ブルネロクチネリ2024年秋冬展示会。今回はウィメンズのほうに参加しました。

テーマは「ジェントル・ラグジュアリー」。寛容で優しく思いやりのあるラグジュアリー。森羅万象に対して敬意と思いやりを持ち、自分自身も大切に扱う。そんな普遍的な価値をクチネリは目指している、とのことです。

ウィメンズでは「アンテ・リテラム」というコンセプトも紹介されました。ラテン語で、言葉になる前の本質的な美のことです。ピューリッツア賞を受賞したアメリカの女性詩人、エドナ・セント・ヴィンセント・ミレイの作品の中のフレーズ、「BEAUTY NEVER SLUMBERS (美は眠らない)」が着想源。展示会会場の本社ショールーム入り口にもこのフレーズが掲げられていました。文字や言葉になる前から存在する普遍的な「美」の本質を追求し、エドナのような知性と強さにあふれたエレガンスを追求する女性像がクチネリの理想なのだそうです。

寛容でやさしい普遍的なグレーのテイラード。

ソフト・サルトリアル。モヘアなどもともとある素材をアップデートして用いたテイラードのマッチングセット(なるほど、セットアップと呼ばずマッチングセットと呼ぶのか)。

やはりニットにこそクチネリの本領が発揮されており、職人の手仕事による細部が今回も圧巻でした。

クチュールニットは、機械編みをベースにして職人の手仕事を加えたニット。27時間かけて作られ72万5千円。

とはいえ、クチネリ真骨頂はなんといってもオペラニットのほうに。この立体的な細部の美しさときたら。34時間かけて一着が作られる。こちらは178万6千円で、もはやアートピース。

オペラニットやクチュールニットの価格に「ほお…」とため息をついているところに「エントリーモデル」のカシミアセーター22万円が紹介されたりすると「お手頃価格」に見えてしまう数字のマジック。お値段は万人に寛容というわけではありません(笑)。エントリーモデルでは、日本限定でモニューレ(装飾)が前の首元につき、クチネリのものだと一目でわかるアイテムだそうです。本来はモニューレが後ろにさりげなくついている「クワイエット」なものですが、日本限定でブランド誇示バージョンが作られるのはちょっと複雑ですねえ…。

アイウェアも日本の鯖江製で本格始動。メイドインジャパンを堂々打ち出されます。クチネリのブランドロゴは内側や留め金部分にさりげなく入ります。細部へのこだわりという点では、たとえばトップ写真のスカート部分にも注目です。レーザーでカッティングが施されております。

メンズのストーリーも聞きたかったのですが、今回は都合が合わず断念。時間がゆったり流れる優雅な空間でのひと時を楽しませていただきました。

 

0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です