
フランスのビッグブランドのディレクターが皆フランス人じゃない
カール・ラガーフェルド監督、キーラ・ナイトレイ主演で、ココ・シャネルの映画がつくられるようです。ドーヴィル開店100周年を記念して。シャネル度200%ではないですか。
http://www.vogue.co.uk/news/2013/03/19/keira-knightley-chanel-film---stars-as-coco-mademoiselle
カール大帝ついでに。WWD…

あらゆる善意が 未来を生み出す
昨日は山室さんの訃報に、すっかり打ちのめされたようになっていた。現場での取材活動に誰よりも熱心で、誰よりもボキャブラリー豊富に、誰よりも早く、誰よりも楽しそうに、誰よりも大量に、それを伝え続けてきた人だった。権威などものともせずに批判し、弱い人は全力でかばい、新人を熱く応援する、フェアな人だった。ファッショナブルであることに臆さず、いつも舞台衣装のように決めたファッションで、周囲を明るく楽しませてくれた。明治大学に講義にいらしたときだって、ピンクのジャケットだった。気分はいつも「ヒロミ・ゴー」で、でもそれがぜんぜんイヤミじゃなく、キャラクターとして溶け込んでいた。私の書くものを「同業者で唯一、嫉妬する文章」と評してくれた。最高の讃辞だった。まちがったことは正々堂々と批判するけれども、それが正当なものだったので、誰からもリスペクトされ、愛されていた、唯一無比の人だった。こんな、ファッション界にとってお宝のような人が、キャリアの絶頂でこの世を去るというのは、あまりにも惜しいし、あまりにも悲しい。
写真は昨年、ゲスト講師としてレクチャーしてくださった山室さん。学生の質問も真正面から受け止めて、真剣に答えてくださった。
53歳。なんだよそれ。この前亡くなったばかりの山口淳さんも52歳だった。なんでいい人ばかりが、才能のある書き手ばかりが、早く去るのだろう。
このところ、張りつめて、あれもこれも完璧にしなくてはと無理して頑張りつづけてきたのが、この訃報で、ぷつんとなにかが切れたようになって、しばらく虚脱状態になって沈み込んでしまっていた。
そんなところへ、カルチュア・コンシェルジェでもあるル・パランのマスターから「クラウド・アトラス」がよかったというお勧め映画のメッセージが届く。ほんとに偶然なのだが、これは、「一つの死は次の生の扉を開くこと、全ての生や魂はつながりあっている、そんなテーマの映画」とのこと。バーカウンターを離れても、いつだってこの方は、絶妙のタイミングで最適の言葉をそっとさしだしてくれるのだ。ありがとね(涙)。
元気を出してください、と教えてくれた映画のセリフがこれ。
「命は自分のものではない 子宮から墓まで 人は他者とつながる 過去も 未来も すべての罪が あらゆる善意が 未来を生み出す」
Our…

Conglatulations & Thank you
昨日は次男の小学校卒業式。ミッションPTA代表、壇上で挨拶。長くハードだった6年間を思うと、うるうるしそうになりましたが、なんとかお祝いの言葉を読みあげました。専門分野の講演とはまったく違った緊張がありますね(-_-;) 泣かないように気を散らしつつ、かつ、心を込めて読むことに集中しなくてはならないという難しい仕事でした…。慣れたころには一年間の任務が終了する。PTA総会まであと一か月のおつとめです。…

愛から生まれる王道
Sankei Expresss 03/16号、および、Fuji Sankei Business i 3/16号、「美のクリエイター」欄、芦田淳さんが生み出す美の世界のヒミツについて、書いています。「愛から生まれる 王道」。機…

筋の通ったエレガンス
14日にグランドハイアットでおこなわれた、ジュンアシダA/W 2013-14コレクション。
25か国の大使&大使夫人もかけつける、グローバルなエレガンスの基準を確認できる貴重な機会でもあります。大使夫人のなかにはヘッドピース(お帽子とまではいかない、頭部のアクセサリー)を美しく装う方も多い。さすが、場慣れした貫録。
82歳になる芦田淳先生は、日本発のエレガンスの王道を世界に発信し続けている国宝級のデザイナーだと思う。時代が変わろうとも決して揺るがない、筋の通った「芦田ラグジュアリー」な作品の数々に酔いました。
写真はシルクジャカードのコート。裏がキルティングになっている贅沢な作り。襟を立てると、後光のように見える。ルネサンス期ヨーロッパの宮廷服を連想させる襟。ほかにも裏地がファーがはられたマントや、ゴールドのブロケードのコートなど、素材・デザイン・細部への気配りにいたるまで完璧に極めたアイテムの数々。
コレクション後の会場でのスナップ。25ans…

幸福な一期一会
旧知の編集者に「ヒミツの場所へご案内しましょう」と連れて行かれた先が、中国大使館の少し先にある、なんていうことはないビルの地下。外には看板を出しているわけでもない、カウンター8席+ほんの少しのテーブル席がある、Le…

頼って頼られ
北日本新聞よりシリーズ「友達って何?」の最終回にインタビューを受けました。今朝記事がアップされていました。
友だちなんて、定義できるものではないし、人と人との関…

毎日、あなたは<卒業>する
ミッションPTA。地元の中学校の卒業式に「来賓」として出席してきました。お客さんなのに、もらい泣きでうるうる。卒業式はいいですね。心が浄化されていきます。「大地賛歌」の合唱を聴いていたら、15歳だったころまでタイムスリップさせていただきました。
「<卒業>はコンセプトにすぎない。毎日、あなたは<卒業>するのだ。<卒業>は人生最後の日まで続くプロセスなのである。それを理解できれば、大きな違いを生み出すことができるだろう」
Graduation…

ライフ・イズ・ミラクル
創刊から延々と愛読している雑誌のひとつに「25ans」があって、そこに数年前から執筆者としてお声がかかるようになったのは感無量なのだけれど。
さらに、ライフ・イズ・ワンダフル&ミラクル&ビューティフル(笑)と感激することが。90年代から「香港マダム」としてしばしば25ans誌面に登場していらして、雲の上の方だと思っていたかっこいいマダム、坂巻恵子さんと、お会いしました。昨日のことです。半年ほど前にFB友になり、ここしばらくコメントやメッセージなどのやりとりをしていたのだが、マダムから「お会いしましょう」のお誘いがあり、ランチをすることに。
勢いで、またとないよい機会だからと、BIANCAオープニングで偶然お会いしたFBマダム友、花千代シンガーさんもご一緒に。青山のTWO…

「終わらないそのあとがある」
楽しみのひとつだった、朝日新聞の谷川俊太郎さんの連載が終了してしまった。4日(月)夕刊。
3月の詩 「そのあと」も、暗誦したい力強く美しい世界。
「そのあとがある 大切なひとを失ったあと もうあとはないと思ったあと すべて終わったと知ったあとにも 終わらないそのあとがある
そのあとは一筋に 霧の中へ消えている そのあとは限りなく 青くひろがっている
そのあとがある 世界に そして ひとりひとりの心に」
「芸術家の作品はすべて、彼の魂の冒険の表現であるべきだ」by…

ソルト&ペッパーな紳士
J-WAVEの休日特番、LEON presents Style You Up!に出演してまいりました。
クリス・ペプラーさんと大塚善奈さんお相手に、「モテる男とファッション」。休日の昼間っからレクチャーや…

「決して君を傷つけるようなことはしない、と言った人が」
「アンナ・カレーニナ」がすばらしすぎて二度見。当初、あざといと見えた演出に慣れると、物語の本質というか、時代が変わっても変わらない人間の真実があますところなく描かれていることがわかる。だからこその古典なんですね。
大学の文学部が落ち目で哀しいかぎりだけど、文学部に2年間身をおいた経験からいえば、文学部というのは、主に、人間の変わらぬ真実、時代や場所が変わっても変わらない心の動きや行動様式を学ぶところだったと思う。英語やらフランス語やらの語学じゃないのだ。まあ、いろんな考え方がありますが…。
で、ジョー・ライト版「アンナ・カレーニナ」、トム・ストッパードの脚本もすばらしい。あらためて学ぶところが多い。原稿にも書くが、書けなかった気づきをランダムにメモ。
草食男子など、この世にはいない。そいつはアナタに興味がないだけだ。絶食男子にいたっては、女が自分から神秘のベールをはぎとってしまった無謀な勘違い行為が生んだものだ。(反論も承知の上)
恋愛を幸福に続けるために必要なのは感情の素直な吐露ではない。むしろ感情の冷静なコントロールである。
不安に耐え切れず白黒決着をつけようとすると、関係は壊れる。相手に決着を強いるのは、エゴでしかない。壊す必要がないものを壊さないためには、ダメだと思ってもとりあえず放置し、ほかのことに没頭するのが正しい。時間がたって双方成長していれば、なるようになっている。
どさくさにまぎれ、FBに流れてきた英語のおことばから、思わずうなってしまった名言をピックアップ。知っておくと、心の免疫力を高めてくれますね。
「決して君を傷つけるようなことはしない、と言った人が、もっともあなたを手ひどく傷つける」"It's…

「われわれはいまこの瞬間のために生かされている」
合衆国大統領の就任式。オバマ大統領のスピーチに感動する。写真はすべて、オバマ大統領とホワイトハウスのフェイスブックページからシェアさせていただきました。
詩的で力強く美しい言葉の数々、中でもこの部分に深く感銘をうけた。Seize…

男のファッション行動に特有の心理
「日経ビジネスアソシエ」の反響大きく、じゃあ、スーツにボタンダウンを合わせるのはありかなしか、とか、シャツの下にアンダーシャツを着るのはありかなしか、とか、その他もろもろ、ご質問をいただいたりしています。ありがとうございます。
あることに気づきました。そういう質問やコメントなどを寄せてくる方は、必ず「起源」を書き添えていらっしゃるのですね。たとえばビジネスシャツといえどシャツはもともとアンダーウエアだったものだから(その話は私の『モードの方程式』で読んで知った、と^_^;)、その下にさらに下着を着るのは間違いではないか、とか。
理にかなったご質問をいただくのは、たいへん、ありがたいことと感謝しています。でも、いい機会なので、私のおおよその立ち位置を、書いておこうと思います。服飾評論家ではなく、ましてやスタイリストでもないので、服を実際どう着るのが「正しい」かなんて、指南できるような立場ではないと思っています。
エッセイスト&服飾史研究家としての私は、ファッションの表層的な表現よりも、それを支える人間の行動や心理のほうが興味深くて、観察したりモノを書いたりしてきました。おもしろネタを発見すると、現代の行動にこじつけて何とでも書きます。史実に敬意を評しますが、それを書く目的は、史実の正確な描写というよりもむしろ、「現代の読者に喜んでもらうこと」。それこそ、ダイアナ・ヴリーランド流の「ファクション」です。ファクト+フィクション。淡々とした史実の正確さの再現でスルーされるくらいなら、むしろ、現代人にウケそうな多少の誇張を加えてでも読ませちゃえ、と。
シャツがアンダーウエアであったことはまぎれもなく事実です。それをたしかに拙著で伝えました。でも、そのお話と、現代の男性がシャツをどう着るべきかを指南することは、まったく別問題ではないか、と私は考えています。史実をどう解釈して、どう着るかは、その人自身のモンダイ。かつて下着であったものであろうが、今は素材も違うし位置づけも違う。歴史に敬意を払うもよし、今の快適さを重視するもよし。どちらにせよその男の内面がうかがわれる。私が観察して書いておきたいのは、男の、そんな内面の表れのほう。周囲に迷惑さえかけなければ、シャツの下にアンダーウエアを着ようが着まいが、どっちだっていいじゃないかと思っています。
そういう立場で観察して書き続けていたら、書いてきた分量が分量だけに、いつのまにか「メンズファッションのオーソリティ」みたいに誤解されるようになって今に至ります……。でも私はファッションの権威でもなんでもありません。もちろん、書くことに伴う責任はつねに引き受けているつもりではありますが。どちらかといえば、常に権威に茶々を入れる側の人でありたい。それに、19歳で「書く人」としてデビューして以来、ロマンチストのエッセイストであることには変わりないので、もし、「圏外」からの召喚がきたら、そちらへの冒険に行ってしまうかもしれない。Only…

ありがとう2012
2012年、公私にわたり、ご厚誼を賜ったみなさま、読者のみなさまに感謝します。
今年書いたエッセイは約60本、そのほかウェブや週刊誌でのインタビュー、テレビ、ラジオ、講…

WWDデビューは……
昨日、届いたWWDを開いたら、パーティーページに自分の写真が載っていた。タケオキクチ路面店のオープニングの日に、そういえば、写真を撮られていたかなあ? ……いずれに…

Merry Green Christmas
今年もこの季節がめぐってまいりました。賛同しました、メリー・グリーン・クリスマス。メッセージがアップされました。
http://openers.jp/culture/merrygreenchristmas/message_merry_green_christmas_2012.html

エキセントリックなパーティー
11月28日(水)におこなわれた、アルマーニ銀座ビル5周年パーティー。アルマーニの厳選作品を展示する「エキセントリック」展も同時開催。
前日に電話をいただき、急…

ジェームズ・ボンドにとことん染まる
名古屋ミッドランドスクエア内のヴァルカナイズロンドンにて、'How To Be Like James Bond' をテーマに、BLBG社長にして『本物の男 25の金言』という2冊目のジェームズ・ボンド本を出版したばかりの田窪寿保さんとトークショーでした。
吹き抜けが爽快なミッドランドスクエア↓ ラグジュアリーブランドやいまどきの高級セレクトショップが結集している感がありますね。
ボンド御用達シャンパーニュ、ボランジェを飲みながら、アットホームな雰囲気でのトークショーのあと、店内にとどまり、お客さま方とのおしゃべり。お客様はお医者様率が高く、塾の経営者や教職についている方もいらっしゃいましたが、とにかくおしゃれのレベルが高くて驚き。カップル(夫婦)も何組かご来場でしたが、これは東京のファッションイベントのトークショーではあまり見かけない光景だということに気づきました^_^; 素敵で、うらやましいことです。
↓ボランジェと、今回のイベントのために特別に作ったという「007」型クッキー。
今回の映画では、グローブ・トロッターのスーツケースも登場するということで、店内には007モデルを中心に黒いグローブトロッターがずらりと。ヘンリー・プールのディナージャケット(タキシード)も飾られ、BGMはアデルの「スカイフォール」。さらに、下の写真の田窪さんと私のうしろにあるマネキンが着ているのは、映画の中でボンド&ボンドガールが実際に着用した衣装です。ジェームズ・ボンド色に濃く染まったひとときでございました…。
文字通り、とんぼ返りのお仕事でしたが、名古屋のファッション好きな方々のリアルな関心に接することができた、貴重で楽しい時間でした。ご来場のみなさま、ヴァルカナイズのスタッフのみなさま、ありがとうございました。
↓11月10日付記事に会場の模様が。
http://blog.midland-square.com/

「しなやかに出る杭となれ」
大学の「ファッション文化史」の講義に、ゲスト講師として、パーソナル・スタイリストの草分け、「ファッション・レスキュー」代表の政近準子さんをお招きして、プロフェッ…

