Dolce and Gabbana 2019-2020 AW Exhibition. このブランドは時代に逆行して唯我独尊のラグジュアリーを追求し続ける。そこがたまらなく好きで、リスペクトする理由でもある。

このシルクブロケードにしても、重い。扱いにくい。でも18世紀ヨーロッパの宮廷文化を思わせて血が騒ぐ。

ロゼットつきのシューズもロマンティック。汚れたらどうするとかケアがたいへんそうとか、そんな下世話な視点を寄せつけず、徹底的に「美」の側に立つ姿勢が潔い。

メンズも負けず劣らず、一歩もひかず、ゴージャス。

17世紀~18世紀宮廷服のような素材を駆使したアイテムはほかにも。左端はランジェリーですが、スパンコールで輝くショーツなんてどうやって洗濯するのだ(たぶん一回着たら終了)。人生のあらゆる瞬間を舞台ととらえる人のための、舞台衣装のようなものですかね。

アクセサリー、バッグ類もユーモアと過剰なサービス精神にあふれていて、楽しい。

レザーに細かくパンチングをほどこされたジャケット。16世紀のメンズ宮廷服にこういうのがありました。ストレッチが効くし、むれなくなるし、機能的なのですよね。ただ作るのがとてつもなく難しい。

妥協せず、日和らず、自分の世界を貫くことのすがすがしさと勇気を見せていただいた気分です。たとえ少数派でも、そこにとどまることで輪郭が際立ち、鍛えられる。作品、ないし、モノとしての服の奥に見えるデザイナーの心の姿勢が見える時、ああ来てよかったなと心から思えます。

今回、目を引いたのは、18世紀ロココ的なシルクブロケード素材。

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