懸案の原稿を2つ、精魂こめて書き上げてぐったり脱力していたところ、ジョン・ガリアーノ逮捕(?)のニュースが飛び込んできた。木曜夜、パリのマレー地区で大酒を飲み、ユダヤ人カップルを侮辱するような暴言を吐いたとのこと。
ディオールのボス、シドニー・トレダノは冷たい。「反ユダヤ人的な発言、態度は断固として許さない。取り調べの結果が出るまでは、ガリアーノを仕事に就かせない」と即表明。
ステージでのロックスター的パフォーマンス上手の彼は、バックステージではシャイなことでも知られる。いったい具体的にどんな暴言を吐いたのか?
あるニュースサイトには、英語でこんなふうに言ったとラジオで引用されていた、とあった。: “Dirty Jewish face, you should be dead” and “Fucking Asian bastard, I will kill you.”
ガリアーノの弁護士は容疑を否認。とはいえ、ガリアーノは相当酔っぱらっていたというから、本人は「覚えがない」のもムリはない・・・。弁護士は逆に、このような容疑をかけられたことに対して訴訟をする、と強気。
3月4日にディオールのショウが予定されている。ガリアーノなしのディオールなど考えられない。どうなるのか。
ガリアーノが言ったとされる暴言を読んでいて、ひっかかったこと。こんな種類の言葉は、日本ではその辺の居酒屋なんかでけっこう耳にする。へたするともっとひどい暴言がシラフのまま駅員に向かって投げられていたり、教室で生徒が教師に向かって言っていたりする。それって日本だと逮捕の対象にならない(逮捕されたことを聞いたことがない)と思うが、フランスだと(実際に暴力をふるわなくても)暴言だけで罪になるのだろうか?
それとも、同じ民族どうしで暴言を投げつけていたらOKだけど、相手がユダヤ人だったから「人種差別的な攻撃をした」ということで逮捕の対象になったのだろうか? 人種差別に敏感なところだから、どうもそうらしいのだが。
知らないことが多すぎる。だれかフランスの法律に詳しい人、教えてほしい。
<13年後の2024年6月20日追記>
ガリアーノがこの時の事件を振り返るドキュメンタリー映画「ハイ・&・ロー」が公開される。日本語タイトルは「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー」。
そのためか、13年前のこの記事が突然、よく読まれている。
この時代にはまだ「人種差別」や「非難中傷侮辱」をおこなった人が罰せられるという風潮はなかった。少なくとも日本では。ネットリンチみたいなのも公然とおこなわれていた野蛮な時代だった。
2015年あたりから風向きががらっと、社会正義に反することをした人には罰せられるという風に変わったという記憶がある。
この事件のときのガリアーノのボスはユダヤ人(LVMHのトップ、Diorのトップともに)で、過重な仕事を課された「恨み」もまた差別主義的なことばにこめられていたのだろうか。
人も、時代も、価値観も、13年経てば大きく変わる。13年後のガリアーノは、長い間のどん底の体験を経た後に這い上がり、本来の天才ぶりを良い感じで発揮している。彼はいい顔になった。
映画の試写を拝見しました。レビューは新しい別記事で書きますね。
反ユダヤ問題が気になりましたか?
そうなんです。
欧米では、ユダヤについて悪いことをいうと逮捕されるんです。
世界の何人に対しても上回る力をユダヤ民族をもっているのです。
服飾史家でいらっしゃいますから、ファッションのモードとユダヤの関連性についてある程度は調べていらっしゃいますよね?
世界のあらゆる分野でのトレンドとモードをでっちあげ世界中の人をそのうねりに巻き込むのが得意なのがユダヤ商法なわけでうよね。
それもわからず、日本人はすぐに「欧米」ではやっているから・・・・・と飛びつきます。
ま、日本のメディアが電通に影から支配されていることに気づかないのと同じですよね。