リバティアカデミーの「フォーマルウエアの歴史と現在」第2回目。今回は丸井メンズアパレル課によるフォーマル、ビジネス、クールビズ、ジャケパンスタイルまでの実際と提案。
メンズアパレル課のイケメンチーム。
実際のサンプルを見せながらの、具体的な実践講座となりました。
なまなましい現実感あふれるお話も勉強になりましたが、製造もおこなっている会社ならではの情報が新鮮でした。
いちばん衝撃を受けたのは、日本の濃染加工技術の話。
日本の略礼服を黒いスーツでと提案したのは一アパレルメーカーであり、そのガラパゴス性を私もいろんなところで指摘してはいるのだが。それが受け入れられてカスタムとして定着しているというのも事実なのである。
で、日本の略礼服の黒と、ビジネススーツの黒は、同じ黒でも濃度が違うのだそうです。略礼服の黒のほうがより深い黒。その黒に染めるための濃染加工技術において、日本は世界一なんだそうです。他国は年によってムラができるけど、日本はいつ染めても同じ風に仕上がる。他国にまねのできない、日本が世界に誇る技術。
略礼服が育てた日本の技術、といえますね。あるいは紋付袴時代から受け継がれてきた伝統を守っているのかもしれない。その職人さんの努力にまで思いを馳せると、黒の略礼服がガラパゴスだからと言ってばっさりと却下することなんて、私には到底できない。
日本固有の歴史、日本固有の地理から生まれ、受け入れられて定着した日本のローカル・ガラパゴス・ルール。これが世界に誇る染色技術を守り育てていたという衝撃。グローバル基準とズレているのは、案外、悪いことばかりではないのかもしれない。もっと多くの関係者の声を聴く必要がある…と思わされた、意義深い講座になりました。To be continued…
現在入手困難となっている外務省の「国際儀礼に関する12章」と、日本フォーマル協会発行の小冊子。ルールにズレがあります。日本国内だけでも、さらに「流派」というか、さまざまなバリエーションがあります。
「国際儀礼に関する12章」は、外務省の先輩Sさんが速やかに手配してくださいました。ありがとうございました!
ご参加くださいましたみなさま、事務局の河合さん、丸井メンズアパレル課のみなさん、ありがとうございました。おかげさまで印象深い講座となりました。
この日は前回の黒ロングドレスから印象を変えて、ブルーのアンサンブルを着てみました。撮影してくださったのはひぐちまりさん。感謝。
先生こんばんは。
是非また今回のような講座を開いていただきたいと思います。
ところで講義のなかであった、シャツのポケットの件なんですが、
クールビズの昨今、半袖のボタンダウンシャツの上に何かを着ることはあんまりありません。
「シャツにポケットはないのが正しい」は分かるんですが、必要でしょ?と思うんです。
夏のシャツは、もうアウターだと言い張れないんでしょうか。
ジャケットかベストの下に着るのが「シャツ」あくまでも下着。
目的も位置づけも異なるものを「シャツ」と言っているから困るんじゃないでしょうか。
いっそのこと、両胸にフラップの付いたポケットを付けて、ついでにエポレットも付けて、
自衛隊(特に空)の半袖の夏服のようなデザインの素人さんにはシャツ風に見えるが、
「軍服インスパイアな仕事着です。」とか言い張ったら誰か(ニューヨーカーとか)に怒られるでしょうか。
エポレットが大げさなら、エポレットをイメージしたようなヨークにするとか。
堂々とポケットが付けられるような気がするんです。
(軍服はシャツよりフォーマルみたいですし笑)
そんなことをしたらまた世界に通用しない奇妙な服飾文化でガラパゴス化とか言われるんでしょうか。
身分証入れたりメモ、ペン、名刺入れ、携帯電話、色々入れるものがあるんでポケットはどうしてもいるんですよね。
ダメですかね。
駄文失礼しました。
P.S.
会場でも入手法について質問しましたが、外務省の本は再販していただけたらうれしいです。
>Fさま
このたびはご参加くださいまして、ありがとうございました。
シャツについては、そうですよね。新しいアイテムとして名称を変えたらいいのかもしれません。笑 私ですらワンピースにもポケットがほしいと思っているくらいですから、働く男性がシャツのポケットないと困るというのは非常に理解できます。
外務省の方には、再販をお願いしておきましたが、いまの出版事情だとなかなか難しいかもしれませんね。なんらかの形で多くの人が読めるようになるといいと思うのですが。