2024年8月19日
有川一三さんが「これを読んで人生が変わった」と推薦していた、鈴木鎮一さん著『愛に生きる』を読む。バイオリンの「スズキメソード」の鈴木先生の本。人間が「才能をのばす」ために必要なシンプルな真理が豊富な具体例と共に紹介されていて、心が浄化されていくような読後感がある。盲目のこどもがバイオリンが弾けるようになるまでのプロセスには心がゆさぶられた。
鈴木先生の理想のイメージのなかには、アインシュタインとその知友のグループと共に過ごした体験がある。
人間の理解に基づいた深い思いやりに包まれ、「あの人びとの高い感覚、謙虚な姿、人間への深い愛情を持った人間に育てたい」という夢の実現に、鈴木先生はすべてをかけることになる。
こういう理想を共有しながら才能を育てあう、という社会が実現できたらすばらしいですね。次世代教育においても、企業研修においても、はたまた自身を育てることにおいても、このシンプルな真理を徹底・実践することで才能は自らのびていく。身近な愛に包まれることが、世界平和への最短の道でもある。
この考えに影響を受け世界一のジュエリーコレクターとなった有川さんの例を見ても、グローバル型ではない日本のラグジュアリーを「育てる」(という表現はおこがましいですが)上において鈴木先生の思想は大きなよりどころになる。
『愛に生きる』(講談社現代新書)は1966年発行で現在99刷。
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