東洋流の文学芸術の理想は、新しい美を独創するのではなく、古えの詩聖や歌聖が到りえた境地へ、自分も到達すること……という谷崎潤一郎の指摘。日本の産地の職人さんが「無名でいたい」という背景の一部にはこうした美学があるかもしれない。

こうした背景も考慮しつつ、日本の職人さんの地位向上のため、現代にあった無理のない形でフィーチャーしていきたいと思います。

さて、本日は台風10号の影響で新幹線が名古屋~三島間で終日、運休になるため、Kyoto Design Week の本日の登壇はオンラインになりました。私は「そもそもラグジュアリーとは何か?日本の持続的なものづくりとの関連は?」について話す予定です。MIZENデザイナー寺西俊輔さん、伝統産業リデザインのMUJUN小林新也さんとご一緒です。

GQ 10月号 アルチザン特集。 クラフツマンシップとサステナビリティをテーマに斎藤幸平さんと対談しました。本誌をご覧いただけたら幸いです。

セルジュ・ルタンスの新作「La Fille Tour de Fer (鉄塔の娘)」発表会。エディション虎の門、テラススイートにて。

テラススイートのあちこちにセルジュ・ルタンスの世界観を伝えるディスプレイが飾られ、薔薇の香るおもてなしで新作香水やルタンスワールドを堪能いたしました。

広いテラスも東京のどまん中とは思えぬ、というかむしろ東京の超一等地だからこそ可能なんだろうなと思われる、静かで洗練された別世界。

「鉄塔の娘」は実は個人的にすでに今年のトップ3には入れたいと思っている香水です。

高級感と芸術感を湛えるのにすっきりと軽やかな使い心地の新感覚の薔薇(ターキッシュローズ&ブルガリアンローズ)で、比較的、万人受けするフレグランスです。

11月21日全国発売予定(一部先行発売店舗あり)。

〇ゼロニイ連載最新版、「ものぐさの価値を説く勤勉家」、ウェブ公開されました。

Design Week Kyoto 2024 台風が直撃しそうで微妙なところですが……31日登壇です。1600-1800 の部です。気候状況がこうなので、どうか安全第一にお過ごしください。もし当日、台風の影響がさほどなさそうであれば、会場でお目にかかれますように!

〇GQ10月号「モダンアルチザン」特集で、斎藤幸平さんと対談した記事が公開されます。テーマは「クラフツマンシップ&サステナビリティ」。9月1日発売です。

 

 

 

ニッコースタイル名古屋に滞在するのは二度目でしたが、 ホテル内インテリアのあちこちにsuzusanのランプやクッションなどが置かれ、すべてにおいて1年前よりバージョンアップしている印象。
外から見た建物は素っ気ないたたずまいで「えっ」と不安になるくらいなんだけど(笑)、いったん足を踏み入れると、素敵なパブリックスペースが迎えてくれ、お部屋のレイアウトも機能的で、水回りもゆったり作られており、快適な空間になっているのです。
アメニティのセンスも斜め上をいっていて最新トレンドの勉強になるし、食事もドリンクもヘルシーでおいしい。
ビジネスホテルの味気無さとは無縁で、大きな都市型ホテルの豪華さとは違う路線の、現代的な快適さの方向を狙っている。今回のイベントもそうですが文化的な交流の場としても機能している。

居心地よいのでまた来たくなるホテルです。総支配人の西邦之さんはじめスタッフのみなさまにとてもあたたかくもてなしていだきました。ありがとうございました。

栗野宏文さんとsuzusan村瀬弘行さんのトークイベントがニッコースタイル名古屋にておこなわれました。
テーマはエモーション。

面倒なことを時間かけてやることの価値とか、
時を忘れて子供のようにひたすら遊ぶことの価値とか、
訓練されないことの価値とか、トークのあとは音楽好きなお二人によるDJタイム。

日本の伝統工芸を次世代に継承したい!という行政・メディア・経営者・ファンの方々のピュアな熱気が感じられた夜でした(実際、名古屋は暑かった…)。

 

藤原竜也さんのラジオ番組「宇宙一受けたい授業」コーナーにお招きいただきました。

テーマは「ハイブランド」。

藤原さんが最近、DiorのTシャツばかり着ていてそれは成金ぽくない?とスタッフに笑われていると知り、じゃあ、ハイブランドのことを勉強してみようじゃないか、となったようです。

時間が限られていて丁寧に説明すべきところがだいぶ割愛されているのが心苦しいところではありますが。

お聞きになった方が、ブランドってもう記号ではなくて、社会的責任を含めた総合的なありかたになっている(これからますますそうなっていく)、というところまで興味をもっていただけるとうれしいです。

23日~25日まで朝日放送系で全国放映、のちにアーカイブに収録されるようです。

WWDから依頼を賜りまして服飾史上のアラン・ドロンの功績(とりわけ日本に与えたインパクト)を書きました。

これからも何度も引用されることになる永遠のアイコンであろうと思います。

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・ジャパン合同会社主催のハイポテンシャル セールス エキスパートの研修で、“What is Luxury? Past, Present and Future” をテーマに講演させていただました。

翌日はレジェンドと呼ばれるトップ・オブ・トップのディスカッションを拝聴しました。

トップ層に行けば行くほど、方法論ではなく人間力を磨く話になってくる。売る人も一流であるからこそ顧客にとってのラグジュアリー体験を作れるのですね。新しい視点を提供していただいた思いがします。

I had the privilege of delivering a lecture on “What is Luxury? Past, Present and Future” at the High Potential Sales Expert training organized by LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton Japan.

The following day, I attended a discussion featuring top-tier professionals often referred to as “legends” in the industry.

It’s fascinating how, at the highest levels, the focus shifts from methodologies to personal growth and character development. It’s clear that only first-class professionals can create truly luxurious experiences for their clients. This event provided me with fresh perspectives on the luxury industry.

I would like to extend my heartfelt thanks to Ms. Aya Yamanouchi and the entire team for their tremendous support. Thank you very much!

ゼロニイ9月号発行されました。

「ラグジュアリーの羅針盤」Vol. 22 「『ものぐさ』の価値を問う勤勉家」。

声量が減り、声がしわがれることを自然の理として受容する歌い方を上品とみなす、という地唄の世界の発想に思わず正座してしまいました…。これは宮古上布の世界における「60歳で始め、90歳で大成する」という考え方に通じるものがありますね。

松岡正剛さんはあと20年くらい活躍されるのだと思い込んでいた。

『日本文化の核心』もみずみずしくて、読み直していたところだった。鋭い視点、奥行きも幅もある思考は、目指したい北極星のようだった。

『性とスーツ』を「千夜千冊」でご紹介くださったときは、本当に嬉しく、光栄だった。あらためて感謝し、ご冥福をお祈りいたします。

「千夜千冊」のこの回、実は書評のふりして正剛さん版のスーツ論が長々と展開されるスーツ愛あふれる回になっており、最後にダーバンの広告に出られたときの写真まで掲載されておりますの…。

 

有川一三さんが「これを読んで人生が変わった」と推薦していた、鈴木鎮一さん著『愛に生きる』を読む。バイオリンの「スズキメソード」の鈴木先生の本。人間が「才能をのばす」ために必要なシンプルな真理が豊富な具体例と共に紹介されていて、心が浄化されていくような読後感がある。盲目のこどもがバイオリンが弾けるようになるまでのプロセスには心がゆさぶられた。

鈴木先生の理想のイメージのなかには、アインシュタインとその知友のグループと共に過ごした体験がある。

人間の理解に基づいた深い思いやりに包まれ、「あの人びとの高い感覚、謙虚な姿、人間への深い愛情を持った人間に育てたい」という夢の実現に、鈴木先生はすべてをかけることになる。

こういう理想を共有しながら才能を育てあう、という社会が実現できたらすばらしいですね。次世代教育においても、企業研修においても、はたまた自身を育てることにおいても、このシンプルな真理を徹底・実践することで才能は自らのびていく。身近な愛に包まれることが、世界平和への最短の道でもある。

この考えに影響を受け世界一のジュエリーコレクターとなった有川さんの例を見ても、グローバル型ではない日本のラグジュアリーを「育てる」(という表現はおこがましいですが)上において鈴木先生の思想は大きなよりどころになる。

『愛に生きる』(講談社現代新書)は1966年発行で現在99刷。

アラン・ドロンが旅立たれました。メンズファッションの世界では殿堂入りの感あるスタイルアイコンで、女性ファンばかりでなく男性ファンも世代を超えて多いと想像します。

アランドロンはメンズ誌でコート特集が組まれると必ず登場します。「サムライ」でのトレンチコートのベルトのあしらいは「フレンチスタイル」としてアメリカのボギーのそれと並べて紹介されるのが常。チェスターコートも頻度高く登場しており、暗殺者だけに白手袋をはめて着こなすのですが、白手袋のイメージはここからマイケルジャクソンへ継承されます。帽子の角度も最高のお手本になっています。男性のスタイルへの影響力は絶大でした。

5年前の連載「スタイルアイコン」でドロンが83歳で映画界を引退したときに書いたエッセイはこちらです。美男子であるということは、彼にとって、ハンデだったのです。それを努力で「克服」したからこそ息の長い俳優として活躍できた。

不滅のスタイルアイコンです。おそらくこれからも。ご冥福を祈ります。

中里唯馬さんが主催するFashion Frontier Program 、セミファイナリストの方々を対象に「新しい時代のラグジュアリー」というテーマでオンライン講演をいたしました。昨年に続き、二度目ですが、内容はこの一年の取材体験をまじえ、アップデートしました。

日本各地から、世界から、ファッションで社会を変えるという勇気と志をもったデザイナーのみなさまが熱心に聴いてくださいましたこと、心より感謝します。質問タイムでも逆に質問者の背景や志を知ることができて、最近の潮流もうっすらとですがわかり、充実した時間でした。こんな若い方々と接すると未来に希望を感じます。

このような教育活動を続けている唯馬さんも尊敬します。ブランドの社会貢献としてのCSRとしても、Yuima Nakazatoの価値観の延長にある活動なので、この上ない効果を発揮しています。パリに向けたコレクションを考えるだけでもたいへんなのに、これだけの労力をかけるなんて立派すぎる。親会社のSpiberも取材していますが、人類を救うという高い志を持って創業したCEOはじめ、すばらしい企業です。Yuima NakazatoもSpiberも目指す方向が北極星のように不動で光輝いているゆえに、応援していて誇らしい気持ちになるし、安心感があります。

 

 

日経新聞夕刊連載「モードは語る」、17日付ではHONESTIESの代表、西出喜代彦さんに取材した記事を書いています。

電子版は有料会員限定で恐縮ですが、こちらからお読みになれます。

本文にも書いていますが、「障害の社会モデル」という考え方をこの取材を通して知りました。「医学モデル」では身体機能に原因を見て、それを治すことを考えますが、「社会モデル」ではそうは見ないのです。たとえば階段があってそれが「障害」になってしまう場合、上るためにスロープをつけさえすればいい。そうすればそこに「障害」などない、とみなします。

前後裏表の区別をしなくてはならないことで「障害」を感じざるを得なかった視覚の不自由な方などに、この服はとりわけやさしい。

デザインが美しく、高級コットンの肌ざわりがよいのもいいですね。美しいものを身に着けているという感覚は、自尊の感覚とも結びついていると思うので…。

こういうやさしさにあふれる製品づくりをする企業は尊敬するし、応援したくなりますね。

類似品がちらほら出回っているけれど、本来掲げている志(裏表なし、は社名から)のレベルが違い、総合的な取り組みの範囲が違うから、元祖として強い。マネされることが多いアパレルの世界で、それでも強みを発揮する秘訣はシンプルで、志を高く掲げ、すべてをそれに関連付けて作り上げること。学ぶことの多い取材でした。

☆西洋型ラグジュアリーの語源から導かれるイメージには

「色欲」(lust) 「繁茂」(luxus) 「光」(lux) がある、と『新ラグジュアリー』の中でも書いているのですが、

日本の取材を重ねて実感するのは、日本型ラグジュアリー(この言葉がふさわしいかどうかはともかく)にはむしろ

「観音菩薩の慈愛」

「空」(くう)

「闇の奥のほの暗い光」

がイメージとして似つかわしいこと。

まだまだ研究途上なので、この領域に強い方にご教授いただきたいです。

 

☆アルビオンアートの歴史的なジュエリーの威力はすさまじく、思考の根底から叩き直されている。

本物のジュエリーは、祈りの結晶だった。コストなんて一切関係なし。純粋な志が結晶して時を超えるジュエリーとして後代まで光り輝く。照らすのは魂、というスピリチュアルな言葉まででてきてしまうほど、光が心のすみずみにまで届く。結果、邪念に気づかされ、浄化される。

上記の「日本のラグジュアリー」の要素に気づかされたのも、有川さんのお話から。「今日から観音菩薩になれ」という一言。感謝することと、他人のために生きるということが幸福の鍵という話から。こういう人は磁場を作るので逆に多くのことを引き寄せるのですよね。源にあるイメージが、観音菩薩だったことに気づかされたのです。

アルビオンアート有川一三さんの講演を聞く機会があった。

世界一のジュエリーコレクターである。何点か持ってきていただいたジュエリーを間近に見たときのまばゆさというか「なんだこれは?!」という衝撃もすさまじかったのですが、それに負けず鮮烈だったのが、有川さんのお話。

心の闇の恐ろしさに向き合うことの大切さを説かれた。そこを突き詰めていくと見えてくる光。それが魂の充足。「ラグジュアリー」の構成要素の光というのは、表層のきらきらなんかではなく、闇を経た後に現れる、魂の充足としての光なんだなということを理解する。

全ての物質は安定の方向に向かい、波動が安定し固く透明になり結晶化が進む。そうして宝石に向かう。想念もそういう方向に向かう、という喩えにも考え方の根底を覆されたような思いがしている。

ほかにも魂に響くというか心を震わせるというか、なんだかとてつもなく崇高な経験をしたような思いを抱かせる言葉が満載だった。偉大なる達成の鍵は志にあり、その志は天の神々が天上にて感嘆絶賛するものでなくてはならぬという教えの尊さときたら。

 

「ハイブランド」がテーマのラジオ番組にお招きいただきおしゃべりしてきました。

笑いの絶えない楽しい時間になりましたが、あらためて実感したのは「普通の人はディオールの創業者のことを知らないし、どのコングロマリットの傘下なのかも知らない」。

ここに寄り添うことを徹底してはじめて「広がり」が生まれるのだな、と。

渋谷にあるスタジオの最寄り駅から3分ほど歩くだけで汗が噴き出す信じられない暑さでした…。(せっかくの記念写真が悲惨な状態に)

 

 

 

*写真は富山の呉羽丘陵フットパスの上からの眺め。歩いてから自分が高所恐怖症気味だったことを思い出す、という冷や汗体験でした。高さは約28mです。

 

 

「世界一美しいスターバックス」と称されている富山環水公園スタバ。


世界一うるさいのではないかと思われるインバウンド客で中も外も満席でした。

 

富山・立山町のヘルジアン・ウッド。ビューティー&ウェルネスをコンセプトにしたヴィレッジです。富山駅から車で30分くらい。

周囲は昔ながらの田舎で、田舎道をドライブしていたら、さらっとさりげなくお洒落な空間が現出する面白さがあります。

富山ではタクシーがむちゃくちゃ高いので、レンタカーを借りるのがむしろ気軽にどこへでもいけるし、お勧め。辺鄙なところほどお宝豊富な富山では、公共の交通機関はあまり期待できません(そもそもバスが通ってないとか、通ってても1時間に1~2本とか)。


ラベンダー畑がよい香りを放っており、自家製アロマ抽出工房で作られたアロマ製品が充実。

クルーズ船「飛鳥II」ではここTaromaのアメニティが使われているそうです。レストランでは季節に応じて変わるハーブブレンドティーも。

8月限定のランチプレートも自然のこだわりがぎっしりつまっていました。

ほかにサウナ、スパ、宿泊施設、多目的スペースもあります。

(こちらもワンピースはユニクロ。洗濯乾燥機で雑に洗ってもまったく型崩れなしの優れもの。)

風に天然ラベンダーが香る気持ちがのびるヴィレッジです。

 

文字通り田んぼが一面に広がる富山・布目におしゃれなカフェが出現。「布目の森 Bloom Note  Flower & Cafe」。木目を生かした建築は木の香りがして、店内ではセンスよい植物も扱っています。気持ちがのびる田園光景。高校の同期の啓子さんに連れてきていただきました。

おそらく富山に住んでいらっしゃる方もまだあまりご存じないかもしれない超隠れ家(全然、隠れてないけど)カフェ。五感で癒されました。

(全身ユニクロです。洗濯乾燥機で洗ってまったくシワも縮みもなく、汗もさらっと蒸発させるので一日何度も着替えるこんな季節にも快適です。さすがの高機能。)

DESIGN WEEK KYOTO 2024 が8月最後の週に開催されます。

8月31日の「モノづくり対話」第3部で、MUJUNの小林新也さん、MIZENの寺西俊輔さんとともに話をする機会をいただきました。コーディネーターは北林功さんです。テーマは、「モノづくりの持続性:循環の時代に価値を共有し、利益を創出する」。

https://designweek-kyoto.com/dwk2024/

京都にお出かけのタイミングが合いましたら是非お立ち寄りくださいね。

朝日新聞より取材を受けてコメントしました。男性のジュエリー人気に関する記事、本日付けの朝刊文化欄に掲載されています。ウェブ版は有料会員限定ですがこちら

お近くに朝日新聞がありましたらご覧くださいね。

suzusanの2025年春夏展示会。テーマは「プレイ」。ディレクターの村瀬弘行氏が、子供のころの遊びの記憶をもとに有松絞を使って多様な「プレイ」柄をデザインしたコレクションです。

村瀬さんはこんな風に書きます。「ただひたすらに目の前のものに没頭して、何かを学ぼうとか誰かのためにとか、そういう考えから切り離して遊ぶ人間で在り続けたい。遊びは瞑想に通じるものもあるのか、そんな風にさえ思う。一生懸命に自分に素直に生きることは、一生懸命に毎日を遊ぶことのように思えてきた」。

こちらは涼し気なコットンワンピースを着こなすスタッフ、井上彩花さん(左)と杉戸友里さん。

井上さんとは、彼女が経産省のファッション未来研究会のご担当だった22年に知り合いました。研究会の成果を質量ともにすばらしいレポートにまとめられ、優秀な才能にほれぼれしていたものですが、なんと彼女の方も「ラグジュアリー」という概念に触発されてパリへ留学、ラグジュアリーマネージメントを学び始めたのです。行動力にびっくり。帰国して経産省に戻ったのですが、配属部署がファッション関係ではなかったこともあり、日本のラグジュアリーの研究を続けたい、と経産省をやめてsuzusanにジョインしたのです。大胆な決断力にさらにびっくり。

「フランスのラグジュアリーマネージメントは、中野さんが話していたこと(旧型)そのまんまでした…」と語る井上さんの言葉に、強力な味方が生まれた思いがしたりして(笑)。suzusanのモデルとしても完璧です。

右の杉戸さんもユナイテッド・アローズに20年ほどいらしたあと、suzusanにジョインされていらっしゃいます。優秀なスタッフぞろい。

suzusanディレクター、村瀬さんがどのように海外ビジネスを展開するようになったのかについては、こちらの記事にもまとめています。

W. David Marx著 “Status and Culture”日本語訳が筑摩書房から刊行。おめでとうございます㊗

22年に英語版が出たときにDavidからご恵贈いただき、Xにアップしたら黒木章人さんが訳したいと手を挙げてくださいました。実現して540頁近くの品格ある本になり、感動もひとしおです。議論の場が広がることを楽しみにしています。

翻訳家の黒木さんとのご縁は、そもそも私が『メガネの歴史』の書評を共同通信で書いたこと。この本の翻訳者が黒木さんでした。以来、Xでのご縁が続いています。

デイヴィッドとGQで「ジェントルマン」について対談したときにも、この本について触れています。よろしかったらこちらで復習(予習?)してね。

君塚直隆先生が監修した本、2冊。ともにマニアックな小ネタもおさえられ、初心者から専門家まで楽しめそう。

まんが版『エリザベス女王二世』をさっそく読了したのですが、巻末には「エリザベスのお悩み相談室」まであって、女王の名言が「お答え」として納得感あるよう使われています。そのお茶目っぷりにも君塚先生らしさが表れる愛らしい本。小学生対象のようですが、小学生気分が抜けない私にもぴったりだったかも。

『イギリスを知る教科書』のほうはあらゆる領域をカバーしなくてはいけないため、当然「ファッション」の項目は不足感が多いのですが、こればっかりは仕方ないですね。全分野の概略とポイントを、イラストと写真でわかりやすく表現するのはかなりたいへんなこと。こんなふうに概略がつかめると心強い。

前後表裏のないアンダーウェアを手がけるHONESTIES(本社・大阪府泉佐野市)。CEOの西出喜代彦さんにお話を伺いました。

インクルーシブで社会課題を解決する画期的な商品。詳細は後日、記事化します。

 

婦人画報9月号発売です。『「ハレ」の日のバッグ』特集で巻頭エッセイ書きました。現代におけるハレとケの意味を考えるのがサブテーマになっています。

見かけられたらお手に取ってご覧くださいませ。北海道特集も眼福です。

酷暑が続きますが、どうぞご自愛ください。