千葉市美術館で開催中の「おとぎの国のモードをさがして/Fairy Tale MODE」。

19世紀から20世紀にかけてヨーロッパで花開いた挿絵本を中心に、おとぎ話のなかに描かれた服、装飾、身体表現をたどりながら、「物語の世界では、なぜこのような装いが選ばれたのか」を読み解く展覧会です。

王女、魔女、妖精、動物、異国の人物。それぞれの服には、当時の人々が抱いた身分の感覚、ジェンダー観、美醜の感覚、富、異世界への憧れが刻まれています。

よく知っているはずの物語にも、服飾史の視点から見ると思いがけない発見がいくつもありました。

さらに嬉しい想定外だったのが、同時開催の「なぞとき!日本の物語絵」。江戸から大正時代に描かれた日本の物語世界にも触れることができます。

西洋と日本では、物語の登場人物をどのような姿で表し、何を「非日常」のしるしとしてきたのか。比較しながら見ることで、想像力にもそれぞれの文化の型があることが見えてきます。

展示とともに印象に残ったのが千葉市美術館の建築。約100年前の1927年に建てられた旧川崎銀行千葉支店が、新しい建物の内部に保存されています。高い天井と重厚な柱を備えた壮麗な空間は、それ自体がひとつの展示作品のようでした。

2つの県境を越える道のりに加え、猛烈な暑さ。着くまではなかなか大変でしたが、足を運んだ甲斐は十分にありました。

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