2020年5月1日
Day 5 のテーマは、「恋愛の技法」。
これを読んで実践したらモテる、というハウツーものではありません。また、現実にモテてモテて困るほどの方は本など読むヒマも必要もなかろうと思われます。
古代ローマの社会事情を反映する恋愛事情、
中世・近世の文学者たちのラブレターの解説、
19世紀末から20世紀にかけての「フラート」(恋愛の戯れごと)のマナーとタブーの歴史、
そして結婚せず愛人となった古今の有名女性124人のエピソード集です。
全部読むとさすがにぐったり、げんなり、お腹いっぱいになりますが、丁寧に人やことばを掘り下げているだけあって、どれひとつとして「同じような話」はないんですよね。人の数だけ恋愛の形は存在し、単一の「法則」などありえないのだということを思い知らされます。また、人間はこの分野ではそれほど進化しないらしいということも。
コロナ禍のもとでは、会いたい人にもなかなか会えず、苦しい思いをしていらっしゃる方もいるかもしれません。「恋愛書簡」の中条省平さんによれば、相手の不在あってこそ恋愛書簡という貴重な文学が生まれたとのこと。相手の不在にどのような心の変化が起きるのか、「鏡」として読んでみるのも面白いかもしれません。
外の現実に目を向けると不安や辛さや焦りに押しつぶされそうになるコロナ禍ですが、一日のうちの少しの時間でも、心を潤すことができますように。
#FourBooksforFourBatons
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