ファッション用語で頻出する「スタイル」というのは、少なくとも英国紳士学においては、「いい・悪い」ではなく、「ある・なし」で語られる。

「スタイルがある」とは、「強い信念がある」とほぼ同義で、ファッショナブルかどうかという問題とは無関係。ましてや身体的美醜とも全く関係がない。

紳士ワールドに由来するものは、デザイナーやテイラーの名前ではなく、「スタイルのある人」の名前がついている。

ウェリントン・ブーツ
プリンス・オブ・ウェールズ・チェック
ラグラン・スリーブ
カーディガン
チェスターフィールドコート
ノーフォークジャケット など。

サヴィルロウのスーツにしても客の注文で作るのが基本。テイストを持っているのは客であるという大前提がある。だからかつてはどこで作ったかわからないようにしていた。

「デザイナーズブランド」の対極ですね。オズワルド・ボーティングあたりからサヴィルロウでもブランド化が進むのだが

身だしなみは大切ですが、身だしなみ以外に真剣勝負するものをもっていることが、スタイル確立の第一歩でしょうか。

Photo: Henry Fitzalan-Howard, 15th Duke of Norfolk (1890)

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