細切れの移動の途中に読みました、『壇蜜日記』1,2,3。文春文庫。この人の言葉のセンスが抜群に好きだし、自意識のあり方とか人の観察のしかたなど、おそろしく共感できる。

『壇蜜』を演じる、冷めていて地味な女性像(ひょっとしたらこれもまた演じられているのかもしれないが)には惹きつけられる。

じくじく、うつうつ、表現したくても立場上、のみこむしかない怒りや精神的な苦痛、悲哀に襲われた時など、気持ちを代弁して、昇華してくれるようで、読んでいるだけで救われる。

 

「昔は『良い子』にしていたらプレゼントがもらえた。今は『イイコ』に思われると『イイコぶってんじゃねーよ』と罵声を貰える」……わかりすぎる。笑

「高くていいものを身につけていると揶揄されるが、安いものを身にまとっていると相手にされないこともある。忙しいと言えば金を持っていると決めつけられるが、暇だと言えば干された干されたと熱心に追いかけまわしてくれる」……これもほんと、あるある。

世間の非情を淡々と受け流し、自分に対するひどい中傷をどうすることもできずに受け止め、痛みの感情と静かにつきあっていく。共に傷をなぐさめあえる戦友というか親友ができたような錯覚を覚える。SNSでBFF(Best Friend Forever)アピールするきらきら女子の対極にあるメンタリティですね。もっとたくさん書いてほしい。

 

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