マエサトビーチも美しいことは美しいのですが、

小浜のビーチの透明度に比べてしまうと、ふつうです。(知る悲しみ、というやつですか…)

 

敷地内では南国の植物がきれいに手入れされた形で堪能できます。

なんというか、「資本の暴力」で野生を飼いならしている感じが、とてもありがたい反面、複雑です。

本物の野生は危険や恐怖とセットなので…。

とりあえずは安全に移動できることに全面的な感謝をささげつつ。ただ、これに慣れきることで生じる別の危険も常に警戒しておきたいと思います。

朝食ブッフェもすばらしく高レベルでした。

下の写真は南国フルーツのコーナーですが、中央の黒いものは、細長い変わった形をした「ぶどう」でした。品種を聞いたら「ぶどうです」と。巨峰とか甲斐路のような品種名を期待していたのですが、「ぶどう」は「ぶどう」、一種類しかないんですね。お味もたしかに「ぶどう」という感じで妙に納得。

 

 

 

 

小浜島から石垣に戻ると、大都会に来たような感覚になります。


ANA Intercontinental Ishigaki Resort は昨年に続き再訪ですが、安定の品質。

昨年はビーチウィングのクラブフロアに泊まりましたが、眺めはむしろ、クラブフロアではないタイプのビーチウィングのほうがよいかもしれません。ホテルの広大なプールが眼下に広がるので、24時間、華やかな気分になれます。

曇が多めの空だったこともあり、水に入るにはまだ寒い。温水のジャグジーコーナーや屋内プールはにぎわっていました。

このあたりは旧館コーラルウィング前のプールです。どこを切りとっても絵になります。

旧館は1990年代ごろのラグジュアリーの雰囲気を残していて、お花もクラシックなテイストの豪華さ。

新館の前のガーデン、プールは新しいリゾート感覚にあふれておりますが、この感覚すらもこの2年ほどで一気に「なつかしい」ものになりつつあるのかもしれません。

Z世代はこうした資本にあかせたラグジュアリーを旧型とみなしつつあります。

別にいい・わるいの問題ではありません。私自身も、旧型にも安心するタイプなので(笑)。ただ、これからは多様な価値を表現するリゾートがさらに入り乱れることになるのではと推測します。

桜の季節をすっかりスルーしてきたことに気づきました。

自転車で、はいむるぶしから島の先端まで20分ほどで行ける。

小さいようでバラエティ豊かな景観が楽しめる島です。しかもそこはかとなく神秘的。

途中、野生の孔雀に遭遇しました。鳴き声はダミ声ですが、この世のものとは思えない神秘的な美しさ。写真は間に合わずさっと隠れておしまいになりました。

島の先端にある巨大なマンタがかたどられた展望台にのぼったあと帰ろうとしたら、Google マップにピンがあらわれました。海の中をさしています。

導かれるように行ってみると、そこは細崎海岸。

引き潮で海の中から現れたばかりというような、海藻におおわれた小島があります。


マップのピンがあった位置には、何かを祀っているような石のオブジェ。

これはいったい、なんなのでしょう? 画像検索しても出てこない。
なにかの目印? そもそもなぜとつぜんGoogleマップにピンが現れた?
ミステリーです。あるいはただの私の無知で、よくある海の目印なのかもしれない。いずれにせよ、「?」があたまを駆け巡ります。

どなたかこの並べられた石のオブジェの意味がわかる方、教えてください。

 

離島の興奮はやはりジャングルにあると思う。

とはいえ、未開のジャングルはやはりハブがでてくるし、巨大なバッタがぶんぶん飛んでくるし、タランチュラ級のクモがいたるところに巣をはっている(宮古島ではタランチュラ級クモの大群に、心底、恐怖を感じた)。


その点、はいむるぶし内のジャングルなら、あぶないものに遭遇する確率はかなり低くなるので、おこさま連れの方にも比較的安心です。

ジャングルの中を歩いていると、いろんな精霊がまわりにいるような、不思議な感覚に満たされますね。

ジャングル・フィーバー。一本一本、個性の異なる樹をみながら、「ブランディングの法則」に喩えられる樹を思ったりする。根がコンセプト、枝葉はPR。ブランディングとは根を基本としてそこから大木を育てていくこと。

華やかな色の植物や花のバランスも絶妙。

すっかり飼いならされた「なんちゃってジャングル」。本物のジャングルであれば、闘うか、さもなくば永遠に逃げ続けるしかない、という状況になるんだろう。

バチアタリな話だけれど、美しく整えられたジャングルを堪能しながらも、次第に、そこはかとなく、ものがなしくなってきた……。(とくにオチはありません。感情の推移そのまんま)

早朝のビーチはみごとに誰もいません。

砂浜も海もよごれのかけらもなく、裸足で延々とあるけば天然タラソテラピー(足の角質がすっかりきれいになった)。呼吸のリズムも波のリズムに同調するのか、精神も落ち着きます。

歩きすぎてお隣のリゾートが見えてきたころ、そこから人がでてきて「はいむるぶしさんのお客さんはあちらへ」と追い返され現実に戻されました。

もともと境界なんてない自然の世界に境界をひくのは人間だけ。戦争終結と世界平和を祈ります。

 

敷地内では飼われている生きもの、野生のいきもの、標本になったいきものなど、とにかく人間以外のいきものに遭遇することが多い。

みなさん人間慣れしていらっしゃるので、なんというか、目をあわせると気持ちが通じる感覚になる。


生き物たちには、触れることができるようになっています。だからお子様連れに大人気なんですね。

鳴き声がほんとにユーモラスなお方……。

この方は、ビーチハウス近くの広い公園に飼われていて、お食事と格闘中。

「こどものくに」の豪華版みたいな一面があるのも、はいむるぶしの魅力のひとつかな。

亀さんの視線って、ちょっと内省を促すミステリアスなところがあります。

昆虫博物館もあり、巨大な南国の各種昆虫が標本になって展示されています。野生の巨大バッタはふつうにその辺で出会います。

フランドルの風景画みたいだ……。

おいしそうなパイナップルがたわわに実っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年の小浜では、もう一か所のリゾートに泊まり、かなり違和感を覚えたので、今回はリベンジのようなかたちで「はいむるぶし」を選択。これが大正解でした。

広大な敷地内は、自分でカートを運転して回る。この手のリゾートは、いちいちフロントにカートでのお迎えをお願いしなくてはならないパタンが少なくないですが、自分で運転するほうがはるかに気が楽で、早いです。


徹底的に手入れの行き届いた南国の植物。施設の維持費だけでも膨大なコストがかかりそうです。

スタッフも十分な人数が配され、かくも僻地であるにもかかわらず高い人気を誇る理由に納得しました。

部屋もベランダや見える風景まで掃除や手入れが行き届き、昨年ガッカリさせられた某有名リゾートチェーンとは大違いの(失礼)すばらしさ。

もちろんお部屋にも十分に使い勝手のよいバスルームはありますが、露天付きの大浴場(カートで移動)まで備えているので、広いお風呂で疲れをとりたいという需要にもばっちり応えます。

ビーチハウスも充実。休む場所がバリエーション豊かに至るところにあるうえ、フード、ドリンクもそこそこ美味しい。

ビーチハウスで頼んでみた、オールパイナップルジュース。中にはパイナップルの実もどっさり入っています。

パパイヤの実?

各種レストラン施設も充実していて、数日の滞在にも飽きないようになっています。

実はプーチンのウクライナ侵攻が始まってから禁酒をしていたのですが(ウクライナの人を思い、浮いたワイン代で寄付をする)、実に久しぶりにビール一杯をいただきました。

夜のライトアップでまた別の景色が現われます。

『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10 の講義』発売です。

たまたまですが、発売日が南西諸島での仕事と重なりました。

石垣行のJAL便、国際線仕様の航空機が使われていて、class J (普通席+1000円)は国際線ビジネスクラスのシートなんですね。

機内で原稿を1つ書けたうえ、スピルバーグの「ウェストサイドストーリー」を上映していたのですべて鑑賞することまでできました。なんだかとんでもなく時間を有効利用できた気分です。

やはり雲の上にくると雑念が振り落とされて、大切なことがわかってきます。3時間という飛行時間もちょうどいい。

石垣からフェリーで小浜島へ。小浜島へは二度目の訪問です。

女性のためのテイラード応援キャンペーン、Go Tailored は地味に継続しておりますが、理想的なスーツの白インナーが既製服世界にもオーダーシャツ世界にもついぞ見当たらないので、心斎橋リフォームの久美子さんに作ってもらうことにしました。

襟が硬いコットンシャツは着心地がよくない。
ブラウスのフリルもボウもいらない。
ストレッチ素材のシャツブラウスは、着心地よいけどエリが小さすぎたり無難な事務服に見えたりする。
ポリエステルの、首元があきすぎたり妙なギャザーがよってたりするのも違う。

テイラード普及にはインナーもだいじ。というわけで、困ったときの久美子さん頼み。
実験的に「こんな白インナーがほしいのです」というのを細かくオーダーしてみました。久美子さんのセンスと技に期待し、完成まで、ワクワクです。

写真は、撮影時に新刊を持ってくれた久美子さんと。
首に巻いているのはアクリスの2022春夏のスカーフです。
アクリスはスイスに本社がありますが、工場はルーマニアにもあり、これはメイドインルーマニア。ルーマニアは「新しいラグジュアリー」が起きている地域のひとつでもあります。日本から遠くあまりニュースが伝わってきませんが、ファッションに関しては美しいものを作る技術とセンスがある国なんですね。

スーツは廣川輝雄さん作?表からは見えない細部の仕上げの技がアートの域に達しています。

ものを創る人が自由に想像力を発揮できて、原料の産地の人を含めて関わる全ての人が幸せを感じられる透明性の高いコミュニティが形成され、文化が継続され、健全な経済の循環が生まれることは、「新しいラグジュアリー」の理想型のひとつでもあります。

 

Suzusan展示会。ドイツで活躍するデザイナーの村瀬弘行さん(写真、右から二人目)はじめスタッフのみなさま。村瀬さんは3年ぶりの来日。

 

 

有松絞を現代的に翻案した高級素材の製品は海外で人気があり、売り上げの75%がヨーロッパとのこと。

インテリアファブリックはホテルにも納められている。

照明のカバーに使われている布は防炎で、絞りが光に陰影をもたらします。ディオールにも納められているそうです。バッグも実績のあるハイブランドのデザイナーとコラボ。

日本発の新しいラグジュアリーとして栗野宏文さんが筆頭に挙げたのがこのブランドでした。村瀬さんのお話によれば、ヨーロッパでも脱・旧型ラグジュアリーが進み(=コングロマリットと契約しない)、新しいラグジュアリーに支持が集まっている(=規模は小さくてもクリエイティブで上質なものを作っているところと契約する)そうです。

LOVE という文字が柄になってます。

ハート型が柄になってる。いわれてみれば!


展示会場の裏参道ガーデン。このあたり一帯、この手のシブいおしゃれ感があふれすぎていて、心身ともに迷子になりました……(笑)


村瀬さんがドイツから持ってきてくださったオーガニックチョコ。おいしいすぎてついつい食べすぎ。

すでに海外大手メディアにも取り上げられたり、中学の教科書になったりしているようですが、いずれ名古屋まで行ってじっくり取材してみたいブランドです。村瀬さんはじめみなさんあたたかくて素敵で、Love?

人が素敵だと、その人がやっていることまで素敵に見えてくるってこと、確実にありますね。もちろん仕事それじたいも大前提としてすばらしいのですが。投資家が、ビジネスの内容ではなく人を見て投資するかどうかを決めるというのも理由があります。

仕事磨きやスキル向上も大切ですが、魂とか心とか、見えないものを磨くことは、それ以上にだいじ。ということまであらためて実感させられました。世界に向かって愛を放射する人でありたいですね。

 

新しいラグジュアリーの到来に備えましょう。

渋谷パルコのポップアップで「自由な背広」。


ユナイテッド・アローズ、ニューバランス、ギャルソンのコラボ企画です。


ギャルソンのスーツがファスナーであれこれアレンジできて形が変わり、ワクワクしました。

スーツの首元にも新しい提案。

新しい時代を作ってきたのはいつだって新しい服。


時代の大きな変わり目に、ほんと、もっと自由な背広があっていい、と気分明るくなりました。


代々木公園の桜。

美容室Zele グループのスーパースタイリスト講座で、美容師さん向けブランディング、マーケティング、ファッション&ビューティー史、最新トレンド、新ラグジュアリーのレクチャー合計4時間。

2年間、コロナで中止になっていたので、久しぶりの講座となりました。この2年でビューティー界もそれを取り巻く価値観も大きく変わりましたので、内容は大幅に変更し、最新のバージョンにアップデートしました。

最新の感覚と熟練技術を兼ね備えたヘアアーチストとして、世界で自由自在に活躍されることを心より願い、応援しています。

 

アジャスタブルコスチューム展示会。初日の19日に訪れました。


マニアックな方々とご一緒になり、メンズファッションの沼をかいま見ました。

アジャスタブルコスチュームとJ Shepherdsコラボのツイードを使ったノーフォークジャケットを解説する小高さん。

ベルベットのスモーキングジャケット。チャイナボタンとコード刺繍は職人技が施されています。日本の職人が刺繍をおこなっています。左のトランクに入っているのは、ブレーシズ。サスペンダーのことです。


スモーキングジャケットを着用して、靴デザイナー坪内浩さんと記念写真。


アイヌ柄をあしらったネクタイ。アイヌ柄なる柄が存在することじたい、初めて知りました。スコットランドのタータンみたいな、意味があるものだそうです。


国島J Shepherdsのご紹介。新作ツイードの見本も展示されています。

ゴッドファーザーのヴィトー・コルレオーネが着ていたベスト。左側です。ポケットの柄、ひじあて(裏地に目立たないように施されている)まで再現。箱までビンテージを取り寄せるという、徹底したこだわり。ちなみにBGMはゴッドファーザーです。


マニアックな世界に底はなし。どこまでも極める心意気、見習いたい、

 

 

ルブタンが日本のエイゾーコレクションを相手取って、商標権侵害の訴訟。レッドソールはありふれたものとして、損害賠償請求は却下されました。

 

ニュースはこちら

 

以下は、NewsPicksで書いたコメントです。

 

レッドソール裁判。10年前もルブタンはイヴ・サンローランとやりあいましたね。あのときはルブタンは一審で敗訴、二審では「靴底と上部の色にコントラストがある場合にのみ商標権が認められる」と認定されました。結果、イヴ・サンローランの「ぜんぶまるごと赤」のシューズは商標権の侵害に当たらないとされ、「引き分け」の形になりました。

あのときサンローランの弁護士が持ち出したのは、「ルイ14世も赤い靴底のヒールをはいているし、オズの魔法使いのドロシーの靴底も赤だった。赤い靴底に特異性はない」という理屈。今回の「日本には漆塗りの下駄の底に赤を配する伝統もあり…」という趣旨の弁護と重なりました。歴史をさかのぼれば必ずどこかに前例はあるわけで、どこを切り取って独創的なアイディア」と見るかは本当にデリケートな問題ですね。

法的にはたしかに「みんなの赤、これまでも使われてきた赤」でしょう、まあそれは正論ではありましょう。

ただ、現実的な感覚としては「ルブタン=靴底の赤」というブランドイメージがあまりにも強く輝かしく、申し訳ないのですがエイゾーさんの靴がコピー商品に見えてしまうという危険がどうしても生じます。それを履いている人まで、「コピー商品を身に着けて平気な人」のように安っぽく見えてしまうかもしれない。だから「ファッション常識」のある人は手を出さないでしょう。それがブランド力という「法の圏外」にある力。

1950年代にシャネルスーツのコピーが大量に出回った時、オリジナルを作ったココ・シャネルが「コピーが出回れば出回るほど私の価値は高まる」と言って、そのとおりになったという事実があります。このケースも(ルブタンは容認はしないかもしれませんが)、そうなる予感がします。

 

(Photo from Wikimedia Commons)

 

日本経済新聞夕刊「モードは語る」。19日付では、アントニ・ガウディに見るSDGsの心について書いています。

電子版でも掲載されています。

「神は急いでいない」。折に触れ唱えよう。(締め切りは守ろう)

ヴァンクリーフ&アーペル銀座本店のサロンで、春のコレクションを祝うフラワーワークショップに参加させていただきました。

世界中から集められた珍しい花の背景を聞いて、自分で花を選んで花束を作る。


マスク越しにも感じる強い花の香りに包まれ、花をめぐる勉強をたっぷり楽しませていただきました。

トップ写真の巨大な花は、南アフリカのキングプロテア。花言葉は「王者の風格」。いまは端境期で南アフリカでも50本から100本くらいしか手に入れられなかったらしいですが、それがぜんぶ、銀座のヴァンクリーフに来ているという。


解説してくださる「世界の花屋」の小林さん。


南アフリカの生産者の笑顔。花を通じて幸せのリレーを、と語る小林さんも笑顔がすてき。


世界の植物相は6つに分けられるのだそうです。ご覧のように、南アフリカはかなり特殊な層になる。それで珍しい植物が多いらしい。ワイン畑のとなりに(商品としての)花畑がある、ということも多いそうです。南アフリカの写真をたくさん見ているうちに、次の旅先としてぜひ行ってみたくなりました。

キングプロテアは糖分が多く、花が咲くと鳥がつつきにきます。それを防ぐため、商品としての花にはこのように覆いをかぶせて鳥から守っているとのこと。大切に育てられる過程を見ていると、運賃もあるけれど、高価なのは納得。ちなみにキングプロテアは1本あたり5000円から1万円もするそうです。


アレンジの指導をしてくれる松下さん。花を加えていく方向はじめ、アレンジのコツを学びます。花の位置付けに応じて、花や葉を「ベッド」や「シーツ」と呼ぶなど、知らなかったことだらけ。

私の作品。キングプロテアはどっしりと驚くほど重かった。しあげに手前にあるような蝶のオーナメントを飾ります。これはヴァンクリーフの新作「Two Butterflies」のプロモーションなので、お約束ですね。世界中の珍しい花に囲まれてのプレゼンテーションは本当に楽しかった。

ハーブティーにまで蝶が舞います。ここまでやるからこそのブランド力ですね。味も香りも春らしくて幸せな気分になれました。


新作コレクション、Two Butterfiesはむしろさりげなく紹介されます。

絶妙なタイミングでの流麗なサービスにもうなりました。押し付けを全く感じさせず、新作の魅力を体感させるすばらしいコミュニケーション、学びたい。

 

 

JOJO Magazine 2022 spring 発売中です。

ジョジョの世界におけるファッションの意味を解説しました。

アウェイ感、満載です……。アウェイで恥をかきながら鍛えることで経験価値も高まります(多分)。機会をいただけるかぎり、アウェイでの挑戦を続けていきたいものです。

徐倫の強さにあやかりたい。

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東京ファッションウィーク開催中。表参道周辺はとんがった装いの方がいつも以上に多く見られますね。

表参道ヒルズにて、高橋悠介さん率いるCFCLのインスタレーションを鑑賞しました。

すべてニットです。サステナブル素材を使い、ジェンダーフリーであるのは当然の前提。

そのうえで、ひと目でこのブランドとわかる、独特の未来感覚あふれるシルエット。キッズラインもあります。

ほんと、「ああ、新しい時代!」というのを感じさせる斬新なシルエットですよね。ニットなので着る人の体型に合わせてなじみます。

マタニティの方にも、産前産後でおしゃれでいられると大好評だそうですよ。自分で洗濯可能なのもありがたい。

先月、おこなわれた展示会では、渡辺康太郎さんご夫妻にもお会いしたのですが、ここのニットウェアの大ファンだそうです。私も夏服を注文してみました。余剰を出さず在庫をもたない受注システムなのです。7月にできるそうですが、今から楽しみ。

14個のスピーカーから流れる音と、迫力ある展示で、世界観がはっきりと伝わってきました。

仕事の後、「学生」として学んでいる場所に向かう途中、神田明神さまに遭遇。

敷地内にいらっしゃる恵比寿さま、獅子のモニュメントまで非常にアーティスティックな趣きがありました。

世界平和祈願。

震災に遭われた地域の方々の生活も、一日も早く平穏に戻りますように。

ロシアがウクライナに侵攻してから、断酒をしています。かつては夜、仕事終了後に必ず1~2杯のワインを飲むのが人生最大の楽しみ(はい、寂しい人生ですね)だったのですが、それをやめてみました。私一人が好きなことを絶って平和祈願したとしても現地の方々には何の役にも立たないことは重々、承知しています。せめて、理不尽で辛い生活を強いられている人々に少しでも心を寄せておきたいという思いです。

浮いたワインタイムは財務や法務をはじめ、少しでも人の役に立てるような新しい勉強をする時間に充てています。企業のアドバイザーをするなかで、ガバナンスの知識がアップデートされているのといないのとでは、言葉の価値がまったく違ってくるということを痛感したゆえに始めた勉強ですが、日々視野が開けていく思いです。

28日発売の新刊の見本が届きました。当初、デザイナーさん提案の黄色に、「これは日本では安売りのイメージと結びつく」と意見したのですが、その後、いくつかの検討段階を経て、この「攻めの黄色」「未来の幸福の黄色」を、安っぽくならない洗練された色調で仕上げていただいた次第です。

内容もこの2年間の発酵段階を経た濃いもので、読み応えのある310ページになっています。

次の社会、次の経済のあり方を考える視点を提供しています。アマゾンのカテゴリー「思想・社会の法律」部門で依然、ベストセラーを獲得しています。

私のパートにおいては、イギリス文学、ダンディズム史、ファッション史、内外のモード事情……とこれまで研究してきたことを総動員して「新・ラグジュアリー」論に結集させました。逆に、40年ほど前の純粋な文学論の研究がラグジュアリーを分析するヒントを与えてくれたことに今になって気づいています。やってきたことが、とても長い時間をかけて、当時は思いもしなかったところで活きる。「こんなこと、何の役に立つのか?」とくさらず即効性を求めず、プロセスに真剣に取り組むことが、いつの日かそれが予想もしなかった報酬となって降ってくる。多くの仕事において必ずそういうことがあります。自然界の摂理のようなものだと思う。ガウディの言葉を借りれば「神は急いではいない」のです。

 

Forbes Japan 連載「ポストラグジュアリー360°」更新しました。

今回は「関係価値とラグジュアリー」について。

ホストとゲスト 「関係価値」とラグジュアリー | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 

インスピレーションの源となってくださったのは、ラグジュアリー講座Letters From Nowhereの受講生の方々です。この講座では講師と受講生の間に「上」「下」関係なく、フェアに議論が交換されていました。今回、紹介させていただきた宇宙エンジニアの村木さん、資生堂の鈴木さん、アイコーポレーションの菊地さん、ありがとうございました。

他の受講生の方々も素晴らしく知的で自由な発想の持ち主ぞろいで、想像力を刺激されました。あらためて敬意と感謝をささげます。

「帰らない日曜日」(Mothering Sunday)試写拝見しました。


原作はグレアム・スウィフト「マザリングサンデー」、監督はエヴァ・ユッソン。

1920年代のカントリーハウスを舞台に繰り広げられる天涯孤独のメイドと名家の跡取り息子の秘めた官能的愛。とくればカズオイシグオ的世界のなかにダウントン風人間模様。

淡く物悲しいストーリー展開にとって大切な役割を果たしているのが、眼福を与えてくれるインテリアや衣裳。

衣裳はサンディ・パウェル。「女王陛下のお気に入り」を手掛けた方です。20年代コスチュームにエッジを効かせて見せてくれます。絵画のように上品で「自然な」(ここ、強調しときますね)ラブシーンにはちょっと驚きますが。

5.27(金)全国公開

2021年/イギリス/104分
配給;松竹
© CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE AND NUMBER 9 FILMS
SUNDAY LIMITED 2021

13日には、国島J Shepherds の生地を使ったAdjustable Costume によるノーフォークジャケット発売記念ライブをご視聴いただきありがとうございました。

ムーゼオ・スクエアのスタッフさんたちが丁寧に準備、配信してくださり、楽しいライブになりました。後日、文字化されてMuuseo Squareにアップされます。

 

また、繊研新聞にはすぐに記事化されました。感謝。

写真は、J Shepherds のインスタグラム・ストーリーより。

さて。発売前ではありますが、『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義』は、「思想・社会の法律」部門および「売買契約」部門でアマゾンのベストセラー一位になっております。ありがとうございます。それにしても「社会の法律」って!

「婦人画報」本誌掲載の記事が、ウェブに転載されました。

「色をまとうということは、一種のサービスである」

ご高覧くださいませ。

 

この瞬間にもウクライナとロシアで起きていることを注視し続け、人々に心を寄せています。

世界平和を祈りつつ。

駐日スペイン大使館にて「SDGsの先駆者としてのアントニ・ガウディ 形と色」展が開催されています。

ガウディの建築の模型を使い、それがいかにSDGsのことばがなかった140年前からいかに環境と幸福に共存する工夫に満ちていたのかということを伝える展示で、非常に学びが多かったです。

詳しい記事は、18日(土)の日本経済新聞夕刊「モードは語る」に書きますのでここでは触れません。


3月31日まで、スペイン大使館で開催中。スペイン大使館、敷居が高そう……と思っていた方はこの機会に足を踏み入れるチャンスかも?(そこ?笑) 周辺にはスウェーデン大使館、サントリーホール、ANAインターコンチなどもあり、散歩にももってこいの場所ですよ。ANAインターコンチの中に入っているピエール・ガルニエールのパンやスイーツもおみやげにおすすめです。

『新ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義』。クロスメディアパブリッシングより3月28日発売です。鮮やかなカバーもできました。クリックするとamazonにとびます。

どうぞよろしくお願いします。

北日本新聞「まんまる」4月号発行です。連載「ファッション歳時記」第127回は、「ナイトメア・アリ―」のコスチュームについて。

ギレルモ・デル・トロの世界が好きな方には全力おすすめの映画です。

 

©2021 20th Century Studios. All right reserved.

この映画のケイト・ブランシェットのクラシックな髪型にしてみようかと思ってしまうほど磁力が強い。

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
3月25日より全国公開

International Women’s Day のプロジェクトで、アクリスの動画メッセージに参加させていただきました。

Akris(@akrisofficial) • Instagram写真と動画

 

けっこうがんばって3分くらいのソロの動画を撮ったのですが、さらにアクリス本国で編集していただいた形です。発音がジャパニーズイングリッシュですが、多様性の時代でもあり、どんな英語であっても伝えたい意図があり、通じるかぎり、恥じるべきものではないと思います。もちろんネイティブのような発音だったら理想なのかもしれませんが、しかしそうではない国で生まれた人が、ネイティブ的英語を話すことだけを至上の価値とするのも、文化的植民地の民みたいで、なんだかな。

いずれにせよ、完璧じゃないからと黙りこくるほうが後悔もダメージも大きい。不完全でも、一生懸命オープンに格闘している姿は仲間をひきつけるものですよ! (たぶん)

 

*撮影ご協力 ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町 ありがとうございました。

 

 

 

 

 

昨秋、経産省が主催した「ファッション未来研究会」の全資料が公開されました。私は第4回で「新しいラグジュアリー」に関するプレゼンを。その時に使った資料の一部も公開されています。
.
研究会後、すぐにNFTに対して動くなど、経産省の対応には本気度が感じられます。

よろしかったら、経産省ホームページで全容をご覧くださいませ↓

 

これからのファッションを考える研究会 ~ファッション未来研究会~ (METI/経済産業省)

米軍横田基地のある福生を初訪問。

地元の方はいつも見慣れた光景なのかもしれませんが、初訪問の田舎者にとっては、異次元の時代・空間に紛れ込んだような新鮮な光景でした。80年代にタイムスリップした感もあります。

映画のセットに出てきそうな建物が延々と並ぶ。

鮮やかな色彩のポップな店。靴の修理屋さんでした。

並びに統一感があまりない、というごた混ぜ感またよい味を醸しています。

エントランス近くに小型飛行機が飾られています。

タトウーのお店がちらほらあったのも、横田基地っぽい。

地図までポップ。

有名なお店だそうです。ミントカラーがかわいい。

日本に初めてピザを提供したというNICOLA。ランチコースをいただきましたが、サラダドレッシング、前菜、ピザ、パスタ、デザート、どれをとってもクラシックというかレトロなレシピなのですが、しっかり丁寧に作られていて安定のおいしさがありました。

 

Precious 4月号発売です。ディオールのバージャケットについて取材を受け、解説しました。

平和の象徴として戦後に生まれて75周年。今年はとりわけ平和への祈りもこめ、誕生までの経緯をふくめて語り継ぎたいジャケットです。

次の10年を見据えて、新しい領域の勉強を始めました。もっと高い視点から人の役に立ちたい、と思うことが増えたのがきっかけ。これまで蓄積した知識でも、時代に合わなくなっているものはいったん捨てて、新しい考え方をインストールしなくてはならないという必要も感じていました。この日はスタートの日で、慣れない語彙についていくのが精一杯でしたが。

トップ写真は御茶ノ水のニコライ堂です。しばらくぶりの御茶ノ水でしたが、ゆったりとした時間が流れていて、いい街ですね。

御茶ノ水まで一時間近く電車に乗っているわけですが、その間に読んで思わず乗り過ごしてしまった本がこれ、「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」。ポール・オースターを柴田元幸先生が訳したチョコレートボックスのような本です。すべて実話というのがいい。人生の見方を少しだけ広げてくれたり、新しい視点をくれたりする多彩なミニストーリーが心に沁みいります。

kotoba 春号 ゴッドファーザー50周年記念特集。本日発売です。

このような目次です。これは永久保存版でしょう。

 

拙稿「マフィアとスーツ」では、バー「ル・パラン」の本多啓彰さん、「アジャスタブルコスチューム」の小高一樹さん、「スローンレンジャートウキョウ」の大西慎哉さんに取材のご協力をを賜りました。ありがとうございました。

ご覧のように、小高さんは「パートII」でのヴィトー・コルレオーネのスタイルを再現した装いで取材に応じてくださいました。マニアックを極めた観察力で多くのご指摘をいただきました。

ティエリー・ヴォワザン氏がシェフとして招聘されているメインダイニング、「レ セゾン」。

オープン当初から存在するという個室にご案内いただきました。

 

ガラスの上に浮遊しているように見えるバターは、パンプリー・バター。

前菜の前のアミューズからして驚かされます。見た目も美しいですが、心が揺さぶられるおいしさ。

ポワロ―・ヴィネグレット、ティエリー・ヴォワザン・スタイル。トリュフが仕上げにかけられます。

それぞれのお料理に合わせて選ばれるワインがこれまたすばらしく、感激するばかり。

マスタード風味のフランス産ヒラメのグリエ。ソースシャンパーニュ。

上の平目のお料理で出た白皮とエンガワを使った、フランス風茶わん蒸し。食材を無駄にしないで新しいクリエーションに有効利用するという発想には、杉本総料理長の影響も感じられます。実際、サービススタッフが「杉本(総料理長)が来てから現場ががらっと変わった」と称賛していました。

シャンパーニュソースなので、お酒は再びシャンパーニュに戻ります。

殻付き黒アワビのゆっくりロースト。海の香りのソース。

黄金軍鶏のドゥミドゥイユ仕立て。一品一品が、このようにドラマティックに登場してくるんですよね。感動に追いつかない自分のボキャブラリーの貧しさがつらくなってきます。

サービススタッフもソムリエも本当に洗練された身のこなしで、流麗で自然な動きを見ているだけでうっとりさせられます。

 

 

こちらが驚愕(ボキャ貧……)の黒トリュフのパイ包み焼きです。なんとパイの中には黒トリュフがまるごと入っているのです。まるごと黒トリュフをかじったのは初めてのことでした。

プレデザートのさっぱりしたシャーベットの後に出てきたのは、ほのかな甘みの苺のデザート。ここで粉もののケーキを出さないセンスがすてき。フレンチのデザートってこのくらいさっぱりしているのがちょうどいいと思います。

 

オリジナルのハーブティーも未体験のおいしさで、聞くと厨房でオリジナルで作っているので販売していないとのことです。

デザートワインまで気品にあふれていました。

「レ・セゾン」のフレンチがなぜここ一番のときに選ばれるのか、ゲストの期待を超えていくもてなしとは何なのか、深く学ばせていただいたレストラン体験になりました。

ひなまつりですね。こちらは帝国ホテルの2階に飾られている5段のひな段。7段のは地下1階に飾られていましたが、なんというか、めいいっぱい豪勢にしなくても慎ましく品よくあるほうが好感もてる、という時代のムードをこの5段のひな壇が表現しているような。

それにしても、いつもながら「季節感の王道の表現」というのを帝国のプレゼンテーションから学べます。

インペリアルフロアに宿泊しました。

セキュリティがしっかりしていて、レジデンスのような雰囲気の廊下。外資系のような「色気のある暗さがない」というのが日本スタイルの照明で、ちょっとほっとします。

家具は重厚な木材が使われています。「ニヤトー」「サペリマホガニー」という素材が使われているそうです。

眺めも完璧です。東京駅、日比谷公園、皇居が見える。

水回りもシックです。お風呂はとりわけ使い勝手よく作られています。洗面場には一輪の薔薇の生花。これがとてもうれしい。アメニティは「アユーラ」、メイドインジャパンです。

基礎化粧品セットはミキモト。メイドインジャパンに徹しています。きめ細やかに対応いただくスタッフも和服の女性。日本的なおもてなしが徹底されています。

総料理長の杉本雄さんから華麗なウェルカムスイーツが届いていました。下はマカロンです。ずっと飾っておきたいくらいの美しさです。

20代の人に銀座みゆき館カフェに連れていかれました。

老舗すぎて盲点でした。昭和レトロブームで若い人の間で人気なのだそう。

和栗モンブランは見た目を裏切りあっさりしてて軽い食べ心地。

20代の人に昭和の魅力を語られた倒錯した打ち合わせでした。

kotobaのゴッドファーザー特集、いよいよ明日発売です。来週は大阪万博、再来週はジョジョマガジン、そして最後の週は共著『新・ラグジュアリー 文化が生み出す10の経済』の発売です。

年末から年始にかけての孤独な苦しみがちょっとは報われるかもしれない3月。油断せず次の仕事も淡々と進めています。1日気を抜くと取り戻すのに倍の時間がかかるので(ピアニストと似ているかもしれない)どこにいても365日何らかの仕事をしている感じです。

婦人画報4月号発売です。

「色と柄」をフィーチャーするファッション特集で寄稿しました。

本誌でご覧いただければ幸いです。

平和あってこそのファッションですね。

一日も早い日常の回復を祈ります。