12月17日におこなわれた記者会見は、高知新聞にも掲載されました。
そのほか、高知さんさんテレビでの放映はこちら、テレビ高知での放映の模様はこちら、でご覧いただけます。
ヤフーのコメントは思い込みによる脊髄反射的な感想も散見されますね。3年以上、この大規模プロジェクトに関わってきた立場から、メディアでもあまり詳しくは報じられなかった以下のようなことは、お伝えしておいた方がよいかなと感じました。
・創業100年を経た高知信用金庫は、多くの人がご自身の地元で想定されているであろう(コメントから推測して)貧相な金融機関ではなく、その対極にある、リッチな地域活性化のための機関であるということ。世界中の超一流アートがとてつもない規模で集められ、春野本部はイタリアの大理石と最強の鉄骨で守られた巨大なハイテク要塞(兼ミュージアム)であり、各支店も大理石とアート、植物と木調インテリア、最新のテクノロジーを特徴とする、「金融機関の窓口」のイメージを大きく裏切る店舗になっています。
・金融機関であるという基本を守りつつ、高知をアニメクリエーターの聖地にするための全国規模の活動を中心になって続けていること、高知の食と地域活性化を結び付けた事業を続々と行っていること、その他、高知の各公共施設の美化のために寄付や貢献しているなど、多くの場面でリーダーシップをとっていること
・山崎理事長は女性であり、(おそらく金融機関でもかなり珍しい)強力なリーダーシップでこれらのプロジェクトを推進しています。アートに彩られた美しい空間という店舗サービスの一環、地域の方々とともに汗を流して働くという働き方の一環として、ビジネスウェア全体を創りなおすというプロジェクトが2022年から進められているのです。
・そのために、ビジネスウェアの基本の組み立て方、各場面での仕事に対する向き合い方、それにふさわしい服を選択するときの美意識と知識の養成など、あらゆる方面にわたり研修を重ねてきました。春夏、秋冬、各3日間にわたる研修と受注会(加えて一日の新人研修)で、職員260名一人一人にあったオーダースーツ、オーダービジカジをご提供してきました。ディレクションと研修を私が担当し、尾張一宮の国島が現場を統括してきました。スーツ制作にかかる莫大な費用に関しては高知信用金庫が大部分を補助しています。職員は平均して一年に3~4着、スーツやビジカジセットアップを新調していることになります。マドラスとのコラボでオリジナルビジネスシューズも開発、チクマとのコラボでオリジナルスーツインナーも開発しました。そのワードローブ構成の蓄積があって、3つのドレスコードに関する今回の記者会見となったわけです。ただの「ビジカジやります」会見ではないのです。
・そもそも「ビジカジ」にしても軽装ではありません。むしろ、組み合わせを考える分、職員のハードルは高くなります。「めんどくせー」というコメントが見られましたが、おもしろいことに、こうした3年以上の研修を重ねていると、みなさん、目覚ましく変わっているのです。姿勢が変わり、ジムに通い体型が変わり、グルーミングが変わり、結果として自信をもち、仕事服を選ぶこと、着ることが楽しいという感覚をお持ちになってくる。その効果が仕事ぶりに反映され、ひいては企業全体のブランディングに貢献しています。(大前提として、仕事着ひとつに「めんどくさい」と感じる方は、山崎理事長が率いるこの金庫には就職できないと想像されます…。脊髄反射で表層的な批判をされる方は、一度、本部を視察され、ここにしかない固有の世界観をご覧になったうえで、ご意見を発していただければと願います)
・金曜日にあえてドレスアップフライデーを設定するのは、正統派スーツを着る機会を保ち続けるためです。世界のどのような首脳会議に出ても堂々と振る舞える正統派のフォーマルビジネススーツを週一回、着続けることで、いざという場面でもものおじせず、チャンスを確実につかんでいく自信を養成することができます。カジュアルフライデーという古い概念とは一線を画す、という意味合いもあります。
・利権などかけらもないプロジェクトです。国島はじめ関連企業は理念に共鳴して高品質を保ちつつリーズナブルな価格で提供しております。愛知の企業から受注したからといって高知信用金庫になにかの利益がいくわけではない。むしろ、高知の地元のスーツ企業からは嫉妬を買うリスクがあるのではないでしょうか。強いて言えば、細り行くスーツ業界に一筋の希望の光を当てるプロジェクト。ひとえに理事長の高い美意識と職員への愛があっての事業です。
こうした固有の背景、固有のストーリーがあっての長期にわたるビジネスウェア創造プロジェクトは、おそらく前例もないし、世界でも類例を探すのは珍しいケースです。ここまで徹底して顧客サービス、地域貢献に対する美意識を貫く企業との仕事は、それこそ唯一無二で、本当に学びが多かった。
どのような環境に身を置くか、どのような考え方の人たちと仕事をするのかで、固定観念も覆され、自分の成長も、見える景色も変わってくるのだと思います。狭い固定観念に凝り固まった「めんどくせー」では到達できない、豊かで新しい発見に彩られた景色を、職員のみなさまやスタッフとともに見ることができたのは、この上ない幸福でした。生きる喜びみたいなものは、「面倒くささ」を克服した向こう側に、深い実感とともに広がっていくものだと感じます。


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