24日(火)に参加したジャパン・グランド・デザイン研究会、ゼロ回を含むと第三回目。アークヒルズクラブにて。

震災以降問われている日本の社会のグランドデザイン。日本社会のあり方を見直し、どのような社会を実現すべきかを構想するグランドデザインを考え、国内外に発信していこうという研究会です。

立ち上がりのメンバーは次の通り。朝倉陽保氏((株)産業革新機構専務取締役/COO)、池口正浩氏((株)シーイーエスコーポレーション代表取締役社長)、加治慶光氏(官邸国際広報室国際広報戦略推進官)、柴田優氏((株)クロスポイント・アドバイザーズ共同パートナー)、寺田豊計氏(伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(株)取締役)、服部崇氏(経済産業研究所コンサルティングフェロー)、村上典吏子氏(映画プロデューサー)、中野。

業種はまったくばらばらなれど、枠組みを超えて思想や価値基準などをシェアして、日本の未来の創造に積極的に関わっていきたいという有志の集まりです。どこからの援助がでるわけでもない、まったくの手弁当での研究会。来てくださる講師も、趣旨を理解して、手弁当(講師報酬は出ない上に、自分の飲食代は自分で払うという…^_^;)で来てくださいます。

この日は、インダストリアルデザイナーのケン・オクヤマこと奥山清行さんをゲストスピーカーにお招きして、100年後のデザインを考える、をテーマに実に刺激的な話をたっぷりうかがいました。詳しくは後日、開設する予定のフェイスブックページと専用HPにて発信したいと思います。写真は、被災地のグランドデザインの構想を熱く理知的に語る奥山さん。

Ken_okuyama

ここではこの日、とくに個人的に印象に残った話。その1。日本人は一人一人は知性が高いのに、集団となるととんでもなくアホな選択をしてしまう。

その2。地方のシャッター街のさびれた光景。これまで私はあれを地方の衰退、格差社会の象徴とばかり思っていた。でも実は違う、と。シャッターを下ろしている店の店主は郊外の地主だったりして、商店街の店を閉めたからといって何の不自由もない。あそこにテコ入れしようとするともっとも抵抗するのがそういう地主たちであるという。実はあのシャッターは「地方の隠れた豊かさ」の象徴である(!)。地方にもよるとは思うのだけれど、この指摘はかなり衝撃だった。

その3。ケン奥山さんがフェラーリのデザイナーになったとき、もっとも反発したのが日本人だったという話。イタリア人は案外すんなりと受け入れてくれた。でも日本人は、フェラーリに「イタリア」を夢見る。なんで日本人がデザインするんだ、と怒るのだという。だからこそ、日本人に認められたとき、奥山さんは心の底からうれしかったという。このあたり、先だっての伊勢丹メンズ×Men’s EXのパーティーでお会いした、ヘンリー・プールの花形カッター、鈴木一郎さんの苦労を連想した。彼は日本での受注会に顔を出さない。日本人が、イギリス人に接客してもらいたがるからである。日本人はかくも「イタリア」や「イギリス」にファンタジーを必要としているのかと再認識。ま、私にもそのケはあるが(^_^;)。

これらについてフェイスブックで「友達」が寄せてくれたたくさんのコメントがなかなか興味深く、さまざまな視点から考えさせれた。もしよかったらそちらもあわせてご覧ください。

下の写真は、奥山さんが構想する「平成希望の五重塔」。500メートル間隔で海岸線にこれが建つ。発電装置を備え、いざというときには海岸線にいてもかけあがれば助かる。防波堤をはりめぐらすよりも、はるかに明るい景観を保つことができていいのでは。奥山さんは、「フェラーリの奥山、と呼ばれるよりもむしろ、平成希望の五重塔の奥山、と記憶されたい」と語る。

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ほかにも、人間の行動の本質までついた、「!」でクレバーなデザインが多数。後日、紹介しますのでもうちょっと待ってね!

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