2024年7月24日
谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』のなかの「懶惰の説」を読む読書会に参加。
大昔に読んだことがあった本で、再読ではあったがすっかり新しい印象。この本は日本の西洋化が進む「二重生活」の矛盾のなかで失われつつある日本の美点を指摘した本でもあった。
当時とは逆に、(行き過ぎ)グローバリズムから日本の伝統の見直しが進む今だからこそ、新しい発見が多い。伝統を見る視点と言葉を与えてもらった。
とりわけ「懶惰の説」は、努力や意志で勤勉にあくせく目標を達成していく西洋型に対する、東洋的「懶惰」の在り方からの痛烈な批判になっている。
面白いのは、谷崎自身は、勤勉に小説を書く、懶惰の逆タイプなのだけれど、ここでの論理はあくまで懶惰の側に立って東洋的なあり方の良さを説いている。この茶目っ気のある余裕がいいですね。
刺戟性の強い食べ物を食べ、精力を濫費する西洋型の養生法よりも、決まった粗食を少なく食べ、あまり動かない東洋型養生法のほうが長生きする、食中毒になることもないし、という指摘にも笑いました。コスパ・タイパでパーパスに向かってハッスルしても、帰結するのは同じところだからねえ、たしかに…(笑)
いくつも興味深い発見あり。おいおい、原稿や取材などに反映させていきます。伝統工芸を見るときにはやはり、グローバル化以前の視線や言葉を知っておくことも不可欠ですね(勤勉型すぎる自分)。


返信を残す
Want to join the discussion?Feel free to contribute!