Forbes Japan にお招きいただき、ヴーヴ・クリコ・シャンパン・ディナー、19日、恵比寿のジョエル・ロブションにて。

ヴーヴ・クリコの最高醸造責任者のドミニク・ドゥマルヴィル氏から、シャトーの歴史、新製品の説明などを受けながら、ロブションのお料理に合わせて5種のシャンパンを試飲するという、なんともゴージャスな環境のなかでシャンパンのことが学べる会でした。

左側、立って説明しているのが、セラーマスターのドミニクさん。

以下、半ばほろ酔い加減でメモしたことのなかから。

・新製品のエクストラブリュットエクストラオールド。通常の熟成期間(3年)よりも2倍長めの熟成期間を経ている。パンチがあって、フィニッシュがピュア。

・ヴィンテージとは、一年だけのぶどうで作られたシャンパン。(通常の製品は、一定の味わいが保たれるよう、いくつもの年のシャンパンがブレンドされている。)はじめて作られたのは、1810年。毎年、作られるわけではなく、ぶどうの出来具合にもよるが、10年のうち、3,4年というところ。現在、マーケットに出ているヴィンテージとしては、2008年がいちばん新しく、1989年のものがもっとも「深い」。27年も経つと、色も深みを増していく。

・歴代の醸造責任者は、みな長寿である。前任者はいま96歳、その前の責任者は103歳まで生きた。毎日ヴーヴ・クリコを飲むことは長寿につながる?! (というか責任者となれば体調を常に絶好調に保つことも仕事の一つだから?)

・ヴーヴ・クリコの歴史をたどると、1772年にフィリップ・クリコが始めた会社を、息子のフランソワ・クリコが引き継いだ。フランソワと結婚したのが、マダム・クリコ。ところが、1805年にフランソワが亡くなってしまう。それを受け継いだのが、27歳のマダム・クリコ。ヴーヴとは、未亡人という意味。1805年はフランス革命直後の時代、混乱の時代に大胆にビジネスをはじめた、いわゆるキャリアウーマンの先駆者がマダム・クリコだった。

・ロゼをはじめて作ったのも、マダム・クリコ。1818年のこと。

・1972年にはラ・グランダム(La Grand Dame=偉大なる女性)が作られるが、これはマダム・クリコに敬意を表した呼称。

・ヴーヴ・クリコのイエローは「137c」という色番で、ヴーヴ・クリコ―・イエローとして登録してある。マダム・クリコが好んだ卵黄の色だった。創業当初、ワインのボトルにはラベルがなく、ヴィンテージボトルにはわかりやすいようにイエローリボンを巻いた。1830年代から40年代にかけてようやく白いラベルがつくようになる。当時はまだシャンパンはソーテルヌのように甘かった。ドライ・シャンパンが出てくるのが1850年代。


(5種のシャンパンにあう、繊細な料理を作ってくださった料理長)

・現存するヴーヴ・クリコのビンテージで最古のものが1839年。これは、2010年、バルト海に沈んだ船からダイバーが引き上げた。168本のシャンパンボトルのうち、47本がヴーヴ・クリコだった。このシャンパンを、これから作られる特別に限定されたシャンパンに限り、少しずつ混ぜていく。それによって新しいシャンパンのなかにも、クリコの歴史が溶け込んでいくことになる……。

沈没船から引き揚げられたシャンパンが、未来のシャンパンの中に少しずつブレンドされていき、クリコの味を引き継ぎながら深化、発展していくというのはなんともロマンティックではありませんか? (というか、こんな稀有な物語こそがブランドを作るのですね。)


ビジネス界などでご活躍の方々、16名ほどのご参加でした。お席が近かったみなさまと。前列左から、シャフハウゼンもご一緒した武井涼子さん、X-Tankコンサルティング代表取締役社長の伊藤嘉明さん、後列左から、やはりシャフハウゼン組の中塚翠涛さん、KANTARジャパン代表取締役社長の大竹秀彦さん。ほかに、(写真をご一緒するチャンスを逸したのですが、)マーク・ジェイコブズ・ジャパン社長の橘田新太郎さん、森トラスト代表取締役社長の伊達美和子さんはじめ、経済界をリードする方々がご一緒で、刺激的なひと時を過ごさせていただきました。とりわけ伊逹さんは、「美味しいワインが好きすぎて飲みすぎ、倒れた」ときのエピソードを披露。そのとき以降、「着つけ薬」を持ち歩いてるそうなのですが、見せてくださったのがこちら。

タイガーバームのような?一瞬ではっと正気にもどる匂い。これ、私も入手しなくては……笑。
下の写真は翠涛さん撮影。

とても豊かな時間を楽しませていただきました。お招きいただきましたフォーブズ・ジャパン編集長の高野さま、副編集長の谷本有香さん、こまやかな手配をしてくださったフォーブズのスタッフのみなさま、ヴーヴ・クリコ関係者のみなさま、ロブションのスタッフのみなさま、ありがとうございました。

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