「アンナ・カレーニナ」がすばらしすぎて二度見。当初、あざといと見えた演出に慣れると、物語の本質というか、時代が変わっても変わらない人間の真実があますところなく描かれていることがわかる。だからこその古典なんですね。
大学の文学部が落ち目で哀しいかぎりだけど、文学部に2年間身をおいた経験からいえば、文学部というのは、主に、人間の変わらぬ真実、時代や場所が変わっても変わらない心の動きや行動様式を学ぶところだったと思う。英語やらフランス語やらの語学じゃないのだ。まあ、いろんな考え方がありますが…。
で、ジョー・ライト版「アンナ・カレーニナ」、トム・ストッパードの脚本もすばらしい。あらためて学ぶところが多い。原稿にも書くが、書けなかった気づきをランダムにメモ。
草食男子など、この世にはいない。そいつはアナタに興味がないだけだ。絶食男子にいたっては、女が自分から神秘のベールをはぎとってしまった無謀な勘違い行為が生んだものだ。(反論も承知の上)
恋愛を幸福に続けるために必要なのは感情の素直な吐露ではない。むしろ感情の冷静なコントロールである。
不安に耐え切れず白黒決着をつけようとすると、関係は壊れる。相手に決着を強いるのは、エゴでしかない。壊す必要がないものを壊さないためには、ダメだと思ってもとりあえず放置し、ほかのことに没頭するのが正しい。時間がたって双方成長していれば、なるようになっている。
どさくさにまぎれ、FBに流れてきた英語のおことばから、思わずうなってしまった名言をピックアップ。知っておくと、心の免疫力を高めてくれますね。
「決して君を傷つけるようなことはしない、と言った人が、もっともあなたを手ひどく傷つける」"It’s funny how the people that hurt you the most are the ones that swore they never would."
「女は生涯に一度か二度、ワルイ男を愛さなくてはならない。ほんとうにいい男に感謝するために」"A woman has got to love a bad man once or twice in her life to be thankful for a good one."
「バカ者の定義。真実を知り、真実を見ていながら、なお嘘を信じている者のこと」"Definition of Stupid: Knowing the truth, seeing the truth, but still believing the lies."
「この上なく強い女は、あらゆる欠点を超えて愛し、扉の陰で泣き、誰も知らないところで闘う、そんな女である」"Sometimes the strongest women are the ones who love beyond all faults, cry behind closed doors and fights battles that nobody knows about."
ついでに、Dr.ユキコからの痛くてシンプルな真実。
「すべての理由は、惚れていないから・・に尽きます。今交際している彼、婚姻生活を送る夫の、自分へのそっけない、つれない、思いやりのない態度等につき、『なぜ、彼(夫)は、こういう行動をとるのですか?』と理由を一生懸命探そうとする女性の方がいますが、答えは簡単です。『惚れていないから』です。惚れていないから、彼(夫)はアナタに連絡もしないし、デートにも誘わないし、大切にもしないし、お金を使わないし、アナタの欠点を挙げ、文句をいい、ないがしろにするのです。いいですね?もう理由は探さないでください。理由は一つしかありませんから」
不可解な心理や行動探求の旅に、終わりはなさそうですね。真理なんて、ほんとはあるようでないのかもしれないし。Climax of Idealsへの道は遠くて険しい。To Be Continued…。
>恋愛を幸福に続けるために必要なのは感情の素直な吐露ではない。むしろ感情の冷静なコントロールである。
>不安に耐え切れず白黒決着をつけようとすると、関係は壊れる。相手に決着を強いるのは、エゴでしかない。壊す必要がないものを壊さないためには、ダメだと思ってもとりあえず放置し、ほかのことに没頭するのが正しい。時間がたって双方成長していれば、なるようになっている。
その通りです!
思わず膝を打ちました。
数年前に中野さんの著書を読んでからのファンで、ブログもときどき拝読させて戴いております。
この文章、プロの物書きの方に上から目線で申し訳ありませんが、本当に真実を表現しております。もやもやと頭の中で感じることをよくぞ的確に表現したくれた、天晴れと思いました。到底、わたしには書けない文章です。
(重ね重ね、上から目線ですみません。m(_ _)m)
>ジャキーさま
コメントありがとうございます。
喜んでいただければ物書き冥利に尽きます。
白黒つけようとして「白」を期待したのに「黒」になってしまった!
という悲劇をよく耳にします。
「はっきりさせたい、でないと発狂する」というそのぎりぎりの段階で、
いかに感情を冷静にコントロールできるか、
エゴを捨てられるか、
そこに女の力量が問われますね。
ご武運を祈ります。