土曜日におこなわれた、さつき会主催のシンポジウム「逆境に打ち勝ち、リーダーとして道を切り開くには」。男性の参加者も多く、盛況のうちに終了しました。
4人のパネリスト(元・文部科学大臣、遠山敦子さま、宇宙の母こと大塚聡子さま、朝日新聞の高橋真理子さま、中野)、それぞれの20分間のプレゼンテーションのあと、会場からの質問を受けていくという形式。
遠山さんは東京大学法学部の学生の中に女性がただ一人、という世代の方。その後のキャリアでは何をなしても「女性初」の冠がつき、それこそ道を切り開いてきたお方。
大塚さんは「エンジニアとして女性はとらない」と公言された時代における女性第一号として宇宙の世界で活躍。
高橋さんは「朝日新聞初の女性記者」として当初はその言動がいちいちニュースになった方。
それぞれの壁や逆境の乗り越え方、考え方を聞いていて、通底するものを感じました。仕事の内容はまったく違えど、目の前の具体的な現実に偏見なく対処していく、前例なしをチャンスと見る、やりきるまであきらめない、周囲の協力を上手に得る、自分がやりたいことではなく社会や他人に貢献できることを考える(そのほうが結果として成果も評価も上がる)、他人の考えはコントロールできないのだから、悩まず行動する、など。
遠山さんの「仕事ができる男性ほど、きちんと公平に評価してくれ、女性蔑視がない」という指摘にはいたく共感。成果を出せない男ほど妬みがひどく、中傷やら足のひっぱりやらを女に向かってやらかすんです。いつの時代でもどこの世界でも同じなんですね。
4人のなかでは最年少だった私は、大学院を出た後いったんフリーランスとしてスタートしてから現在までの「前例なし」「学歴逆差別」だらけの経験から得たことを、最終的に会場のみなさまにも共感していただけるよう、ファッション学の教えとして話をさせていただきました。演題は「ブルーオーシャンの泳ぎ方」。大尊敬する遠山さんから、「冒険的な経験をきちんと理論に落とし込んでいてすばらしい」と繰り返しほめていただきましたうえ、終了後、多くのみなさまからおほめのコメントやさらなる講演依頼をいただきました。ありがとうございました。東大⇒一流企業や官庁に就職というコースから外れたとしても、フリーランスでもなんとか生きていける、逆にそこはブルーオーシャンかもしれない(笑)というあまりおすすめできない特殊な例ですが、そんなのもアリと自由におおらかにご自分の人生を考えていただければ嬉しいです。
ご来場のみなさま、ともに登壇させてくださった先輩方、ありがとうございました。このイベントのために入念に準備を重ねてきたさつき会の学生・スタッフのみなさまにも心より感謝します。
前列左から大塚聡子さん、遠山敦子さん、高橋真理子さん、中野。後列はさつき会のスタッフのみなさまです。
私はさつき会事務局の永沢さんからのご案内を頂き、昨日の会に参加させて頂きました。
ちょうど中野さんのお話が始まったところでしたが、まずチャーミングな容姿・スタイリングと話術に驚嘆。
しかもお話の内容に至っては、さすがに(策謀の)英国の経験が生きる、突き放した視点で、誠にからっとした高度なものでした。
>岩村さま
ご多用の中ご来場くださいましたうえ、励まされる心強いコメントまで頂戴いたしまして、とても感激しています。
ほんとうにありがとうございます。
男性は東大卒の方が圧倒的に多く、一瞬、修論審査の悪夢がよみがえり、嘲笑されるんじゃないかとおびえましたが(笑)
それも込みであの場・あの時間にともにいる方々に最大限楽しんでいただこうと思っていました。
その思いが伝わったら最高です!心より感謝します。
ご一緒させていただきました、瀬地山@総合文化研究科です。当日はもともと用のあった日で、ご挨拶もできませんでした。私は82年入学で、93年3月まで駒場で院生をしていたので、きっと何度もすれ違っていたのでしょうね。お話大変面白くお伺いしました。「モードの方程式」はずっと読んでいたのですが、あの「中野香織さん」だということに気がついていませんでした。また何かございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
>瀬地山先生!
コメントまでいただき、たいへん光栄です。ありがとうございます。嬉しいです。
ほぼ同世代で駒場にいますね。駒場が知のレジャーランドとして輝いていた頃(今もきっとそうだと思いますが)。
こちらこそ、またごゆっくりお話をうかがえる機会があれば幸いです。どうぞよろしくお願いします。