27日、Nina Ricci 新作フレグランス発表会にお招きいただきました。
Les Belles de Nina. Nina とLuna。Ninaは赤いボトルに入ったトフィーアップルの甘いグルマンノート。10年前に発売されて人気だったこの香りに、「親友」が見つかった、というコンセプトです。今回新しく出たのが、Luna。こちらはパープルのボトル、梨のさわやかさと官能性をあわせもつ香りです。調香師はファブリス・ペレグリン。
香水単品では、それほど目新しさを感じさせるものではないのですが(失礼……もちろんフレッシュで好もしい香りであることにはまちがいないのですが、ターゲットはミレニアル世代)、今回、衝撃を受けたのは、そのコンセプトでした。Nina とLuna、これは女性のカップルフレグランスでもあるのです。
カップルと言っても、同性愛ではない。これはミレニアル世代のフレンドシップをコンセプトにしているのだそうです。
いいときも悪い時も感情を分かち合い、さらにそれをSNSで世界とシェアすることで、ますます友情の絆を強くする。二人でいると、より強く、自分らしくいられるという、SNS時代の親密なフレンドシップ。実生活でも親友という二人のモデルがイメージモデルをつとめています。
似ているようでタイプが異なる二人が、互いに手をとりあってフェミニニティを追求する冒険の旅に出る……。このようなコンセプトが提示された時には、ええっ!?と椅子から転げ落ちそうなほどの(陳腐ですが、まさにそんな感じ)ショックを受けましたよ。Friendship is the New Couple.
世界とシェアすることでさらに強まる友情の絆。男性の入る余地はない。笑
そこはかとなく不気味だ…信じられない…と感じた私は古い時代の人間でしょうか。マーケットは確実にミレニアル世代にヒットするように移っている。
SNSによって友情のあり方も変わる。異性(というか現在あるいは未来の恋愛対象)目線が皆無のフレグランスなんて、前代未聞ではないのか。ともかくも、現代を映し出す、斬新なコンセプトのカップルフレグランスの登場です。
軽いカルチュアショックとともに発表会会場をあとにしました。すてきな場所でした。
SNSシェア用のプロモーションの装置は完備。屈託なく「フレンドシップ」を誇示する「カップル」が想定されていたなか、一人の私はなんだか居心地悪そうにしておりますな。笑
*ニナリッチ「ニナ」はすでに発売中。「ルナ」は2月24日発売です。INTERMODE KAWABEより。
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