プリンスホテル 東京シティエリアで5回目となるオーストラリアフェアが開催されます。オープニングレセプションがザ・プリンス・パークタワー東京にて開かれました。
駐日オーストラリア大使リチャド・コート氏によるご挨拶。
プリンスホテル東京シティエリア統括支配人 武井久昌氏によるご挨拶。
恒例のテープカットも華やかに。
9月1日から10月31日まで開催。
氷の彫刻は、カンガルー。
モダン オーストラリアの最新、最高のお料理が楽しめます。
今回のフェアでは、メルボルンのレストラン、「エステル」のオーナーシェフをテーブル9に初招聘。
また、自然素材の「パナ チョコレート」とのコラボスイーツも実現。
エグゼクティブ・シェフソムリエの市村義章さんによるワインセレクション。やはり南半球ではソーヴィニヨン・ブランが好きだな。
期間中にぜひモダン オーストラリアの美味しさを味わいに訪れてみてください。
フェア詳細は、こちら。
♯BeyondYourExpectations
朝日新聞夕刊連載時から本にまとまることを楽しみにしていた、堀畑裕之さんの『言葉の服』(トランスビュー)。他のエッセイや、鷲田清一先生との対談も含まれて、とても知的で味わい深い本として発刊されたことを心から嬉しく思います。
堀畑さん、そしてパートナーの関口さんは、日本らしさを、西洋から見た異国趣味ではなく、日本人自身の目から新しく見直し、ことばとして服として発信し続けている「matohu」のデザイナーです。同志社大学の大学院で哲学を学ばれていたこともあり、ファッションについて、おしゃれについて、服について、美意識について、新しく見直すための哲学の視点を与えてくれます。
とりわけ、日本人でも知らない日本の美意識は、学んでみると、見慣れた日常の光景を違う光景として見せてくれます。かさね、映り、やつし、あわい、かざり、ほのか、ふきよせ……。堀畑さん撮影の写真や、コレクションの作品とあわせて言葉を味わう楽しさがあります。
西洋人とはベクトルが違う日本人のおしゃれを、土方歳三、宮沢賢治、千恵子、中原中也らを通して考える言葉も、発見に満ちています。日本の器や芸能、日本の光景なども、たしかな言葉で綴られます。
最後に鷲田清一先生との「逍遥哲学対談」が収められていますが、これがまた楽しいのです。25年前に鷲田先生に影響を受けて哲学者からファッションデザイナーになったという堀畑さんの告白がありますが、私も25年前に鷲田先生の本に感化されてファッション学の迷路に入り込んだ一人。鷲田先生は「(学者の世界からは)まったく無視された」と言っていますが、当時の若い人に与えた影響ははかりしれないのではないでしょうか。
尊敬するお二人の対談を読み終わると、西洋的な(偏狭で特殊な)視点の毒が洗われていくような思いもしました。
おしゃれとは、「する」=「盛る」ことではなく、余分なものが削り落とされ、「さらされて」いくことで、「なる」もの。なるほど。ついには、されこうべになるんだものね。
?過去最大のメンズウエアの展覧会がロンドンで開かれます。「インヴィジブル・メン (Invisible Men)」。120年の歴史を、170点以上の服飾品で。
これまで「ダンディ」やピーコック系などの華やかなメンズウエアの陰に隠れて「見えなかった(invisible)」メンズウエアに脚光を当てるとこと。
10月21日から11月24日まで。ウェストミンスター大学にて。概略のわかる「インデペンデント」の記事はこちら。
ロンドンご出張などのタイミングの合う方はぜひ訪れてみてくださいね。
?Cha Tea 紅茶教室による『ヨーロッパ宮廷を彩った陶磁器 プリンセスたちのアフタヌーンティー」(河出書房新社)。カラー図版が豊富で、バロックからゴシックリバイバルまでの紅茶をめぐる文化がよくわかります。保存版の一冊。リスペクト。
?平野啓一郎『「かっこいい」とは何か』(講談社現代新書)。日本語の「かっこいい」をめぐる歴史を広範な視野のもとにたどった力作。リスペクト。拙著『ダンディズムの系譜』からも引用してくださっていてありがとうございます。
今回、夜も昼も中華街でしたが、新しい発見に感動したのが状元楼。
まったく何の先入観もなく、ただ建物の美しさと「1855」と刻まれた数字に惹かれてはいってみたのですが。
アールデコなインテリアの美しさに驚き。
1920年代に「東方のパリ」「東方の真珠」として称えられた上海がここにあるんですね。
1920年代の上海。アヘン戦争による南京条約(1843)締結以降、アメリカ、イギリス、フランスによる中国主権の及ばない外国人居留区として祖界時代が始まりますが、それゆえ、同時代のヨーロッパの文化の影響が色濃く反映されているのでした。
いたるところに繊細な細工がほどされ、フックや照明、些細なところまでアートになっている。中国の皇帝文化と、ラグジュアリーなヨーロッパ文化が融合したような、豊かな気持ちになれる空間でした。上海料理もすばらしく美味しい。
ちなみに、「状元」というのは、至難の国家試験に首席で合格した人のみに授けられる称号だそうです。なんだか納得してしまう。
しかし、一歩外へ出るとなんでもありなキッチュな世界。
なぜにベルばら。
熱中症になりそうだったので早々に退散しましたが、何度来ても新しい発見のあるみなとみらい+中華街、仕事半分とはいえよいリフレッシュになりました。
インスピレーションがわいて締切1週間前の原稿もアップできたし。大きな山場はこれからですが。
台風が近づいているとが報じられておりますが、移動される方、どうぞくれぐれもお気をつけて。
?「新皇后 雅子さまへの期待」、25ans ウェブサイトに転載されました。こちらです。
? フォーマルウエアのテキストブックが着々と進行しています。
洋装、和装をトータルに含め、写真も全て撮りおろしております。
9月中旬発売予定です。
スタッフの皆様、猛暑のなかの撮影おつかれさまでした!
?フォーマルの教科書の発売と偶然、前後するのですが、9月21日(土)14:00~14:30、日本橋三越本店本館3階にて、「三越のドレスコード」をテーマにトークショウをいたします。詳細は後日。Save The Date.
「ガーンジー島の読書会の秘密」(The Guernsey Literary & Potato Peel Pie Society) のご紹介です。
1946年、第二次世界大戦後のロンドン、そしてガーンジー島を舞台に展開する、しみじみあたたかく美しい、そして少し苦みもあるヒューマンドラマです。監督は鉄板のマイク・ニューウェル、出演はリリー・ジェームズを筆頭に、「ダウントンアビー」でおなじみのあの人もこの人も。嬉しくなります。
ストーリーも話法も余韻があとあとまで残る味わい深いもので、ここで詳しく触れると興ざめになるのでぜひ劇場で体験いただきたいと思いますが、1940年代のファッションも見どころの一つであると強調しておきます。
作家=キャリアウーマンとしての、戦後のロンドンスタイルがオンからオフまでワンシーンワンシーン、とにかく素敵です。こんな帽子のあしらい方には目が釘付けに。
洗練されたデートファッションも、メンズ、レディスともにため息もの。バストからウエストへのラインを強調する黄色いドレスは、当時人気のあったメインボッチャー風? (ウォリス・シンプソンがウィンザー公との結婚式に着たドレスがメインボッチャー。ウエストラインのデザインが似てますね)
編集者との打ち合わせや著者トークショーなどの「作家のお仕事スタイル」が今見ても古くなっていないのです。
一方、舞台がガーンジー島にうつるとがらりと雰囲気が変わります。ここではダイヤの婚約指輪など浮きまくってしまう。素朴なプリントブラウスやセーター、カーディガンスタイルが島の人々の生活にしっくりとなじみます。子供服にも手作りの味わいがある。衣裳デザインはシャーロット・ウォルター。当時の服を再現するため、地元のウィメンズ・インスティテュートの協力を得たそうです。1940年代の型紙を渡し、手編みのニット衣装を彼女たちに作成してもらったとのこと。
ガーンジー島は、大戦時、ドイツの占領下にあった唯一のイギリス領。1941年から終戦まで、どれだけ悲惨で苛酷な目に遭ってきたのか、同じイギリスとはいえ、ロンドンとの違いが強調されることで、ガーンジー島の特殊な位置づけが浮かび上がってきます。
服飾史においては、ガーンジー・セーターはとても有名です。ガーンジーのセーターは海で働く男たちのために編まれたもので、実用性が重視されています。前後の区別が無いシンプルなデザインは、暗い海でも短時間に着ることができるようにするため。首・肩・腕には、海上での作業の動きを楽にする工夫があしらわれています。なによりも、常に命の危険を伴う仕事をする夫や息子を思い、女性たちはそれぞれの家に伝わるエンブレムを編み模様で表現しました。模様は、万一の場合はすぐに身元が識別できる目印でもあったのです。上の写真、ミキール・ハースマンが着ている紺のぼろぼろのセーターがそれに近いでしょうか。
ちなみに、となりの Jersey Island(ジャージー島)もセーターで有名です。日本語のジャージの由来になっており、フランスではセーターのことを Jerseyと呼びます。
そんなこんなのファッションにも目を凝らしつつ、雄大な自然を背景に展開するヒューマンドラマをご堪能くださいませ。
「ガーンジー島の読書会の秘密」 8月30日(金)よりTOHO シネマズシャンテほか全国ロードショー
©2018 STUDIOCANAL SAS
リニューアルしたMen’s EX 9月号でご紹介いただきました。
ありがとうございました。
多くの方々に応援いただき、感謝してもしきれません。
?昨日書いた原稿で使わなかったネタ。「エンクラテイア(enkrateia)」。正しいことがわかっているのに反対のことをしてしまうアクラシアの反対語で、強いて訳すなら「克己」。
?ネタ2。アルントシュルツの法則。弱い刺激は、目覚めさせる。中くらいの刺激は、働きを高める。強い刺激は抑制する。非常に強い刺激になると静止させる。目的語はなんでも。なるほど。
?新刊2冊の山場、新連載2本(名前は表に出ない)、新規の仕事3件、合間に新規プロジェクトの打合せ。これを全部10日以内にというありがたい課題。全部まとめて先を見ると無理無理無理なんですが、経験上、ひとつひとつ分けて1件ずつ集中して終わらせていくのが最短最良の道。こんな時代にファッションなんてどこのご貴族様ですかというイヤミも言われながら、こんな時代でもこのテーマで仕事があるなんて奇跡的なことだと感謝しています。第二次世界大戦中にもひっそりと踏ん張っていたオートクチュール組合の努力をリスペクト。
?読者のみなさまも、それぞれの持ち場で奮闘されていらっしゃることと思います。あるいは夏の休暇を満喫していらっしゃるかもしれませんね。猛暑が続きますが、どうぞご自愛ください。
メンズプレシャスのウェブサイトで、ライターの堀けいこさんより新刊をご紹介いただきました。力強いご推薦をいただきありがとうございます。こちらです。
?超超超おそまきながら移動中のお楽しみとして「ジョジョ」をNetflixのアニメ版で見始めたのですが、いやなぜもっと早く見ておかなかったのかと。
チューダー朝に、エリザベス1世に裏切られた怨念をかかえて死んだという黒騎士タルカスとブラフォードの話は、ほんとなのかと思わず調べてしまった(笑)
気弱になって落ち込むことがありましたが、ディオの「貧弱貧弱ゥ」のセリフに脳天をやられました。ほんと、時には人間超えの強さを持つくらいの気迫でいかないとやり終えられないこともありますね。