前記事でちらと触れた、フランスのコルベール委員会も初めて聞くという方のために。

コルベール委員会とは。1954年にジャン=ジャック・ゲラン主導のもと創設されました。コルベールの名前は、17世紀のジャン=バティスト・コルベールに由来します。

ジャン=バティスト・コルベールは、1661年にルイ14世の財政管理をし、王室の建物、美術品、製造品の管理をおこなっていた役人です。世界にフランスの技術力を広めることに貢献しました。外国の技術を取り入れながら手工業の創設を奨励したり、海軍の拡張や 港の整備に尽力したりすることで、フランス製品の輸出を強化しています。

コルベールはまた文化人でもあり、ローマにアカデミー・フランセーズ、パリにコメディー・ フランセーズを設立しました。

そのように、現在のフランスのブランド産業、フランスのイメージの基盤を作ったともいえるコルベール氏の名に由来するのが、コルベール委員会というわけです。1954年当時のメンバーは15ブランドでしたが、今日では81ブランドが メンバー。創設当初から、フランス独自の技術と美意識を体現し、13の分野にわたり、フランス流 「美しい暮らし」を象徴しています。

こうしたコルベール委員会に匹敵するものが、日本にもあればと思う所以です。「クールジャパン」はまったく違うものになってしまいました。サブカルではなく、ラグジュアリーを束ねることで、日本の産業も文化もしかるべきステイタスを帯びていくのではないでしょうか。

 

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