トッド・スナイダー氏のインタビューに関し、メインの記事はGQでの公開までお待ちいただくとして、こぼれ話。

雑誌の表紙に書かれた「アルチザン(職人)」という言葉に、トッドは「ああ、これこれ」という表情で強く反応した。

その理由を確認したら、ものを作る人間として今、一番大事にしている言葉だから、と。

トッドが言う意味とは少しずれるかもしれないが、「アルチザン」に反応する男子が増えた。服好き男子によれば、職人技が過剰なまでに発揮された変態ファッションのカテゴリーをさすと。「ストリート」「スポーツ」などと並ぶカテゴリーとしての「アルチザン」。ブランドにはカルペディエム、キャロルクリスチャンポエルなど。以前からあった領域なのだが、「知る人ぞ知る」だったものがメジャーに語られるようになってきた。

「アルチザン」とは、無駄で過剰な職人技が駆使されているゆえに、稀少価値が生まれ、マニアックな熱狂も生む、それゆえ高付加価値がつくファッションカテゴリー。

AI時代に人間の手仕事の価値は上がり、稀少性を重んじるラグジュアリーにとって職人の手仕事は不可欠になっていく。

その兆候が、先駆的な領域における、極端な職人技尊重の「アルチザン」スタイルである、と位置付けたい。トッドがそのワードに敏感になるのも、これからますます重要になっていく要素だからであろう。ファッションは常に時代を予兆する。

(トッド・スナイダー氏の写真はウールリッチに提供いただきました)

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