韓国映画「ニューノーマル」試写。最初から最後まで、予測不可能。見たことのない種類の映画である。オムニバス形式で、4日間の間にソウルで起きている殺人事件、失踪事件、事故を描く。それが現代の「普通の」日常にひそむ孤独や疲労や欲や絶望から生まれていることがうっすら浮かび上がる冷ややかなおぞましさ。出てくる人たちみんなが、一人で品数の少ない、ときにインスタントなご飯(とは呼べないものも)食べている。彼らがお互い交差していることがわかる最後の章。

孤食がニューノーマルになった時代にどんな危険がめぐりめぐってにじみ出てくるのか。まったく解決も収束もしないそれぞれの絶望的なストーリーに「え…?」と取り残される。けれど、あとからじわじわいろんな思いが沸き起こってくる。あれが自分であってもおかしくはない、と思わせるリアリティ。現代の観客が自分目線で没入したその先にもっていかれる闇。日常の中にあるおそろしさをあぶりだす新感覚のサスペンススリラーで社会派映画。

監督はチョン・ボムシク。お久しぶりな「冬ソナ」のチェ・ジウも予想もできなかった役で出演。

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