Design Week Kyoto 2024 「ものづくり対話」、終了しました。新幹線が一部終日運休になったため、私はオンラインに切り替わりました。

パネリストの方々はじめ、ご参加のみなさまの問題意識をたくさんうかがえたことは大きな収穫になりました。ヨーロッパで長く仕事をしてきた寺西俊輔さんの「デザイナーと職人の階級の違い」の話は強烈でした。

ヨーロッパではデザイナーの仕事は貴族の仕事、職人の仕事は手を汚すから労働者の仕事、というような歴然とした階級がある。デザイナーはピラミッドの頂点にいて、その世界観は絶対。職人はその世界観に奉仕するために存在する。この世界観を崩さないために、職人は名前を出さないのだ…という話。その階級制がいまも強い、とのこと。

なるほど。職人はデザイナーの世界観に奉仕する労働者…。だからヨーロッパでは職人が「下」に見られがちなのか。一方、日本にはその壁がない。デザイナーはデザインしながら物も作る。職人もデザインする。だからこそ、寺西さんは、デザイナーが頂点にこない、「職人」の技術を活かすブランドを日本で作ったのだ。

丹後の民谷(螺鈿)さんを取材したときに、数多くのブランドとのコラボ作品を見せていただいた。ディオールオムのように名前を公表してくれるブランドもあれば、「守秘契約」を結ばされ、コラボの事実があったことを言ってはいけない契約を結ばされるブランドもある。半々ぐらいで、まだ過渡期なのだなと実感する。ヨーロッパにおける職人とデザイナーのこの上下構造、大工さんと建築家の関係と似た構造なのだろうか?

現場での寺西さん(左)と主催者の北林さん。プログラムの内容がイラスト化されている!

 

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