カマラハリスの功績は、テーラードスーツの威力を普及させたことにあるだろう(ほかにもあるのだろうが、ここではファッションの側面に限り話をさせていただきます)。
最初にテーラードスーツを作ることになったとき、ああ、男性は「おしゃれに関心ありません」という風を装いながら、こんな極上の世界で楽しんでいたのかと 目からうろこが落ちる思いをした。
身体を適度に抽象的に覆いながら上品に包み込む。
生地は暑さ寒さ湿気から程よく身を守る最高級の天然繊維。
インナーや小物でアレンジが効く。
身体に合わせた縫製は動きやすく、全く疲れない 。
重役室、レセプション、どこへ行っても品格を保てて一目おかれる 。
タキシードにいたっては一度作ればOK 。パーティーのたびに服で頭を悩ませる必要もない 。
トレンドがほぼないので10年前のスーツも古びない 。
「祖父のスーツをサイズ調整して着ている」紳士もざらにいる。 究極のサステナブルな服でもある。
テーラーで最適に仕立てたスーツは 自由と快適とリスペクトを与えてくれる服なのだ 。
記憶に残るブランドは、着ている本人。
スーツと言っても千差万別で、量産型リクルートスーツとは まったく異なるカテゴリーのものだが、 「一般的に、地味な制服と思われているスーツ」を隠れ蓑にした 別格にラグジュアリーな世界を男性に独占させておくわけにはいかないだろう。
(写真は元グッチCEOのマルコ・ビッザーリ氏にインタビューしたときのもの。廣川輝雄さん製作のスーツは、ビッザーリも称賛してくれました。どんなブランドの方に会ってもOKなのがテーラードスーツの良さでもある。どうでもいい話ですが私の身長は165㎝で、5センチヒールを履くと170㎝になります。ビッザーリ氏がいかに長身か)
#全国のテーラーのみなさん、がんばれ
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