House of Gucci. 14日から公開になりましたね。

ファッション史に興味があってもなくても飽きさせず、2時間半、目が釘付け。

 

ノリノリの70年代末~80年代ミュージックと感情揺さぶるイタリアンオペラがいい感じで「意味まみれ」。衣裳は眼福、俳優は驚愕。

ジャレットレトを探せ。史実を知っていたらなお面白くなる。(「アパレル全史」参照。笑) ちょうどゴッドファーザーの原稿を書いていて、アルパチーノの演技に歴史を重ね見てじわり泣きました… とにかく必見です。

 

写真はすべて、© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

 

House of Gucciで印象に残った人間観察のひとつに、「人と違う個性や才能をアピールすることは、実は凡庸さの頂点である」というのがあります。本当に革新的なやり手は、最も静かで平凡に見えたアノ人だった!という事実に基づくオチが渋い。画期的な変化を起こす人はいちいち人と違うアピールなんてしない。静かな意志を、平凡に着実に淡々と貫き、その暁に結果を出す。そんなもんです。

 

 

 あわせて読むとよりいっそう面白さが増す原作本。

 下巻末の解説も理解を深めてくれます。

 映画の中に出てくるトム・フォード、ドメニコ・デ・ソーレ、アナ・ウィンター、カール・ラガーフェルドがどんな位置づけの人なのか? 占い師役のサルマ・ハエックの現実世界での夫がどんな人なのか(グッチを傘下におさめるケリングの会長)? 今のグッチをもりあげるアレッサンドロ・ミケーレはどんな仕事をしていて画期的なのか? いつからファッションのメインプレイヤーが資本家になったのか? などなどご参考になる点いろいろあるかと思います。電子書籍版もあり。

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