マドンナ監督「ウォリスとエドワード 英国王冠を賭けた恋」試写会&トークショーでした。by 25ans ×アルシネテラン、六本木シネマートにて。おみやげはペンハリガン「ピオニーヴ」のサンプルとミニカード。
観客は30歳前後の美しい女性ばかりでした。うなずきながら熱心にメモをとる姿が印象に残ってます。映画に描かれなかったウォリスとエドワードにまつわる史実をいくつかご紹介したあと、映画から学べる「現実」に役立つヒントの話などを。「表層や知性もさることながら、チャンスの女神が来たら前髪を確実につかむための直観力を磨くことが大事」という話をしたところ、「直観力を磨くための具体的方法を教えてほしい」という質問を受け、日ごろの私の㊙訓練法などもご紹介してまいりました。っていうか、ほんとはそれ私が教えてほしいのですが^_^;
向上意識の高い観客に、こちらも刺激を受けた夜。
ご来場のみなさま、スタッフのみなさま、ありがとうございました!
☆チャールズ皇太子がGQ誌に寄せた「私のファッション論」、ついにウェブでも解禁になりました。私が翻訳させていただきました。お気づきの点がありましたら、ご意見お寄せ下さいませ。
読売新聞夕刊、連載「スタイル アイコン」第2回目、本日掲載です。ウィンザー公=エドワード8世が今もなお愛される理由を考えてみました。機会がありましたらご笑覧下さい。
さてさて、昨日拙ブログのアクセス数が異様に上昇してなにごとが起こったのかと思ったら、紀香さん効果でした。フェイスブック上で、彼女もTae Ashidaデビューコレクション後のディナーのことを紹介し、そのなかに拙ブログのことも書いてくれました。ありがとう!……にしても紀香さんのアーティクルにはたちまち何千もの「いいね!」が。大女優の影響力というものをあらためて実感したことでした(^_^;)
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おふたりの了解を得て、紀香さんがアップしたスリーショットを、こちらでも。紀香さんが着ているドレスは多恵さんデザインのもの。裾にかけての模様がヒョウ×グラフィックで目が釘付けになります(全身写真は、フェイスブックの紀香さんのページで)。野生×都会的洗練がここにも、ですね。
阪急メンズトーキョーにて、GQ鈴木正文編集長とのトークショーでした。ご来場のみなさま、ありがとうございました。笑顔でうなずきながら聞いてくだる優しい聴衆に恵まれて、とても楽しかったです。
サントリーの青いバラ、アプローズがご来場の先着100名様に配られましたが、壇上にはそのお見本としてこれが飾られていました。私が携帯の待ち受け画面にするほどこのバラにぞっこんということを知ったサントリーの方が、終了後、なんとこれをまるごとプレゼントしてくださいました! 待ち受けの写真は、たった2本のアプローズ。花言葉「夢かなう」なのですが、二つだけ、夢がかなえばうれしいなと思って毎日眺めていたのです。しかししかし、なんとこのアプローズは80本。その場で文字通り飛び上がって大騒ぎして喜んでしまいましたが、そのくらい嬉しかったです。夢、かないすぎたらどうしよう……って(^_^;)杞憂。高貴なバラの香りに満たされて幸せです♡ ここしばらく、2~3時間睡眠で働く日が続いていたけど、予期せぬご褒美に恵まれて、疲れなんて吹っ飛んでしまいました。
GQスタッフのみなさま、阪急、アウディ、ライカ、モエヘネシーディアジオ、そしてサントリーのスタッフのみなさま、ありがとうございました。
芦田多恵さんの新しいブランド、Tae Ashidaのデビューコレクション。日本橋三井ホールにて。
グラフィカルなロゴ、絶妙なバランスの非対称、大胆ではっとさせる色の組み合わせ、定義不可能(なのが魅力的)な新アイテム、野性と都会性のミックス、さりげない技巧の数々に、これまでの多恵さんの集大成+新境地を見る。おめでとうございます!
コレクション終了後の会場で、女優の秋吉久美子さんとお話しする。秋吉さんはしばしば会場でお見かけするゲストのひとりで、スタイリッシュにMiss Ashidaを着こなしている。最近まで大学院に聴講に行っていたという秋吉さんは、「多恵さんのコレクションには、いつも女性の未来像を見るのよ」と。であれば、私が今回感じ取った「未来像」のポイントは、野生かな? 都会的なんだけど、どこかおさまりきらない野生のような、ワイルドな情熱があふれ出ているような女性のイメージを感じ取った。
その後、多恵さん、藤原紀香さんらとともにディナー。マンダリンオリエンタルホテル内のチャイニーズ「センス」にて。夜景が絶景すぎ(ディズニーランドの花火まで見える)。インテリアがなまめかしすぎ。モダンチャイニーズとワインがおいしすぎ。なによりも、多恵さんも紀香さんも美しくて楽しすぎ。
多恵さんによれば、今回のコレクションは、生地選びに苦労して、時間がかかってしまったとのこと。いい生地にさえ巡り合うことができれば、「生地が勝手にドレスになってくれる」(!)くらいの勢いですんなり作ることができるのだそう。名語録入りね。
紀香さんも、ここいちばんの場面で着る洋服やドレスは、多恵さんデザインのもの。実際にお会いするのは初めてだったけれど、オープンマインドでセクシーかつタフ、しかも直情直行で進むハッピーオーラにあふれたすてきな女性で、たちまち打ち解けることができた。お店の方が今日のメニューをもってきて「なにか食べられないものはありますか?」と聞いたとき、彼女はメニューを見もしないで即答したのである。「ぜんぶ食べられます!」と。この瞬間、紀香に惚れたぞ。
やりたいと思った企画は自分で書いてプロデューサーにもっていく、というガッツも知り、プロの仕事人としても大いに刺激を受けた。やっぱり、仕事に自分スタイルを貫いてメラメラ生きている女っていうのは、面白くて魅力的で、いいわあ。
ワイルドな話題は多岐にわたり、時を忘れて心の底から幸福を感じられるようなひとときを過ごさせていただきました。ありがとうございました!
ここ一か月ほど懸案だった、富裕層とエリート教育についての原稿を、とりあえずひと段落させる。
こういうテーマは、「お題」を与えていただかないとなかなか勉強できるものではない。何冊かの本を読んでわかったつもりでも、意外と整理できてない。自分のことばでアウトプットしてみて、はじめて自分が何を理解したかを知る。あるいは、自分が「わかってない」ことは何なのかを知る。
日々の経験も、たぶん、自分のことばで記録してはじめてそれがどのような意味をもっていたのかわかるということがある。経験は「記録」されないとどんどん薄くなり、やがて流れ去っていく。数年すると、「なかったこと」になってしまうことさえある。
歴史が歴史たりうるのは、それが「記録」されているからにほかならない。書いたり描いたり撮ったり、なんでもいいけど、手がかりを残しておくのとおかないのとでは、生の実感もまるで違ってくる。
脱線した。
今回の仕事のために読み返した池田潔『自由と規律』、あらためて名著だと思った。13歳から18歳までは、どこにいようと、人生が地獄としか思えないことのほうが多い。その時期に徹底的に厳しい生活で心身を鍛え上げておけば、その後の人生は何が来ようとやっていける。地獄の経験を生きぬいたタフなエリート。日本に必要なのもこういう人材じゃないのか。甘やかした環境でモノを覚えさせることではなくて。
Jeremy Hackett,"Mr. Classic"(ハケット氏が英「インデペンデント」に書いたメンズファッションに関するコラム集。豪華写真集でもある)ほか新聞その他のインタビュー記事で、ハケットというブランドのリサーチ。今日のトークショーに備えての準備です。つけ刃だけど。
[E:diamond]「1840年に詩人のエドワード・フィッツジェラルドが書いた手紙にこんな言葉を見つけた。<オールド・イングランドなんていう場所はどこにもないし、これまでも存在したことはなかった>。だが、パリの右側には<オールド・イングランド>というイギリス好きのジェンツのためのショップがある……」
サヴィルロウのセールスマンだったジェレミー・ハケットも、アメリカのラルフ・ローレンも、このパリの店主も、どこにもない「オールド・イングランド」からインスピレーションを受けてメンズワールドを展開しているのですね。ハケット氏は、NYタイムズのインタビューには「私たちはオールド・イングランドで、ラルフはニュー・イングランドだと思っていますが―どちらも昔の文化から影響を受けています」と答えているが。いずれにせよ、どこにもない古き良きイギリス文化がソースになっている。カントリー・ミーツ・シティの夢の国。これ、男のファッションを考えるうえで、とても興味深い事実。
[E:diamond]ハケットが展開する世界は、ベントレー、ポロ、自転車、ピクニック、ボウタイ、スパニエル犬、トップハット、そしてオーダーメイドの旅行鞄……。こういう世界に連れて行かれ、そこでどっぷり迷い込みたい現代の男のためのファンタジーワールド、といった印象。
[E:diamond]ハケット氏がよく使うキーワードは "our clothes wear in not out".(着古すのではなく、長く着るほどによい服)、"evolutionary rather than revolutionary"(革新よりもむしろ進化)
[E:diamond]ラルフ・ローレンやトミー・ヒルフィガーが展開するアメリカナイズされた英国服との違いは……。少なくとも、アメリカにはない英国性の象徴としてわかりやすいのは、ボウラーハットと巻き上げられた傘。
[E:diamond]カジュアルブームがひと段落して、さらに「ヘリテイジを創出する」という今のトレンドにぴたりとあうのが、ハケットをはじめとする英国ブームなんだろうか?
[E:diamond]ハケットのスタイルは、イギリスの上流階級のなかの、「スローンズ」「スローンレンジャーズ」と呼ばれるスノビッシュな人種がよく着ているスタイルだが、実はこの階層は、ハケットの顧客層ではない。
[E:diamond]1992年、リシュモングループがハケットを買収。2006年、スペインの投資会社トレアルが買収。その後、会社の規模が世界に飛躍的に拡大している。いまはスペインの会社の傘下ということになる。
[E:diamond]ハケット氏は養子だった。仕事でパーフェクトジェントルマンを追求しているが、プライベートでもそうなのだ。最近、オーストラリアで実の母と会い、探し求めてきたイングリッシュエレガンスを母の中に見出した…。
[E:diamond]成功の秘訣は、ヘリテージ(本物であろうと、創出されたものであろうと)と、ノスタルジアとの境界をうまく歩くこと。
[E:diamond]ハケットはブリティッシュ・アーミーのポロチームや、ル・マン、ボートレースなどジェンツのライフスタイルに関わるさまざまなことがらもスポンサードしている。あんなこんなのばらばらなことを、一つのイメージにまとめあげる仕上げの要素が、ジェレミー自身のパーソナリティかな? これができるかどうかは、その人がアートな要素をもっているかどうかにかかってくるのだけど。
後はいったん情報を全部忘れて、リラックス&オープンマインド&ハブ・ファン!ね。 See you at Vulcanize London this evening!
Sims, Luckett, & Gunn "Vintage Menswear". 購入。スポーツウエア、ワークウエア、ミリタリーの「ほんもの」の古着をディテールまで詳しく写した、メンズウエアの大型写真本。
汚れたりよれたり変色したりしている、タフな動きに耐え抜いた服の写真の数々には、かなりドキドキしてくる。たっぷり300ページあるし、保存版にしておきたい、よい資料ではある。
ただし。
ヨーロッパのヴィンテージクローズが多いのだけれど、東洋のものもあって、「???」と感じた服もあるのですね。たとえばコレ。「1940年代のジャパニーズ・アーミー トロピカルユニフォーム」と書いてある。スターウォーズのジェダイの騎士が着ているパーカは、ここからインスピレーションを得たんだって!
だけどだけど、右の正面写真、襟についている赤字に黄色い☆の国旗は、どうみてもチャイナではないだろうか…? 著者にとっては、日本も中国も同じジャパニーズ? でも、ひょっとしたらこれもまた当時の「日本軍」の制服だったのだろうか? このあたりの歴史認識が私には疎く、自分が無知なだけなのか、著者がまちがってるのか、わからなくなってきた。どなたか教えてください。
<追記>
……と書いてからまもなく、読者の方から回答をいただきました! コメント欄をご参照ください。博識で親切寛大な読者に恵まれた私は幸運です。心より感謝します。