銀座ミキモトホールにて、ボンボニエールの世界展が開催されています。プレビューに伺いました。

ボンボニエールとは、手のひらサイズのお菓子入れのこと。天皇の即位や皇族の成婚、誕生など、慶事の際に皇室から贈られる引き出物です。

皇位継承で新時代が始まる今だから、こんな展示もとてもタイムリーですね。

小さな「菓子入れ」ではありますが、日本の伝統文化を表現したモチーフが、高度な職人技を駆使して作られています。実に精巧で、ひとつひとつ、完璧なミニチュア世界に吸い込まれるように眺めてしまいます。

ボンボニエールはなぜ始まったのか? 1876年の廃刀令により、これまで刀剣の金属細工をおこなっていた錺職(かざりしょく)という職人が仕事を失う羽目になりました。せっかく磨き上げた匠の技を次世代に伝え、存続させていかねばならない、ということで、彼らの技術を活かし続けるためにボンボニエールが考案されたとのことです。皇室のノーブレス・オブリージュ。

上は、幸吉翁が陛下からいただいたボンボニエールだそうです。

個人的に発見があったのは「諫鼓鶏(かんこどり)」。

閑古鳥かとおもっていたら、本来は諫鼓鶏だったんですね。中国の故事に由来。尭帝(ぎょうてい)が朝廷の門前に諫鼓(太鼓)を置いて、自らの政治に誤りがある時は、人民にその太鼓を打たせて、訴えを聞こうとしたのだそうです。しかし尭帝の政治には誤りがなく、人民が打つこともなかったので、諫鼓は鳥の遊び場になってしまいましたとさ。面白い!知らなかった!

諌鼓に鶏が止まっているのは、善政により世の中がうまく治まっている天下泰平の世である証なんですって。

小さな世界に驚きがつまったボンボニエール展は、4月5日から5月10日まで。こんな貴重なコレクションを見られることは幸運で、入場無料ですし、行かない理由はないですね。銀座にお出かけの際はぜひミキモトホールへ。

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