資生堂が扱うフレグランスのレクチャーを受けました。

まずはナルシソ ロドリゲス for herのシリーズ。すべて「ハート オブ ムスク」を核に据えています。ムスクは肌によって香調が変わりやすく、〈女性賛美のシグネチャー〉として同ブランドを象徴。ロドリゲス自身が希少なムスクオイルを贈られた体験が出発点であり、以後全ラインにムスクが貫かれています。

近年の作品を手がける調香師ソニア・コンスタンは、ジボダンの伝統技術と AI プラットフォーム〈ScentTrek/Carto〉を併用しています。秘境で採取した植物を AI に解析させ、香りの「4時間後のドライダウン」をそのまま再現。合成ながら天然同等の分子設計で原料消費を減らし、サステナブルな処方を実現しています。 最新作(赤ボトルの「オードパルファム インテンス)はトップにピーチ、ハートにホワイトフラワー、ベースにベチバーと米ぬか由来バニラ(!)を配し、ムスクの豊潤さを引き立てています。 レイヤリングの中心となる〈ピュア ムスク〉(白ボトル)は石鹸の残り香のようにクリーンで、シリーズ随一のベストセラー。重ねても喧嘩しない。ほんとうにピュアなのです。なんと、きものにも合います。

ダークトーンの〈ムスク ノワール〉や〈ムスク ノワール ローズ〉はチュベローズやイランイランが加わり、「夜」の官能と禁断性を表現。いずれもムスクの土台ゆえ、透明感は失わない洗練の香り。

上は次章となる〈All of Me〉。センティフォリアローズとブルボンゼラニウムを柱に「私のすべて」を祝う新テーマ。 調香はドラ・バーグリッシュとダフネ・ブジェ。プリズム状ボトルが多様性の輝きを表現し、日本では2025年5月28日発売予定です。 ムスクを媒介に「個の香り」を深めつつ、AI とサステナビリティで未来を構想する。ナルシソ ロドリゲスは、香水市場が抱える資源と多様性の課題に対し、そんな形で対応しています。

 

Attended a Shiseido fragrance briefing.

Narciso Rodriguez for her: every edition revolves around a “Heart of Musk,” a note that shifts with each wearer—Rodriguez’s tribute to feminine individuality.

Perfumer Sonia Constant blends Givaudan craft with AI tools (ScentTrek / Carto) to clone the four-hour dry-down of rare botanicals, cutting raw-material use and boosting sustainability.


 Latest EDP Intense (red bottle): peach → white florals → vetiver & rice-bran vanilla, all riding luxurious musk.

Pure Musk (white) is the clean, soap-soft best-seller built for effortless layering—even with kimono.

Musk Noir / Noir Rose add tuberose & ylang-ylang for refined “after-dark” sensuality.

Next chapter “All of Me” (centifolia rose & bourbon geranium, prism bottle) launches in Japan 28 May 2025, celebrating diversity.

Musk as identity, AI as craft, sustainability as mandate—Narciso Rodriguez is sketching the roadmap for fragrance’s future.

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