2013年11月21日
仕事こぼれネタ。今回のお仕事には使えなかったけれど、あまりにも惜しいので。
文芸春秋2000年10月号、芦田淳「上流ファッション回想50年 最高にお美しかった美智子様が示された心遣い」。
美智子さまのお人柄を伝える数々のすてきなエピソードが紹介されている記事のなかの一節。というか、美智子さまのおことばの引用です。
「芦田さん、イメージを大切になさい。そのためには死守なさい。高いイメージをつくるには苦しい長い時間がかかるけれど、そのイメージも気をゆるめると一瞬にして転落するものよ。落ちたイメージはもう元に戻らない。また初めから低いイメージで出発したら、高いイメージになることはないのです」。
ラグジュアリー・ブランディングにも通じるお話。
もうひとつ、同じ記事から、美智子さまエピソード。
「老人ホームをご訪問になる時は、『芦田さん、ご老人がいちばん喜ばれる色は何色でしょうか』とお尋ねになります。冬季オリンピックが開催される時は、『表彰台に上がる時、選手たちにはどの色が励ましになるでしょうか』とお尋ねになります。ご自分が美しく見えることをお考えになるのではなく、常に相手の立場に立ってお考えになる方でいらっしゃいました」。
自分より相手ありき。相手を喜ばせることを考える。この心がけが、たぶん、愛される美しさのシンプルにして力強い普遍的なルール。自分を美しく見せたいというエゴがちらと見えたとたん、ほんとに美しくても、そこどまり。相手の心まで届かない。それを手放すのがなかなか難しいこともわかるけれど。
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