2016年2月7日
“It is easily overlooked that what is now called vintage was once brand new.” (By Tony Visconti)
昨年12月におこなわれたヴィンテージクローズ 研究会のことは、一部、フェアファックスのブログにも書きましたが、そこで書けなかったこぼれネタです。時間が経ってしまいましたが、時間の流れに埋もれてしまうよりよいかと思い、書いておきます。
主催の長谷川彰良くんもブログでさらに詳しく紹介していらっしゃいます。こちらです。
彼のブログのなかにも写真がありますが、1700年代の男性服は、たたむと、肩から手首にかけてずっとなだらかに傾斜する曲線になるんです。っていうか、「肩」がない。さらに、袖の部分も曲線に仕立てられています。
また、女性のトップス(ブラウスとジャケットを兼ねるような上着)で興味深かったのは、背中に針金状の芯が入っていること。これにより、背筋がぴしっとのびるんですよね。写真は裏返した状態です。背中に縦に入っているのが、堅い芯。この工夫は、つい姿勢悪くなりがちな現代でも、かくれた矯正器具として使えるのでは?などと思いながら往時の美意識と工夫に感心した次第。
ヴィンテージと呼ばれるものも、かつてはその時代の「最新」として世に出てきたんですよね。現代人の「最高」「最新」もやがてヴィンテージになる。いやそれはまだよいほうで、ほとんどは忘却の彼方に追いやられる。
それだからいっそう、そのときどきの「最新」「最高」を世に出そうとしてきた先人の努力にふれるたびに、感動します。そこからなにがしかのメッセージを感じ取って、現代とその先へと伝えていくことが、たぶん歴史家のつとめのひとつ。
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