Vulcanize magazine Vol. 22 (2025Aw)にて、ヘリコプターのある日常について書きました。
おとなりのページには空飛ぶアストンマーチンを運用するAir Xの広告が。5年間のメンバーシップ契約をすれば利用制限ナシで乗ることができるようです。あと2年もしたら普通に空飛ぶタクシーが普及しているような予感がする。というかヘリコプターと空飛ぶ車はどう違うんだろうか・・・
ジャパン・イノベーション・レビューさまより著者インタビューを受けました。
前編が本日公開、こちらからお読みいただけます。……が会員登録がある方のみ全部読めるようになっているようです。恐縮です。
アルマーニとオニツカ・タイガーの事例を基に話しました。
ファッションは、時代ごとに移り変わる価値観、ジェンダー観、地政学、技術、感情など、時代の無意識を映し出すメディアでもあります。異業種の経営者にこそ、「次に何が来るのか」を知るためのヒントが満載だと信じています。
快進撃を続ける高市早苗首相の濱野のバッグにつき、Bloomberg から取材を受けました。
記事はこちらです。
メイドインジャパンを推進している姿勢は、本人の主張と一貫しており、持ち物そのものも格上げする効果を発揮しますね。
首相ほどのPR効果はまったくないですが、私も可能な限りではありますが、メイドインジャパンを身に着け、聞かれるたびに(頼まれてないのに)産地や作り手のPRをしています。
Photo: Prime Minister’s Office of Japan
45周年を迎えた「25ans」の巻頭リレーエッセイ「新時代のエレガンスとは?」。12月号でアンカーを務めさせていただきました。
創刊時は「赤文字系」雑誌全盛でした。レイアウトぎゅうぎゅうで学生モデルをつめこんだアレです。もはやそれらはほぼ全滅。
45年間「異端としてのエレガンスの王道」を貫いて盤石の支持を築いている雑誌はレアです。トレンドに易々と乗らないこともまた持続の秘訣、でしょうか。
45年前はただの熱心な一読者でした。それがやがて書き手として場を与えていただき、いくつもの連載の機会をいただき、45年後にはこのような責任ある機会を与えていただいていることに深く感謝します。
The 45th-Anniversary Issue of 25ans features a lead relay essay titled “What Is Elegance in the New Era?”, and I had the honor of serving as the anchor writer for the December issue.
When the magazine was first launched, the era of so-called “red-letter magazines” (akamojikei) was in full swing — pages packed with text and student models. Those magazines have mostly disappeared today.
It’s rare for a publication to have maintained such unwavering support for forty-five years by steadfastly upholding the royal road of elegance as a beautiful outsider. Perhaps the secret to its longevity lies in never chasing trends too easily, but rather staying true to its core.
Forty-five years ago, I was merely an avid reader. Since then, I’ve been given the opportunity to write, to contribute to many series, and now, after all these years, to take on such a meaningful and responsible role — something for which I feel deeply grateful.
#25ans #élégance #newelegance #palacehoteltokyo #miucciaprada #tildaswinton #cocochanel #giorgioarmani #kaorinakano
『御堂さん』11月号。
「装い文化の履歴書」という特集でインタビューを受け、スーツ360年の歴史について話し、読みやすい記事にしていただきました。
『御堂さん』は、浄土真宗本願寺派が発行する文化誌で、信仰・芸術・暮らしを通して人間の豊かさを考える雑誌です。
はじめてお仕事をさせていただいたのですが、特集にはほかに「お袈裟」の歴史についての専門家の解説もあったりして、学びの多い世界でした。
スーツ業界だけでなく、広く一般の方々にファッションの奥深さと面白さを知っていただきたいと願っています。
良い機会をいただき、ありがとうございました🌹
The November issue of Mido-san magazine features an interview with me for the special section “The Cultural Biography of Attire,” where I spoke about the 360-year history of the suit.
It was my first time working with the magazine, and I truly appreciated their thoughtful and insightful editorial approach.
Mido-san is a cultural magazine published by the Jodo Shinshu Hongwanji sect, exploring the richness of human life through faith, art, and everyday culture.
This issue also includes an enlightening feature on the history of Buddhist robes (kesa), making it a fascinating intersection of attire and spirituality.
I’m grateful for the opportunity and hope the article helps a wider audience discover the depth and beauty behind fashion history.
北日本新聞別冊「まんまる」連載「ラグジュアリーの羅針盤」Vol. 35。
森アーツセンターで開催されたシャネル展が示したこれからのラグジュアリーのあり方について書きました。参加された丹後のダ・ヴィンチ、豊島美喜也さんもとても刺激的な3週間だったと振り返っていらっしゃいました。日本文化に細やかに焦点が当てられ、職人の力量を引き出してくれたという意味で、きわめて有意義な展覧会でありました。
パリ発のジュエリーブランド〈Gemmyo(ジェミオ)〉が日本に上陸して一年。創業者夫妻、ポリーヌ&レニョ―とシャリフ・デべス氏が来日し、渋谷トランクホテルでプレスランチが開催された。ブランドの今後と日本市場への展望などを伺った。
初年度が当初の予想よりも2倍上回る売り上げを記録するという好調な滑り出しを見せ、次なる拠点として関西出店も視野に入れているという。「観光地すぎず、文化と静けさが共存する場所を探しています」とポリーヌは語る。
Gemmyoの最大の特徴は、すべてのジュエリーを受注生産(made to order)とすること。注文を受けてからフランスの工房で製作し、約3週間後に届けられる。大量生産を排し、在庫を持たない構造により、高品質を公正価格で提供する。顧客の約3割はオンラインからの購入で、グローバルにみても効率的なD2Cモデルを確立している。
ターゲットは観光客ではなく、地元の文化的・知的層(働く男女)。顧客の購入理由の多くは「意味」で、個人的な物語や感情を重視する人々。婚約指輪・ブライダルが主力だが、男女共に日常使いのジュエリーを購入しているという。「私たちの顧客は、美しいから、ではなく、自分の物語を映すから、という理由でジュエリーを選びます」とポリーヌ。ブランド理念は、スマートラグジュアリー。知的で誠実な贅沢、である。
デザイン面では、肩甲骨のカーブに沿うネックレスや、動いてもずれないイヤリングなど、工学的精度と美学を融合させた設計が特徴。色石の多様性もGemmyoらしさであり、顧客自身が石を選び、自分の物語を形にするプロセスがブランド体験そのものとなっている。ちなみにトップ写真はLEFKOSのシリーズだが、新作ダイヤのパヴェリングの中央にあるのは「チョコレート・ダイヤモンド」。
「日本はフランスと同じく、静けさの中の豊かさを理解してくれる国」と二人は言う。日本顧客はフランスブランドへの信頼と憧れが強く、接客過剰な高級店を敬遠し、Gemmyoのような「控えめで誠実なブランド体験」を好むという。ジュエリーに「個人的意味」「ストーリー性」を求める点は、欧州と共通している。外国人観光需要よりも「内需の質」を重視すべきとポレーヌは語る。
上にメモしたのはビジネス上の話ばかりですが、実はポリーヌと、共同創業者である夫さんシャリフのヒューマンな魅力が強く記憶に残っている。特にシャリフさんは人を笑わせて場を和ませるユニークなキャラクターの方だ。今回のランチでは「小指」という日本語を覚えて盛んに使っていらした(笑)。ふたりともスーパーエリートだが、とても気さくであたたかい。
ポリーヌと記念写真。彼女はpodcastでビジネスを語り続け、起業家志望の女性をエンパワーしている。
ブルネロ・クチネリ氏が来日、イタリア大使公邸でショーが披露され、クチネリ氏の情熱的なスピーチを堪能しました。

紅葉を思わせる華やかな庭園のライトアップ。雨が降らなくてほんとうによかった(一日ずれていたら大変なことに)。
ファッションビジネスは関わる人すべてに敬意を払うものでなくてはならないという変わらぬ思想が語られたのですが、それを証明するかのように、壇上にに立つ薄着のモデルたちにコートをかけるという配慮が示され(ケン・ワタナベも続いてコートを)、あたたかな気持ちになりました。
(ランウェイの向こう側には歴代Precious 表紙モデルたちが並ぶ貴重な壮観)
写真は左からクチネリジャパン社長の宮川ダビデさん、中野、ブルネロ・クチネリさん、和光社長の庭崎紀代子さんです。ありがとうございました!
日本とイタリアがファッションを通じて強くつながった素晴らしい一夜でした。
Brunello Cucinelli visited Tokyo, where a beautiful show was presented at the Italian Ambassador’s residence. His passionate speech was a true inspiration.
The illuminated garden, glowing in colors reminiscent of autumn foliage, created a stunning atmosphere — and we were all grateful that the rain held off (one day later would have been a disaster!).
True to his enduring philosophy that fashion must show respect for everyone involved, Cucinelli demonstrated his values in action by gently placing coats over the shoulders of the lightly dressed models on stage — followed by Ken Watanabe doing the same. It was a gesture of warmth and grace that touched everyone present.
It was a wonderful evening that beautifully strengthened the bond between Japan and Italy through fashion.
高市早苗さんが第104代内閣総理大臣に選出されました。心よりお祝いを申し上げます。
高市さんの、「政敵」をも懐柔し、国民にもわかりやすく訴える高いコミュニケーション能力がなによりも信頼できます。維新の代表とのやりとりを見ても、熱意とコミュニケーション力が並外れていることがわかる。主義主張を超えて、最後は志を同じくする「人」と「人」との連携であったことがわかるというのは安定感があります。
人と人との連携、といえば。この記念すべき日(10月21日)におこなわれたあるウェビナーでも、キーワードが「人」と「人」、Human to Human、でした。
日頃お世話になっているPR会社、Candlewickの代表取締役、Noriko Silvesterさんがモデレーターを務められるということで参加したウェブのディスカッションです。異文化間のビジネスをどのように進めるか?をテーマとする、現場体験を重ねた有識者たちによる議論の場でした。
日本企業の海外展開におけるOSの違いを軸に、各国の実務家の方々が実体験に基づく知見を共有。
そこで登場したのが、「B2B=H2H(Human to Human)」という言葉です。結局のところ、どんなビジネスも人と人との信頼関係の上に成り立っているということ。
異なる文化やスピード感のなかでも、背景を理解し、理由を丁寧に説明し、共通の価値を見いだす。その力こそが、クロスボーダービジネスの本質であると示唆されました。
しばしば引き合いに出される“All for one, one for all” の理解も文化によって異なるということも、改めて学びました。欧米=信頼と相互支援ですが、日本=自己犠牲と集団への献身を意味する、と。「目立つな」「争うな」「チームで決めろ」という教育背景が、個人主義よりも集団調和を優先させている…。どちらがいい悪いの問題ではなく、違いは違いとして知っておくにこしたことはありませんね。
今秋、2件の審査員を務めています。そのうちの1件が、在日英国商工会議所のBritish Business Award 2025。まさにクロスカルチャーのビジネスなのですが、このウェビナーで得た視点も携え、真摯にフェアに向き合って、この機会に日英関係に関わる多くのことがらを学ばせていただこうという気持ちです。
エスパス・ルイ・ヴィトンで開催中のアンディ・ウォーホル展。

展覧会場の壁はウォーホルのシルクスクリーン作品の色からとられた原色のブロッキングで、イカゲーム味もあり。

スタイリッシュな空間で、あらゆる変装セルフィーを撮り続けたウォーホルの脳内に思いを馳せました…… 。承認欲求とコンプレックスを冷徹な視線で昇華させ、アートに転化していった人だったのかもしれません。
青学ラグジュアリーマネージメントのゼミの一環として学生と一緒に訪れ、アート・カルチャー&ヘリテージ部門の渡邊文菜さんよりたっぷりお話を伺いながら堪能しました(役得)。さすがの深く詳細な解説で、学びの多い時間となりました。ありがとうございました。
Currently on view at Espace Louis Vuitton: the Andy Warhol exhibition.
The gallery walls are boldly color-blocked in the primary hues drawn from Warhol’s own silkscreen palette—giving the space a touch of Squid Game energy.
In this stylish setting, I found myself imagining the inner workings of Warhol’s mind—the man who endlessly staged his own transformations through the camera lens. Perhaps he was someone who sublimated desire for approval and personal insecurities into art, with a gaze as cold as it was visionary.
As part of my Aoyama Gakuin University Luxury Management seminar, I visited with my students and had the privilege of hearing an in-depth talk from Ms. Ayana Watanabe of the Art, Culture & Heritage Department. Her detailed explanations added depth and texture to our experience—an inspiring, richly educational visit. My sincere thanks.
以下は、ウォーホルの容貌コンプレックスと自撮りに関して考えた、きわめて個人的な感想です。
彼がほぼ毎日撮影し続けてきた自画像シリーズ。セルフィーですね。学芸員の方の解説によれば、彼は自分の容貌に強いコンプレックスをもっていて、かつらやメガネを駆使するだけでなく、あらゆるタイプの女装をしてまで自分のバリエーションを撮り続けていた。
第三者の目からこうしてずらりと並んだ彼の自撮りを見ると、美醜など通り越して(そんなことを意識すらさせない)すべてが彼の「特徴」であり、らしさ」であり、アートに昇華していて、バリエーションが増えれば増えるほど、ただ「ウォーホルだなあ」という感慨が残る。
彼はこのようにして自身を見慣れる、自身を一定の型にはめずにあれこれ遊んでみるという 繰り返しを通して、常に新しい容貌の可能性を探る途上に自分を置いた。
そうすることで コンプレックスともうまくつきあったのかもしれないなあ…。
東京都庭園美術館でのヴァン クリーフ&アーペル展のご紹介記事を書きました。こちらです。
あちらでもこちらでもアール・デコ展の盛り上がり。私もあちこちでどれだけ記事を書いたのか。ややおなか一杯になってくるころかもしれませんが、この機会にどっぷり浸って学ぶことができると思えばよいですね。
キービジュアルの薔薇のブレスレットは、開くとこんな感じになります。肉眼でぜひご覧いただきたい傑作です。
長期にわたり有効な「美」を蓄積していきたいと思うなら、敷居が高いように見えるホテルのラウンジやバーで 一人で、姿勢を保ち、30分コーヒーやカクテルを飲む という「訓練」を(週一、月一など可能なペースで)重ねてみるといい。
世界のどこへ行っても通用する人の魅力に共通するのは、静かな自信と内側からのオーラ、滑らかな立ち居振る舞い。
一杯たった2000円で、どこへ行ってもおどおどしないマインド、きちんと扱われるための立ち居振る舞い方を実践的に身に着ける、という意識で続けていれば、バカ高くて効果も不明な美容関連のあれこれにお金を搾取されるよりはるかに投資効果は高いし、なにより年齢とともに効き目が出る。
新しい「美のパーツ」を作るトレンド(中顔面って何?涙袋ってどこ?それって時代が変わっても、海外でも通用するのか?)が一部の女性を搾取しているのを見るたびに 物悲しくなる。まあ、それが楽しいのであれば、しつれいしました!なのですが。
次々に新しいコンプレックスを指摘し、莫大な課金をさせて「修正」しろと言っているのはだれなのか? 法外な利益を得ているのはどこなのか? 深呼吸して、視野を広く持って、冷静に考えてみてほしい。
マニアックな狭い世界で1ミリ2ミリのパーツにコンプレックスを抱いても人生がよい方に変わることはない。人種が変わっても、場所が変わっても、世代やジェンダーが違っても、この人と関わっていきたいと思わせる基準を備える努力にエネルギーを振るほうが、はるかにいい。
(イメージはMidjourneyで作りました)
WWD 10月6日号 カバー 「100 years of Art Deco 『ランバン』が受け継ぐ美の系譜」
ランバンとアール・デコについて書きました。
アール・デコ博から100年、あちこちでアール・デコ関連の展覧会が開催されておりますね。
今週末、11日からはいよいよ三菱一号館美術館での「アール・デコとモード」展が始まります。
この展覧会と連動して、周辺の丸ビル・マルキューブでランバン主催のポップアップも設置されるようですよ。美術館のお隣のカフェ1894もお勧めです(おそらく激しく混みます…)。
ジャンヌ・ランバンについては『イノベーターで読むアパレル全史増補改訂版』でも詳しく書いております。
GQに寄稿した「スーツ、360年の自由」がウェブ公開されました。こちらからお読みいただけます。
本日、10月7日はスーツの359回目の誕生日でございますよ。サミュエル・ピープスさん、記録ありがとうございます。

YouTubeでのスーツ解説、4回分もおかげさまでご好評をいただいています。お時間ゆるすときあればぜひご覧ください。
連載「ラグジュアリーの羅針盤」、富山から発信するローカルラグジュアリーの巻がウェブでも公開されました。こちらからお読みいただけます。
ほんのひと月前のイベントなのにずいぶん前の体験のようにも感じられます。なんだか9月は盛りだくさんだったなあ…。
原稿依頼も多々いただき、ありがとうございました。受けられるかどうかお知らせくださいというメールのお返事にそのまま原稿を添付してお返事したりしてました。決して手抜きではなく、体験した情報量もとんでもなく多かったので、テーマから浮かぶ情景を脳内を文字化したらテキストになっていた感じです。実際の体験を軸にそこに絡む情報を独自のデータにしていく、ということがこれからますます重要になるような気がしています。AIが瞬時で文章を作成をする時代には、自分のアンテナを研ぎ澄ませた体験や感情に忠実になることに、いっそう留意せねばと思います。
S.T.Dupontの銀座旗艦店にご案内いただき、ブランドの商品について具体的に学ぶ機会をいただきました。
S.T. Dupont は 1872年にパリで創業したラグジュアリーメゾン。旅行用トランク/レザーグッズを起点としながら、後にライターや筆記具、そしてバッグを展開してきました。

たとえば、1953年にはオードリー・ヘプバーンのためにバッグ「Riviera(リヴィエラ)」をデザイン。底に秘密の仕切り(シークレットコンパートメント)を忍ばせた斬新な構造が特徴でした。ほかにも指摘されないとわからない小さな仕切りがいくつかあって、スパイ気分を楽しめます。

また、1973年にはジャクリーン・ケネディから、愛用していたライターに合うペンをデザインしてほしいという要望を受けて、ボールペン/筆記具の制作へと道を開きます。
こうした歴史のなかで、火(Lighter)と書く道具(Toos to Write)がブランドの核となり、レザーアートを通じてバッグという領域へ回帰していきます。
銀座7丁目にオープンした旗艦店は、パリに次ぐ世界5店目の 新コンセプトストア として、従来の旗艦店とは異なる体験を意図した設計になっています。
入口にはライター本体を思わせる リードメタルピラーが立ち、壁面や什器にはブランドの象徴的モチーフである「ダイヤモンドヘッド ギヨシェ彫り」「双炎(ツインフレーム)モチーフ」が、グラフィカルに配されています。
天井には和紙と金属を組み合わせた逆ピラミッド型のシャンデリア、空間全体にはブルーからオレンジへのグラデーションが施され、ライターの炎が瞬く火の時間を仄かに感じさせます。
デュポンのライターは、20世紀中盤から ラグジュアリーライターとして広く知られてきました。ダイヤモンドヘッドのパターンを金属表面に施す意匠が象徴的です。また、火をつけるときの、ピーンという特別な音も特徴のひとつ。
筆記具では、ジャクリーン・ケネディの要望から開発されたボールペンに始まり、今も万年筆/ローラーボールなどがラインに入り、ライターとペアで愛用されることも多いそうです。
この新旗艦店では、バッグの展開を強めている点が目を引きます。
主なモデルをご紹介すると:
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Riviera(リヴィエラ)
1953年発表の初代モデルをアップデート。シークレットコンパートメントを、裏地側の隠しポーチに昇華させ、内部には ライターパドロック”をあしらうなど、オリジナルの秘密性を現代的に再解釈しています。

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X-Bag(エックスバッグ)
バッグの前面に大胆に描かれた Xモチーフは、ライターのギヨシェ彫りを拡張した視覚的表現。3Dエンボス加工や立体構造を取り入れ、モチーフが浮き立つような表現を施しています。 -
Apex(アペックス)/ミニトランク
創業期のトランクをヒントとした「ミニトランク」は、レザー素材にファイヤーヘッドモチーフを立体的にあしらった意欲作。性別を問わず使えるユニセックス性も重視されています。
コンパクトながらS.T.Dupontの世界観がつまった旗艦店。メンズのアイテムも充実しています。バーニーズニューヨークのななめ向かい側、ブルネロクチネリのお向かい、と立地もリッチ感あり(あ、そんなつもりでは…)。
東京シティビュー&森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)にてシャネルによる展覧会「la Galerie du 19M Tokyo」が開催中。
シャネルの作品を支える11のメゾンダールと約700人の職人や専門家に脚光を当てる展覧会。
入場無料で大盛況。そりゃあもう、圧倒的な見ごたえに震えました…。
丹後のダ・ヴィンチこと豊島美喜也さんに再会できたのも嬉しかった!
金属繊維で表現した森、プリーツ技術を駆使した壁、丹後から持ち込まれたオリジナル織機。すべて豊島さんの作品です。
後ろの壁に広がる装飾は、豊島さんとle 19mのロニオンさんとのコラボです。 ロニオンさんはプリーツ加工のスペシャリストで、今回コラボした生地はコットンだそう。 正面の壁に張られた網代張りに合うように、豊島さんが栽培している茶綿と同じ色に染め、織り上げ、パリに送りプリーツに加工してパネルになってます。ほんとになんでも作れるダ・ヴィンチなのです。
日本コーナーでは、畳の縁がシャネルツイードになっている空間もあり、楽しい驚き。
この展覧会から考えたラグジュアリーマネージメントのいまについて、別途、記事で書きます。
20日までなので、チャンスがある方はぜひ見に行ってみてください。無料ではありますが事前予約だけ必要です。質・量ともに満足感の高い、画期的な展覧会です。
覚悟の深さ
想いの強さ
ヴィジョンの確かさ
希望を届ける明るさ
自分への絶対の信頼
人を動かすシンプルな基本を あらためて教えていただいた思いがする総裁選でした。
自分の望みが達成できていないとしたら、おそらくこのどれかが足りない。
逆に言えば、これらが備わるとおのずと結果はついてくるだろうと思わされました。
「働いて働いて働いて働いて働いてワークバランスを放棄」
トップとしての覚悟を語った言葉で、ぬるま湯につかっていた党員にはっぱをかけるという文脈で使われていました。
同時に、(自民党員でもない)自分の働き方を振り返るトリガーにもなりました。私はとうの昔から無意識に実践しているなあ、と。別に無理しているわけではなく、好きなことを追求しているとワークライフバランスなど意味がなくなるのです。無為な時間を空費するくらいなら仕事をしてアウトプットを一つでも増やしたい、と心底、思って仕事をしています。天からいただいたものは、すべて使いつくして世の中に還元したい。
(あくまで私個人の指向であり、それぞれがもっともフィットする多様な生き方が認められるのが、良い社会だと考えています。)
それでも、これという水準に到達できていないとしたら、ヴィジョンが曖昧、自信が不足、覚悟が甘い、などいろいろ反省点が出てきた次第です……。
日本の空気が変わりそうです。今一度、自分の覚悟を問い直した人は、私だけではないように感じています。
ダブルスーツを「右前」で着ていることに対し疑問を呈されることがあります。Youtube番組Be Suits! のコメント欄でも質問をいただきました。(私はいまのところ自分のYoutubeアカウントをもっていないので、直接、コメントにお返事することができませず、こちらで考えを述べさせていただきます。)
「右前」の起源は、歴史的に右利きの人が多く、右手で剣を抜きやすくするため、男性服で右前が定着しました。 一方、女性服の「左前」は、自分で服を着ない上流階級の女性の使用人が、女主人に向き合って服を着せやすいように左前が便利だったことからこの形式が定着したといわれています。
そもそもダブルそのものの起源は防寒・防風のための軍服で、風が吹いてくる方向にあわせて(風が身体に入らないよう)打ちあわせていたということがあります。
そういう諸起源をかんがみて、使用人に服を着せてもらうこともないし、むしろ自分で剣を抜いて闘うタイプだとすれば右前でも問題ない、と判断した結果です。
ジェンダーフリー時代にはさらにどっちでもよくなっている問題かと思います。
(着物の伝統はまた別だと思いますので、ここでは触れません)
ダブルついでに。女性のダブルスーツ、とりわけ日本で流通する主流のダブルの着方には、抵抗したいと感じています。サイズ大きめのダブルジャケットを前を留めずにカジュアルに着る、というあの着方ですね。もちろん、そういう着こなしもありですし、かわいらしくカーディガンのように着ている若い女性もいて、反対するものではありません。
ただ、「女性のダブルとはそういう風にカジュアルに着るもの」という潮流が主流になっていることには抵抗いたします。ジャストサイズにしてボタンを上ひとつだけとめて、身体にほどよく沿うように端正に着る。これが本来のダブルの力を活かす、王道で基本のあり方ではないかと思われます。
Be Suits! にはたくさんのご質問やコメントありがとうございます。4回のレクチャーでトータル20万ビューを超えています…。本を1万部売るのも大変なのに(そんな数字までほとんどいかない)。動画で興味をもっていただいたら、本を手にとってさらに深く学んでいただければ幸いです。
NIKKEI The STYLEに寄稿したジョルジオ・アルマーニ氏の追悼記事が全文、ウェブ公開されました。
こちらからお読みいただけます。
GINZA SIXさまの社内イベントで「新しい時代のラグジュアリー」をテーマに講演しました。
ラグジュアリーやアートを扱う最先端を行くGINZA SIXの現場に携わる方々に向けて話すことはたいへんよい経験になりました。お役に立てたらこの上ない幸せです。一人でも多くの現場の方に、漠然ととらえられがちなラグジュアリーに対する見方の手がかりと、考えるための言葉を届けていきたいと願っています。
渋谷のラジオに出演させていただきました。
ナビゲーターの早川千秋さん、ありがとうございました🌹
途中2回、かかる音楽として早川さんが(私のイメージとして)選んでくださったのが、私も当日初めて知るのですが、「浪漫飛行」と「ゴッドファーザーのテーマ」。記憶の底を掘り起こされるようで、しみじみ感慨深い選曲でした。
仕事のこと、新著のこと、YouTube番組のこと、これからのラグジュアリーのことなどを語らせていただきました。
お招きに心より感謝します🌹
アーカイブも公開されました。こちらから。














































