2024年10月23日
SPUR 12月号、発売です。
「読む『宝石と腕時計』」特集で協力させていただきました。宝石を連想させる文学の言葉を探せ、というミッション。
ボードレール、シェイクスピア、キーツ、宮本輝、三島由紀夫から探してきました。本棚の埃がきれいになりました。
よろしかったら本誌をご覧くださいませ。
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文学の言葉は長く残り、時空を超えて後世の人々に影響を与えるものであるなあ……ということを改めて実感していた矢先に、ちょっと心に引っかかる光景を目にしたので、記しておきます。
リアルであれインターネット上であれ、
仮に言葉をかけるならば、どんな相手であれ最低限の敬意をもってかける。
よほど軽蔑や怒りが大きければ、ひねりのある皮肉で昇華する形で伝える。
それさえ難しければスルーするか思い切り距離をおいて法的処置にゆだねる。
それが人に影響を与える言葉を使う人間の責務であり大前提とされてきたし、 言葉によって社会になにがしかの影響を与える人間の価値でもありました。 学問の世界に長くいたのは、そんな「生きるお手本」のような先達への尊敬と憧れがあったためです。
そのような倫理観が公然とふみにじられる光景を目にしました。
若者や子供たちは、それでもなお影響力をふるう大人の態度を模倣します。
罵倒や侮蔑のことばを立場のある人が公然と放てば、それをOKなのかと受け取る若者が主流になる数年後、「そんな」世の中になってしまう。
言葉を用いて仕事をする人が(そうでなくても、ですが)責務を倫理的に果たすということは、何年後かの自分ないし子孫が生きる未来の社会環境を作るための、最低限の投資でもあります。さらにそれを美しく使えば、後世の人々を救う光にもなります。
自戒を込めて、です。
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