キャビアといえば、ロシア(旧ソ連)のエアロフロートの朝食で出された大量のキャビアに黒パン、という塩辛めの思い出が真っ先に浮かぶのですが。
近年、日本で生産しているのですね。
香川県で生産する国産フレッシュキャビア、その名も「瀬戸内キャビア」。
生産する株式会社CAVICのCEOである板坂直樹さんの話を聞きました。母校の中学校が廃校になると聞き、なんとか施設をそのまま活かせないかと考え、チョウザメを飼育してキャビアを生産することにしたのだそうです。
背中のうろこが蝶に似ているのでチョウザメと呼ばれるサメは、生命力が強い長寿の生き物であることでも知られます。下の写真、四角い枠のなかにチョウザメのうろこがあるのですが、見えますか?
こんな魚類が大群で、中学校の体育館に設置された水槽の中で回遊するシーンを想像してみてください。なんだかわくわくしてきませんか。
(チョウザメの種類によって、粒の大きさや味が異なってきます)
そのように故郷の建物を保存し、雇用を生み出すというSDGsもクリアして生産されたキャビアは、東京でもいただくことができます。
銀座17℃。
一歩足を踏み入れるとそこは1890年代前後のヨーロッパ。
本物のアンティーク家具、インテリア、食器の数々。当時のオルゴールまで備えてあります。
肝心のキャビアはといえば、これまでの「塩辛い」という偏見を覆す、フレッシュでふっくら、まろやかな味わい。ぱさっとした印象があったのですがそれも偏見で、むしろねっとりとしている。
そば粉のクレープに、ピクルスやサワークリームをお好みで加え、キャビアを載せてくるくると巻いて食べる。なんと気がつくとひと瓶、簡単に食べ終えていた。笑
まあ、考えてみれば輸入ものは長期保存するために大量に塩や添加物を入れるので、ぱさぱさになっていきますよね。このキャビアはその必要がなく低塩なので、新鮮で、匂いにも味にもまったくクセがなく、おいしい! なによりも、安全・安心です。
キャビアをアクセントにしながら、洗練されたフレンチが楽しめます。カトラリーもクリストフルの芸術的なナイフやフォークで、重厚感があります。
シャンパンとよく合います。サーブしてくださるシニアソムリエの浅原高志さんの渋いたたずまいも、この重厚なお店の雰囲気にマッチしておりました。
……高級ワインが勢ぞろい(笑)。
CEOの板坂さんは、お酒が飲めない体質だそうですが、ワインは徹底的に学び、香りと色だけでどこのワインなのか当てることができるそうです。
左は日本経済新聞の太田亜矢子さん、中野右がCEOの板坂直樹さんです。この日もスペインから帰国したばかりで、世界中を飛び回っているそうです。
アペリティーボ(ここで待ち合わせて1,2杯飲んでからレストランへ)としても使ってほしい、とのことですが、これほどゴージャスな店をアペリティーボの止まり木にしてしまったら、その後にはいったいどこへ行けばよいというのか。笑 そのままメインのお店として滞在しても、もちろん大満足の夜が待っていることでしょう。
下記、店名・社名をクリックするとHPにとびます。
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