朝一からクリスのハードなレッスンとワークショップ。効果的な質問の仕方、ディスカッションの仕方を実践的に学んでいく。「Yes / No 」で答えられる質問はしない(そこで議論が止まるから)”Do you understand?” “Why don’t you understand?”なども悪い質問例。ca 51

(Prof.Yuichi, Prof. Suzanne, Prof. Keisuke.)

ではどうするのかといえば、パラフレーズ(言い換え)を続けていく。”What I am hearing you say is……” とか、”It sounds like you are saying……”とか。本人に答えを見出させるのが目的であって、決してこっちが答えを押し付けるような真似をしてはいけない。このあたり、カウンセリングの手法ですね。

学生に答えを作り上げさせるこの手法を、Constructivism  というそうです。=Let students help themselves という考え方。演劇みたいですな。

そして教師は常に能動態でクラスに臨めと。Surprise, Make Think, Make Laugh, Scare(笑)など。

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なかでも基本となる能動態動詞が、Create.  Create the happy place for everyone.  クラスの全員すべてが、自分は受け入れられていると感じるような雰囲気を作ること。これまで学んだすべてのテクニックがそのためである、と。もし、クラスの雰囲気がネガティブなものであったら、それはほかならぬ教師の責任。環境は自分が創り出しているのだということを忘れるな、という厳しい指導に身が引き締まる思い。

そうですよね、これは大学の教室のみならず、あらゆる場面で言えること。周囲はいつだって私自身の態度の鏡だ。たくさんの人に囲まれているように見えてコミットしてくれるような人が一人もいないのは、コミットするようなことを私自身が面倒と思って避けているからですね。思い当たることいろいろ。自分のマインドセットや態度が、環境を決めていく。

とにかくクリスもロジャーも、教授法を超えて、本当の意味でコミュニケートするとは、エンゲージするとは、どういうことなのか?を本人たちが実例となって示してくれるのだ。

 

その後、ひとりひとりがファイナルプレゼンテーションをおこなう。月曜と比べ、それぞれが劇的に向上したり、よりその人らしさを発揮したりしている。なんだか感動。私はやはり繊細でこみ入った表現をしたいときにスピードが追いつかずにもどかしく思うこと多々、まだまだ英語のスピーキング力が足りないと思う。これはもう、口まわりの筋肉を慣らしていくのみ。卓球の練習をしていたときのように、ひたすらこまぎれの時間を見つけて実践的なトレーニングあるのみ。

とはいえ、ハッピープレイスを作るためのさまざまなインタラクティブな方法は、まだ「間」が悪いが、できるかぎりやってみた。今後、さらに工夫してやっていけそうなことも多々。

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思えば、大学教師をつとめて何年にもなるけれど「教え方」をこのように専門家から教わったのは初めてのことだ。他の参加者もそのように言っているし、日本の多くの大学の先生がそうだろうと思う。小中高の教師は教育実習なるものを受けているが、大学の教師にはそのような機会はない。自分の教え方を客観的に指導されることなんて、経験している人はほとんどいないのではないか。多くが我流。ないしは師の方法の継承とか。それはそれで味わいもあるけれど。

このたびのEMIのプログラムは、英語で教えるための訓練だったが、すべてのテクニック、考え方、戦略は、日本語で教えるときにも役に立つ。多くの場面で、さっそく応用・挑戦してみたい。

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