
伊勢型紙の美しさと価値をご存じですか
伊勢型紙を使い照明器具をつくる高橋完治さんを取材。伊勢型紙を4000枚譲り受けた経緯や、半導体業界から全く畑違いの伝統工芸アートの世界に入った経緯を伺いました。
詳しくは後日記事にしますが、この型紙の可能性、無限にありそうです。
それにしても。きものが着られなくなり、伊勢型紙の需要がへり、型紙の価値に目をとめた外国の方がどんどん型紙を買っていく。それでいいの?
I…

メゾンフレグランスの普及に貢献 フォルテ30周年
フォルテさま30周年おめでとうございます。フォルテが扱う全ブランドと、新作の発表会。
フォルテさまとは、四半世紀ほど前に創業者の吉岡さまとウェブで対談したころからの長いおつきあいです。いまやニッチフレグランスを語るときには欠かせない存在になっています。
日本市場での香水文化の成熟には、こうした香りを地道に紹介し続けてきたエージェントの役割が本当に大きい。
フレグランスのエキスパート、MAHOさんによるメゾンフレグランス解説も香水愛が感じられてわかりやすく、楽しい発表会でした。
以下は試香した新作のなかでも印象に残ったフレグランスのメモです。
🌹ディファレントカンパニーのLove…

縁側や中庭でつながる ししいわハウスNo. 3
(No. 1とNo. 2から少し投稿の間があいてしまいましたが)ししいわハウスNo. 3。西沢立衛さんの設計。
日本の木造建築にオマージュを捧げてあり、各部屋が縁側や中庭でつなが…

「わたのまち、応答セヨ」応援コメント
ドキュメンタリー映画「わたのまち、応答セヨ」のコメントが公開されました。
人々の予測できない反応を巻き込みながら、クライマックスに向けて着々と感情が盛り上がっていく骨太なドキュメンタリーです。
「美の継承」に国境はないのですよね。三河木綿の奇跡をぜひ目撃してください。
さらに詳細なレビューは、JBpress…

時を超えて「人と人とを優雅につなぐ」モナコ 大阪万博
大阪万博、モナコ公国のレセプションにお招きいただきました。
ピエール・アンドレ・キアポリ財務大臣、ディディエ・ガメルダンジェ駐日モナコ大使はじめモナコ公国の関係者の方々にあたたかくお迎えいただきました。
モナコのパビリオンは全体が大人の社交サロンのようでした。なんといってもオテル・モンテカルロが提携しているのです。一流ホテルのおもてなしのエッセンスをコンパクトにほんの少し体験できる場所、それがモナコパビリオン。
レセプション会場となった3階のワインセラーには、SBMグループのエグゼクティブヘッドソムリエが選んだボルドー、ブルゴーニュ、ローヌ、ロワール、プロヴァンスのワインが麗しく並んでいます。…

『「イノベーター」で読むアパレル全史 増補改訂版』6月20日発売
初校ゲラが届きました。
大幅に増補・改訂し、500ページ近い本になりそうです。
ラグジュアリーブランドの系譜から伝統工芸をアップデートするクリエイターまで。20世紀を更新したデザイナーから21世紀を動かすカリスマ経営者まで。総勢100名ほどのアパレルイノベーターが登場します。
6月20日発売です。…

小浅間山トレッキング ししいわハウス・プログラム
ししいわハウスでは多様なアクティビティプログラムを用意しています。その一つのトレッキングプログラムで、小浅間山の山頂まで登りました。標高1655メートル。
ほんの…

人と人とを隔てる壁がない ししいわハウス2
ししいわハウス No. 2
こちらが3棟のなかではメインの建築になります。やはり一目でわかる坂茂さんの設計。(例:スイデンテラス)
切妻屋根と無柱のトラス構造による開放的なパブリックスペースで、旅人どうしの交流も促されます。ゲストの9割が品のよい外国人でした。
ウィスキーコレクションもすばらしく、カウンターで一杯ずつ手でいれていただくコーヒーも美味しい。アートやテーマ性をもった写真コレクション、美装本の数々もさりげなく飾られますが見ごたえあります。
自然にとけこむ開放的で洗練された空間、あたたかくも節度を保ったサービスのなかにいると、人と人との間の壁みたいものが無理なくとれてくることがわかります。ソーシャル・ホスピタリティとは何なのかが体感できるリトリートです。
メインレストランもこの建物に。
Shishi-Iwa…

ソーシャル・ホスピタリティー ししいわハウス1
ししいわハウスにプレスツアーで伺いました。
ししいわハウスは、中軽井沢にある3棟からなる次世代ラグジュアリー感覚を満たすリトリート。1はオーナーのフェイさんが、日頃世界各地にいらっしゃるファミリーが集うための施設として建てたブティックホテルです。自然と一体になるように建てられた曲線が麗しい。建築は、ブリツカー賞受賞の坂茂さん。
ダンボールで作られた椅子や照明までスタイリッシュです。館内のあちこちにアートが飾られる。細部まで考え抜かれた知的な空間です。
全11室で、ソーシャルホスピタリティを掲げ、共用スペースが約5割。ゲスト同士の交流が自然に促されるような設計になっています。
SHISHI-IWA…

「プレジデント・ステーション」放送のご案内
4月20日(日)20:00~20:55 、ミュージックバード「プレジデント・ステーション」でラグジュアリーをテーマにパーソナリティのお二人と話したトークが放送されます。詳細はこちら…

伝統工芸と市場をつなぐ「ミドルウェア」の重要性 雅耀会第3回
雅耀会(ラグジュアリー文脈で伝統工芸を考える会) 第3回のお知らせです。
第2回で明らかになった課題の一つに、「伝統工芸がラグジュアリー市場に適応するためのプロデュースやマネジメントの重要性が十分に認識されていないこと」がありました。
伝統工芸と市場、デザイナーや建築家をつなぐ「ミドルウェア」の役割が、今後、ますます重要になります。
そこで今回は、ミドルウェアという立ち位置を切り拓き、「ubushina/AMUAMI」を展開する立川裕大氏をお迎えし、伝統技術ディレクターとしての実践、日本工藝とラグジュアリーの未来を語り合います。「序と結び」は私が担当します。異分野を架橋する思考と美意識、具体的な実践の方法に触れる機会、ぜひご参加ください。
5月31日…

自然界の設計はそもそも完璧 やまこきのこ園
やまこきのこ園@浅間山のふもと 取材見学。
きのこの種類によって生育環境条件を細かくコントロールして多種多様なキノコを育てていらっしゃいます。壮観。
キノコは盛りを過ぎてしまうとそこにキノコバエがとんできて幼虫の栄養になる。
最後はすべて土に還りみんなが木の栄養になる。その木が新しいキノコを育てる。
自然界では当初から完璧な循環が設計されていることを実感します。
Visit…

大丸松坂屋百貨店WEBマガジンでインタビューを受けました
大丸松坂屋百貨店のWEBで「これからのラグジュアリー」をテーマにインタビューを受けました。
こちらでお読みいただければ幸いです。
I was recently interviewed for the official web publication…

『「イノベーター」で読むアパレル全史 増補・改訂版』予約受付開始
『「イノベーター」で読むアパレル全史 増補改訂版』(日本実業出版社)6月20日発売です。アマゾンや楽天などでも予約受付中です。
大増補・改訂しております。日本のイ…

「世界のお祭りと舞踏衣装」展 神戸ファッション美術館
万博に合わせ、神戸ファッション美術館で「世界のお祭りと舞踏衣装」展が始まりました。
インドネシア、カメルーン、タイ、中国、ブータン、イタリア、コンゴ、グァテマラ、フィリピン、日本など。すべてに映像つき。
映像とともに紹介する今回の展示は、「生きた文化資産」として鑑賞が可能です。衣装の素材や構造、色彩や装飾技法のひとつひとつが、染織・刺繍・装身具といった視覚文化の粋を集めたクラフトの結晶であり、そこには地域ごとの自然環境と技術的知恵の関係が浮かび上がります。
グローバリゼーションの進行とともに、こうした衣装は観光資源や商品デザインのモチーフとして消費されることが増えましたが、その背後にある文脈を解読せずに取り出すことは、文化的搾取に等しい危うさを孕みます。だからこそ、視覚資料と動的映像を併置し、背景にある思想や身体技法まで丁寧に伝えるキュレーションの意義は極めて大きいと感じます。
Now…

語り方の戦略 ハウス・オブ・クリードから「エラダリア オードパルファム」登場
香りの世界でも、「ラグジュアリー」の再定義が進んでいます。ケリング傘下でグローバル展開を加速させる〈ハウス・オブ・クリード〉は、新作「エラダリア」を通じてその最前線を示しました。
朝霧に包まれた幻想的なローズを、3種のローズ+ムスクで再構築。香りの構成はクラシックですが、質感はあくまでモダン。そこに宿るのは「仕立ての精神」。
1760年にロンドンのテーラーとして創業し、英国王ジョージ3世に香り付き手袋を献上したという起源。今もその伝統は香水づくりに受け継がれています。
葡萄の種を植えるところから収穫し、製品として完成させるまでというワインづくりに着想を得た「アート・オブ・ミレジム」の哲学、そして契約農家との関係性に根ざした「稀少性」。こうした価値観に支えられながら、クリードは自らを「リーディング・グローバル・アーティザン・ラグジュアリー・フレグランス・ブランド」と定義しました。(な、ながい…)
大量生産でもヘリテージの神話化でもない。クラフツマンシップと限定性を軸に、ブランドの本質的な差異を明快な言語で示す姿勢は、現代のラグジュアリーブランドにとっての「語り方の戦略」の重要性を示す好例でもありますね。
お招きありがとうございました。
It…

きものや伝統織物を本気で守ろうとするならば
きもの、伝統織物の取材をするたびに 「ぜひ、書いてください」と言われることがある。
謎ルールにとらわれず、自由に着てほしい!と。
季節による着分け、場面による細かいルール、主に明治以降に生まれたそんな「ルール」なるものにとらわれず、…

銃弾を拾い、祈りを染める 琉球びんがたの記事がウェブ公開されました
琉球紅型の工房を訪ね、職人たちにお話を伺った取材記事がウェブでも公開されました。
戦後の混乱の中、「そこら中に転がっていた」銃弾や廃材を道具に変え、王族の衣装だった紅型を復興させた職人たち。苦難を力に変えてきた沖縄の精神が、今も城間家の手で受け継がれています。
城間びんがた工房のみなさま、ご紹介くださいました「きものやまと」さんに重ねて心よりお礼申し上げます。
I…

新連載「ラグジュアリー・ルネサンス」が始まりました
4日付夕刊から、日経新聞で新連載が始まりました。テーマは 「ラグジュアリー・ルネサンス」 です。
いま日本では、西洋中心のラグジュアリー観から離れ、日本独自の文化的オリジンに根ざした「リアリティ」や「本物の豊かさ」を求める動きが静かに芽生えています。この連載では、過度な伝統主義に陥ることなく、現代を生きる日本にふさわしく、そして未来に希望を灯すようなラグジュアリーのあり方を、多角的な視点から探っていきます。
第1回は、イントロダクションです。
I'm…

「伝統的工芸品」の定義、数字で知る現状と現場からの声
国の支援×伝統工藝×ラグジュアリーのイベント、拙いファシリテーターを務めましたが、各地からご参加いただいた方々からの鋭い質疑応答のなかに学ぶことが本当に多く、忘れないうちに備忘録としてメモしておきます。
◎「伝統的工芸品」は、「伝産法」に基づき、経済産業大臣が指定する。100年間以上、それぞれの地域に密着した生活用品を提供する産業であることが大前提となる。そう、100年の歴史を持ってないと国の指定を受けられないのです。国の指定が受けられないと補助も受けられない。
◎<伝産法第一条>国民の生活に豊かさと潤いを与えるとともに地域経済の発展に寄与し、経済の健全な発展に資する。
指定されているのは全国に243品目。100年経っていることが要件なので、「輪島塗」は伝統工芸品に指定されるけれど「珠洲焼」は指定されてないのです。ただ、自治体での指定要件は別。でもね、民藝的に生まれ、発展したものも多いだろうに、100年経っているという証拠を出せ(文書でもなんでも)と言われても難しいところもあるのでは。
◎伝統工芸品の生産額。1990年代には158品目508,164百万円→2022年には240品目104,989百万円。…