〇明日発売の婦人画報8月号。

創刊115周年記念の一環として、日本女性のファッションの歩み115年を追う企画があります。

 

その中の第二章「自由な創造精神」を執筆しました。1940年から1970年の巻です。

 

 

第一章は深井晃子先生、第三章は川島ルミ子先生、第四章は齋藤薫先生です。

大戦中の記事には、感慨深いものがあります。「真夏の完全防空服装」「都会の人が穿くために改良したもんぺ」……非常時でも、ぎりぎりの環境にあっても、できるかぎり美意識を保とうとした日本女性は、なんとけなげで強かったのか。

日本が辿ってきた激動の115年を「日本育ちのエレガンス」という視点で辿る、保存版です。

115周年、おめでとうございます。

特集の「皇居と御所」の写真も圧巻です。婦人画報ならでは。

 

 

 

〇梅雨の合間の貴重な晴れ間、ラプンツェルの家へ遊びに……。笑


“Keep close to Nature’s heart… and break clear away, once in awhile, and climb a mountain or spend a week in the woods. Wash your spirit clean.” (By John Muir)

ディズニープリンセスのドレス解説シリーズ、第三弾は「塔の上のラプンツェル」です。こちら

 


ファンタジーの衣裳の細部をネタに、実際の西洋ファッション史を学べるように写真を豊富に散りばめておりますよ。お楽しみください。

 

それにしてもディズニー人気は圧倒的だな。ディズニー再開直後に半日、パソコンにはりついてチケットを購入しようと試みましたが、ついにアクセスできませんでした。でも後から聞くと、ちゃんと買えた人もいるんですね。すごいな。いいな。ディズニーシーがそろそろ恋しい。

 

“Charm is a way of getting the answer ‘Yes’ without asking a clear question.” (By Albert Camus)

Mycelluce ウェビナーにご参加くださいましたみなさま、スタッフのみなさま、ありがとうございました。

 

 

 

谷田会長と光代さんは、とても仲がよくて、毎朝、光代さんが全身カラーコーディネートした服一そろいを谷田会長が着用されているとのこと。お二人の出会いは光代さんが最初のご結婚で未亡人となられた後。50代半ばだった光代さんは、それまで専業主婦でしたが、なんとか自立せねばと思い立ち、本を出版して出会いが広がったことがきっかけだそうです。会長がタニタの社長を引退後は、光代さんのマイセルーチェの事業をサポート。70代後半でも無理のない自然な形で社会に貢献、とても素敵なカップルです。

私は17冊出版してもそういうロマンチックな出会いには恵まれなかったので(笑)、ひとえに光代さんの女性らしいお人柄の魅力の賜物ですね。

 

 

“A diplomat is a man who always remembers a woman’s birthday but never remembers her age.” (By Robert Frost)

ご近所のアンティークショップ「ヴィオレッタ」のオーナー、青山櫻さんの新刊です。「気品のレッスン」。

櫻さんご本人が気品にあふれた方ですので、語る内容にも説得力があります。マナーのハウツーを覚えるよりも先に、心の持ち方、姿勢、振る舞い方でどれだけ結果が違ってくるのか、ご本人の体験談をもとに優しく教えてくれる本です。

マナースクールの流派の細部の違いの争いって、ほとんど日本だけで起きていることで、つくづく無意味だなと感じますが、そうした流派の違いについても、なぜ起きるのか、どのように対応すればよいのかを示してくれます。

気品はお金をかけずとも、心がけ次第で手に入れられるもの。セールでたくさんモノをゲットしても気持ちはすさみ、その疲れによって美しさは遠のくばかり、という方は少なくないのでは。

モノの意味、マナーの意味、社交の意味、ひいては覚悟をもって生きることの意味をあらためて本質からじっくり考えるためのガイドになってくれることでしょう。


Violettaの店内です。すてきなアンティークが迎えてくれます。

 

“True originality consists not in a new manner but in a new vision.” (By Edith Wharton)

The Three Well Dressers.  世界的にも「Well Dressers (着こなし巧者)」として名高い3名の日本人、横浜信濃屋の白井俊夫さん、SHIPSの鈴木晴生さん、そして元United Arrowsの鴨志田康人さん。それぞれ、幼少時より現在までいかにして洋服と向き合い、着こなしのセンスや美意識を磨いてきたのか、その軌跡を豊富な写真とともに語る。

白井さん、鈴木さん、鴨志田さんはそれぞれ10歳ずつ違うのだそうです。お三方の物語を通読すると、戦後の日本のメンズアパレルの状況や、その周辺の文化の歴史も浮かび上がってきます。

鈴木さんの生い立ちが、もっとも衝撃で、感慨深いものがありました。養父が米国籍で、戦後まもない時期の幼少期からアメリカ的な恵まれた環境のなかにごく自然にいらしたのです。日本人離れした立ち居振る舞いやセンスは、幼い時から育まれていたということですね。ファッションセンスにおいても英才教育や環境がいかにものをいうのか、納得するエピソードが満載でした。(鈴木さんの中身は半分アメリカ人ではと疑っていたのですが、やはりそうだったのです。笑)

白井さんが語るエピソードのなかにも、日本の戦後にこのようなことがあったのかという驚愕の事実が多々あります。

鴨志田さんと美術との関りも初めて知るエピソードで、現在の氏が色合わせに発揮する絶妙のセンスを思えばパズルのピースが合うように納得、興味深く読ませていただきました。

白井さん、鈴木さん、鴨志田さんがウェルドレッサーとして世界から敬意を受けているのは、スーツの着こなしのセンスもさることながら、それぞれの人柄による部分もきわめて大きいと思っています。誰に対しても態度を変えず、穏やかな笑顔を向け、決して媚びたりつるんだりしない。前に出ようとするエゴはなく、ふわっとした余裕があり、人柄から生まれる独特のチャームや風格を醸し出しています。本書を読むと、それぞれが乗り越えてきた苦労や経験がベースになって、そうした穏やかさが生まれているように伺われます。

お三方、それぞれに確立したスタイルは、読者がマネしてもおそらくへんてこなものになるのですよね。

One man’s style must not be the rule of another’s.  (By Jane Austen)
「一人の男のスタイルは、別の男の基準にはなりえない」(ジェーン・オースティン)

それぞれの経験や考え方があって、このスタイル。だから、表層だけまねても「もどき」にしかならない。そういう意味で、「人と装い」の関係を掘り下げて考えるための参考書になるのではと思います。

現在40歳代、30歳代の若い世代にこうしたウェルドレッサーの伝統を継承するような方はいらっしゃるのでしょうか。コロナによってスーツ着用の機会がさらに減り、トラディショナルなメンズスーツはますます居所を失っている時代でありますが、それぞれの時代の洗礼を受けた若いウェルドレッサーの登場も期待したいところです。

 

 

Akris よりマスクが届きました。

 

 

 

アクリスの象徴、台形が印象的なモチーフのサステナブル・コットン・マスク。中のガーゼは取り換え可能になっており、ゴムのサイズ調整も可能という丁寧な作りです。嬉しい。

 

多くのブランドがマスクに参入して、個性派のマスクが出そろっていますね。一方、かたくなにマスクだけは作らないというブランドもあり、あとから振り返ったときに、対マスクの姿勢によって、それぞれのブランドのあり方が際立って見えるかもしれません。

それにしても、マスクを常用するようになってから、ファンデもリップも使わなくなりました。エクステもやめて自まつげ、ネイルもぎりぎりまで短くしてなにも塗らずケアだけ。何十年ぶりかな。笑 これがけっこう快適なニューノーマルになりました。逆にこれまでの「ふつう」にかけてきた無駄な時間はなんだったんだろうと。

 

 

“Nobody realizes that some people expend tremendous energy merely to be normal.”  (By Albert Camus)

読売新聞夕刊連載「スタイルアイコン」。

26日付は、米連邦議会下院議長のナンシー・ペロシでした。


こういうロールモデルがいるアメリカ。やはりまだ希望の灯が消えてないということだな。日本の女性政治家、とりわけ与党の方々は、死んだ魚の目をしていることが多い。後進が見ているぞ。見る方向を変え、信念を貫いて、光り輝いてみせてください。

 

Fortune and love favor the brave. (By Ovid)

使い古された言い方だが「 興奮のるつぼ」に叩き込まれるようなSFだった。とんでもなく飛躍する想像力。でも現実とのつながりが失われていない。読み終わる頃には本当に「三体人」が地球に向かっているということを信じ始めている。ナノテクノロジーを使うアクションシーンなんて映画で再現されたらどれほどの迫力になるのか。見たこともないシーンがこれでもかと続くだろう。

現状の世界のあまりな不平等、自分勝手すぎる政治家とそのお友達の横暴、底なしのモラルの低下、若い世代の絶望、まったく「進歩」する気のない人類の蛮行etc. を見ていると、三体人を地球に招くべく行動を続ける人々にいたく共感できるのだ。

何千回と絶望してきた三体人と、人類にもはや絶望しきった地球人。互いに相手に一縷の希望を託し、接近の日が近づく。

読み終わってすぐ「三体II」の上下を買ってしまった。これ以上スケールアップするってどんなだろう。いまの中国文化の底力は、こんな小説からも伺うことができる。

 

〇日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。

昨日付では、史上初のデジタルファッションウィークとなったロンドンファッションウィークについて書きました。こちら、電子版ですが、登録してないと全文を読めないようです。恐縮です。

 

〇横浜山手散策の続きです。神奈川近代文学館。

第一部:夏目漱石、森鴎外、北村透谷、島崎藤村、国木田独歩、与謝野晶子、泉鏡花、武者小路実篤、志賀直哉、有島武郎、斎藤茂吉、高浜虚子、北原白秋、萩原朔太郎

第二部:芥川龍之介、横光利一、川端康成、永井荷風、谷崎純一郎、岡本かの子、吉川英治、堀口大学、西脇順三郎、中原中也、小林秀雄、堀辰雄、中島敦


第三部:太宰治、坂口安吾、島尾敏雄、大岡昇平、安部公房、三島由紀夫、澁澤龍彦、山本周五郎、開高健

 

名前を挙げていくだけで虚実のイメージが去来して脳内にすさまじい世界が展開するなあ。彼らのような、生き方そのままが「文学者」という作家が今ではすっかりいなくなった。

文豪たちの直筆は、意外と「達筆ではなかった」です……笑。

 

館内のカフェというか、懐古的な「喫茶コーナー」は眺望最高。サービス内容は文豪の時代に戻ったかのようなウルトラレトロで、じわじわきます。

“Literature transmits incontrovertible condensed experience… from generation to generation. In this way literature becomes the living memory of a nation.” (By Aleksandr Solzhenitsyn)

梅雨の合間の貴重な晴れ間、少しだけ足を延ばして横浜山手地区を散策しました。


暑かった……。ですが異国情緒たっぷりの山手地区に癒されました。

中も見学させていただきました。ベーリックホール。すべてにおいて理想的な「お屋敷」。


山手234番館。

イギリス館。クリスマス前後にはよくイベントが行われていますが、夏に来るのは初めて。

庭園も壮麗です。

薔薇は終わってしまいましたが、いまは百合とあじさいが見ごろです。


カソリック協会。

いくつかの建物の解説はこちらのサイトにあります。アメリカ人、イギリス人、フランス人、イタリア人が競って母国建築風の建物を建ててくれたおかげで美しい遺産が残っています。横浜雙葉、フェリスに通っていた方々はこういう美しい環境のなかを毎日通学していたのですね。

 

There are no foreign lands. It is the traveler only who is foreign. (By Robert Louis Stevenson)

ブルネロ クチネリの秋冬展示会。コロナ後初めてのリアル展示会でした。やはり直接、人に会えるのは嬉しいな。

いつもながら精緻な手仕事による究極のエレガンスの提案。モデルさんがバミューダスーツの中に着ているベストの生地は、一見、トラディショナルなメンズルックに多い柄なのですが、マイクロスパンコールがちりばめられていて、光を受けてさりげなくきらきら光る。

オペラニットには、オーガニックなモチーフがひとつひとつ手で縫い付けられていますが一着作るのに32時間かかるそうです。

カシミアのスエットパンツはこの冬のリモートワークに最適ではと思いました。上下セットで着ても素敵。あえて価格は見ていません…。

あざやかな景色は、震災にあったイタリアのノルチャという地だそうです。映像では、美しい音楽、景色、詩的なことばのなかに、クチネリの服のディテールが流麗にさしこまれていきます。


なにからなにまで眼福でした。クチネリさんありがとう。


(メンズもゆっくりお話を伺いながら見たかったのですが、今回は、どちらか選ぶパタンでした)

みなさま、よい週末をお過ごしください。

Shibuya Sky.

昨年秋に誕生していた施設ですがタイミングがなく初訪問。47階、地上230メートル。

 

みなさんがインスタにあげていらっしゃる映えスポットですね。

屋上は芝がしきつめられており、寝転んで寛ぐ方々も。

スクランブル交差点も、見下ろすとこんな感じ。

新宿方面。

なんだか既視感があるなあと思っていたら、六本木ヒルズの展望台とどこか酷似してます。帰りのエレベーターを降りたらそこにもおみやげショップ、というあたりも。オークランドでもっとも高いなんとかタワーの上もこんな感じだったような……。高層を売りにすると、バリエーションが生まれにくいのかもしれませんね。

 

カフェにはシャンパンの銘柄が5種ぐらいと、こういう場所にしては比較的豊富だったのが嬉しい。コロナロックダウン中、断酒していたこともあり、あまり多くは飲めなくなりましたが。

渋谷はほかにも新しい施設が続々生まれていますね。ただ、なんだかどこも東急系の同じような店舗が入っていて、いったん中に入ると他との違いがよくわからなくなります。そこそこきれいで便利かもしれませんが、予想を外してくる驚きが何もない。こんなことでよいのでしょうか。おそらく大人の諸事情でこのようになるのでしょうね。

 

週の真ん中、梅雨の晴れ間で暑くなりそうですが、よい一日を。

 

 

“The greatest happiness of life is the conviction that we are loved; loved for ourselves, or rather, loved in spite of ourselves.” (By Victor Hugo)

いま進めているプロジェクトで「マニフェスト」を出す必要があるかもしれないと知り、まったく不意打ち&泥縄だがマニフェストの短期集中研究。

研究対象のなかで際立っていたのが、ケイト・ブランシェットがひとり13役をする映画「マニフェスト」。過去のアートマニフェストの文言をセリフに散りばめ、ケイトがさまざまな「市井の人」になり切り、マニフェストの文言を多彩な形でじわじわと味わわせてくれる。監督はジュリアン・ローゼフェルト。2015年のドイツ映画(言語は英語)。

この映画じたいがひとつの実験的なアートのようであり、アートマニフェストになっている。ことばの力、強い。それを13人の人格に演じ分けて発するケイトはさらに強い。


映画のラストシーンに近いシーンなのだが、これ、今のズーム会議を予見していないか?

〇集英社インターナショナルのウェブサイトで展開していた「コロナブルーを乗り越える本」が冊子としてまとまりました。

集英社インターナショナルの新書風です。

こんなにきちんとした冊子になるなら、もっとシリアスな文体で書くんだった。「アンケート」として「3冊までご推薦を」とご依頼が来たので、ほとんど反射神経で書いた記憶あり……。もちろん「コロナの日々を耐えている状態に効く本」を意識しておりますが。

他の読み手の方々はすばらしく、回答そのものに力が入ってます。100頁近くあり、これだけでエッセイ集としても読める。

 

一部書店でフリーで配布されているそうです。見かけたらチェックしてね。

 

 

 

 

〇ここしばらく、多様な業界の方々とラグジュアリーに関する議論をしたりインプットをしたりしているのですが。

旧ラグジュアリーが神秘・階級・エクスクルーシブを内包するカソリックだとすれば、新ラグジュアリーは徹底した透明性・リベラルを内包するプロテスタント。

という比喩がひとつあるのですね。

 

ラグジュアリー問題を、ラグジュアリービジネスの方向性としてというよりもむしろ今のところは「個」に帰結する問題としてとらえる私自身がどこに所属するかといえば、やはり両者の妥協の産物である「英国国教会」だと思われます。

よくもわるくも、「中道」なアングリカン・チャーチ。

いずれにせよ、圧倒的な、徹底的な究め方をしないと、いかなる流派のラグジュアリーにもなれない。

新ラグジュアリー論、面白くなりそうです。

(3月に訪れた沖縄です。あ~早く沖縄再訪したい。こんどは本土ではなく島ですね)

 

“He who has a why to live can bear almost any how.” (By Friedrich Niezche)

 

婦人画報.jp フォーマルウェアの基礎知識Vol.8です。

例年であれば、ロイヤルアスコット関連のファッションニュースが駆け巡る時期ですが、今年はこのようなわけで…。

そこで、アーカイブから、ロイヤルエンクロージャーの「白の装い」を7スタイル選び、解説しました。こちらでございます。

最後のアン王女の服装に対する態度が、もっともニューノーマルにふさわしいと思います。

 

 

北日本新聞別冊「まんまる」7月号発行です。

 

 

連載「ファッション歳時記」第106回、「ズーム背景があなたを語る」。

“People may hear your words, but they feel your attitude.” (By John C. Maxwell)

JBpress autograph 連載「モードと社会」第3回、「コロナの時代のモード」後編です。こちらからどうぞ。


ファッション誌が低迷している理由、ファッション誌のこれからについて、忖度なしに書いております。ご覧いただければ幸いです。

 

“Self-reverence, self-knowledge, self-control; these three alone lead life to sovereign power.”  (By Alfred Lord Tennyson)

6日、満月の日に、ミラノ在住のビジネスプランナーである安西洋之さんにお声掛けいただき、21世紀のラグジュアリーを再考するウェビナーを共催させていただきました。

安西さんが考えている「ラグジュアリーの意味のイノベーション」を、参加者の皆様のご意見を聞きながら体系化していく試みの第一弾です。

 

参加してくださった豪華なメンバーの鋭い意見の数々で、もやもやしていた視界がクリアになりました。雷光がなんどもピカピカ光った有意義なウェビナーとなりました。やはり旧ラグジュアリーが古くさくなっていることを確信しました。新しい時代にふさわしいラグジュアリーの意味を体系化し、よい形でラグジュアリーのエコシステムが形成できればよいなと思います。

 

Special Thanks to: 医師でアートコミュニケーターの和佐野有紀さん、西陣織老舗HOSOOの細尾真孝さん、マザーハウスの山崎大祐さん、ハミングバードの武内孝憲さん、ブルネロクチネリの遠藤さくらさん、ボストンコンサルティングの岩淵匡敦さん、クラシコムの青木耕平さん、日本経済新聞The Style編集部の太田亜矢子さん、日本経済新聞編集委員の木村恭子さん、静岡大学大学院准教授の本條晴一郎さん、そしてForbes ウェブ版編集長の谷本有香さん。

とりわけマザーハウスの山崎さんの実績とそれを裏付ける思想からは「旧ラグジュアリーを全否定する」意気込みが伝わってきました。青木さんは比喩が絶妙にうまくて、すべてがすっきりと理解できるような喩えで理解を促してくれました。それぞれが鋭い視点からの意見を展開されて、記念すべき感動の一日になりました。ありがとうございました。

 

 

安西さんがその日のうちに書かれた日経COMEMOの記事もぜひご覧ください。こちらです。

 

 

私はここ何週間か、新時代のラグジュアリーの意味を考え続けているなかで、自分がこれまでやってきたことって、ラグジュアリーな「人」の研究だったのだと思いいたりました。ダンディにしろ、アパレルイノベーターにしろ、スタイルアイコンにしろ、関心のターゲットは常に、とりかえのきかない、個々の「ラグジュアリーな」人なのです。欠損からスタートし、自分の流儀を貫く中で自分がフィットしやすいように(結果として)世の基準を変えていく。そういう、唯一無二のラグジュアリーな生き方をしている「人」。

 

安西さんの提唱するラグジュアリーのエコシステムと自分の研究領域をつなげるならば、(安西さんも記事のなかで引用してくださっているのですが)、次のようなエコシステムを作りたい、ということになります。

<ラグジュアリーな「人」が受容され、そのような「人」が生むラグジュアリーの価値が尊重され、多くの人が「生きる意味」を実感できるエコシステム>

 

当面の間、研究課題としてブラッシュアップすべく、多くの方々の意見も伺っていきたいと思います。みなさま、どうぞご指導をよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

コロナロックダウンの間、ひたすら淡々と執筆し続けていましたが、結果として執筆量と思考量がケタ違いに増えたことで、何か脳内に確変が起きているような気がします。

 

 

JBpress autograph 連載「モードと社会」。第2回は「コロナの時代のモード」中編です。こちらからどうぞ。やや長めです。

The measure of who we are is what we do with what we have.
(By Vince Lombard)

集英社季刊「kotoba」発売です。連載「スポーツとファッション」第2回は、『「スポーツする紳士」のブランド力』をテーマに書きました。ラグビーとサッカー、起源は同じスポーツなのに、なぜラグビーシャツのみファッション化(プレッピーに取り入れられるなど)していったのか?

 

写真を散りばめつつのまるまる6ページです。サッカーとラグビーが分化し、プロ化していく19世紀の経緯から始め、現代のラルフローレンにいたるまで。
よろしかったらご覧いただければ幸いです。なにせ初チャレンジのジャンルでもあり、ラグビーやサッカーに一家言ある方々のご意見をお聞かせいただければ幸いです。

 

 

韓国版「花より男子」(Boys over Flowers)観了。これで日本版の原作、ドラマ、ドラマ続編、映画版、中国版、韓国版、すべて制覇したことになる。ああなってこうなるという物語はわかっているのに、花男ワールドは何度でも訪れたくなるなあ。中国版「流星花園」のF4も最強の4人をそろえたなと思ったが、韓国版のF4も強豪だった。ク・ジュンピョ(道明寺司)役のイ・ミンホはとにかく見飽きることがない。ユン・ジフ(花沢類)役のキム・ヒュンジョンは韓国版では原作よりもかなり重要な役柄になっており、かっこよすぎる出番が多い。ジフを選んでおけば幸せになるのに、みたいに思わせるところが何度も出てきて、ジャンディ(牧野つくし)がうらやましすぎる。イ・ソンジュ役のキム・ボムもクールな表情に隠した傷つきやすさがたまらないし、ウビン役のキム・ジュンもいい味出している。4人揃うと、男の子のいいところが完璧にそろったぞという無敵な感じがファンをつかんで離さないのだろう。メンズファッションも、これでもかというくらい華やか。とくにマカオ編あたりからイ・ミンホが着こなすビジネスウェア。財閥の後継者は膝丈フロックコートというクラシックなウェアもこのようにモダンに着るのだ、という演出にほれぼれしました。10年前のファッションというタイムラグ感はあるものの、とにかく見て楽しい。韓国版に関してはストーリー展開にところどころ、無理があり、強引過ぎると感じられる部分もありますが、それを補ってあまりある魅力全開でした。というわけで次は「キング」かな。

これを観終るまでの10日間、なんと断酒できましたよ。シャンパン飲むよりもはるかに快く酔えました。イ・ミンホ強い。

Pen 6月16日号発売です。ジェンダー大特集。ファッション史に見られるジェンダー表現について、17世紀から現在まで、4ページにわたり解説しました。図版豊富です。よろしかったらご覧くださいませ。

 

The soul has no gender. (Clarissa Pinkola Estes)

 

6月が始まりました。今日からニューノーマルの生活に入るという方も多くいらっしゃることでしょう。引き続き感染症にはお気をつけて、充実した一か月のスタートを切ってくださいね。