沖縄行きの機内とハレクラニで読み通したのが安宅和人さんの「シン・ニホン」。
膨大な量のデータと産・官・学にまたがる圧倒的な経験から導かれた未来への具体的提言。半端ではないボリュームなのですが、とりわけ後半の人材教育の部分がうなずくことばかりで、こういう方がリーダーシップをとって日本の教育のスキームを作り直していかねばならないのだと納得。現在の日本の現状が世界と比べてどれだけ悲惨なことになっているのかも客観的にわかる。この本で出された提言をベースに、具体的な改革が進むことを切望します。
安宅さんは富山市の出身であることを知りました。なんと。
以下は、備忘録を兼ねて印象に残ったことのなかからメモ。
・日本は妄想では負けない(攻殻機動隊、アトム、ドラえもん……)。
・ご破算にしてやり直すことのできる力。キャッチアップのスピードの速さ。若い人に託せる信頼。不揃いな樹を組み、強いものを作る力。こうした能力を活かし、もう一度ゲームチェンジを仕掛けられる。
・未来の鍵を握るのは異人。まずは軍事教育の名残り、校則や決まりを廃止せよ。
・”If a man does not keep pace with his companions, perhaps it is because he hears a different drummer.” (By Henry David Thoreau) 「もしある人が他の人と歩調を合わせていない時があったら、きっとその人は別の太鼓の音を聴いているのだ」
・起爆人種、参画人種、応援人種、無関心人種、批判人種。起爆人種はハードコア異人。
・異人化の教えは2000年前から存在した。「狭き門より、入れ。滅びにいたる門は大きく、その道は広い。そして、そこから入っていくものが多い。命にいたる門は狭く、その道は細い。そして、それを見出すものは少ない」
・実質的な無競争区間を生み出せるかどうかが、幸せへの鍵。競争から解き放たれたとき、人も事業も自由になれる。
・運、根、勘、チャーム。
・古代ギリシアで生まれたリベラルアーツ。当時のギリシアは奴隷(非自由民)と自由民で成り立っていた。使う側の自由民に求められた基礎教養、基礎的なスキルこそがリベラルアーツ。
・空気を読む国語ではなく、文法学・論理学・修辞学の三学に。感想文ではなく、論理的かつ建設的にものを考え、思考を組み上げる構成能力を育成せよ。
・若者が未来を創るために、人間の物語を理解しておくこと。
・仕事=力×距離 (force × displacement)
・若い人へリソース配分を。「老人を生かさんがために、若い人を犠牲にするような国に未来はない」
非常に感銘を受けたので、安宅さんの「イシューから始めよ」も購入。こちらについてはまた。
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