大学の授業のゲスト講師として、株式会社aeruの代表取締役、矢島里佳さんをお招きしました。

 

昨年の日本政策投資銀行の女性起業大賞に輝いた方で、そのプレゼンテーションを聴いて、ぜひ、学生にも話を聞かせたいと思ってお願いした次第です。

 

学生時代からジャーナリストを志望し、「何かを伝えたい」という情熱をもって方々にアプローチした結果が、ある雑誌での伝統工芸の取材記事につながり、自分も、会社も、職人も、社会も、環境も、すべてがうまくいくやり方、未来に続く良きシステム工夫したその道筋が、大きな成果となり、ますますその世界が広がっていること。

論理的で情熱的、愛にあふれて知的で、合理的な行動力がある。考え方も表現のしかたも、やさしく、新しく、ていねいで、確実に心に届くように伝えるコミュニケーション力がある。これからは彼女たちのようなしなやかな起業家が活躍する時代。本当に心強い、とあらためて感じました。まだ28歳。昨年、メンターをつとめさせていただいた気仙沼ニッティングの御手洗瑞子さんもまだ30歳前後ですが、この世代の自由で垣根のない発想には学ぶところ大です。

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就職活動を続ける中で鬱々とした表情になっていったりする学生も少なくないのですが、広く目を世界に向けると、もっと自由な働き方、生き方がある。ということにも気づいてほしいと願っています。

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終了後、プレゼミの学生も交えてお茶をのみながら、悩み多き学生にもアドバイスをいただきました。年が近いので(6~7歳しか違わない!)ご助言にも説得力がありますね。

講義中に、里佳さんは、「みなさんは、ほんとうに人を信頼したことがありますか?」という言葉をなげかけました。思わずはっとさせられました。愛の側に立つこと、人を心の底から信頼するということで、開けていく世界がある。里佳さんは、職人さんたちから寄せられた信頼にこたえようと、がんばって起業した。彼らの世界を継続させるために、彼らの生活環境を守るために、会社(法人も人格として扱い、aeruくん、と呼ぶところが彼女らしい)を続ける努力を怠らない。

僭越ながらふりかえってみれば私も、人の信頼に応えようとすること、愛をいただいたらお返ししようとすること、それが軸になって仕事が進んできたようなところがある(キレイゴトみたいですが、これは実感です。他人の期待に応えようとすることで、自分では予想もしていなかった力が引き出され、新しい局面が開けてくるということもあるように思います)。期待される信頼にこたえきれないこともあったかもしれないですし、今は調子よくても需要がなくなればそれまで、というシビアな見方があることも承知していますが、それでもやはり、少なくとも今まで、ほぼ30年以上、愛と信頼を軸に仕事が回ってきたということは、とてもありがたく、幸福なことでした。

ありえないことが起きてしまう世界情勢。憎しみや排外主義や無知が力を得てしまう世界が実現してしまう時代。そんなときでも、自分ができることから理想を貫き、徐々に世界を広げ、周囲を合理的に幸せにしていく里佳さんのような生き方・働き方ができるのだということ、学生に伝われば嬉しい。

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里佳さん、ほんとうにありがとうございました。ますますのご活躍とご発展を応援しています。

 

 

海外発信においても、こちらから「出ていく」のではなく、「引き寄せる」ことを目指すという。その「女性らしい」考え方にも賛同します。

 

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