三陽山長2012年春夏の展示会@三陽山長銀座店に出かける(昨日)。
オールウェザーコレクションや、ドレススニーカー(グッドデザイン賞受賞)など、日本のビジネスマンの事情を考慮したやさしくりりしい靴の数々。デッキシューズも中敷きが洗えるようになっていたりと、日本らしいきめ細やかさが光る。
下段の靴、スクールシューズみたいな装飾は取り外しも可。これを「キルト」と呼ぶそうです。当初は「ほこりよけ」であったそう。
もっとも心ひかれたのは春夏用のスエード。冬の靴という先入観があったけど、春夏にももちろんOK。スエード靴のお手入れ講習もおこなわれていたので、じっくり教えていただく。風合いを長持ちさせるには、はき始める前のケアが大切。
1. 形のいいシューキーパーを入れる。
2. スエード専用のブラシ(真鍮ブラシ)で、毛を起こすように、逆立てながらブラッシングする。もともとスエードとは毛を痛めて(!)つくった素材。遠慮せず、逆立てて可。
3. ムートンブーツには、Splash Brushを使い、同様に。
4. スエード専用の栄養スプレーをかける。この成分はほとんどオイル。毛が起きたところに油分を補うので、これが浸透し、発色がよくなる上、水をはじく効果も得られる(!)。色抜けも防止できる。ちなみに、スエードが白茶ける原因は、防水スプレー。これが乾燥して白茶けてしまう。
(この写真は、スエードが水をはじいているところ。手品みたいで、おもわず「をを!」と)。以上のケアを、まだ靴が新しい段階からやっておくことが望ましい。万一、すでに白茶けてしまった場合、色を入れる染料も市販されているので、それで補うとよい。
…ということでございます。靴は、心を込めて手入れをすれば、それにふさわしい場所へ連れて行ってくれることであなたに報いてくれる。はず。
>スエードが白茶ける原因は、防水スプレー。これが乾燥して白茶けてしまう。
これは知りませんでした。発色のいいグリーン色のスエード靴を持っているのですが、悩んでいたところなので解決しました!
私の祖母の遺言は、「いい靴をちゃんと手入れして履きなさい。その靴が素敵な出会いのある素敵なところに連れて行ってくれる」でした。
通りすがりに一言、失礼しました。
>isozakiさん、honさん、
Thank you very much for your comments!
スエードを起毛させる時
針金のブラシで起毛させますからね〜。
ガシガシやっても大丈夫かと。
そして、毛が長くなりすぎた時は
ライターの火でさっと焼く。
これは熟練がいります。
どちらにしても、靴のメンテは
紳士の嗜みのひとつです。
>らみいさん
ライターの火で焼く!
さすが、高度な技をご存知でいらっしゃいますね…。
素人がやると焦がしそうですね。
こげ茶色の靴で試してみますか(^-^;
スエードは、その見た目に騙されて(?)、必要以上に優しく丁寧に扱ってしまいがちですが、製造方法からしても、そうではないとのこと…、恥ずかしながら、私は最近(三ヶ月ほど前)まで存じませんでした。意外なことに、靴を販売なさっていてもご存じない方が結構いらっしゃいますので…、お店の方の言葉を信じていた私は、つい最近まで騙されておりました(笑)。良い記事をお書きになったと思っておりましたら、やはりコメントがたくさん付きましたか…、皆さん素早いです。油分さえ切らさなければ、水分をはじき汚れを寄せ付けにくいようでして、水をはじかなくなったら栄養スプレーをかける時期のようです。
ライターの火であぶるという技は、スエードにも使えるのですか…、存じませんでした。さすが、らみいさんです。先日、NHKの「美の壺」で、籠の鞄がささくれたら、ライターの火であぶれば良いと放送していました。ライターの火であぶる…、いろいろなことに使えるようです。でも、火の扱いには充分気をつけましょう。
>かいしんさん
そうなんですよね、販売員が案外そういうことを知らない。ましてや一般の私たちは。
スエードは水をはじくことができて、春夏もOKということ、もっと広く知っていただくと、装いのバリエーションも豊かになるし、靴の手入れに気を使う人も増えてくるのではないかと思います。