ゼロニイ8月号掲載の記事がウェブ版に公開されました。こちらでご覧ください。
これまで下請け扱いされてきた地場産業の職人さんにもどしどし脚光を当てていきましょう。すばらしく美しいものを創る彼らが海外ブランドとも同格に扱われ、フェアで敬意のある扱いを社会から受けること。「日本発のラグジュアリー」を考えるには、まずはそこからです。
ゼロニイ8月号掲載の記事がウェブ版に公開されました。こちらでご覧ください。
これまで下請け扱いされてきた地場産業の職人さんにもどしどし脚光を当てていきましょう。すばらしく美しいものを創る彼らが海外ブランドとも同格に扱われ、フェアで敬意のある扱いを社会から受けること。「日本発のラグジュアリー」を考えるには、まずはそこからです。
久々に感動したランチ。神楽坂のメゾン・ド・ラ・ブルゴーニュ。香水のエキスパート、地引由美さんのおすすめレストランです。このお店の構えからしてここはブルゴーニュですかという雰囲気なのですが、料理する方もサーブする方も全員、ブルゴーニュの方(たぶん。少なくともフランス人)。
雰囲気も素敵ですが、料理も暑さを吹き飛ばすおいしさ。こちらはカツオ。フランス語も堪能でパリマダムのような由美さんはウサギを。ウサギ料理がいただけるのはフレンチならでは、ですね。
基本スイーツが苦手なのでデザートをパスしたのですが、代わりにすすめられたのがレローのコニャックで、これがとんでもなくおいしかった…。罪なお酒でした。素敵なお店でのおいしい体験でした。ごちそうさまでした。
ここ一か月くらいの移動の合間にNetflixの「旋風」と「地面師たち」を完走。どちらも笑いが一切ない。がっつり脚本が練り上げられ、一流の俳優が真剣勝負をする、本気のすさまじいドラマだった…。思わず息を止めて見てしまったシーンもあり。観客を選ぶ内容&演出なので、あまり軽々しく勧めるわけにもいかないが、個人的にはどちらも重く面白く受け止めた。「地面師たち」は音声を英語にして鑑賞するのもいい。グローバルに通用するサスペンスドラマ。
猛暑だしドレスだしで、諸々の面倒を考慮してホテルニューグランド泊。食事やパーティーなどではよく利用させていただくけれど泊るのは初。ザ・クラシックホテルの風格があり、いまはほとんどのホテルが省略してしまったような古きよき「ザ・ホテルマン」によるサービスが心地よかった。
反面、設備、とりわけ水回りがどうにもこうにも古い……。シャワーカーテンとかトイレとバスルーム同じとかやはり不便。かつてはこういう水回りが当たり前だったのですけれどね。
シーガーディアンにも超超久しぶりに訪れてみました。スタッフの80年代風なメイク、クラシックな装いと立ち居振る舞いが独特の落ち着きある雰囲気を作っている渋いバーです。
昭和の趣きを残したホテルらしいホテルで、快適に滞在させていただきました。
メンズクラシック界の重鎮、マエストロアカミネこと赤峰幸生先生の80歳傘寿の祝賀パーティー。横浜ホテルニューグランドにて。
端正な装い、スマートな動作、たしかな弁舌、あたたかい人柄。大勢の後進に慕われる信念。こういう80歳を迎えたいというお手本になるようなマエストロですね。
正統タキシードの赤峰さんを筆頭に、サンドベージュダブルのカモシタさん(状況から考えるとソラーロだった可能性もあり。確認できず)、
グレーダブルのホッシー、
大胆ベージュストライプ(赤峰組はみなこのジャケットでお揃い)のFox ダグラス社長、ブラウンリネンのBAM土橋館長、
シアサッカースーツの綿谷画伯、
フォルツァスタイル編集部のみなさまなど、細部にいたるまでメンズスタイルのお手本のような方々が勢ぞろいといった感もある会でした。
心斎橋リフォームの内本久美子さんとも久々にお会いできました。中野のブルーのドレスは内本さん作です(気に入りすぎて何度も着回しておりますが)。
あらためて、赤峰先生の傘寿をお慶び申し上げます。
ELLA Kの新作ORCHID Kの発表会。調香師でブランド創設者のソニア・コンスタンによる解説。ソニアはジボタンのマスターパフューマーでもあり、数々のブランドの有名香水も手掛けている。受賞も多々。
深いブルーが印象的なボトルの新作はコモ湖のロマンティックな旅のイメージ。ブラックバニラオーキッドを中心にコモ湖の花々、教会のお香などを香水に封じ込めた。旅の記憶を香水に変えて永遠にするって素敵ですね。
ソニア本人の装いも細部にいたるまでエレガントでした(かぶりつきの席で眼福)。
会場になったのは、できたてほやほやの渋谷サクラステージにあるハイアットハウス。
グーグルマップも対応不可で炎暑の迷宮を延々と歩き抜けてたどりついたのですが中は未開(笑)のオアシスでした。
外国人ファミリーが長期滞在するタイプのホテル。到着困難ゆえの(いったん場所がわかってしまえば早いのですが)静かな隠れ家感があります。
ORCHID Kは8月21日発売。
「とやまファン倶楽部世話人」というのを務めていて、年に一回、知事や富山県庁幹部職員を囲み、有識者(私まで入っているのでそう呼んでいいのかどうか?ですが、同じ高校の一学年下に在籍していた映画監督の本木克英さんも世話人のひとり)が意見を交換する会に出席している。今年も今月17日に行われて、新田知事から「ウェルビーイング富山」を実現するためにおこなわれている数々のプロジェクトや成果が報告された。すばらしい実績を上げていると思うし、知事はじめ職員のオープンで積極的にデータを公開し、外部の意見を聞こうとする姿勢はとても好もしいし頼もしい。
一点だけ気になったこと(現場で意見も話したが、さらに時間が経って考えもまとまったので備忘録として)。今年もまた、昨年、一昨年と同様、「25歳から35歳の女性が都市部へ出て行って帰ってこないため、この層の人口が激減している」問題が挙げられていた。
かんじんのこの年代の女性がこうした意見交換の場にいない、ということそのものが問題のようにも感じられたが。すぐに考えられる理由としては、能力が高い女性が多いのに、それを活かして働ける仕事(企業)が富山に少ない。女性は表向きには強いことになっているのだが、いったん結婚すると旧態依然とした「嫁」の役割を暗黙裡に押し付けられ、家事も仕事も育児も介護も全部背負わされることが少なくない。「ムラ」社会が残るので他人への干渉が強め(他村=タムラから嫁に来る、という表現がある)。そもそも高校までは日本一の教育県であるにもかかわらず進学できる大学がないので(富山大学くらい)、18歳で都市部に出たらそのままその地で就職や結婚をしてしまう、というケースも多い。
こうした表向きの理由のほかに、ファッションマーケティングでF1層と位置付けられるこの年代の多くの女性がひそかに感じていることがある。「富山にはおしゃれをして出かけるところがない」。そもそも赤い車に乗っているだけで「派手な人」としてマークされてしまう地味好みの土地なのだ。海外のファッションブランドのショップも皆無に近い。私も実家に帰るときにたまたまプリント柄の服を着ていたりすると、父に「その格好でコンビニに行くな。噂が立つ」とたしなめられる(笑)。
逆にそういう堅実で地味な土地柄が、地に足の着いた堅実な人を育てているのだろう。そういうところは私も好きなところだ。ただ、メリットとは別に、やはりちょっとでも目立つ服装や持ち物が人格否定(少なくとも全肯定ではない)につながるという土地柄では、ファッションで冒険もしてみたいし、休日にはホテルのランチやアフタヌーンティーくらい楽しみたい(そんな素敵なホテルはない)、という25歳から35歳の女性が「どよん」と感じて住むことを敬遠したくなるのは無理からぬことだ。
会ではそんなこともちらっと話したのだが、終了後、何名かの職員の方から「私の知り合いの女性も同じことを語ってました」と言っていたので、私一人の感覚でもないと思われる。
知事は「若い時は青い鳥を探して都会に出ていく」という解釈をされたようだった。そういう見方もできますね。きらきらしたことにはすっかり興味をなくした晩年には「家が広く水もご飯もおいしく住みやすい」富山に帰ってくるという女性も多いので。
地方が都会と同じようにファッショナブルになれとはまったく思わない。地方には地方のよさがある。富山にも実はディオールはじめハイブランドで修業したオートクチュールデザイナーが移住していたり、パリコレに出ているメンズモデルがいたり、レアなシルク素材を作る伝統企業があったり、ゴールドウィンみたいな先端素材を作る企業があったりする。グローバル化されすぎた都市部ではできない最先端の「ラグジュアリー」を作り、発信できる素材と人材と企業が点在しているのだ。突出したブランディングを望むなら、「すし」「水」「立山」もいいけどそれだけでは限界がある。「レヴォ」などのデスティネーションレストランや日本酒の満寿泉、IWAとも連携し、ローカルに根付いた新しい価値を生み出せる可能性を育てていけたらよいのだが。それこそ富山が提唱できる新しいウェルビーイングの延長に。その波及効果が富山のブランド価値を上げ、ひいては、住んでいる人の誇りの源にもなり、新しい事業を生み出す契機にもなるのではないか。
その後の会でいただいた名刺にあまりにも「すし」「すし」「すしのとやま」しか書かれていないので、ちょっといつもの抵抗衝動が芽生えた次第でした。
余談ですが、私は子供のころ、裁縫をしていた母が縫った服を着ており、編み物の先生もしていた叔母の編んだニットを着ていました。生地は大人の服の余り布を活用、毛糸はサイズが小さくなったニットの糸をほぐし、編みなおしたりもしていました。だからいつも身体にピタッとあっていた。今から思えば究極のサステナブル・オートクチュールでした。
(写真は新湊大橋と立山と海王丸の三点セット。私が撮影しました)
谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』のなかの「懶惰の説」を読む読書会に参加。
大昔に読んだことがあった本で、再読ではあったがすっかり新しい印象。この本は日本の西洋化が進む「二重生活」の矛盾のなかで失われつつある日本の美点を指摘した本でもあった。
当時とは逆に、(行き過ぎ)グローバリズムから日本の伝統の見直しが進む今だからこそ、新しい発見が多い。伝統を見る視点と言葉を与えてもらった。
とりわけ「懶惰の説」は、努力や意志で勤勉にあくせく目標を達成していく西洋型に対する、東洋的「懶惰」の在り方からの痛烈な批判になっている。
面白いのは、谷崎自身は、勤勉に小説を書く、懶惰の逆タイプなのだけれど、ここでの論理はあくまで懶惰の側に立って東洋的なあり方の良さを説いている。この茶目っ気のある余裕がいいですね。
刺戟性の強い食べ物を食べ、精力を濫費する西洋型の養生法よりも、決まった粗食を少なく食べ、あまり動かない東洋型養生法のほうが長生きする、食中毒になることもないし、という指摘にも笑いました。コスパ・タイパでパーパスに向かってハッスルしても、帰結するのは同じところだからねえ、たしかに…(笑)
いくつも興味深い発見あり。おいおい、原稿や取材などに反映させていきます。伝統工芸を見るときにはやはり、グローバル化以前の視線や言葉を知っておくことも不可欠ですね(勤勉型すぎる自分)。
日本経済新聞連載「モードは語る」。本日夕刊では、丹後の「民谷螺鈿」に取材した螺鈿織を見ながら考えたことについて。伝統を未来につなぐには何が必要かを、話を聞き、考えてみました。電子版は有料会員のみですが、こちら。
写真はグオ・ペイによる螺鈿織を使った2019年春夏クチュールコレクションです。©Guo Pei.
6月末の天皇皇后両陛下の英国公式訪問で披露された写真や映像は、両国間の友情や信頼や愛にあふれていて、世界中の人々に美しい記憶を刻んだと思います。
勲章はじめジュエリーやファッションも各場面で素晴らしい働きをしていましたね。カミラ王妃のジュエリーやファッションに関してはいつものとおり、イギリスではすぐに詳細が報道されるのですが。精緻な刺繍や優美な生地の質感が画面越しからも伝わってきた皇后雅子様の衣裳ブランドや生地の産地に関しては、一切の報道がありませんでした。ティアラに関してのみ、少し伝えられたのみ。
日本のファッションや伝統産業を世界に宣伝するのにまたとない機会であったと思うのですが(実際、キャサリン皇太子妃は公務のたびに着用ブランドが報道され、イギリスファッション界に絶大な貢献をしています)、なぜ一切公表されないのでしょう??
素朴な疑問をもったので、宮内庁のHPから問い合わせてみました。半月ほど経って、以下のようなお返事をいただきました。支障のない内容だと思いますので、シェアいたします。
「お問い合わせの件については、契約相手方等を公表していませんので、回答を差し控えさせていただきます。
なお、参考ではございますが、ドレスコードの指定のあった行事は以下のとおりとなります。
・イブニング・ドレス
国王王妃両陛下主催晩餐会
・デイ・ドレス
歓迎式典
国王陛下主催午餐会
無名戦士の墓御供花
国王王妃両陛下とお別れの御挨拶
V&A子ども博物館
オックスフォード御訪問」
まずはご回答いただいたことに心から感謝したいと思います。ですが、やはり「契約相手を公表していないので回答を差し控える」というお答えです。
なぜでしょうね? 公表すると、競合からの売り込みが激しくなったり、そのブランドや産地が注目を浴びることで周囲からの嫉妬によるバッシング問題が起きたりする?? 契約相手本人が遠慮する??理由は推測するしかないのですが、あの精緻な刺繍で歴史に残る白いコートドレスを作ったデザイナーが、何らかの形で報われるとよいですね。
こういう機会はやはり、作った人にも脚光を当てて称賛することが、デザイナーにとっても国にとっても良い影響しかもたらさないように見えるのですが(他国の王室の例が顕著です)。日本の考え方は違うようです。
ちょっと文脈は違うのですが、いま、パリオリンピックでのモンゴルの衣裳が話題です。デザイナー、ミシェル&アマゾンカのインスタグラムで、細部の写真を見ることができます。
https://www.instagram.com/michelamazonka/
見れば見るほど、モンゴルの歴史やアイデンティティを刺繍や細部に精緻に織り込んだ、すばらしい作品であることがわかります。このブランドが世界的に飛躍する契機になったと同時に、モンゴルの洗練されたイメージが格段に上がりました。
日本はオリンピックや万博で着用されるユニフォームなど関しては公表されることもありますが、とりわけ最近は、肝心のデザインが「どうしてこうなるのだ?!」と疑問を抱かざるをえない結果になることも多々。美しさというのはブランドイメージに直結します。誰が見てもヒドイ、というデザインは国およびそのイベントの印象をだだ下げするばかりだと感じるのですが、この点に関してあまり真剣に考えられていないようです。
パリオリンピックはLVMHやジャックムス、ケリングなどがここぞとばかりあらゆるビジュアルにおいてイメージコントロール。やはりワクワクするほど素敵なのです。くやしいけど(笑)
きものやまと展示会で毎回、次は何が出てくるんだろうとワクワクさせてくれるのがKIMONO by NADESHIKO。
デザイナーの金子茉由さん(中央)とアシスタントデザイナーの長谷川杏莉さん(左)の独創的なきものスタイルもかわいい。右のマネキンは片貝木綿の着物の上にタオル糸で織った羽織を着ています。細部にもこだわりがつまっています。
パリを中心に活躍するアーティスト、ナタリー・レテさんとのコラボもあり、私もコラボの羽織を羽織ってみました。ふつうに洋服の上から羽織って違和感ありません(……よね?😅)
写真下の振袖もNADESHIKOです。シックでかわいい、個性的な振袖で、普段着としても着用可能。
若いデザインチームがノリノリで楽しんでいるのが素敵で、社長の矢嶋さんも「いやもうコントロール不能です」(笑)と優しく見守っていらっしゃいます。風通しのいい社風を感じます。
「きものテーラー」Y.&SONSにも自由でスタイリッシュなメンズ着物の新作が豊富。
ドイツの皮膚科学者と福岡県糸島市のGST Japan 株式会社が共同開発したダーマトロジー スキンケアブランド、「ハウトシールド」発表会。「肌の盾」の意。
洗顔後、これ1本でOKというクリームは、ますます細分化が進むスキンケア市場では拍子抜けしそうですが、そもそも一般的なクリームとは構造そのものが違うとのこと。健康な肌を1枚重ねたような働きをして「楯」のように肌を育み、守ってくれるのがハウトシールドのクリームの考え方。
ファシリテーターにYukirin。代表のヤンケ清香さんのお話も興味深く、ビューティサイエンティスト岡部美代治さんの成分解説も勉強になりました。
ドイツの質実剛健と生真面目さが反映されているというイメージをうまくアピールした個性的なブランドですね。「キラキラ成分」は入ってないけれど、人類にとって普遍的に効果的な働きを精密に追求した、という姿勢が好感を持って受け入れられそう。
発酵エイジングケアFAS の10番目の新製品発表会。
Fas The Black Daily Sheet Mask.
丹後の黒米発酵エキス、山桜から生まれたポリフェノール成分
「精密発酵ナリンゲニン」、さらに屋久島産クチナシエキスなどを配合し、活性酸素を除去しながらエイジングケアをしてくれる5分間の「発酵漬け込みマスク」。
10月9日発売。
デビューしてもうすぐ一年になるFAS。開発チームの情熱もますます熱く、製品の原点に人がいる、ということを常に思いださせてくれる発表会。毎日のようにどこかで新製品が発表され、よい製品が過剰にあふれる時代だからこそ、携わる人間のぶれない意志と情熱が成否を決めるようなところもありますよね。PRの岡本さん、シロク専務の向山さん、ブランドマネージャーの井上さん、「Fermentation & Science Research Center」所長の伊達先生、そしてPRの田中さんはじめチームワークも絶妙です。
ブルネロ クチネリが表参道店地下アートスペースで能登・輪島で作られた漆器の展示販売会を開催。
土曜日に開催されたイベントでは、輪島千舟堂の社長、岡垣祐吾さん、塗師の余門晴彦さん、蒔絵師の代田和哉さんのトークと実演。
クチネリジャパンの社長、宮川ダビデさんが「輪島のためになにかできないか」と考えていたところ、ある日曜の散歩中に偶然、千舟堂の東京展示販売会を見つけ、そこからの発展でこの日に至っているとのこと。これぞ引き寄せですね。輪島にも2回、訪れていらっしゃいます。職人とアートを大切にするクチネリならではの支援で、輪島塗の技法ばかりか、現状や現地の人たちの思いも学ぶことができた意義深い日になりました。この道40年以上という職人さんたちのたたずまいも言葉も仕草も、深い味わいがあって、作品と同様、美しいなあ…。
表参道店アートスペースでは、日常に使える食器からハイアートにいたるまで、輪島塗の作品が、鑑賞できるだけでなく、購入もできます! 8月31日まで。ぜひ訪れてみてください。
神戸ファッション美術館で「皇帝ナポレオンとその時代」展開催中。
マニアックな学芸員からの写真と見どころ(がんばったところ)紹介のメールが届きました。
・壁を当時の版画で埋め尽くした
・当時の靴に合わせ、一体ずつヒールの形を変えて靴を履かせた
・会場で1957年のワルターのシンフォニーNo.3「英雄」を流している
ファッション史の学徒はぜひ訪れてみてくださいね。この時代のファッションを学んでおくと、「ブリジャトン家」を見るときにも理解が深まります。「ナポレオン」ものも「ジェーン・オースチン」原作ものもそうですね。
スターチャンネルで公開される『フュード/確執 カポーティ vs スワン』にコメントしました。
リアルサウンド映画部
https://realsound.jp/movie/2024/07/post-1716645.html
海外ドラマナビ
https://dramanavi.net/articles/257234
WEEKEND CINEMA
https://weekend-cinema.com/68284
伝説のBlack and White Ball が伝説どおりに再現されたのには興奮しました。代表的スワンにまつわるエピソードも、すべて名優たちが衣裳や演技に反映させています。アメリカファッション史の学徒はとりわけ見ておきたいドラマです。
〇スワンって誰?!っていうあなたのために、婦人画報で昔書いた解説のリンクをはっておきます。予習して臨むといくらかわかりやすくなるかも。
本物のセレブにして 最強のファッションリーダー。 アメリカで輝きを放った「スワン」とは?/前編 (fujingaho.jp)
本物のセレブにして 最強のファッションリーダー。 アメリカで輝きを放った「スワン」とは?/後編 (fujingaho.jp)
〇『スワンとカポーティ』映画パンフレットに寄稿したエッセイもご参考になれば幸いです。
英コッツウォルズ本社からバンフォードのインターナショナル・セールスディレクター、トニー・スタック氏来日歓迎。コッツウォルズの雰囲気に似た軽井沢のハンナフラガーデンにて。
バラをメインに500種の花が咲くプライベートガーデン。
近くのビルゲイツ別荘からビル邸で不要とされた土をおすそ分けいただいたそうです(縁起よい土⁈)
バラから夏の花へ移行中といった感のあるガーデンでしたが、巨大なミツバチ、蝶、鳥が飛び交うワイルドな楽園のような場所でした。
The Barnのお料理、エスティームのおもてなしも素晴らしく、AMATAオーナー美香さん(右)、美容ジャーナリスト倉田真由美さん(左)はじめゲストの皆様も素敵で学ぶこと多々。倉田さん隣はトニー・スタックさん。
コッツウォルズは30年ほど前に一泊、行ったきり。再訪したい思いが湧き上がっております。
今回の丹後取材で滞在したのは「かや山の家」。林間学校をリノベした、山の中にある素朴な、本当にシンプルな天空の宿です。
ジビエや地元食材を使ったお料理もヘルシーでおいしい。
何よりも朝起きて窓を開けたときの見晴らしは心のデトックス効果が高い。永遠に見ていられる佳景です。
丹後織物工業組合の理事長(中央)はじめ今回お世話になったみなさま。
とりわけ北林功さんからは京都や丹後、亀岡まわりのさまざまな企業や地場産業にまつわるエピソードや歴史をふんだんにレクチャーしていただき、脳内アップデートを助けていただきました。時間の単位が1000年、100年なのが京都らしい。100年先を考える習慣、私も身につけたい…
ありがとうございました。
麻布台ヒルズのディオールの建築が隈研吾さんによるものと話題になってますが、そのキモとなる流れるような金属の織物素材(写真が紛らわしくて恐縮です。この建築のインテリアに使われています)を作ったのは丹後のレオナルド(ダ・ヴィンチ)こと豊島美喜也さんですよ。銀座ロレックスのファサードも、この方の作品が覆っています。
詳細記事後日。もっと職人にも正当な光を当てていきましょう! 海外ブランドが日本の伝統工芸の何かを使うとき、産地の名前は出るかもしれないけれど、職人の名前までは出ない。いや、出していこうよ。尊敬に値するクリエーターですよ。無名の職人が作ることが良いとされる民藝とはカテゴリーが違います。ご案内くださった北林功さん、豊島美喜也さんと。
丹後の螺鈿を手がける民谷共路さんを取材。きらきら光るものはやはりラグジュアリーの原点なのですよねえ。
そもそも丹後に来るきっかけになったのは、MIZENの展示会でした。螺鈿を使ったとんでもなく美しいアイテムたちを見てしまったことです。天然のきらきらの輝き。これがシルクと調和するとなんともいえない幻想的な作品になる。ぜひ一度、作るプロセスを見たいと思い、MIZENデザイナーの寺西さんにおつなぎいただいた次第です。
民谷さん取材中の光景。ご案内を引き受けてくださった北林功さん撮影。
ルイ・ヴィトン、ディオール、ハリー・ウィンストンはじめ高級ブランドが民谷さんの螺鈿や箔を使った生地で作品を発表しています。詳細記事は後日。しばしお待ちくださいませ。
北林さん、民谷さんと。ありがとうございました!
丹後に取材旅。職人さんにお話を伺う合間のプチ観光です。今回のご案内役をお引受けくださった「Design Week Kyoto」の代表理事、北林功さんにご案内いただきました。
まずは「立岩」。高さ約20mの一枚岩です。地下から上昇してきたマグマが固まり、その後の侵食により周囲の岩石が削り取られてこの岩が残されたといいます。
周りにお土産店など皆無というそっけなさがいい。いわゆる「観光地」はどこも資本主義のにおいがぷんぷんしすぎるのです…。
倭文(しどり)神社にもご案内いただきました。
織物の守護神とされる「天羽槌雄命(あめはつちおのみこと)」を祭神として、毎年春に、丹後ちりめんの繁栄を伝える三河内(みごち)曳山行事が開催されるとのこと。全国に倭文神社はいくつかありますが、そこはすべて絹織物との関連が高い地です。
それにしてもどうやったら「倭文」を「しどり」と読むことができるのか…(笑) 初見ではかなり難しいですよね。
私は名前に「織物」と「香水」の各一字が入っているためか、この領域に呼ばれることが多い気がします。謹んで参拝してまいりました。
「ゼロニイ」7月号に掲載された、スパイバー社関山和秀さんのインタビューがウェブでも公開されました。こちらからご覧ください。
ファッションのための繊維は当初の目的ではなかったのですが、まっさきに反応してくれたのがファッション業界であったと。社内ではむしろ「ファッションのような軽いことをしたくない」という反対が起きていたそうなのです。それでも関山さんは、理解してくれる業界があるなら、そこから一緒にやっていけばいいではないか、と。大きな目標を掲げたらその程度の批判は「誤差」でしかなくなる、というものの見方にもスケールを感じたなあ。
人類が奪い合いをする必要のない無限の資源、それを作り出すことで世界平和を目指すという関山さんの志の高さに感銘を受けています。
桃野泰徳さんの『なぜこんな人が上司なのか』。具体例がふんだんに詰め込んであって、エピソードとエピソードをつなぐのに「話は変わるが、」というお約束の話法。目の前で講演を聞いているような楽しさを覚えました。
リーダーシップ論なのですが次第に広がって人生論そのものになっていく展開もよいですね。以下は本書からの備忘録メモです。ちょっといい言葉。
・善い人が良い糸をつくり、信用される人が信用される糸をつくる。
・部下や子供たちの中に眠る無限の可能性を、毛の先ほども疑わずに信じる力。
・永遠に続く想いが利他的であれば、それは道になり、私たちの人生に意味や奥行きを与えてくれる。一方、永遠に続く想いが利己的であれば、それは餓鬼、修羅、畜生であって、地獄に変わる。
・意味があると信じ、考え、行動し続けることで、あらゆる出来事が意味に変わる。
散歩中に遭遇した、香箱座りのまま道の中央でびくとも動かないお方。何が来ても動じない肝の据わり方(?)、見習いたい。
「ポライト・ソサエティ」試写。これが今のロンドンを舞台にするイギリス映画ということにまずは衝撃を受ける。パキスタン系家族を中心に脇はアフリカ系が目立つ。給仕と校長はアングロサクソン。
かつてなら悪ガキ3人組大活躍という青春Bコメディが女の子に置換された現代感がある。豪華フォーマル衣裳でのカンフーは眼福でした。監督はニダ・マンズール。
8月23日(金)公開
★2023年 英国インディペンデント映画賞 最優秀新人脚本家賞
2023年 フロリダ映画祭 観客賞
2023年 パームスプリングス国際映画祭 Directors to Watch
2023年 The Guardian’s Best Films