな…とぼんやりと見上げる。文字が読めない人も、こうやってキリスト教を学んでいくことができたのか。基本、写真はどこを撮ってもOKだけど、礼拝堂のなかだけは撮影禁止。下の写真はウィキペディアよりシェアさせていただきました。

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しばらく美術は見なくていい、というほど満腹。

ちょうどこの日、オバマ大統領もここに来ていた。警備のために道路に通行制限がかかり、それを理由にまたタクシーにぼったくられた…。油断もスキもないイタリアのタクシー。

気分を和ませてくれたのは、ローマのカラスでした。ツートーンカラー。カラスまでおしゃれね。

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通りは各国からの大勢の観光客であふれていました。このあたりで撮った自分の写真を見たら、疲労とぼったくり警戒のあまりおそろしい顔をしていた(^_^;)

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天からのギフト、幸運のイタリア往復チケットの期限は3月末でした。活かさなくては天罰があたると思って、なんとか3月最後の数日を確保してイタリア駆け足縦断の旅をしてまいりました。

アリタリア航空の往復チケットがあるのみで、ホテルの手配はじめ、すべて自分でやらなくてはならないというのは、実は初体験でした。たいへん勉強になりました…。

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到着地ローマ。映画の舞台になった場所を中心に「来た。見た。撮った。」シリーズ。まずはスペイン階段、「ローマの休日」。

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パンテオンは「テルマエ・ロマエ」でも使われてました。

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トレビの泉で「ドルチェ・ヴィータ」。タイミングの悪いことに投げるべきコイン持ち合わせていなかった…。最初で最後の、甘い生活。

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ナヴォーナ広場の角には、マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの「昨日、今日、明日」の舞台に使われたアパートが。

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ナヴォーナ広場の、オベリスクを囲む四つの大河の擬人像。「天使と悪魔」ではここで殺人事件が起きました。昼間見てもド迫力、夜はかなりおどろおどろしいだろうなあ。

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コロッセウムは当然、何度も見ている大好きな傑作、「グラディエーター」。

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お約束の「真実の口」。「ローマの休日」で有名になった観光スポットは、なんと写真を撮るのに30分待ち…。待ってる間、イタリア美女のガイドさんとおしゃべり。最近はポルトガルとブラジルからの観光客が増えているとのこと。

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ホテルの中ではヴィスコンティの「山猫」ごっこをしてみました(笑)。

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スペイン坂の上にある、「インターコンチネンタル・ド・ラ・ヴィレ・ローマ」という、旧貴族の館を改造したホテルで、

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滞在中には、ちょうどギリシアの大統領も訪れていた格式のあるホテルです。ものものしい警備のわりには、あっさりとホテルの前に路駐されていたギリシア大統領の車。

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内装が完璧に美しい、快適でラグジュアリーなホテルではありましたが、悲しいことにここで盗難にあいました。たいした被害はなかったのですが、タクシーにも二日間の間に二度ほどぼったくられました。イタリアではよくあることらしいですが、よほどお人好しなカモの風情だったんだと思う。ローマを経つ頃には人間不信のあまり、かなり険しい顔になってました(~_~;)

ま、恨みは忘れて、いいことだけを覚えていよう。「グラディエーター」のラッソーが演じていたマキシマスのセリフ。

"What we do in life echoes in eternity." (われわれが人生で行うことは、永遠にこだまのようにはねかえってくる)