「関心領域」試写。映されているのは幸せな小市民の家庭の日々のみで、壁の向こうはポスターでは真っ黒に塗りつぶされています。音や煙や灰でそこで何が起きているのかを示唆する。アウシュヴィッツものの全く新しい「見せ方」で、映画でしか表現方法。収容所から出る灰が庭の花々の養分になり、花々が揺れるたびに涙が出てくる。現在の私たちそのものじゃないのかと問いを突き付けてくる必見の映画だと思います。
シスレーの新製品「シスレイヤ インテグラル フレッシュ ジェル クリーム」の発表会、小笠原伯爵邸にて。
初代「シスレイヤ」が発売されたのが1999年。開発に10年以上かけられた、50以上の成分が溶け込んだ究極のエイジングケアクリームとして話題になりました。ブランド名+「ヤ」の「ヤ」は感嘆詞。それから段階的にアップグレードして今回は第三世代のジェルクリームとして4月1日に発売されます。
20世紀初頭に建てられた洋館、小笠原伯爵邸は、時を超えた美しさを保っているインテリアや庭園を誇り、シスレーのコンセプトとぴったり。
ピンクの花が咲いている木は桜ではなくアーモンドだそうです。
ご一緒したフレグランスエキスパートの地引由美さん、(株)ウエスト社長の西村京実さんとシガールームで撮影してみました。
シスレージャパン社長ジェローム・ドヴィレさんはじめマーケティング、コミュニケーションの皆様、素晴らしい発表会をありがとうございました。
日経新聞夕刊連載「モードは語る」、本日は、アリッサ・ハーディが念願だったキャリアと引き換えに業界の暗部を暴いた渾身のルポ『ブランド幻想』について書いています。
紙版、電子版、ともに掲載されています。電子版はこちら(会員限定公開)。
インフルエンサーに対しても、ご自分の影響力がどのように行使されるべきなのか、もっと責任を自覚すべきと促しています。
ファッションのキラキラした面はすてきですが、それを支える労働者がどのような扱いを受けているのか。知ってしまったら、商品を見る目も変わらざるをえないところがあります。
第10章は、私が遭遇したのと似たような経験が書かれていて、同情の涙なしには読めませんでした。社会正義の側に立とうとすれば、保守勢力から痛い目に遭うのは、どの領域でも変わらないですね。でも新しい味方がもっと増えているはず。アリッサの勇気を讃え、応援します。
19日に英国大使館で開催されたスコットランドファッションの展示会<ScotStyle : Redefining Scottish Fashion>に伺いました。スコットランド国際開発庁主催。
2010年創業のISLANDER。ハリスツイードをモチーフにしたフットウェアやアクセサリー。プライスも抑えめで「かわいい」と感じさせるたたずまい。古くからのハリスツイードのイメージを覆し、現代性を打ち出そうとしている努力を讃えたい(上から目線でスミマセン)。
スコットランド香水業界のパイオニア、ユアン・マッコールが率いる2019年設立のフレグランスブランド、Jorum Studio。赤いボトルのRose Highlandは潮風に運ばれ海岸線に吹きつけられるバラを着想源にした辛口ローズ🌹
つやつやのバッグの素材はアカシアの木。ハンドメイドで、オブジェのようですが、意外とものがたくさん入り、バッグとしての機能は十分満たせます。ブランド名はROCIO(ロシオ)。デザイナーはHamish Menziesで、2006年創業。コーディネートの主役になる迫力があります。
オーディオシステムをグラスゴーで展開するLINN。1973年創設で、優れた音質で知られます。上はストールなどではなく、下の縦長スピーカーのように、ハリスツイードのファブリックをスピーカーにカバーとしてまとわせて独自の音を楽しむシステム。
みんな大好きスコットランドと言えば、のJohnstons of Elgin.
トップの記念写真はバグパイパーのティム・二ーリー氏と大英帝国勲章MBE受勲者のDJ、ガイ・ぺリマン氏です。
ストラスベリーのバッグ他、多くのファッションブランドが出展していたのですが、すべて紹介しきれず、ご寛恕ください。
スコットランド国際開発庁のアンジェラ・コルソープさんはじめスタッフのみなさま、お招きありがとうございました。ツイードに関しては、次の記事Vol. 2で詳細を書きます。
「エルメス」が、「バーキンが買えない」とアメリカの消費者に提訴されたというブルームバーグの報道について、NewsPicksにコメントしました。会員でない方のために、以下にも掲載しておきます。
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そんな訴訟を起こされたらますますバーキンの価格が上がりますね(笑)
そこまでして欲しがられるというコンテクストを作ったブランディングはさすがエルメス、あっぱれです。
バーキンはもはや「バッグ」というカテゴリーを超えた神秘の偶像のようになっていますね。それはそれでブランディングの成功なので、良いことだと思います。自身のブランディングを主体的に、戦略的に貫くエルメスはリスペクトします。
ただ、これを買うために、「購買実績」を積み上げて、ようやく「購入させていただく資格をいただける」「購買を許可していただける」ことをありがたがる従属的な消費者って、天の視点から見ると、どう見えるのか。中古で高く売れる資産にもなるからなりふりかまわなくなるのか。偶像崇拝のあやうさと滑稽さを見る思いがします。
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自分の欲望の正体を今一度、頭を冷やして見つめてみたいものです。稀少性を高める、偶像化する、階級を与える、というのはラグジュアリー・マーケティングの定番的戦略であり、これはこれで成功させるのが難しいので、成功させたブランドはリスペクト、です。消費者がそこに従属的に盲目的に巻き込まれるのか、戦略を理解してその物語に参加するのかでは大きな違いがあります。主体性を貫いてそこには参画せず、自分が勝てる別のコンテクストを創り上げる、というのが最もかっこいいあり方だ、とは常々思っています。
宝島社より22日に発売されるムック「Legend Star Graffiti オードリー・ヘプバーン『永遠の妖精』の素顔」。生涯と映画を豊富な写真でコンパクトに紹介しています。レトロな雰囲気。第2章「オードリー・ヘプバーンとファッション」を書きました。
パリ・オートクチュールデザイナー、中里唯馬がケニアで見たものは。「燃えるドレスを紡いで」のレビュー書きました。ファッション産業が利益追求に走りすぎた結果、アフリカに「衣服の墓場」が形成されている。「もう服を作らないで」というケニアの叫び。その状況を受け止めて一歩前進しようとする唯馬さん。
支えるのはセイコーエプソンとスパイバーという日本の最先端技術、ということも頼もしい。
16日公開です。ぜひ、ご覧ください。
英語版はこちらに書いておきました。
エストネーションから、仕事服に関するインタビューを受けました。こちらで公開されております。お時間ゆるすときがありましたらご笑覧ください。
エストネーションの飯島亜沙子さん、水谷優芽さん、竹山賢さん、ヘアメイクの久保田カオリさん、ライターの湯澤実和子さんはじめ、スタイリストさん、カメラマンさん(お名刺いただくタイミング外し)にたいへんお世話になりました。ありがとうございました。
「婦人画報」4月号に寄稿した最旬の靴とジャケットに関するエッセイがウェブ版に転載されました。「靴から始まる『ジャケットのおしゃれ』 王道スタイルと自由な組み合わせ」。
靴とジャケットの方向性を合わせることが20世紀の王道スタイルでそれもよいのですが、いまはあえて不協和音を自由に楽しむことができる時代になっています。
富山中部高校同窓会、神通会の会報No.62 に寄稿しました。昨年お招きいただいた講演に関する話題です。お世話になりましたみなさま、あらためましてありがとうございました。
婦人画報4月号、ジャケット特集&シューズで監修・寄稿しています。ジャケットから見る20世紀初頭から現在までのファッション史に関し、2ページにわたり、年代ごとの特徴をできるだけコンパクトにまとめています。ジャケットに合わせるシューズのページではエッセイを寄稿しております。ファッション史のおさらいと最新トレンドのアップデート、楽しんでいただければ幸いです。
GQ 4月号発売です。ジェントルマン特集。
W. David Marx氏と対談した記事が掲載されています。「What Is A Gentleman ジェントルマンよ、復活せよ」。
オールドマネーとニューマネー、クリエイティブクラス、イギリスメンズファッションデザイナーの最近の潮流、ステイタスとジェントルマン、日本の山の手の粋、紳士協定とアメリカ式起業、19世紀ダンディ、新しい日本のラグジュアリーにいたるまで話題は多岐に広がります。ぜひご覧くださいませ。