海外ではノックオフ(模造品)の裁判を頻繁にやっているけれど、日本はノックオフ天国、だれも裁判をおこさないことをいいことに、やりたい放題がまかり通っていた。
そこに歯止めをかけたマッシュ社長、近藤広幸さん。快挙。というか「これと同じものを作ってくれ」と工場にもちこみ、廉価でECサイトで販売して、何年もの間、年間70億円も儲けていたというGio が悪質すぎる。記事は、WWD 7月13日号、Vol.1870.しかもGio側は開き直り、Viviなどのメジャーなファッション誌で、親和性の高いタレントを使って広告まで出していたという。テレビCMまで始めていたとなれば、消費者だってパクリかどうかなんて疑わないだろう。
その背後には、ファッション業界全体にはびこるいいかげんな慣習があった。デザインをぱくってもおとがめなし、消費者も同じであれば安いほうを買う、と意識が低すぎた(というか、そもそも消費者はそこまで深く考えて買うわけではない)。雑誌編集側も、思慮がなさすぎた。広告費さえ入ればなんでもいいのか。
商品形態模倣という不正競争防止法違反で刑事告訴が受理され、逮捕されるのは、日本初のことだそうです。近藤社長の冷静で粘り強い証拠集めにも頭が下がるし、警察もよい仕事をしてくださったと思います。デザインの模倣は犯罪となる。こういう意識が、商品を提供する側、消費する側、メディア、社会全体に広まることを期待したい。
それにしても日本のデパートの売り場にも赤いソウルの靴が増えてきましたが。側面と底面がコントラストをなす場合に限り、赤い靴底はクリスチャン・ルブタンの商標ですよ? 大丈夫なんでしょうか。2012年にルブタンがサンローランとやりあった裁判でそのような認知が徹底されたと思うのですが。国境を越えたら模倣もおとがめなし?
ルブタン裁判の詳細な経緯に関しては、こちらをお読みください。
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