◇「英国王のスピーチ」観る。予想していたよりも堅実で抑制のある印象。英国史では、エドワード8世&ウォリス・シンプソンをめぐる一連のスキャンダルが脚光をあびがちだったが、そのかげにかくれていたジョージ6世の慎ましく誠実な姿が、ほとんどはじめてこのような形で公に知られる形となった(もちろんフィクションは入っているとはいえ)。
宮殿の中、歴代の王&女王の肖像のショットが続いて、フルドレス(軍服での最盛装)のジョージに圧迫感を与えるシーンなど、英国史好きにはたまらならく魅力的な場面がいくつもある。
文句なしのオスカー受賞のコリン・ファースは、どもりっぷりが滑稽でなくリアリティがあって嫌みなくうまいし、エリザベス妃(クイーンマザー)のヘレナ・ボナム・カーターも、だんだん太っていく様子とか、手をふるときの首のかしげ方とか、細かいところまで、「らしい」。エリザベス、マーガレットという2人のプリンセスも、当時の写真から抜け出してきたようだし、チャーチル役のティモシー・スポールも、顔は似てなくても立ち居振る舞い方としゃべり方がそっくりで、じんわりとうれしくなる。
コスチューム的にはなんといってもガイ・ピアースが演じたエドワード8世。チェック・オン・チェックとか、パターン・オン・パターンの型破りメンズファッションを、ほんとに再現してくれていて、眼福ものだった。ガイ・ピーアスも、写真で見るエドワードの雰囲気にちゃんと似ている。ウォリスのジュエリーもすごい。背中にアクセントがくるあの豪華なジュエリーはヴァンクリーフかカルティエ?がたしか協力したと報じられていたものだろうか。ジョージ6世が主役のこの映画のなかでは、ふたりは完全に「ワガママな悪役」の位置づけであったが。
こうやって良質の王室映画がどんどん作り続けられることもまた、英王室のオープンネスの証で、それが王室人気を高めることにもつながっている。日本の皇室史にも負けず劣らずヒューマンドラマがぎっしりつまっていると思うのだが、私たちは、そのかけらを語ることも許されないムード・・・。というかそれ以前に、あまり知らされていない。ちょっと寂しい。
◇DVDで「食べて、祈って、恋をして」。久々のジュリア・ロバーツ主演ということで話題になっていたのだが、イタリア、インド、バリ、といった女性に人気の観光地をめぐって、おいしそうな食事と美しい観光名所を雑誌のグラビアのように映していっただけ、という印象ばかりが残る。ヒロインのドラマも「ワタシ」中心のきれいごとばかりで、きれいごとの羅列というのはつくづく人を退屈させる、という真実をあらためて認識する。自戒もこめて。
コリンフアースと言えば「ブリジット
ジョーンズの日記」でヒューグラント
といつも取っ組み合いの喧嘩してた人
ですよね。絶妙な繊細さを表現します
よね。オスカー取るとは、凄いですね。
あの喧嘩シーンも楽しいけれど多才な
俳優さんですね。
>たけいさん
「ブリジットジョーンズ」観たけど
喧嘩シーンはおぼえてないのです…(汗)。
でかパンツのシーンは覚えてるのに。
私としてはコリンの役でいちばん
印象に残っているのが
「恋に落ちたシェイクスピア」の
貴族の役かな。
グイネス・パルトロウがいやいや結婚
させられるつまらない男という設定
なんですよね、コリン・ファース。
脇役時代が長かった気がしますが、
ここへきて主役級の役が続いて、
今回の快挙。
みんな納得してますね。