2011年春夏のパリ・ファッションウィークは「ポスト・サイズ・ゼロ時代の幕開け」として記憶されるという記事、ガーディアン9月30日付。

パリコレ2日目に行われたコレクションでは、「プラスサイズ」(太めサイズ)モデル、4人の子を出産後復活した40歳のモデル、スパイクヘアの素人モデル、妊娠中のハリウッドスターなど、サイズゼロ(がりがり)モデルではなく、バリエーション豊かな女性たちがランウェイで見られたという。

バレンシアガのニコラ・ゲスキエールは、レギュラーモデルのなかに、街でみかけた素人、ヴェテランのステラ・テナントやアンバー・ヴァレッタ、妊娠中のミランダー・カーを。

ザック・ポーゼンは、クリスタル・レンをはじめとするプラス・サイズのモデルを。

どちらのショウでも、「非・サイズゼロ」モデルは、特別扱いされるわけではなく、ごく自然に流れの中に溶け込んで歩いていたとのこと。

ポーゼンのコメントが引用されていた。彼が服を作る対象は、「人生と、そのなかに含まれる最善のこと~恋愛や友情や食事~を愛している女性たち」。

とすれば、モデルの体型や年齢が多様になるのも、ごく自然な流れということである。

ロンドン・ファッション・ウィークではすでに意識的にモデル多様化のトレンドが創り出されている。でもパリ・コレクションだけは特別な「権威」、という雰囲気がどことなくあった。そのパリでの多様化現象の兆しである。

この流れは拡大するのか、一時的な試みに終わるのか、気にとめて見ておきたいところ。

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