Culture, Art, Music and History / 美術、カルチュア、音楽、ヒストリー travel / 旅行
2026年1月9日
東京で混雑を避けているうちに見逃してしまったビアズリー展を、なんと出張先の高知で堪能することができました。

ゆったりと鑑賞できた高知県立美術館は、建物もアート。

1993年に開館したこの美術館は、国分川のほとりに「浮かぶ」ように佇んでいます。設計は日本設計、環境建築設計事務所、山本長水建築設計事務所の協働によるもの。

特徴的な外観に採用されているのは、「土蔵モチーフ」です。土蔵はかつて、湿度変化の激しい土佐の風土から米や紙、藍、酒、そして漆器などの財を守り抜くための知恵の結晶でした。白い土佐漆喰の厚い壁と土佐瓦の屋根は、強い日差しや潮風、湿気から内を守るシェルターであり、同時に「蓄積の美学」を象徴します。文化資本を守り、次代へ渡す意思を外観で語る美術館になっています。

土地の叡智そのものを姿に変えた建築。高知県立美術館は、土佐の土蔵が持っていた「護りの精神」を21世紀のアートの器へと翻訳し直した、美しい「文化の蔵」でした。ミュージアムカフェのお料理も美味✨

至近距離でじっくり見るビアズリーの世界観にも引き込まれました。ビアズリー、エドワード・バーンジョーンズ、ウィリアムモリス、オスカー・ワイルド、イエローブックの世界については、20代の初めに河村錠一郎先生から直々に授業を受けていました。当時はなんのことかわからないままにぼんやりと聞いていたのですが、後々に、いろいろな場面で、意味がつながっていきました。

河村先生のちょっと気取った、でも情熱のこもった声は今も思い出すことができます。昨年秋に亡くなられていたことを知りました。感謝をこめて、ご冥福を祈ります。



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