Netflixの「ブリジャートン家」。いやーおもしろかった……。

1813年のロンドンの社交シーズンが舞台。社交シーズンの目的は、マッチング。結婚によって階級も社会的ステイタスも変わるので、各「家」も妙齢の男女も、根回しや駆け引きや準備その他に必死になるわけですね。

完全にジェーン・オースティンの世界なんですが、描かれ方が21世紀です。Rake!そのもののヘイスティング公爵はアフリカ系のレゲ=ジャン・ペイジだし、(現実でも)錯乱したジョージ3世の妃、シャーロット王妃は多人種の血をひくゴルダ・ロシュウェルで、それが原因ではないけどまったく高貴に見えない。笑 現実のシャーロット王妃も複数の人種の血を引く方でした。さらに社交界に出入りする貴族にアフリカ系、アジア系が大勢いて、とりたてて人種の話題は出てこない。新しい。

まったく見慣れない19世紀イギリスのコスチュームドラマに、「ゴシップガール」風の仕掛けが加わり、ハーレークイン風のベタなかけひきが満載で、若草物語風味も入れながら週刊誌中綴じ風のなまなましく過激なベッドシーンがあり、最後はロマンチックな愛の賛歌となる。古典的な話なのに斬新。19世紀ロンドンの話なのにクラシック感ゼロ。そのチープで下世話な感じの面白さに引っ張られて一気に8話見させられる。

コスチュームの基本は時代を正しくおさえており、男性はアダム型シルエットのカラフル燕尾服、女性は胸元切り替えのエンパイアスタイルのドレス。宮廷関係者は前時代のロココスタイル。ただアレンジが21世紀好みになってます。

とりわけ男性ファッションの美しさに刮目せよ、です。襟回り~胸元にかけてのシルエットといい、重厚な生地といい、リッチな色彩といい、男性をこれほどセクシーに見せる服はないのではないか。

ベッドシーンが過激すぎで15歳未満は鑑賞できません。

ブリジャートン家の当主、アンソニーを演じるジョナサン・ヘイリー(上の写真左)はじめ、個性的な美男ぞろいであるのも眼福。とりわけヘイスティング公爵役のレゲ=ジャン・ペイジは出色のダイヤモンドでしょうか。次回のボンド役の候補にもなっているという噂にも納得しました。この人のボンドはぜひ見てみたいです。

「単に多くの人に見られるだけでなく、文化のツァイトガイスト(時代を特徴づける思想)を形づくるヒットを生み出す」と宣言するネットフリックス。多様性社会にフィットする大胆なキャスティングでそれを証明してくれたという印象です。

日本のラグジュアリーを紹介していくFRaU連載、今回は「和光」、とりわけ和光のセンスが光る「ちいさきもの」について語っております。

銀座のどんまんなかにあるのに(あるゆえか?)スルーされがちなのですが、品ぞろえも、老舗感のあるもののなかに意外と最先端が紛れておりますよ。

おつかいものに使うことも多いので、手の内をさらすようでほんとうはあまり紹介したくはなかった(笑)。

こちらからご覧ください。

寺家町の奥の奥のほうに、ギャラリー&カフェ。Jike Studio

車で行かないと無理。探すのも一苦労。周囲はたんぼなので、言われないと、ここがカフェだとは絶対にわからない。広がる田園都市の原風景。外はこんなだけど、

なかは今どきのおしゃれなカフェ。感染症対策も徹底されています。クラフツや食器などを販売するギャラリーも併設されています。

きれいに陳列された焼き物。

ランチプレートのレベルが高い。器もすべてオリジナル。

ゆずのチーズケーキ。コーヒー、ハーブティーも美味。

そこから歩いて1分ほどのところに別館、Jike Hausが。こんなあかぬけたギャラリーが、ど田舎に出現するシュール感……。

きれいな焼き物、手作りの家具などが販売されています。

期間限定でペルシャ絨毯展をやっていました。

 

手前のブルーのカーペットは、シルクの織物です。精緻な美しさが一枚一枚、違う。それぞれの絨毯にそれぞれのストーリーがある。

モームの「人生はペルシャ絨毯」説ではないけれど、やはりペルシア絨毯にはなにか命の重みのようなものを感じさせる力がありますね。

山奥の秘境でお宝を見つけたような気分でした。短時間でエスケープし、田舎の空気で深呼吸できた良い時間になりました。

 

 

JBpress autograph 「モードと社会」。

アンリアレイジの森永邦彦の初の著書「A to Z アンリアレイジのファッション」のレビューです。こちらからどうぞ。

前衛的な作品を作る彼の、意外なまでの「古さ」にやられました。次の時代を開くカギは、こんな「古さ」にあるのかも。

 

書籍はこちら↓ (Click to amazon)

久々の雨となった関東地方でした。

1月の恒例、ミキモトグループが協賛する日本赤十字社献血チャリティコンサートに参加しました。

サントリーホールでは、コートの預かりもおこなわず、席もひとつづず空け、幕間のドリンクサービスもおこなわないという徹底したコロナ対策。

指揮:原田慶太楼、ギター:村治佳織、管弦楽:東京都交響楽団によるビゼーのカルメン、ロドリーゴのアランフェス協奏曲、ドヴォルザークの「新世界より」。

村治さんのギターを初めて生で聞きました。演奏のすばらしさは当然のことながら、赤と黒で構成されたオリジナルの衣裳(靴も含め)がほんとうに麗しい。2017年のベストドレッサーに選ばれただけのことはありますね。音楽家もやはり見た目(衣裳)は重要ですね。演奏の印象を大きく左右します。

 

 

 

 

〇就任式で、ある意味、一番人気だったバーニー・サンダースが、自身の写真をプリントしたスウェットシャツを45ドルで売り、売り上げをチャリティに回す。

こちらの記事。

誰もが笑顔になるこういうノリは好き。

 

 

NewsPicksでコメントランキング2位とな。いつも超マイナーな記事ばかりピックしているので「大気圏外」で悠々自適しているつもりでしたが。資生堂はやはり日本人の生活にも文化にも密着している企業なのですね。ビジネスパーソンの関心の高さがうかがわれました。

コメントではそこまで書きませんでしたが、資生堂内部で、「切り離される」プロジェクトに関わってきた方々は、さぞかし無念で悔しいだろうと拝察しております。

資生堂が、TSUBAKIなどの日用品部門を1500億円で売却するという記事に対するコメントでした。

〇現場コンサルの仕事の後、久々にレヴィータでさらっと一杯。

天井高く、衛生安全対策も万全なこちらのカウンターでのおひとり飲みは快適ですよ。気持ちを切り替えて次へのエネルギーをチャージするのに、20~30分でもこういう時間を持てるのは幸せなことです。

 

レヴィータは現在、15時~20時までオープンしています。土曜日のアフタヌーンティーの予約はほぼ満席をいただいているそうです。(おひとり、または家族に近いお二人でどうぞ。)20時閉店を求められるのはバーにとってほんとうに厳しいことなのですが、こうして日中に応援してくれるファンに支援していただけるのは、心強いですね。

何度見ても「好きだな~」と思える景色のひとつ。ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町の「顔」、レヴィータです。

 

Kunishima のウェブサイトが完成いたしました。中外国島は社名を「国島」と変更し、新しい時代にふさわしい生地メーカーへと舵を切りました。

 

これからコンテンツも少しずつ充実していく予定です。楽しみですね。

新しいウェブサイトは、こちらからご覧くださいませ。

Forbes Japan 連載「ポストラグジュアリー360」。第二回目が公開されました。

後半はミラノ在住の安西洋之さんが執筆しています。

こちらからどうぞ。

アメリカの新しい大統領が誕生しました。分断のない、風通しの良い社会になることを願ってやみません。

それにしても。就任式のニュースをアメリカと同時間で見ていたのですが、Qなんとかの陰謀論の方々は最後の最後まで大騒ぎして何かが起きると信じていたようです。まずは暴動もなく、つつがなく式典が終わったことに、ほっとします。

全世界が注目するこの瞬間は、新進デザイナーにとってのシンデレラ・モーメントでもあるわけですが。

ジル・バイデンはアレクサンドラ・オニールがデザイナーを務める「マルカリアン」。カマラ・ハリスはクリストファー・ジョン・ロジャース。

前夜のリンカン・メモリアルでのプレ就任式では、ハリスはカービー・ジャン=レイモンドがデザインした「パイアー・モス」のコートにオスカー・デ・ラ・レンタのドレス。バイデンはジョナサン・コーエンの紫のアンサンブルだったそうです。デ・ラ・レンタ以外は初めて名前を聞くデザイナーばかり。しばらくアメリカのファッション界に新しいスターが登場していませんでしたが、こうして名前がメディアに踊ることで、活躍のジャンプボードになるとよいですね。

紫は赤と青の融合で、あのミシェル・オバマも選挙戦を勝ち上がっていく途中でうまく使っていましたね。

 

レディ・ガガはスキャパレリの前衛的なドレスで国歌を熱唱。

若きアフリカン・アメリカンの詩人、アマンダ・ゴーマンは、「The Hill We Climb」を朗読(というか暗唱)。黄色いジャケットと赤のヘッドアクセサリーで強いインパクトを与えました。

 

伝統であれ新進であれ前衛であれハイブランドのフォーマルな装いで続々登場する政治家、著名人のなかにひときわ目立つ装いのお方が……と思ったらバーニー・サンダース! 若い世代に絶大な人気を誇る上院議員は、装いもSNSで大人気でした。

バートンのジャケット(いつもの)。ミトンのデザイナーはジェン・エリス……ってエセックスの教師だそうです。彼女からバーニーにプレゼントされたもの。「らしい」スタイルに笑顔にさせていただきました。就任式でもっとも印象に残ったのがバーニーでした。

1789年、ジョージ・ワシントンの大統領就任式。描かれたのは1903年。200年後の大統領は何を着ているでしょうか。

パナソニック汐留ミュージアムにて、「香りの器 高砂コレクション展」が開催中です。

古代オリエントの香油壺に始まり、近代ヨーロッパの陶磁器やガラスの香水瓶、アールデコの芸術品、大戦中の作品にいたるまで。化粧用具や家具なども含めたおよそ240点が展示されています。高砂香料工業株式会社が収集してきたコレクションです。

香水瓶に、いや香水瓶だからこそ、ここまで凝ったものを作るのかというイマジネーションの炸裂。

 

マイセンの香水瓶たち。ほんとうに小さい陶磁器なのに、精巧に作られています。それぞれにストーリーもあります。さすがのマイセン。

1900年ごろの花蝶文様香水瓶とパウダー容器。

 

 

 

1920年ごろの鳳凰文香水瓶、化粧容器、アトマイザー香水瓶。タッセルそのものが鳳凰のように見える。

マルク・ラリック「喜びの心」(ニナ・リッチ)、1942年。ハート型にくりぬいてあるのがすばらしい。右もマルク・ラリック「いちずな願い」(ウォルト)、1944年。

ルネ・ラリック「りんごの花」、1919年。

3月21日までです。公式HPはこちら。

 

婦人画報.jp フォーマル連載Vol. 15  「ロイヤルスタイルに見る、エレガントなコートの装い」。

 

モナコのシャルレーヌ妃、スウェーデンのヴィクトリア皇太子、スペインのレティシア王妃、ベルギーのマチルド王妃、オランダのマクシマ王妃、ヨルダンのラーニア王妃。

こちらからどうぞ。マンネリになりがちなコートスタイルのご参考例に。あるいは王妃たちの競演を目の保養に。

 

王妃たちのお足元は、豪雪に悩まされているみなさまにはシュールに見えるとは思いますが。

大雪のお見舞いを、重ねて申し上げます。

 

この10日間ほど懸案だった10000字ほどの原稿を仕上げて久々の解放感。

こもりきりだったのでかなりの運動不足を感じ、中華街で食事したあと山下町から桜木町まで海岸通りを歩く。その途中で、前記事のRising Sunを発見したというわけです。歩くと思わぬ発見や出会いもありますね。

日本海側のみなさま、ごめんなさいm(__)mm(__)mという空なのですが。雲ひとつなく、空気も澄み切って刃物みたく冷たく刺さってくる。

10000字10日間というのは超遅筆。でも10日間ずっと書いているわけではなくて、実際に書き始めることができるのは最後の3日間から。その前の7日間は、ひたすら仕込み&発酵の期間です。

この間は「書けない」「苦しい」「孤独」の三重苦とともに過ごすことになります。今日一日、何の生産もしなかったと自己嫌悪になることも。

しかし、この発酵期間が実はもっとも重要。この期間にどんどん脳内のシナプスがつながっていくのです。それだけの時間がかかる。

いやそれにしても遅筆だろう。

横浜の夜もきれいです。飽きない景色があるから延々と歩けるというところはあるな。

ランドマークタワーが見えてくると一安心。とはいえ、ここからが実はなかなか遠い。笑

この写真、実は今年に入って買い換えたばかりのiPhone 12 Proというスマホで撮ったのですが、夜景がこんなにきれいに撮れる! このカメラの性能には感動します。

さて、気持ちも切り替えたので、今日からまた新たな10000字の旅。

海岸通りを歩いていたらロンドンの地下鉄の標識を発見。

思わず吸い寄せられて地下に降りていくと、そこには50年代、60年代、70年代のロンドンカルチュアがひしめいていました。ビンテージのレコード、家具、小物、服飾品、ポスター、etc. お店の名前は、Rising Sun.

ロンドン好きなご夫婦おふたりでやっているお店だそうです。いまはロンドンからの送料が高くなっているんだとか。一点一点に興奮して時間を忘れて過ごしてしまいました。

おまけに、70年代のヴィンテージコートまで買って帰る羽目に。この時代の生地は作り込みが素晴らしく美しく、縫製も細部にいたるまでしっかりしているのでまったく古く見えないのですよ。

久美子さんにリフォームしてもらい、いまどきのシルエットにして着ます。楽しみ。

 

1月初めに仕事で宿泊したメズム東京です。

昨年オープンした話題のホテルで、オートグラフ・コレクションにはいっています。ゆりかもめ竹芝からすぐ。

フロントからの視界はすばらしく、近くに建物がないウォーターフロント。真下には浜離宮も見えます。

 

ミニチュアの箱庭みたいに見える。

ロビーにはピアノがあり、夜にミニライブも(行かなかったけど)。

特筆すべきはクラブラウンジ。オープンエアで非常に気持ちがいい。今の季節は寒いですが。

クラブラウンジからの眺め。グラス、カトラリー、スタッフの制服、スタッフの仕草、あらゆる細部に世界観が行きわたっており、かなり力の入ったブランディングがなされていることがうかがわれました。

クラブラウンジ、夜の眺め。

お部屋も広く、アメニティや備品にオリジナリティがあります。バスローブとゆかたの中間のようなローブ。やわらかくて着心地がいいし、ベルトが素敵で見た目もジェダイの騎士風。

 

冷蔵庫内のドリンク(ビール、オレンジジュース、水)はフリー。お水もペットボトルではなくガラスの瓶というのが今どきの環境に対する配慮でしょうか。コーヒーは猿田彦コーヒーとのコラボだし、抹茶までお部屋で作って飲める。ペコちゃんのミルキーもあるよ。

バス周りのアメニティも楽しく、本をあけると、こんなふうにアメニティがパズルのように組み込まれています。シャンプー、コンディショナー、バスソルトなどもオリジナルで、質も上質でした。こういう徹底したブランディングには感心するばかり。

電子ピアノまでおいてある。久しぶりにピアノを弾きました(ねこふんじゃった、ですが)。

とまあ、よいところは本当にたくさんあるし、スタッフも若い人が多く、親切だし、クラブフロアのフード&ドリンクも高めのレベル。朝食からシャンパンがおいてあったのもポイント高い(飲まなかったけど)。

 

ただ、立地に難点があります。角度によっては景色はよいですが、なにせ竹芝。まわりは倉庫が多いし、下が高速道路なので一晩中、車の音に悩まされる羽目に。フィットネスもウェアを貸し出ししていないのでフィットネス施設も使えず、スパ施設もなし。ビジネスホテルにしてはクオリティが高すぎるしリゾートホテルとしては環境がいまひとつで館内になごめる場所もない。ちょっともったいない。

とはいえ。角度によっては車の音が聞こえない部屋もあると思うので、ワーケーションでご利用になる場合はそういう部屋を指定されるのがよいと思う。コーヒーもお水も追加でいただけるし、外に遊びに行きたくなるような場所もないので、心おきなく部屋&クラブラウンジで仕事がはかどりそう。クラブラウンジにはおひとりさまもけっこういらっしゃいました。とにかく人と飛沫をとばしあう距離で接しない、ということを死守すれば、安全対策を徹底してとっているラグジュアリーホテルはかえって安全で、心の疲れも癒してくれるのでよいと思います(がんばれホテル業界)。

北陸の豪雪。心よりお見舞い申し上げます。終わらない雪かき。交通機関がマヒしてスーパーの食料は空っぽ。臨時休業。雪のために開かない扉。恐怖や不安はいかばかりかと拝察します。「令和三年豪雪」とすでにウィキペディア入りしています。くれぐれも暖かくしてこの時期をしのいでくださいね。

 

 話題になっていたので買ってみました。あと20年後の世界。おそらくこうなるのだなということはうすうすわかりました。予測して、それに備える、という読み方はよいと思いますが、私などは不可抗力に備える術も思い浮かばず、やや気が滅入ってきました。笑 知っていても悲劇を避けられないこと、というのはあるだろうな、と。

ファッションに関する予測もさらっとあります。アフリカが存在感を増すだろう、と。これに関してはすでにいろいろな方が述べられていますので、間違うことはないと思いますが。

 

 

新成人の方々、おめでとうございます。コロナに豪雪にアメリカの不穏な政情と、決して平和とはいえない状況のなかでの成人式。どうかたくましく、タフに、新しい時代を創っていってください。

 

横浜市は緊急事態宣言下でも成人式を横浜アリーナで決行すると案内が来ましたが、うちの次男は行かないそうです。横浜市長は突発性のご病気で入院したので欠席だそうです。なんだかなあ。ちなみに私も成人式には出席してません。何光年も前の話ですが。新成人を祝うということと自治体主催の成人式に出るということは、切り離して考えていい話です。

 

Be ready for anything. 毎日が「一生に一度」。

日本経済新聞「モードは語る」。

9日付は、植物由来のダウン、カポックノットの創業者、深井喜翔さんにインタビューした記事です。こちらをどうぞ。

 トランプ大統領は「負け」を認めないことの見苦しさをいやというほど見せつけた。将棋の美しさは「負けました」と相手に向かて伝えるときの、人間としての美しいドラマを見ることにもある。

5年前にインタビューしたことのある佐藤天彦九段の「理想を現実にする力」。衣、食、住、に向かうエネルギーと習慣が、そのまま将棋にも反映されていることが伝わってくる。

kotoba連載記事の資料として読みましたが、そんな目的を超えて共感するところが多かった。21世紀のこの同時代に、同じテイスト(バロック、ロココの美しさが好き)の人がいるということ、それも嬉しいな。彼は実生活にバロック、ロココ趣味をバランスよく取り入れていますが、私はそれほどの勇気もこだわりもないので、同列においてはいけないのですが。

自分好みのテイストを徹底的に貫くことで幸福感を享受している人は、他人の好みも尊重し、周囲にきめ細かい配慮ができる。同調ではなく、独立した個人どうしの調和。みんながそんなふうに生きられるとよいね。

アメリカでは親トランプ派暴徒による連邦議会乱入(4人亡くなる)。アメリカのメディアの報道をずっと追っていましたが、バルカン半島かどこかの政治事情の不安定な国で起きているクーデターのようでした。現職大統領がデマを流して大衆を煽る。ツイッターとFBが暴力を扇動した大統領のアカウントを凍結する。警備がゆるゆるであっさり暴徒が侵入できる(むしろ警官が暴徒を招き入れていた動画まで流れてくる)。鎮圧された暴徒はなぜか手錠もかけられず、釈放される。世界に民主主義国家の大恥をさらしたあと、最終的にはトランプも政権移譲を認める。ドラマでもお目にかかれない議会炎上の光景。一方で陰謀論をいまだ根強く論理的に展開するインテリの方々。

夏のBlack Lives Matter との違いも浮き彫りになりました。あのデモははるかに平和的なものでしたが、武装警官はデモ隊に発砲したりひどい暴力をふるったり権力によって必要以上の弾圧をしようとしていました。今回の白人の暴徒に対するゆるゆるの甘さは何なのか? この差はいったいどこから来るのか。

(Capitol at Dusk. Photo by Martin Falbisoner. Wikimedia Commons)

 

*いくつか残る謎に関しては、こちらの記事が整理してくれています。

 

イギリスではEU離脱に全土ロックダウン。香港での言論弾圧。中国では当局を批判したジャック・マーが行方不明。

日本では緊急事態宣言。

個人的にも、それを受けて、1~2月のために計画を進めていたイベントがすべて4月以降に延期となりました。1月の講演やミーティングのキャンセルなどの影響も受けました。穏やかなスタートとはとても言い難い2021年の最初の一週間です。

感染症の脅威が広がっているときに右往左往しても何もならないので、月並みですが、騒音をシャットアウトして、冬眠のなかでできることに没頭するというのが最善の策。こんな時にも言葉を交わしてくれる人には、できるだけコロナコロナと言わないようにします。医療従事者の方々には本当に頭が下がります。

 

 

 

人生初明治神宮。

 

ひたすら密を避けてのタイミングでの神頼み。

 

日本酒のみならず、ワインの樽までも奉納されているのはさすが明治神宮。


 

40年も関東に住みながらなぜこれまで一度も明治神宮を訪れなかったのか。混んでると思っていたから。人混み、混雑は何よりも避けたい。コロナの前からもそうだったし、これからもそう。人生訓としても、レッドオーシャンは全力で回避する。人と競わない。獣道を行け。

お神酒に代わるお酒、かつアルコール消毒はエノテカ表参道ヒルズで。

ルイ・ロデレールのクリスタルの試飲価格1500円(50mi)は安いのか適切なのか、よくわからない。笑

一年の始まりなので、最愛の白、モンラッシェも。つつましくグラスで。魂まで届く感動のおいしさでした。

4日までに今年初の原稿2本アップしました。アウトプット以上のインプットも絶やさず、油断せずに淡々と。

 

 

あけましておめでとうございます。

 

旧年中のあたたかいご交誼に心より感謝申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

初詣を終えるとちょうど初日の出。青い空にひときわ光り輝いて見えました。

 


西側の空には、ほぼ満月が残っています。マレフィセント味のある木々の間に、うっすらと月が見えています。なにがあろうと淡々と上り、また上るために静かに沈む。

みなさまの2021年がお健やかでお幸せに満ちた年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。